研究助成・研究員制度_2023年度

 2023年度 研究助成決定者(個別研究・共同研究)

高校生や一般の方々にも研究内容をわかりやすく理解していただくためにあえて平易な書き方をしています。

所属 職名 氏名 研究課題
経済学部 教授
飯田 義明 御柱祭における祭礼組織内の承認プロセスに関する検討:地区における役割との関係性に着目して1694581973168
【概要】
本研究では、御柱祭の祭り、組織、それに関わる人について調査しています。長野県諏訪地方の御柱祭は7年に1回開催され、およそ1300年間氏子とよばれる地元の男たちが支えて続いています。山から運び出される大木の柱に付けられたメドと呼ばれる角に乗ることは名誉で皆乗りたがりますが、各地区と祭礼組織の両方に評価をされないと乗ることを許されません。そこでどのように承認され、この祭りを組織や氏子たちが長い間支えてきたのかを明らかにすることを目的にしています。
経済学部
教授
板井 弘明
フェミニスト経済学による合理的経済人モデルの再検討:ケイパビリティー、人権、女性
1694582755841
【概要】
本研究は、18世紀のアダム・スミス以来の経済学が、経済活動を捉える際、無意識のうちに男性労働者のみを考察の焦点としてきたことを批判的に捉え返します。経済や人間の再生産には、肉屋や八百屋がいるだけでは不十分で、肉や野菜を料理する人間(主に女性)の労働が不可欠です。それを無償労働として生産的労働と考えられてこなかったことや、主に女性が担うべきものとされてきたことを、フェミニスト経済学という視点から捉え返すものです。
経済学部
教授
恒木 健太郎
W. ゾンバルトが有価証券論において典拠としたユダヤ法論の内容とその意義
1694583018108
【概要】
ヴェルナー・ゾンバルトの『ユダヤ人と経済生活』(1911年)は、ユダヤ陰謀説の典拠となった書物として評判は良くありませんでした。しかし、本書が近代的な有価証券制度(信用貨幣)の起源をユダヤ法に求めるとき、その典拠とした書物がユダヤ人の学者によって書かれたものである事実は、ほとんど注目されていません。この点について原典に遡って検討し、ドイツの社会的反ユダヤ主義の一端を思想史的に考察するのが本研究の目的です。
経済学部
教授 長尾 謙吉
日本における地域格差の諸相と地理的多様性
169458396566416945840146491694584046562
【概要】
政府による「地方創生」や「デジタル田園都市国家構想」の取組みをはじめ、地域格差と地域活性化をめぐってはさまざまな視点から議論されています。地域格差の構図は、「三大都市圏と地方」から「東京大都市圏とその他」へと様相を強めてきました。所得をはじめ「水準」からみた地域格差は小さくなりました。一方で、東京大都市圏が「さまざまな仕事がある」ことをはじめ、就学や消費の多様な機会で卓越する傾向がみられます。その要因を地域データの分析と地域での実態調査から追跡します。 
経済学部
教授 兵頭 淳史
2・1スト後における産別会議労働運動の研究
169458409622816945841317531694585754932
【概要】
第二次世界大戦の敗戦間もない日本では、ファシズム体制の解体にともない、労働組合が急速な勢いで再建されてゆき、活発な運動を展開しつつありました。そうしたこの時期の激しい労働運動をリードした労働組合全国組織が全日本産業別労働組合会議(産別会議)です。この研究では、産別会議主導の労働運動の実像について、その後半期を中心に明らかにしようとするものです。
経済学部 教授 吉田 雅明
ケインズ『確率論』の科学哲学上の位置の検証
【概要】
ケインズが「確率論」という書物の中で展開した議論を現在の確率・統計に関する科学哲学と現在のケインズの経済学説史研究の文脈で正確に評価するならばどうなるか、ということを探求しています。昔の書物であっても、徹底して論理的に読み直すことによって、経済学の現在にとっての重要な指針が得られます。
経済学部教授
教授
准教授
徐 一睿 
大橋 英夫
傅 凱儀
グローバルパワーの移行期における中国の対外経済協力―インフラ投資を中心に
【概要】
近年、米中間の貿易戦争、技術覇権競争などグローバルパワー移行期を象徴する出来事が見られます。一方で、開発途上国(以下、途上国という)を巻き込んだ形で、米国、 EU 、日本と中国の間に途上国におけるインフラ投資と援助に関わるもう一つの競争が見られています。 2014 年以降、中国が一帯一路構想を打ち出し、対外経済協力や対外援助を積極的に行うことにより、東南アジア、アフリカ、中東、南米などの地域において、インフラ建設と投資を通じてその影響力を拡大しています。そこで本研究は、 1)途上国において、中国のインフラの建設と投資はどのように推進されてきたか 、既存の援助論との比較を通じて、中国の対外経済協力と対外援助の特質を明らかにします。さらに、インフラのような社会資本整備は途上国の経済的「離陸」にとって極めて重要であるが、 2)途上国の国内の財政的条件などを含めて、合理的なインフラ投資は如何に進められるべきか、 途上国の視点から再検討し、グローバルパワーの移行期において、途上国にとって本当に必要とするインフラ投資のあり方を明らかにします。
