SENSHU ONLINE

2009年度 新刊紹介

叢書日本の安全保障第4巻
叢書 日本の安全保障第4巻 国際安全保障論2-アジア・太平洋の「戦略文化」-
発売日 2010.03.20
著 者 佐島直子【経済学部教授】丸茂雄一【法学部非常勤講師】
発 行 内外出版
価 格 本体2200円+税
07年に刊行された『国際安全保障論1―転換するパラダイム―』と対をなす1冊。「国際安全保障」の理論的な側面を中心に、安全保障問題へのさまざまな接近方法を示した前作に対し、本書はアジア・太平洋地域に焦点を絞り、特に「戦略文化論」の観点から「問題の所在」を抽出している。
「『安全保障』は、端的に言えば、自らの『命』の問題である。今を生きる一人ひとりが、地球的規模での世界的恒久的発展と無縁ではない、と気づくことが『安全保障』を学ぶ第一義である」と著者は述べている。
曲亭馬琴の世界戯作とその周縁
曲亭馬琴の世界 戯作とその周縁
発売日 2010.02
著 者 板坂 則子・著【文学部教授】
発 行 笠間書院
価 格 本体13000円+税
江戸後期のベストセラー作家であり、大長編『南総里見八犬伝』(全98巻)の著者である曲亭馬琴の世界を一冊にまとめあげた。A5判710頁を超える大作。現在、残された板本や稿本から作品の創作過程を細かく辿ることで馬琴作品に多く見られる手法を探り、馬琴の発想の型を見出す。また、馬琴の目指した「娯楽としての読書」がどのように存在したのか、読書史の中で馬琴が果たした役割も考察している。第四章「浮世絵における女性読者像の変遷」は圧巻。256もの読書する女性を描いた浮世絵を、通史的に概観、解説している。
 著者(いたさか・のりこ)=文学部教授。
NO IMAGE
World is beautiful
発売日 2010.02
著 者 北原 亜稀人・著(平17日文)
発 行 日本文学館
価 格 本体1050円税込
優しく、悲しい12篇の短い物語、著者の短編デビュー作。
転換点にきた学校選択制
転換点にきた学校選択制
発売日 2010.02
著 者 嶺井 正也・編著【経営学部教授】
発 行 八月書館
価 格 本体1400円+税
日本における公立小・中学校選択制の実態調査を踏まえた著作の三作目。ゼミ生が執筆に加わっている。前橋市や長崎市における選択制見直しの動きが2008年度に始まったことに基づき学校選択制が転換点を迎えつつあると指摘した点が今回の特徴。学校選択制を本格的に導入した品川区、足立区、広島市などの定点観測だけでなく新しく那覇市の分析も行っている。
編著者(みねい・まさや)=経営学部教授。
入門社会経済学[第2版]資本主義を理解する
入門社会経済学[第2版]  資本主義を理解する
発売日 2010.02
著 者 嶺井 正也・編著【経営学部教授】
発 行 八月書館
価 格 本体1400円+税
日本における公立小・中学校選択制の実態調査を踏まえた著作の三作目。ゼミ生が執筆に加わっている。前橋市や長崎市における選択制見直しの動きが2008年度に始まったことに基づき学校選択制が転換点を迎えつつあると指摘した点が今回の特徴。学校選択制を本格的に導入した品川区、足立区、広島市などの定点観測だけでなく新しく那覇市の分析も行っている。
編著者(みねい・まさや)=経営学部教授。
歴史学の醍醐味
歴史学の醍醐味
発売日 2010.01
著 者 西川 正雄・著【元 文学部教授】
発 行 日本経済評論社
価 格 本体2800円+税
ドイツ史、ヨーロッパ近現代史、国際労働運動史を専攻、歴史学の国際交流や歴史教育に尽力し、2008年に亡くなった西川正雄元文学部教授の遺稿集。3人の研究者(伊集院立・法政大学教授、小沢弘明・千葉大学教授、日暮美奈子・
専修大学文学部准教授)らの力で出版が実現した。論集出版に意欲を持っていた西川氏が遺したメモなどから氏の構想を探り、発表された論稿と報告を再録。歴史学の方法論、近代ヨーロッパ史のとらえ方、歴史教育を中心に据えた。「…私が面白いと思ったことが、読んでくださった方にも共有される、さらに広く社会的にも共有される、そのことが大事だろうと思います」。読者は故人が語る歴史学の醍醐味を味わうことができるだろう。
