文学部歴史学科・大学院文学研究科歴史学研究専任教員


>>「学部教育」のTOPにもどる
>>「大学院」のTOPにもどる
>>歴史学科のTOPにもどる

■2023年度
専修大学文学部歴史学科・文学研究科歴史学研究(修士・博士後期課程)

歴史学専任教員(15名)の紹介のページにようこそ!
(業績は主なもの3点のみ記載。)
*以下の教員がそれぞれ学部生・大学院生の指導教員となり、世界史を念頭に幅広く対応します。
◆2022年4月から新たに日本考古学担当の小林孝秀先生をお迎えしています! 小林先生のプロフィール等については近日公開します。◆

---飯尾秀幸(中国古代史)---
---鬼嶋淳(日本近現代史)---
---小林孝秀(日本考古学)---
---志賀美和子(南アジア近現代史)---高久健二(韓国・朝鮮考古学)---
---田中正敬(朝鮮史・日朝関係史)---
---田中禎昭(日本古代史)---中林隆之(日本古代史)---
---西坂 靖(日本近世史)---
---日暮美奈子(ドイツ近現代史・ジェンダー)---廣川和花(日本近代史)---
---松本礼子(近世フランス社会史)
---南修平(アメリカ史)---湯浅治久(日本中世史)---



**読み仮名部分をクリックしてください。
専任教員(助教以外)の各研究室・ゼミのページにリンクしています。


飯尾秀幸(いいお・ひでゆき) 中国古代史

 近況:ここ数年、張家山漢簡、とくに『二年律令』を通して、中国古代における法と支配構造の問題、すなわち郷里社会と国家権力の関係を考えている。具体的には、犯罪人の社会的位置づけ、爵制と「身分」、土地「所有」と郷里社会、門を境界とする郷里社会の周縁に居住する人々の問題などである。院生たちと出土木簡の訳注を作成しながら、国家論・共同体論を議論することは楽しいひと時である。訳注は、『専修史学』に下記のように掲載した。
 担当授業:【学部】学際科目1・2(オムニバス)/アジア史概説1・2/中国古代の家族と国家1・2/歴史資料研究法7・8(中国語・漢文)/専修大学入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3 【大学院】東洋史特講T講義・演習(修士課程)/東洋史特殊研究T講義・演習(博士後期課程)
 主要業績:【著書】『中国史のなかの家族』(山川出版社 2008年)【論文】「秦・前漢初期における里の内と外」(『中国前近代史論集』汲古書院、2007年)【共訳】「張家山漢簡『二年律令』訳注(1)」〜「同(14)」(『専修史学』35号〜48号、2003年〜2010年)など。


鬼嶋淳(きじま・あつし) 日本近現代史

 近況:専門は日本近現代史です。地域で生きる人びとの視点から、日本の「戦後社会」の形成過程を考えたいという問題関心のもと、特に1930年代から戦後にかけての日本社会について、地域史、運動史の観点から研究しています。近年は、生活史、医療史、文化史などにも関心をもって研究を進めています。
 担当授業【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/日本近代の政治と社会1・2/専修大学入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3 【大学院】日本史特講W・日本史特講W演習(修士課程)
 主要業績:【著書】『戦後日本の地域形成と社会運動―生活・医療・政治』(日本経済評論社 2019年)/ 【共著】『戦後知識人と民衆観』(影書房 2014年)/『新生活運動と日本の戦後―敗戦から1970年代』(日本経済評論社 2012年)


小林孝秀(こばやし・たかひで) 日本考古学(古墳時代)

 近況:「古墳とは何か」「古墳が造られた時代とはどのような時代であったのか」、遺跡から発掘される様々な資料をもとに、その解明を目指しています。特に、古墳時代の墓制や祭祀・儀礼、交流と地域社会、渡来人・渡来文化、古墳の終焉などに関心をもって研究を進めています。
 担当授業【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/考古学概論1・2/古墳からみた国家形成1・2/考古学実習2/ゼミナール1・2・3 【大学院】アジア考古学特講T・アジア考古学特講T演習(修士課程)
 主要業績:【著書】『横穴式石室と東国社会の原像』(雄山閣 2014年)   【論文】「つくば市西栗山遺跡出土の多孔式甑―渡来系資料の評価をめぐる視点―」(『生産の考古学』V、六一書房 2020年)/「関東北西部の横穴式石室―導入とその系譜をめぐって―」(土生田純之編『横穴式石室の研究』同成社 2020年)


