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2018年度 新刊紹介

専修人の本・石原敬子さん著
株・証券用語がよくわかる本
発売日 2018.09.28
著 者 石原敬子著(平2文)
発 行 秀和システム
価 格 1500円+税
2006年に刊行され、学生や投資初心者向けの本として第4版まで改訂を重ねてきた『株・証券用語がよ〜くわかる本』をリニューアル。古くなった用語と最近よく使われる用語を入れ替え、情報も最新のものにアップデートした。
基本である「証券」から始まり、「ロボアド」などの最近の投資環境に関する用語まで、最新・最重要語句350語を、かみ砕いた表現と豊富な図解イラストで分かりやすく解説。各用語にはユニークな一言コメントが添えられており、クスッと笑いながら、楽しく学ぶことができる。
著者の石原敬子さん(平2文)は証券会社で13年間、営業を経験、現在はファイナンシャル・プランナーとして活躍。『金融用語がよ〜くわかる本』なども執筆している。「初心者にも分かりやすく、お客様に寄り添った解説書を心掛けた」
専修人の本・荒木田和子さん著
経営者が楽になる!職場のメンタルヘルス対策
発売日 2018.09.14
著 者 荒木田和子著(平元文)
発 行 ギャラクシーブックス
価 格 1350円+税
〝心のケアの専門家〞臨床心理士として活躍する荒木田和子さん(平元文)の初の著作。企業における臨床心理士の役割やメンタル面から従業員をサポートするEAP(従業員支援プログラム)の展開方法などを解説し、臨床心理士を会社経営に活用する方法を紹介している。
荒木田さんは、福祉・医療・産業領域で25年以上の実務経験を持ち、現在はEAPコンサルタント業務を行うEAPパートナーカウンセリング・オフィスで代表を務める。
本書では特に、中小企で活用できる臨床心理士の仕事やサービスについて実例を交えて紹介。「中小企業の経営者の方々は、社員の心の問題をどこに相談していいか分からない。そういう人にEAPを知ってもらい、利用してほしい」と話している。
 
専修人の本・野口教授著
日本の鉄道 鉄道趣味初心者からマニア・コレクターまで
発売日 2018.07.21
著 者 野口武悟編著
発 行 日外アソシエーツ
価 格 9250円+税
鉄道を趣味として愛好する人は老若男女を問わず多い。一口に鉄道といっても、鉄道写真、旅行、模型、時刻表、駅弁など、愛好する人のジャンルは幅広い。そして、これらのジャンルごとに、あまたの図書が生み出され、鉄道の魅力や奥深さを社会に発信し続けている。
本書は、鉄道をテーマとしたレファレンスツール( 調べるためのツール)である。
これまでも鉄道についての事典や図鑑といった事実解説タイプのツールは数多く編まれてきた。しかし、本書は、事項解説を載せつつも、案内指示タイプのツールとして編まれた。つまり、鉄道について書かれた主要な図書を網羅した書誌である。
鉄道初心者向けから上級者向けまでの図書5410冊の書誌情報を収めている。鉄道を知る旅への出発駅として本書を利用してほしい。知のナビ事典。
編者(のぐち・たけのり)文学部教授、図書館学。

 
専修人の本・出岡教授著
「かたり」の日本思想 さとりとわらいの力学
発売日 2018.04.20
著 者 出岡宏著
発 行 角川選書
価 格 1700円+税
昔から人々を楽しませてきた能、歌舞伎、狂言、落語などの芸能では人生の苦楽、機微といったことが表現されてきた。本書では「さとり」「とむらい」「いましめ」「わらい」の四つに分類しながら物語を読み解き、その根底に流れる日本人の価値観や死生観に踏み込んでいく。
「芸能や詩歌は日本人の思想なのである」(「まえがき」より)。著者は日本人の生き方を、芸能を通して、面白く、粋なものとして語れないか、本書で試みている。
執筆にあたり、著者は大学生やゼミ生に向けた講義をイメージした。日ごろ、教室で行っている工夫が随所に反映されており、映画や落語など、さまざまな物語を引き合いに出しながら話を展開。読み手を飽きさせない。