著者(にしかわ・まさお)=元文学部教授。
必携英語発音指導マニュアル
必携英語発音指導マニュアル
発売日 2009.12
著 者 [寄稿: 三浦弘、田邉祐司]【文学部教授】
発 行 北星堂
価 格 本体3500円+税
日本の英語教育を語る時、発音指導の遅れを指摘しない人はいないが、それに逆行するかのように「カタカナの発音でも十分」などといった考えがもてはやされている。教授法においても、文型と口頭練習中心から伝達能力重視のアプローチに変換し、教育現場には戸惑いが見られる。
本書は、英語教員がネイティブスピーカーに頼ることなく、一定の理論と具体的な手順をもって体系的に発音指導ができる方法を20人の研究者が提示したもの。専門的内容から、実際の授業に直結する内容まで幅広く取り上げており、英語発音指導のバイブルといえよう。文学部の三浦弘教授と田邉祐司教授が寄稿している。
取引・信用リスクマネジメントリスクの把握・評価・対応の実務
取引・信用リスクマネジメント リスクの把握・評価・対応の実務
発売日 2009.11
著 者 高市幸男・著【昭52商】
発 行 中央経済社
価 格 本体2400円+税
株式会社東京商工リサーチ取締役、中部地区本部長兼名古屋支社長の高市さんが、数千社に及ぶ信用調査業務で得た長年の経験を基に出版したリスクマネジメントに関する解説書。
金融危機関係の書籍は数多く出版されているが、リスクマネジジメントの理論展開による取引・信用リスクを中心としたものは少ない。本書は、中小企業経営者や一般社会人が理解できるよう、リスクマネジメントの基礎知識、取引・信用リスクなど、項目的に整理し簡素かつ体系的にまとめられている。
麻布怪談
麻布怪談
発売日 2009.11
著 者 小林恭二・著【文学部教授】
発 行 文藝春秋
価 格 本体1905円+税
文化3年。江戸は麻布の人里離れた草むらに佇む一軒家。そこに住む、妻と死別した「惑わず」を一歩手前にした男性のもとに、輝くばかりに美しい女性二人が現われる。
だが、女性二人はこの世のものではない。一人は狐の化身。一人は幽霊。その出会いは宿縁なのか。そして二人に翻弄される男性の運命は――。
タイトルから想像される陰々滅々さはなく、語り口は軽やかで流麗。ユーモアに富み、落語に出てくる人情話の趣を持つ。物語の背景に、実在の人物がさりげなく配されるところも読み所だ。
作者は『カブキの日』で第11回三島由紀夫賞を受賞。ロングセラー『俳句という遊び』は各界から絶賛され、俳句(句会)ブームの仕掛人のひとりと評される。
著者(こばやし・きょうじ)=文学部教授
ビジネスの9割は「県民性」でうまくいく
ビジネスの9割は「県民性」でうまくいく
発売日 2009.11
著 者 矢野 新一・著(昭46経営)
発 行 学研新書
価 格 定価840円
思春期・青年期の精神分析的アプローチ
思春期・青年期の精神分析的アプローチ
発売日 2009.11
著 者 乾吉佑・著【文学部教授】
発 行 遠見書房
価 格 本体3400円+税
40年におよぶ臨床経験の多くを費やしてきた思春期から青年期という「子どもでもない、大人でもない多感な年代」への精神分析的心理療法の実際をまとめた論集である。 短期療法や家族療法、親子並行面接法なども用いて、クライエントの状況やニーズに応じて幅広い心理療法で治療にあたった強迫性障害や、自閉症、境界性パーソナリティ障害などの疾患ベースのケーススタディ論文、学生相談や病院臨床といった多彩な臨床現場ベースの論文には、具体的な事例と技法が記されている。この世代特有の精神分析的な発達理論、精神病理論が掲載され、初学者から中堅の心理療法家にとって、学ぶべき点が多い1冊である。
著者(いぬい・よしすけ)=文学部教授。臨床心理士。担当は臨床心理学。
松本清張時代の闇を見つめた作家
松本清張 時代の闇を見つめた作家
発売日 2009.11
著 者 権田萬治・著【元文学部教授】
発 行 文藝春秋
価 格 本体1524円+税
