2009/03/15編集
   出岡ゼミ                4
<能>を読む

 謡曲(能の脚本)と,能の大成者である世阿弥の芸論を原文で読む。  謡曲には,さまざまな悲劇に引き裂かれた主人公(シテ)が登場し,相手役 (ワキ)がその心を聞き取る。それは日常の我々が普通に行う「あなたの辛さはわかるけれど」という類の慰めことばの,「けれど」の手前に立って相手と向き 合うことである。そのような謡曲を,上で述べた姿勢を維持しながら読み,討議を進めてゆきたい。また特に世阿弥の場合,悲劇に引き裂かれた人間が,曲全体 のなかでは何らかの形で救済される形をとることが多いが,そのことの意味を,世阿弥の芸論とも考え合わせながら議論していきたい。
 実際の進め方 は,レポーターよる発表をたたき台として全体討議を行う。むろん,レポーター以外のゼミ生も事前にテキストを繰り返し読んだ上で,討議に積極的に参加する ことが要請される。また,ゼミ生には毎年最底1回の発表を義務として課す。平常授業中に全員が発表しきれない場合は合宿(年2回を公式行事として予定)な どの場で発表してもらう。



 私達出岡ゼミは、ゼミの中で唯一日本の思想を専門としているゼミです。能の脚本である謡曲を読み解き、自分が掴んだ考えや感覚を言葉にしていく作業をしています。謡曲は、源氏物語や平家物語、又、実物の人物に即したエピソードや日本の名所にまつわる物語を元にしています。ですから、謡曲を読むことで、そこに織り込まれた複雑で美しい思想や情景に触れることができます。年中行事としては、ゼミ合宿があり、夏は海水浴、冬はスキーと、四季折々の風景に触れつつ、普段のテーマからは多少はずれた、私達が合宿用に選んだ独自のテーマについて討論を行い、毎年思い出に残るゼミが展開されています。出岡先生は、常に私達の発言を優しく拾い上げ、私達の思考を豊かに展開してくれる人であり、毎回のゼミの後には(毎回ある飲み会も含めて)何かしら胸に残るものがあります。受験勉強のような暗記に頼る勉強ではなく、自らが考える本当の意味での「勉強」を体験したい人は是非来てください。





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