著者(いずおか・ひろし)文学部教授。日本思想史。
専修人の本・校友(田中ひかるさん著)
「毒婦」和歌山カレー事件20年目の真実
発売日   2018.07.02
著 者   田中ひかる著(平13院文修)
発 行   ビジネス社刊
価 格   1600円+税
夏祭りで作られたカレーにヒ素が混入され、67人が急性ヒ素中毒を発症し、うち4人が死亡した和歌山カレー毒物事件から今年で20年たった。
現場近くに住む林眞須美夫妻が別件逮捕され、妻はカレー事件の殺人と殺人未遂容疑で再逮捕。カレー事件無罪を主張して争ったが2009年死刑が確定。再審請求は棄却され即時抗告している。
カレー事件の現場で何が起き、法廷で何が裁かれたのか。眞須美死刑囚はカレーに毒物を混入させた「毒婦」として人々にイメージされ、メディアスクラム(集団的過熱取材)があったことも、人々の記憶に刻まれている。
歴史社会学者の田中ひかるさん(平13院文修)はカレー事件の資料や報道内容を一から検討し、眞須美死刑囚と面会・文通を重ね、林一家を長年取材してきた。本書では「女性の犯罪とジェンダー」という側面から切り込み、死刑囚の「実像」と事件の「真相」に迫っている。
専修人の本・小森田龍生講師
過労自死の社会学-その原因条件と発生メカニズム
発売日   2017年度専修大学課程博士論文刊行助成による出版。2018.8重版
著 者   小森田龍生著
発 行   専修大学出版局
価 格   2600円+税
労働者の自死問題は、過労自死(過労自殺)と呼ばれ、その主たる原因は長時間労働・働き過ぎであると考えられてきた。しかし、日本で長時間労働を強いられる労働者は多数存在するが、ほとんどの場合、健康をむしばまれながらも自死には至らない。長時間労働だけを原因と捉えてては、労働者の自死問題の実態を見誤る。
では、労働者を自死に追い込む長時間労働以外の要因とはいかなるものか。本書はこの点について、判例を対象とした計量分析と事例研究により、職場での人間関係上の問題( ハラスメント等)が鍵であることを明らかにする。証拠が残りづらく、線引きも難しい人間関係上の問題への対策は容易ではない。それでも、日本人の「働き方」が問われているいまこそ目を背けずに議論を深める時機だ。
著者(こもりだ・たつお)経営学部非常勤講師。労働社会学、死の社会学。
専修人の本・櫻井宏二郎教授著
日本経済論-史実と経済学で学ぶ
発売日   2018.01.18
著 者   櫻井宏二郎著
発 行   日本評論社
価 格   2600円+税
本書は、大学生と一般ビジネスマン向けに書かれた日本経済のテキストである。「史実と経済学で学ぶ」と副題にあるように、特徴は歴史的経緯と経済学的視点を重視しているところにある。
江戸や明治から始まるところは経済史のようであるが、人的資本理論を持ち出し、生産要素賦存に注目するところは開発経済学に近い。また日本的経済システムのルーツを探るのは本書の隠れたテーマである。後半は、バブル崩壊とアベノミクス、今後の人口減少の影響などにページ数が割かれ、近年の経済事情の解説となっている。
専門知識なしで読めるよう平易な言葉で書かれており、経済・経済学の入門書としても薦められる。
著者(さくらい・こうじろう)経済学部教授。日本経済論。
専修人の本・古田准教授20180715
言葉の魂の哲学
発売日   2018.04.10
著 者   古田徹也著
発 行   講談社選書メチエ
価 格   1700円+税
あたかも魂が入ったかのように、言葉が生き生きとした表情を持ち始める瞬間。あるいは逆に、言葉から表情が急に失われ、魂が抜けたように感じる瞬間。本書は、そうした体験のもつ言語実践上の意味と、その社会的な重要性を探っている。
まず、第1章で取り上げられるのは、中島敦の『文字禍』と、ホーフマンスタールの『チャンドス卿の手紙』という2編の小説である。そこで浮上する論点を踏まえて、続く第2章と第3章では、ウィトゲンシュタインとカール・クラウスの特異な言語論がそれぞれ詳しく跡付けられている。