没後17年、生誕100年を迎え、今も多くの読者を魅了している松本清張。犯罪動機の社会性を重視した清張文学。最大の魅力は、反権力の視点で、空しく歴史に埋もれていく名もなき庶民への共感を表現した点。その原点は時代の変化の中でも人々の心をとらえ続けていると著者は語る。本書では歴史小説、時代小説、現代小説、推理小説、現代史ノンフィクション、古代史研究と、それぞれに優れた業績を残した清張の広大な世界を、短編『天城越え』と川端康成の『伊豆の踊子』の比較に始まり、いくつもの名作に触れながら縦横に論じている。終章では、未完の『神々の乱心』が、清張没後3年目に起きたオウム真理教事件の予言的作品になった可能性を記している。
著者(ごんだ・まんじ)=元文学部教授、ミステリー文学資料館館長
大学経営の本質と財務分析
大学経営の本質と財務分析
発売日 2009.10.26
著 者 小藤康夫・著【商学部教授】
発 行 八千代出版
価 格 本体2200円+税
大学経営について論じる場合、一般企業の常識が通じないことが多い。おそらく大学が扱う教育や研究は、一般企業が生み出す財やサービスとまったく違った性格を持つと思われているためであろう。
だが大学でさえ、一般企業と同様に経営が行き詰まれば、最終的に破綻という悲劇的な結果を迎えざるを得なくなる。それを回避するには、経営の基本に忠実な運営を展開する必要がある。
そのためには多くの関係者たちに、経営内容を伝える決算書に関心を持ってもらうのが一番の良薬である。本書ではそうした意識から決算書の特徴を説明するとともに、大学が本来の機能を効率的に果たすための財務分析も試みている。
心臓病は食生活で治す
心臓病は食生活で治す
発売日 2009.10.22
著 者 松田麻美子・訳【昭46文】
発 行 角川書店
価 格 2100円
日本で死因の第2位、100万人の患者がいるといわれる心臓病は、食生活でケアできる――。外科医、臨床医として数多くの心臓病患者の治療に当たってきたコールドウェル・B・エセルスティン・ジュニア医学博士は、ナチュラル・ハイジーン(自然健康法による究極の健康栄養学)に基づいた独自の治療プログラムを開発した。手術を一切用いず、食生活の改善によって心臓病を完全に撃退。なぜこのようなことが可能なのか。心臓病の根本原因にまでさかのぼり、体にふさわしくない食事がどのようにして心臓病を引き起こすかをわかりやすく解説している。理論だけではなく、おいしく健康的な食事プログラムとレシピ183種類も掲載。
訳者は日本におけるナチュラル・ハイジーンのパイオニアとして数々の著作がある米ヒューストン在住の松田麻美子さん(昭46文)=自然健康・治癒学博士。
冤罪はいつまで続くのか
冤罪はいつまで続くのか
発売日 2009.10
著 者 矢澤 昇治・著【法学部教授】
発 行 花伝社
価 格 本体1700円+税
専修大学今村法律研究室は、再審請求中の刑事事件を中心に公開シンポジウムを3回にわたって開催した。関係者の報告や討議、実例の検証から、なぜ冤罪(えんざい)事件が後を絶たず、無実を晴らすことが困難なのか、日本の刑事司法の特質が浮かび上がるシンポとなった。その模様を再現したのが本書だ。「袴田事件」「狭山事件」「布川事件」など取り上げた事件は10件を超えた。
編著者(やざわ・しょうじ)=法科大学院教授。
決算から見た生保業界の変貌
決算から見た生保業界の変貌
発売日 2009.10
著 者 小藤康夫・著【商学部教授】
発 行 税務経理協会
価 格 本体2400円+税
1997年に戦後初の生保破綻が起き、4年間で7社が消えていった。一時は落ち着いたかに見えたが、2008年にはリーマンショックの影響を受け、8社目が破綻した。本書では繰り返される生保危機を冷静に観察しながら、生保会社が、近い将来、どのような方向へ向かっていくかを占う材料を提供している。そのアプローチとして、年度ごとに発表される主要生保の決算を客観的にながめながら、その年度の主要テーマを取り上げるスタイルを取っている。 厳しい経営環境に立たされた生保業界は、組織形態の変更などダイナミックな動きが予想される。