法学部
教授
芦野 訓和 

役務提供契約における役務の契約適合性についての総合的研究
1694585829575
【概要】
相手方から依頼されて調査を行う、頼まれて講演を行うというように、役務(サービス)を提供する契約を役務提供契約と呼びます。契約したのにきちんと調査してくれなかった、講演の内容が依頼とは違っていたといった場合には、依頼者は役務が契約に適合していなかったとして、提供者に責任を追及できることになります。この研究では、「契約適合する役務」とは何かを、実態を調査しながら明らかにしていきます。
法学部 教授
吉田 清司 バレーボールにおけるサーブコースとセッターの動線によるセッティング行動に関する研究
【概要】
バレーボールにおけるサーブコースとセッターの動線によるセッティング行動に着目し、「サーブコース」に関しては、多様なサーブコースを9つに分類し観察します。セッターの動線に関しては、6つのローテーションにおいてセッターがセッティング位置へ移動する動線と、ネット際でレシーバー方向に正対する際に頭部を含めた身体を左右いずれかの方向に回転させたかを観察し、これらの因果関係や相関関係を考察します。
法学部 教授 渡邊 一弘 特定少年に対する処分選択と矯正処遇に関する研究
169458589396616945859398661694586001911169458603235816945860642401694586094114
【概要】
令和4年4月1日より施行された「少年法等の一部を改正する法律」では18歳、19歳が「特定少年」とされ、特定少年の事件においては原則として保護的対応ではなく成人同様に刑罰をもって処罰する対象事件が拡大したほか、特定少年に対する処分選択に際しても犯行の「結果」や「犯情の軽重」が強調されるようになるなど、保護主義よりも刑事責任の追及を優先するとも解せる法改正が行われました。本研究では、運用状況の分析から特定少年制度の課題を浮き彫りにすることを目的とし、特定少年による事件における処分選択の実際についての分析と少年院及び刑務所における特定少年に対する処遇の内容の分析に取り組みます。
経営学部 教授 根本 宮美子 グローバルエリートジョブとローカル企業のジェンダー格差の国際比較
1694586153837
【概要】
本研究は日本と欧米企業における組織と雇用におけるジェンダー格差を聞き取り調査によって明らかにします。具体的な役割、配属、組織慣行、ワークライフバランス等を解明し、日米欧における違いと共通点を解明します。先進国で最も遅れをとっている企業トップの女性不在状況の究明の手がかりと解決策の提案を目的とします。
経営学部 教授
松本 幸三
含窒素複素芳香環をアリール基に持つテトラアリールメタン類の合成と性質
【概要】
今まで存在しなかった新しい分子や物質を創ることは化学の醍醐味であり、それによって社会に貢献することが化学の使命と言えます。ベンゼンは6個の炭素原子を有していますが、そのうちの1個あるいは2個を窒素原子に置き換えた分子は金属イオンと結合できたり、塩基性を示したりします。このような分子を正四面体方向に4つ持つ、今までになかった新しい分子の合成に挑戦し、その性質について調べようとしています。
経営学部教授
教授
相澤 勝治 
佐藤 満
ジュニアレスラーにおける身体リテラシー向上プログラムの作成
1694586202193
【概要】
ジュニア期のスポーツ選手は、発育発達を考慮し怪我をすることなく最良のパフォーマンスを発揮することが大切です。しかしながら、ジュニア期に必要なスポーツ医科学の知見や情報を活用するための環境は整っていない現状があります。そこで本研究では、ジュニアレスラーを対象に、ジュニア期に必要な情報を知り活用する能力「身体リテラシー」を獲得するための実践プログラムを開発することを目的としています。
経営学部准教授
教授
宮川 宏 
山崎 秀彦
包括的企業報告と財務情報・非財務情報における保証の理論的、経済的役割
【概要】企業の開示情報は定量情報から、記述、定性要因の情報が増えており、それにシフトしています。しかし、定量・定性的な情報はどのように関係があるのか、どうしたら理解されるのかなどが十分に明らかではありません。また、どのようにしたら適切に情報が伝わるのか。また開示される情報はだれがどのように評価すればよいのか。その評価をどのように示せばよいかのといった点が明らかになっていません。この研究では、企業のディスクロージャーの実態の調査を行い、企業報告のあり方について考察しています。