以上の探究を通じて本書は、言語をめぐる意外な論点を指摘し、同時に、言語を用いて生活する私たちの社会にとって重要な、一個の倫理の存在を明るみに出している。
著者( ふるた・てつや)文学部准教授。哲学・倫理学。
専修人の本・坂野教授著20180715
ホロコースト表象の新しい潮流 -ユダヤ系アメリカ文学と映画をめぐって
発売日   2018.04.04
著 者   坂野明子共著
発 行   彩流社
価 格   3000円+税
本書は2013年から3年間にわたって「21世紀のホロコースト表象」というテーマで科研の助成を受け、研究を重ねてきた成果として出版されたものである。
アウシュヴィッツ解放から73年、戦後生まれのユダヤ系アメリカ作家たちにとっては、時間的にも地理的にも遠く離れた事象でありながら、ホロコーストはアイデンティティーにも関わる大きな問題だった。本書では、アメリカにおけるホロコースト受容の歴史やイスラエルの政治利用などの時代状況も絡めながら、各作家のホロコースト表象を検証している。
なお、近年はヒトラーやホロコーストを扱った映画が数多く制作されているが、そこから見える新しい傾向についての詳細な論考も含まれている。
著者( さかの・あきこ)文学部教授。アメリカ文学。他の著者は▽佐川和茂青山学院大名誉教授▽大場昌子日本女子大教授▽伊達雅彦尚美学園大教授
専修人の本・上野歩著(校友)
キリの理容室
発売日   2018.05.10
著 者   上野歩著(昭63文)
発 行   講談社
価 格   1500円+税
理容店を舞台にした小説『キリの理容室』は、自分と父親を捨てた理容師の母親を見返すため、専門学校を卒業し理容店で修業する神野キリの物語。彼女の夢は「女性も通えるおもてなし精神の店を持つこと」だ。
著者の上野歩さん(昭63文)は小説すばる新人賞でデビュー。最近は、『削り屋』をテーマに町工場を取材した小説が話題に。今回はその取材力を生かして理容業界の理想と現実に迫った。
きっかけは、複数の理容師との出会い。業界の歴史を学び、理容学校の授業を受けた。「ハサミやカミソリを扱う生徒たちの真剣なまなざしに圧倒された」と言う。
全国に10万軒といわれる理容店。競争は激しく、店主は、ウデはもちろん、立地から従業員の育成まで経営全体への力量が求められる。文中でも神野キリがこうした課題に直面し、悩む場面が出てくる。
上野さんは「奮闘する主人公が社会人として成長する姿に心を寄せてくれたらうれしい。これからも一途に打ち込む職人に光を当てていきたい」と話している。
専修人の本・新井元教授著
五日市憲法
発売日   2018.04.21
著 者   新井勝紘著
発 行   岩波新書
価 格   820円+税
1968年夏、東京の五日市にある「開かずの蔵」と呼ばれる朽ちかけた土蔵から、和紙24枚つづりの文書がみつかった。この地域の自由民権運動から誕生した「五日市憲法」草案である。当時学生で、最初にこの草案を手にした著者はのちに日本近現代史の学者となる。
本書では、発見に至った経緯を当時の時代背景とともに紹介。起草者である千葉卓三郎の足跡をたどり、草案と格闘してきた半世紀を振り返ることで、千葉ら草案づくりに情熱を燃やした五日市の人々の真意に迫る。
そこから見えるのは明治憲法発布前である1880年代の民衆の姿だ。明治維新ののち、国のあり方を真剣に考え、議論を重ね、自分たちで憲法を創ることによって新しい日本の姿を夢見た。
著者は言う。「基本的人権について多く触れている五日市憲法の、現代に通じる輝きを感じ取ってほしい」
著者(あらい・かつひろ)元文学部教授。自由民権運動史。
専修人の本・土屋教授著
映像の可能性を探る
発売日   2018.03.30
著 者   土屋昌明編著
発 行   専修大学出版局
価 格   3200円+税