著者(こふじ・やすお)=商学部教授。担当は金融論、金融システム。
オスカー・ワイルドに学ぶ人生の教訓
オスカー・ワイルドに学ぶ人生の教訓
発売日 2009.10
著 者 グレース宮田・著【平19院文博】
発 行 サンマーク出版
価 格 本体1500円+税
英国在住の幼少時代に、英語の本をむさぼり読んだという宮田さんは、戯曲『サロメ』、小説『幸福の王子』などで知られる英国ヴィクトリア朝時代の作家・劇作家であるオスカー・ワイルドの研究で博士(文学)を取得。研究書『Oscar Wilde and Class』は大英図書館などにも所蔵され、現在は本学ほかでビジネス英語、比較文化論などを教えている。
オスカー・ワイルドの言葉について「自分の心に正直に生きた彼は、『個』がいかに生きるかを教えてくれ、『常識』にとらわれないその言葉に触れると自分は自分でいいんだ、みんなと違う感じ方でもいいんだと生きる勇気がわいてきます。のびのびと生きるきっかけにしてもらえれば」と宮田さんは話している。
『殺気!』
『殺気!』
発売日 2009.09.30
著 者 雫井脩介・著【平3文】
発 行 徳間書店
価 格 1680円
ミステリーのヒットメーカー雫井脩介さん(平3文)の最新作。
大学生の佐々木ましろは、12歳の時、何者かに拉致、監禁された経験がある。無事に保護されたが、深い心の傷を負い、催眠療法で記憶を封じこめている。そのせいか、ましろには特異な能力がある。防御本能が極端に強く、周囲の「殺気」を敏感に感じ取ってしまうのだ。ましろの不思議な力に興味を持ったタウン誌記者は、彼女の過去を調べ始める。やがて、拉致・監禁の真相が明らかになるとき、新たに恐るべき事件が…。スリリングなタイトルだが本書は、軽快な青春サスペンスの趣をもつ。明るくさわやかなキャラクターのましろと彼女を取り巻く周りの人物像も魅力。著者は2004年の『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。「週刊文春ミステリーベストテン」第1位にも輝き、ミリオンセラーに。
心理療法がうまくいくための工夫
心理療法がうまくいくための工夫
発売日 2009.09.30
著 者 乾吉佑ほか編著【文学部教授】
発 行 金剛出版
価 格 本体3400円+税
心理療法は、200種類以上あるといわれているが、すべてのクライエントに適用され、適合するような完全なる療法は残念ながら認められない。それゆえ、心理療法家や専門家は新たな技法を取り入れようと試みている。
本書は、15人の専門家がセラピーで工夫している点を紹介している。第1章「精神分析的心理療法」を担当した乾教授は40年に及ぶ経験から、「コンサルティー(相談者)として対応」、「曖昧さを受け入れる」といった心構えを記している。後進の能力向上とともに、心理療法の評価・本質・統合などを吟味する1冊となろう。
HACHINOHECITY
HACHINOHE CITY
発売日 2009.09.28
著 者 小林伸一郎【昭55経済】
発 行 講談社
価 格 3000円(税込)
永井荷風仮面と実像
永井荷風 仮面と実像
発売日 2009.09.25
著 者 柘植光彦・編著【名誉教授】
発 行 ぎょうせい
価 格 本体2857円+税
今年は永井荷風没後50年・生誕130年に当たる。荷風ほどいろいろな人たちに、さまざまな理由で愛されている作家はいないといわれる。それは彼の人生そのもの、経歴の多彩さによると編著者はいう。
本書は荷風の姿を生活者・探検家・文学者・抵抗者・耽美家・戯作者の6分野から考察。高橋勇夫、川本三郎、半藤一利ら、ところを得た筆者を揃えて「反近代」「同時代への抵抗」「江戸趣味と女性遍歴」などを解き明かしている。
最終章は編著者の担当で荷風の傑作とされる「四畳半襖の下張」原文と注釈・解説、さらに「わいせつ文書」公判で特別弁護人として被告無罪を主張した最終弁論が掲載されている。
専修大学の歴史
専修大学の歴史
発売日 2009.09
著 者 専修大学の歴史編集委員会
発 行 平凡社
価 格 本体1500円+税