志賀美和子(しが・みわこ) アジア近現代史

 近況:専門はインド近現代史です。特にイギリス植民地時代にインド社会政治がいかに変容したか、その変化を下位カーストや女性など「周縁」におかれた人びとの立場から分析しています。ゼミでは毎年インド史に関わる共通のテーマを決め、文献購読や史料分析を行なっています。
 担当授業:【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/南アジア関係論1・2/アジア文化史1・2/歴史史料研究法11・12/専修大学入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3  【大学院】東洋史特講V講義・演習(修士課程)/東洋史特殊研究V講義・演習(博士後期課程)
 主要業績:【著書】『近代インドのエリートと民衆 民族主義・共産主義・非バラモン主義の競合』(有志舎、2018年)【共編著】『世界歴史体系南アジア史第3巻 南インド』(山川出版社 2007年)/『インドの社会運動と民主主義 変革を求める人びと』(昭和堂 2015年)/『わかる・身につく 歴史学の学び方』(大月書店 2016年)など。


高久健二(たかく・けんじ) 韓国・朝鮮考古学(三韓・三国時代)

 近況:朝鮮半島を中心とした東アジアの考古学を研究しています。とくに、紀元前2世紀末〜紀元後4世紀に朝鮮半島西北部に設置されていた楽浪郡と半島南部の三韓における古墳文化について、古墳の構造や副葬品などから分析を行っています。また、中国大陸・朝鮮半島・日本列島の対外交流についても関心を持っています。
 担当授業:【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/東アジア考古学1・2/歴史資料研究法19・20(考古学)/考古学実習1/専門入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3  【大学院】アジア考古学特講U講義・演習(修士課程)/東アジア考古学特殊研究T講義・演習(博士後期課程)
 主要業績:【著書】『楽浪古墳文化研究』(学研文化社 1995年)【論文】「楽浪・帯方郡?室墓の再検討―?室墓の分類・編年、および諸問題の考察―」(『国立歴史民俗博物館研究報告』151号、2009年)/「新羅積石木槨墓の埋葬プロセス−皇南大塚を中心に−」(『国立歴史民俗博物館研究報告』211号、2018年)など。


高橋和雅(たかはし・かずまさ) アメリカ近現代史

 近況:専門はアメリカ近代史で、20世紀初頭の都市のストリート空間や、そこで醸成された音楽文化に特に関心を寄せています。そうした日々の一幕から、当時の人々の「生」の諸相を読み解き、ひいてはそこから「歴史」や「時代」をとらえ返すことを試みています。近年は、シカゴのマックスウェル・ストリートの路上マーケットに焦点を当て、雑然と行き交う人々の日々のあり様を検討しています。
 担当授業:【学部】歴史の視点/歴史と地域・民衆/歴史と社会・文化/専修大学入門ゼミナール/専門入門ゼミナール
 主要業績:【著書】『カオスの社会史―戦間期シカゴのニアウエストサイド界隈―』(彩流社 2021年) 【共著】『歴史のなかの人びと―出会い・喚起・共感―』(彩流社 2020年) 【論文】「「地域コミュニティ」志向の芽生え―1930年代シカゴ、ウエストサイド歴史協会の事例から―」(『専修史学』70号、2021年)


田中正敬(たなか・まさたか) 朝鮮近代史・日朝関係史

 近況:朝鮮近代史、なかでも植民地期の1920年代において、日本人と朝鮮人とが相互にどのような認識を持ち、関係を結んでいたのか、その前提は何かという問題に関心を持っています。最近のゼミでは、個々の研究報告とは別に、もっぱら関東大震災時に起こった「人災」のことについて資料を集め読み進めると同時に、フィールドワーク等にも出かけています。
 担当授業:【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/総合世界史3(平和と戦争)/東アジア関係論1・2/歴史資料研究法9・10(コリア語)/専修大学入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3  【大学院】東洋史特講W講義・演習(修士課程)/東洋史特殊研究W講義・演習(博士後期課程)
 主要業績:【共編著】『地域に学ぶ関東大震災』(日本経済評論社 2012年)/『関東大震災と朝鮮人虐殺』(論創社 2016年)【論文】「植民地期朝鮮の専売制と塩業」(『東洋文化研究』13号、2011年3月)/「東京における関東大震災時の朝鮮人虐殺と流言」(伊藤俊介、小川原宏幸、愼蒼宇編『「下から」歴史像を再考するー全体性構築のための東アジア近現代史』有志舎、2022年)など。