本書は2013年から3年間にわたって取り組まれた社会科学研究所特別研究助成のグループ研究「方法としてのドキュメンタリーの形成とアジアにおける発展」の成果をまとめた一冊である。
20世紀後半、映像による視覚文化が発展するプロセスで、特にドキュメンタリー映画が、どのような作用を及ぼすものとして扱われてきたかを、「事実記録」「プロパガンダ能力」「文化人類学への利用」「文化理解や文化交流への活用」などの側面から考察している。
各章の担当は▽第1章 下澤和義商学部教授▽第2章 上原正博法学部教授▽第3章 根岸徹郎法学部教授▽第4章 土屋昌明経済学部教授▽第5章 三田村圭子経営学部非常勤講師▽第6章 劉文兵経済学部非常勤講師。
社会科学研究叢書20。
編者(つちや・まさあき)経済学部教授。中国語。
専修人の本(校友)・山口ミルコさん著
ミルコの出版グルグル講義
発売日   2018.01.29
著 者   山口ミルコ著(昭63文)
発 行   河出書房新社
価 格   1500円+税

出版社の編集者としてヒット作を次々と世に出してきた山口ミルコさん(昭63文)は、2009年に退社後、文筆家としてエッセーなどを上梓、本書は4作目の著作となる。2016年から2年間、大学の教壇に立ち、本の編集について講義を行った。
大学の非常勤講師としての経験と、本を作る側と書く側双方の体験を合わせ、「出版とは何か」を考える一冊になっている。講義の準備として書店や倉庫、古紙再生工場や印刷所などの現場に足を運んだ。本の廃棄作業を行う工場で新品の本が粉々に砕かれる衝撃的な場面の描写もある。
タイトルの「グルグル」は人と人とのつながりや物事の連鎖を意味し、本書の随所に現れる。編集者という仕事を伝えるグルグルの中で得た著者の発見がちりばめられている。
専修人の本(校友)・雫井脩介さん著
引き抜き屋 1 鹿子小穂の冒険
      2 鹿子小穂の帰還
発売日   2018.03.15
著 者   雫井脩介著(平3文)
発 行   PHP研究所
価 格   1巻 1700円+税 ・ 2巻 1800円+税
アウトドア用品メーカー創業者の娘として育った主人公・鹿子小穂。父との確執を持ちながらも、創業家の一人として父の会社で役員を務めていた。あるとき父は、大槻という人間を会社に招き入れた。「ヘッドハンター」を介した、いわゆる独断人事。大槻と衝突し会社を去った小穂だが、奇妙な縁でヘッドハンティング会社の社員になる。
心機一転、ヘッドハンターとなった小穂は優れた経営者たちとの出会いを通して「経営」や「仕事」、そして「人」とは何かに目を開いていく。そんな小穂のもとに、父の会社が経営危機になっている知らせが―。父娘の苦い関係を抱えつつも、小穂は父の会社の救済に奔走する。
ひたむきに仕事を続ける主人公が、人間としてもプロフェッショナルとしても成長していくヒューマン・エンターテインメント。作家・雫井脩介さん(平3文)は新たな境地を開いた。
専修人の本・小藤康夫教授著
生保会社の経営課題
発売日   2018.03.10
著 者   小藤康夫著
発 行   税務経理協会
価 格   2400円+税
わが国の生保市場は大きな変化に直面している。保障型生保商品が中心の構造から貯蓄型生保商品へ移行しており、また、運用環境は激変し、高金利から超低金利の時代に転換している。
しかも、日本経済は人口減少から高成長は望めない。わが国の経済活動が低迷するなかで、生保市場だけが伸びていくのはかなり難しい。
本書では、厳しい経済環境のもとで生保会社に突きつけられたさまざまな経営課題について、年度ごとに発表される決算報道に基づきながら、わかりやすく解説している。
その期間は2010年3月期から17年3月期まで。
これにより生保会社の変遷とともに将来の姿が明らかになるのではないかと思われる。
著者( こふじ・やすお)商学部教授。金融論、金融サービス。
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