専修大学は法律学や経済学などを教える社会科学系の大学では、慶應義塾大学に次ぐ歴史と伝統を持つ。
そこで、創立者たちの思いやその歩みをわかりやすく描き、歴史と伝統の上に未来を展望する大学の姿を世に示すため、『専修大学の歴史』を一般書として刊行し、多くの方々に理解を深めていただくことにした。
専修大学の歴史をひもとくと、明治初年、米国に留学し、ハーバード大学やエール大学大学院などで近代の法律学や経済学を学んだ4人の青年が帰国後、日本語で法律学と経済学の講義を行う学校を創立したことに始まる。
4人の名前は相馬永胤、田尻稲次郎、目賀田種太郎、駒井重格。彼らは官僚としての重職にありながら、近代社会に不可欠な国際的視野と専門的知識を持った人材の育成に努めた。また学術的にも近代法律学や経済・財政学の確立と発展に大きく寄与した。
特に実務で得た最新の知識や情報を駆使した彼らの講義は、学生たちだけでなく、市販された講義録を通して多くの青年たちに大きな影響を与えたという。
専修大学はその後、創立者たちが目指した法律学、経済学、商学の研究と教育の蓄積を受け継ぎ歩んできた。そして「法律の専修」「経済の専修」「計理の専修」と呼ばれ、優れた人材を多数輩出し、社会に貢献してきた。また2010年度には、新たに人間科学部を開設するなど総合大学として歩みを続けている。
大学の歴史は、日本の近・現代の歴史でもあり、時の政治や経済と深くかかわりあっている。
本書はそうした観点から専修大学の歴史を通して、幕末・明治・大正・昭和、そして平成という時代をより具体的に描くことを心掛けた。それゆえ、歴史に興味を持つ多くの方々にも、十分、関心を持っていただける内容となっている。
本書のもう一つの特色は、当時の専大生や校友たちの活動を描いた点にある。学校とは、そこに学ぶ学生がいてこそ存在する。学生や卒業生の歴史は、その学校の歴史といっても過言ではない。だからこそ『専修大学の歴史』では彼らの動向に着目したのである。
イギリスの性教育政策史
イギリスの性教育政策史
発売日 2009.08
著 者 広瀬 裕子・著【法学部教授】
発 行 勁草書房
価 格 本体4900円+税
子どもに「性」をどう教えるかということを、サッチャー政府は国策として考えた。背後には十代の望まない妊娠や性感染症の拡大がある。本書は、イギリスに登場した性教育義務化政策が具体化するまでの錯綜を描いている。「性」を教育政策の領域で論じた異色の一冊。<日本教育行政学会賞を受賞:2010.10>
藤沢周平が描ききれなかった歴史
藤沢周平が描ききれなかった歴史 
発売日 2009.08
著 者 青木美智男・著【専修大学史編集主幹/元文学部教授】
発 行 柏書房
価 格 1800円+税
藤沢周平作品の人気は、没後10年以上たったいまも衰えを知らない。藤沢は、おもに江戸時代を舞台にした数多い作品のなかで8作ほどの歴史小説を書いているが、とりわけこだわりをもって発表したのが『義民が駆ける』だ。本書は、この傑作に宿る魅力の源泉を追求した。
『義民が駆ける』の主題は、出羽庄内地方で起こった「三方国替え反対一揆」。著者は、藤沢が描いた筋書きとは別の筋書きがあったのではないかという疑問をもつ。これまでの研究蓄積をもとに、藤沢が小説のためにたどった思考/試行を解きほぐしていくことで、より踏み込んだ歴史解釈を提示している。
著者(あおき・みちお)専修大学史編集主幹。元文学部教授。専門は日本近世史。
米国統治下沖縄の職業と法
米国統治下沖縄の職業と法
発売日 2009.07.25
著 者 中野育男・著【商学部教授】
発 行 専修大学出版局
価 格 2800円+税
本書は、米国統治下の沖縄における住民を対象とした職業保障に関する法制度の形成と発展の過程を考察し、その特質を究明する。職業保障は、住民がその生存の基盤とする職業について、生涯にわたって多面的かつ総合的に保障するためのシステムの全体をいう。