田中禎昭(たなか・よしあき) 日本古代史

 近況:日々、「正倉院文書」と出土文字史料と格闘しながら、新たな古代地域社会論の構築を目指しています。特に最近は、今日、残されているすべての戸籍・計帳関連史料についてデータベースを完成させ、歴史人口学の方法を導入し、謎に包まれた古代の戸の実像を究明する研究に取り組んでいます。また、律令国家による地域社会編成の実態を考えていくために、軍制・楽制の問題にトレンチを入れています。
 担当授業:【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/歴史資料研究法13(日本漢文)/日本古代の王権と国家1・2/日本史概説1・2/専修大学入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3  【大学院】日本史特講T講義・演習(修士課程)
 主要業績:【著書】『日本古代の年齢集団と地域社会』(吉川弘文館 2015年)【共編著】『関東条里の研究』(東京堂出版 2015年)【論文】「諸国校田の展開過程―隠没田勘出制を中心に―」(野田嶺志編『地域のなかの古代史』岩田書院、2008年)など。


中林隆之(なかばやし・たかゆき) 日本古代史(古代仏教論・王権論・地域)

 近況:近年は、仏典や漢籍の古代日本への請来とそれらの東アジア諸国への還流の実態を捉え、東アジア地域世界の中での日本の「知」・思想の枠組みの位置を探る作業を進めています。またこれとは別に、風土記や記紀の伝承を素材に、国家形成期における諸地域社会の諸相を検討する研究も行なっています。
 担当授業:【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/歴史資料研究法14(日本漢文)/日本古代の国家と宗教1・2/日本の宗教と社会/専門入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3  【大学院】日本史特講T講義・演習(修士課程)
 主要業績:【著書】『日本古代国家の仏教編成』(塙書房、2007年)【論文】「石作氏の配置とその前提」(『日本歴史』751、2010年)/「日本古代の「知」の編成と仏典・漢籍−更可請章疏等目録の検討より−」(『国立歴史民俗博物館研究報告』194、2015年)など。


西坂靖(にしざか・やすし) 日本近世史

 近況:江戸・京都・大坂など日本近世の巨大都市社会の特質について、近世屈指の豪商である三井越後屋の史料をもとに解明するというかたちの研究を続けています。近年の関心は、越後屋それ自体の奉公人組織にあり、具体的には、幕末維新期の越後屋で実施された大規模な人員整理について、それがいかにして可能であったかという点に関心をもって研究を進めています。
 担当授業:【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/歴史資料研究法15・16(古文書)/日本文化史1・2/日本近世の政治と社会1・2/専門入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3  【大学院】日本史特講V講義・演習(修士課程)/日本史特殊研究V(博士後期課程)
 主要業績:【著書】『三井越後屋奉公人の研究』(東京大学出版会、2006年)【論文】「近世後期江戸における地方出身者の転入と定着−天保十四年・高年御賞対象者を事例に−」(『専修人文論集』108号 2021年)【共編書】『京都冷泉町文書』全7冊(思文閣出版、1991〜2000年)など。


日暮美奈子(ひぐらし・みなこ) ドイツ近現代史

 近況:ヴィルヘルム期ドイツにおける社会運動のひとつ、婦女売買撲滅運動の果たした役割に関心を持っています。民間主導で始まったこの運動は、国内法の制定を実現したのみならず、各国政府による国際的な取り組みを促しました。その過程でさまざまな勢力がそれぞれの思惑からこの問題に関わってくるのが面白いところです。目下、行政文書の分析をとおして、撲滅運動がドイツと他の列強に及ぼした影響を明らかにすることをめざしています。
 担当授業:【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/歴史と社会・文化(近代ヨーロッパにおける反ユダヤ主義)/近代ヨーロッパ政治史1・2/歴史資料研究法5・6(ドイツ語)/専修大学入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3【大学院】西洋史特講V講義・演習(修士課程)/西洋史特殊研究U講義・演習(博士後期課程)
 主要業績:【共編著】『<近代規範>の社会史―都市・身体・国家―』(彩流社 2013年)【論文】「帝政ドイツと国際的婦女売買撲滅運動―西部国境を越える女性の移動から考える」(『歴史学研究』925号、2014年)/「帝政期ドイツにおけるある婦女売買事件の分析」(『専修史学』74号、2023年)など。