商学部
教授 石川 和男 人口減少・高齢化の進む地域における特殊なサービスの提供継続可能性に関する研究
1694586269655
【概要】
わが国では、地域人口の多寡を問わず、医療や冠婚葬祭等の特殊なサービスが日常的に提供されてきました。しかし現在では、医師不在となり、寺社等は存在しているが神主・僧侶等が不在となっている過疎地が多いです。各種統計では、医療・冠婚葬祭の従事者数はあまり変化がないが地域的偏在がみられます。そのため特殊なサービス提供者が減少・不在となった地域では、住民生活に支障を来し、人口減少が進む地域では深刻な問題といえます。ただこうした特殊なサービス自体やその提供に関して正面から捉えた研究、現状把握や分析さえもなく、学問的アプローチがほとんどありません。そのため本研究課題に取り組むこととしました。
商学部
教授 岩尾 詠一郎 「安全かつ効率的な物流活動を実施するための貨物自動車の路上駐車場所のあり方の検討」
【概要】
快適な歩行空間の確保へのニーズの高まりや、新たなモビリティの進展や自転車利用者の高まりなど、道路の利用方法が変化してきています。また、貨物自動車の駐車場所として路外や建物内の駐車場の利用は進んでいますが、路上駐車も多く見られます。このとき、路上駐車した貨物自動車は、歩道等を利用して最終届け先まで貨物を運ぶことになります。
本研究では、安全な貨物自動車の路上駐車場所のあり方と、路上駐車場所から最終届け先まで安全かつ適切に貨物を運ぶための方法を明らかにします。
商学部
教授
奥瀬 喜之
視線動向データに基づいた消費者の価格情報の知覚に関する研究
【概要】
商品情報が提示された際の消費者の視線動向データを収集・分析することにより、小売店舗内や広告及びウェブ画面上での効果的な価格の提示方法について考察することを目的としています。これまで消費者行動研究領域では、消費者の価格知覚に関する質問紙調査の回答データや購買履歴データを用いた数多くの実証研究がなされてきていますが、それらの研究における知見について視線動向データという生体反応データに基づいた検証を行うと同時に、実際の消費者の認知的反応に基づいた新たな示唆を得ることを企図しています。
商学部 教授
本田 竜広 等質単位開球上における正則写像の考察
【概要】
本研究は、数学の中でも、解析学の多変数函数論の分野に位置づけされます。解析対象の局所的な極一部の現象を精緻に分析し、変化を的確にとらえると、全体での性質を知ることができるのが面白く興味深いところです。等質単位開球は、複素平面の半径1の開円板を高次元への拡張した領域で、正則写像の理論は、複素数での微分積分の理論でもあり、例えば、今では一般的なコピー機の理論の基礎となっています。
商学部 講師
前川 修吾
植物葉の表裏の方向性の運命決定に温度環境が与える影響の検証
【概要】
植物を研究材料とした生物学の研究課題です。植物の葉は一般的に光合成が盛んで細胞が密な表側と、ガス交換のために細胞が疎な裏側に区別されます。近年、細胞内のタンパク質合成装置であるリボソームに異常があると、この表裏の運命が乱れ、表側が裏側化する現象が知られてきました。また、その裏側化は生育温度が高いほど亢進することも知られてきました。この研究課題では植物の生育温度を変化させた時の葉の表裏の運命決定遺伝子のはたらきとリボソームの健全性を調べることで、葉の発生に関する基礎的知見を得ることを目指しています。
商学部教授
准教授
渡辺 達朗 
新島 裕基
地域情報デジタルアーカイブを活用した「まちづくりライフヒストリー」に関する調査研究
16945863309051694586367272
【概要】
本研究では、独自の地域情報デジタルアーカイブを構築し、まちづくり・地域商業の振興を担ってきた人材のインタビューや資料のライフヒストリー分岐、テキスト分析を行うことを目的としています。これらを通じて、「住み続けられるまちづくり」にかかわるSDGs11、および多数の古書店や飲食店を擁する神田のまちを循環経済の視点からとらえ「つくる責任・つかう責任」にかかわるSDGs12に貢献することをめざします。
文学部 教授 伊藤 博明 ベネデット・コトルリ『商業技術の書』の研究 
1694586410024
【概要】
ラグーサ(現在のクロアティアのドゥブロヴニク)出身で、ナポリなどイタリアの諸都市で活躍した商人ベネデット・コトルリは、自ら『商業技術の書』を著し、初めて「複式簿記」について言及した教養人・文筆家でもありました。本研究の目的は、『商業技術の書』の内容について考究するととももに、当時の人文主義(ヒューマニズム)が与えた影響を探り、ルネサンスにおける新しい理想的商人像を明らかにすることです。
文学部 教授 今井 上 『源氏物語』宇治十帖の研究
1694586441974
【概要】