普遍的に職業生涯の全般を支える学齢期の児童生徒を対象とした職業教育から始まり、就職後の労働災害や職業病に対する補償、社会経済の変動によって発生する失業からの保護、さらには、新たな就職のための支援を行う職業紹介、円滑な再就職を促進したり新たな労働需要に対応できるようにする職業訓練などの法システムが含まれる。著者はすでに前著『米国統治下沖縄の社会と法』(専修大学出版局・05年)を刊行し、この時代の沖縄の社会保障と法制度に関する体系的な検討も行っている。
著者(なかの・いくお)商学部教授。主な担当は労働法。
身近な経済学-小田急沿線の生活風景
身近な経済学-小田急沿線の生活風景
発売日 2009.07
著 者 原田博夫 編【経済学部教授】
発 行 専大出版局
価 格 本体700円+税
地元密着型の情報紙として親しまれていた『小田急沿線新聞』に2005年1月から同12月まで、本学の経済・経営・商学部の教員が交流し、わかりやすいコラムを執筆した。『身近な経済学小田急沿線の生活風景』はそれをベースに敷衍し、時代背景と地域特性を反映した、問題提起型の書籍をつくろうという意見がまとまり、完成したもの。地域(原田博夫経済学部教授、永江雅和同教授、内山哲朗同教授、在間敬子京都産業大学経営学部准教授)、暮らし(上田和勇商学部教授、泉留維経済学部准教授、熊倉広志商学部教授)、ビジネス(加藤茂夫経営学部教授、田口冬樹同教授、馬塲杉夫同教授)の3部に分かれている。挿絵と執筆者の似顔絵を吉田雅明経済学部教授が協力している。
格差社会の統計分析
格差社会の統計分析
発売日 2009.06
著 者 福島利夫・著【経済学部教授】
発 行 北海道大学出版会
価 格 本体3000円+税
現代日本の社会問題を集約する「格差社会論」。本書は、「格差社会と統計」に関する3編(人口・労働、生活・福祉、地域・環境)13章にわたる多様なテーマから構成され、現局面で展開されている社会の格差構造を分析し、その実態を解明することを課題としている。
福島教授執筆の第9章「格差・貧困社会と社会保障」は、「格差社会」論が「貧困社会」論へと深化したことを指摘し、日本の社会保障と生活設計の枠組みの変化を取り上げ、貧困の諸相を概観している。第6章「年金格差と高齢者の貧困」を唐鎌直義経済学部教授が執筆している。
編著者(ふくしま・としお)経済学部教授。担当は経済統計学ほか。
100eggs(ワンハンドレッド・エッグズ)
100eggs(ワンハンドレッド・エッグズ)
発売日 2009.06
著 者 渡邉睦月・著【平9院文修】
発 行 幻冬舎
価 格 本体1300円+税
ドラマ「輪舞曲」、「リセット」、映画「恋空」など話題作を次々と手掛けている脚本家の渡邉睦月さん(平9院文修)初の書き下ろし長編小説「100eggs(ワンハンドレッド・エッグズ)」。
ハードなスケジュールのテレビ業界に振り回され、人生に疲れきった女性脚本家が主人公。体の不調を感じ、受診した産婦人科で「妊娠のチャンスはあと100回しかない」と告げられたのが、37歳の誕生日。「子供を産まなかったら、わたしは一生ひとりで、最後はのたれ死ぬのかもしれない」と愕然とし、恐怖感すら覚える。そんなときにマンションに転がり込んできた脚本家志望だという17歳の美少年。不思議な魅力をもつ彼との出会いから生まれる奇跡とは…。
小さいころから書くことが好きで学部時代から小説家志望だったが、大学院時代、なかなか書けずに小説家への道を断念したという渡邉さん。脚本家としてキャリアを積み重ねて今作を一気に書きあげたとのこと。
恋に仕事に頑張るアラフォー世代にお薦めの1冊。プロデュースは新堂冬樹氏。
日本文化の原型
日本文化の原型
発売日 2009.06
著 者 青木美智男・著【専修大学史編集主幹/元文学部教授】
発 行 小学館:全集「日本の歴史」別巻
価 格 2600円+税
暮らしの基盤をなす日本文化の源流を江戸時代に求め、日本独自の文化がどのように形づくられたかをひもといた。
衣食住にはじまり旅、演劇、出版、教育のありよう、庶民の興味の移ろい、環境問題……。多様な分野を取り上げ、発信側でなく、受け手側の視点で展開した異色の文化史。江戸時代の文化の成熟度をあらためて見直す一書だ。
金融危機にどう立ち向かうか-「失われた15年」の教訓