廣川和花(ひろかわ・わか) 日本近代史・医学史

 近況:日本近世末〜近代の、地域における人々の健康と医療、感染症と社会の関係などについて研究しています。ハンセン病や梅毒など個別の疾患の歴史(垂直方向の医学史)と、地域医療の「近代化」(水平方向の医学史)を同時並行で進めています。医療のアーカイブズ論についても、引き続き発展させていければと思っています。
 担当授業:【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/歴史と社会・文化/総合世界史4/歴史研究資料法17・18/生きることの日本近代史1・2/ゼミナール1・2・3 【大学院】日本史特講W講義・演習(修士課程)/日本史特殊研究W講義・演習(博士課程後期)
 主要業績:【著書】『近代日本のハンセン病問題と地域社会』(大阪大学出版会 2011年)【論文】「明治後期〜大正期日本の梅毒罹患と地域社会―栃木県塩谷郡喜連川病院の事例から―」(『国立歴史民俗博物館研究報告』235号 2022年)、「「隔離」と「療養」を再考する:COVID-19と近代日本の感染症対策」(『専修人文論集』109号 2021年)など。


松本礼子(まつもと・れいこ) 近世フランス史

 近況:18世紀後半の都市パリをフィールドとし、いわゆる知的エリートのみならず、より広い社会層における「世論」の台頭と都市統治の問題に取り組んできました。反王権的な行動や「噂」を監視、取り締まる都市統治側の文書(裁判記録や尋問調書等)を中心に分析してきましたが、近年は、社会的周縁に置かれた人々(異教徒、貧者、日雇い労働者等)を都市統治側がいかに社会に包摂しようとしていたのか明らかにしていきたいと思っています
 担当授業:【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/欧米文化史/ヨーロッパの国家と民衆1・2/歴史資料研究法3・4(フランス語)/専門入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3  【大学院】西洋史特講T講義・演習(修士課程)
 主要業績:【共著】『「身分」を交差させる』(東京大学出版会、2023年)/『〈フランス革命〉を生きる』(刀水書房 2019年)【論文】「18世紀後半パリのポリスの特質―『悪しき言説』をめぐる取り組みを手掛かりに―」(『西洋史学』253号 2014年)

南修平(みなみ・しゅうへい) アメリカ史

 近況:20世紀後半のニューヨークに生きる人々の労働生活を中心とした日常世界に関心を持っています。日常生活を営む中で様々な社会的関係を結ぶ人々は、それらを通じていかに人種やジェンダー、あるいは愛国主義といった意識を創っていくのか、またそうした意識は日常の中でどのような機能を果たしているのかについて、ローカルな視点と公権力との関係から考察を続けています。近年はニュージャージーを含む港湾地区で暮らす人々が第2次世界大戦後に直面した変化に注目し、海と陸の双方からこの地を考察することで、20世紀の歴史はどのように描けるかを考えています。
 担当授業:【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/欧米概説史1・2/アメリカの人種と政治1・2/歴史資料研究法1・2/専修大学入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3  【大学院】西洋史特講X/西洋史特講X演習(修士課程)
 主要業績:【著書】『アメリカを創る男たち―ニューヨーク建設労働者の生活世界と「愛国主義」』(名古屋大学出版会 2015年)/【共著】『「ヘイト」に抗するアメリカ史―マジョリティを問い直す』(彩流社 2022年)/【論文】「「ブルックリン・ドジャースを探して」―労働民衆史から捉えたブルックリン・ドジャースとその移転」(『立教アメリカン・スタディーズ』第34号、2012年)など。


湯浅治久(ゆあさ・はるひさ) 日本中世史

 近況:ゼミナールを中心とした教育活動がようやく軌道に乗ってきた感がある反面、学生諸君に研究史の継受の意味を理解してもらうことが如何に難しいかを実感する日々です。研究の展開は、中世の領主・民衆・宗教といった、自己のテーマに即した科研など二つの共同研究を軸に、従来の認識の枠組みを問い直す作業を続けています。もう少し前に進みたいと考えています。
 担当授業:【学部】総合世界史1・2(オムニバス)/古文書学概論/日本中世の法と政治1・2/古文書学実習/専門入門ゼミナール/ゼミナール1・2・3  【大学院】日本史特講U講義・演習(修士課程)/日本史特殊研究U講義・演習(博士後期課程)
 主要業績:【著書】『戦国仏教』〈中公新書〉(中央公論新社 2009年)/『蒙古合戦と鎌倉幕府の滅亡』(吉川弘文館 2012年)『中世の富と権力―寄進する人びと』(吉川弘文館 2020年)など。



Copyright(C) 2000 the Historical Association of Senshu University All Rights Reserved