金融危機にどう立ち向かうか-「失われた15年」の教訓
発売日 2009.06
著 者 田中隆之・著【経済学部教授】
発 行 筑摩書房
価 格 780円+税
世界金融危機・同時不況のなか、各国政府・中央銀行は異例ともいえるさまざまな対応策を打ち出している。それらは、どのような狙いと効果をもつのか。こうした議論に示唆を与えるのが、平成不況、すなわち「失われた15年」における日本の経験だ。
当時、金融政策は量的緩和という未踏領域に踏み込み、財政政策は巨額の減税と公共事業を行った。金融システム安定化のための政策(プルーデンス政策)は、不良債権の処理を先送りしつつ、銀行の破綻処理や救済を行い、徐々にその体系を整えた。本書では、90年代以降に展開された3つの政策を総括し、その経験が現今の世界金融危機にどう生かされているか、生かされるべきかを考える。
著者(たなか・たかゆき)経済学部教授。主な担当は財政金融政策。
知のツールボックス改訂版
知のツールボックス 改訂版
発売日 2009.04
著 者 専修大学出版企画委員会
発 行 専修大学出版局
価 格 本体700円+税
専修大学出版企画委員会(委員長=大庭健文学部教授)では、高校までとは異なる「大学」での勉強の仕方について、新入生(フレッシュマン)の戸惑いを解消するため、「知のツールボックス」を2006年に刊行した。1年次生全員に配布され、全学的に初年次導入教育に活用されているほか、全国の書店でも扱われ、多くの大学でテキストとして採用され、好評を博している。本年4月、教員や学生からのアンケート結果を参考に、別冊ワークブック付きの改訂版を刊行。学部新入生にはガイダンスで配布された。
問題が与えられ、正解に至る解法を身につける高校までの学びとは違い、大学では「問題があることに気づき、自ら『問い』をたてる。そこから出発して、あるかないか分からない『答え』を求めて調べ、考え、議論し、自分の考えを整理して表現できるようになる」ことが求められる。本書では「第1章・話を聞き、ノートをとる」から、「第7章・ネットのコミュニケーションを活用する」まで、「自ら動かなければ何も始まらない」大学での学びに順応できるよう、8人の教員が分かりやすく執筆した。
 改訂版は、文字を簡略化し、図表も分かりやすく工夫して「読む本」より「見る本」に近づけた。読むだけでなく、実際に使って理解を深めてもらうために付いている40ページの別冊ワークブックは、ステップ1から3まで難度を上げながら、ステップアップできる仕組みになっており、自習用としても活用できる。
白洲家の流儀
白洲家の流儀
発売日 2009.04
著 者 白洲 信哉・著【(平2文)】
発 行 小学館101新書
価 格 本体700円+税
父方の祖父母が実業家の白洲次郎と随筆家の正子、母方の祖父が文芸評論家の小林秀雄という著者は、本学で歴史学を専攻。進学を機に町田市・鶴川の「武相荘」に下宿し、骨董の目利きとして知られる祖母のもとで、「本物を見る目」を磨いた。イギリス留学から帰国後、細川護熙元首相の秘書を務め、現在は文筆家として『週刊ポスト』などに連載を持つ。書籍編集や文化イベントのプロデュースも手がけるが、「興味のあるものしかやらない」と決めている。
 白洲次郎、正子夫妻の生き方が現代の人々の心をとらえているのはなぜか。日本各地めを旅し、自然を愛で、伝統文化の普及に努める著者はこう考える。
 「『欧米を追いかける時代』から、『日本の伝統や文化を見直す時代』に入ったのではないだろうか。何かが変だと気づき、この国を見直したいという日本人の発露によるものだと思えてならない」と。
3人の祖父母の生きる姿勢から教わったこと、吸収したこと。そして引き継いだ潔い生き方がつづられており、こう締めくくられている。 「山や川、滝や木にいたるまで神が宿っていると信じた我々祖先の思想を大切にしたい。それを礎に魂のこもった唯一無二の言葉で古と今とを紡いでいくこと―これが僕のやるべきことだと覚悟している」。
NO IMAGE
『初冠』
発売日 --
著 者 諸角弘(昭28商経)著
発 行 --
価 格 --
元中学教諭の諸角弘さん( 昭28商経)が昨年11月、作品集「初冠」を刊行した。短編集「うろうろ舟」を08年に刊行しているが(本紙第456号既報)、今回の作品集は全7編で時代小説あり、戯曲あり、演劇台本ありと、実にバラエティーに富んだ内容となっている。
表題作「初冠」は元服を迎えようとしている武田信虎の次男・次郎が主人公の時代小説。初冠とは元服の別称で、「頭髪や服装を幼童のものから成人の装いに改め、そのとき冠(烏帽子)を着け」ることから、こう呼ばれている。
戯曲「夕山彦」は美しい秋の奥相模を舞台に、山村に住む人たちの考え方や行動、心の動きをとらえようとした小品。また、演劇部顧問だった時に放送劇の台本として執筆された「乙女雲」や、ケーブルテレビ局のドキュメンタリー番組の台本「棟札」などを収め、諸角さんの幅広い執筆活動の一端がうかがえる作品集だ。
NO IMAGE
Japanese Sea Power : A Maritime Nation's Struggle for Identity  Sea Power Centre-Australia
発売日 2009
著 者 佐島直子【経済学部教授】
発 行 --
価 格 --
本書は、Foundations of International Thinking on Sea Powerシリーズの第二巻であり、オーストラリア・シー・パワー・センターより刊行された英文書籍である。日本の海洋能力を古代水軍の時代から第二次世界大戦後の海上自衛隊にいたるまで、わかりやすい英文で描出している。想定される読者が、海外において「日本」を学習しようとする学生、軍人など初学者であることから、彼らの興味と理解を促すために、全ページカラー刷りで、写真や図版もふんだんに用いられている。また、序章で日本の海洋地政史が詳説され、付録にも詳細な史資料が添付されているので、英文による日本史全般の学習テキストとして日本人学生も活用できるだろう。
NO IMAGE
言語・文化研究センター叢書
発売日 --
著 者 言語・文化研究センター
発 行 専修大学出版局
価 格 (下欄参照)
「言語・文化研究センター叢書」の刊行 「Anglo-Saxon 語の継承と変容」プロジェクトの集大成
中世英文学、英語学、西洋写本の研究を進めている「Anglo-Saxon 語の継承と変容」プロジェクト(文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業オープン・リサーチ・センター整備事業・2005年度選定~09年度)の集大成となる、『専修大学社会知性開発研究センター/言語・文化研究センター叢書』(全11巻の予定)がスタートした。
 発刊されたのは
▽『Anglo-Saxon 語の継承と変容I 中世英文学』(松下知紀・池上忠弘編4620円)
▽『同III英語学・言語学』(松下知紀・長谷川宏・下宮忠雄編4200円)
▽『イポミドン伝』(唐澤一友訳2310円)
▽A Comprehensive Textual Collation of TROILUS AND CRISEIDE(Editedby Yoshiyuki Nakano, Masatsugu Matsuo, Akiyuki Jimura 5880円)
▽A Glossarial Concordance to William Langland’s THE VISION OF PIERS PLOWMAN:The Z-Text(Edited by Tomonori Matsushita 7350円)
など論文集、翻訳書、英文書5冊(価格は総額)。 中世英文学の基礎資料、手稿写本(Manuscript)の研究論文や中世ロマンスの翻訳書のほか最新の言語学理論における音韻・文体研究などの成果が網羅されている。
 今後は、『サー・ガウェインと緑の騎士』(翻訳)、『Anglo-Saxon 語の継承と変容II』が刊行されるほか、専修大学図書館所蔵の貴重な西洋写本のカラーファクシミリ、Piers Plowman『農夫ピアズ』のテキストなどの刊行も順次予定されている。
センディ

センディナビ