『源氏物語』の最後の10巻は、一般に宇治十帖と呼ばれ、古代から現代にいたるまで、多くの読者を獲得してきました。それは、『源氏物語』の作者が最後にたどり着いた世界ですが、それが具体的にどのような物語世界であり、どんなところに特徴があるかということについては、なおはっきりしない点が数多く残されています。本研究は、こうしたことを明らかにし、その成果を高校生も含めた一般読者や、ひいては世界の読者にも提供することを目指すものです。
文学部 教授 高島 裕之 博物館資料情報の課題とその活用法-貿易陶瓷器をみる新視点
1694654942747
【概要】
博物館にとってその根幹ともいえる資料を理解し、活用の方法を探求することは使命であるといえます。本研究では個々の博物館資料情報が持つ課題を抽出し、有効な活用方法について提言します。具体的には貿易陶瓷器資料を実例にして、生産、流通、消費の過程で、受容者の要求とそれに答えた生産者の意図を読み取る形で、資料調査を行ないます。
文学部 教授 蔦尾 和宏 『宇治拾遺物語』とその時代
1694655063907
【概要】
『宇治拾遺物語』には人々の信仰心を煽って一儲けを企む、うさんくさい僧侶、「誑惑の法師」が登場しますが、その一人に「入水往生」を喧伝して喜捨をせしめようとした法師がいます。だまされたと知った人々から散々に石を投げつけられて行方をくらましますが、その後、人に瓜を贈る際、「前の入水の上人」を名乗ったというのが最終的なオチなのですが、本研究はこの自称から喚起されるイメージを手掛かりに、本話成立の背景を時代性に即して明らかにしようとするものです。
文学部 教授 濱松 純司 英語における言語事象の研究―形態・統語・語用論による多角的分析
1694655097588
【概要】
理論言語学は、科学として言語研究を行う分野ですが、複数の部門で役割分担をしながら言語に関する諸現象の分析を進めます。本研究では、母語話者の言語使用を可能にする仕組みの解明を目指す生成文法理論を背景とし、単語の性質、文構造、及び言語コミュニケーションに関わる分野である形態論、統語論、語用論を用いて、これらの部門間の連携に着目しながら、英語の性質を統合的・多角的に明らかにすることを目的とします。
文学部 教授
平田 大輔
大学部活動におけるチーム作りとパフォーマンスに関する研究
【概要】
競技力向上においては心技体の3つをバランスよく強化していくことが必要になります。しかし、総合的に研究されているものは少ないです。本研究では、心技体の各分野の年間計画に基づいてプランを設定し、チームコンセプトに合わせて技術・体力・戦術の構築を図り、心技体の各側面からのチーム作りの取り組みとゲーム分析を合わせて、シーズンのゲームパフォーマンスがどのように変化をしていったのかを調査・検討することにより、チーム作りを行なっていく上での有効な資料を得ることを目的としています。
文学部教授山田 健太集会の自由の今日的意義と意味
1694655164594
【概要】
集会の自由は、表現の自由のなかでも中核的なものであり、憲法でも個別に保障されています。しかしいま、自分の意に沿わないイベントが開かれることを妨害することが頻発し、その結果、貸す側も面倒を避けるために、論争になりそうなテーマのイベントに会場を貸さないといった事例が生まれています。従来からこうした抗議行動については、「敵対的聴衆の理論」として議論の対象でしたが、どのように「集会の自由」の枠の中で議論し、主催者・反対者の双方の自由を保障するかの再検討が求められています。本研究では、過去の理論の見直しも含め、日本の現状に即しつつ、その着地点を探るものであります。
文学部教授山田 健太言論公共空間における表現活動の縮減状況と公共性に関する考察
1694655195425
【概要】
民主主義社会の基盤とされる言論公共空間の構成要素が、表現の自由の制度的保障と健全なジャーナリズムの存在であるとされてきましたが、日本における言論表現の自由・活動状況がとりわけ2000年代後半に入ってから大きな変容を見せています。本研究はそのなかでも、図書館・美術館・公民館さらには公道・広場といった公共空間における言論・表現活動の変容、新聞・放送を中心とするいわゆる言論報道機関の取材・報道活動への制約、ジャーナリズム活動に対する公的扶助や公共的メディアの存立に対する国の対応に着目し、考察を進めます。
文学部教授米村みゆきスタジオジブリのアニメーション映画と〈作家主義〉についての研究
【概要】
 『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』などのアニメーション映画で、日本のアニメーション界を牽引してきたスタジオジブリは、日本のアニメーションの領域において、商業的な成功とスタジオの経営によるクオリティを両立させてきた稀有な存在です。それは、高畑勲、宮崎駿の二人の監督を擁し、監督中心主義で制作してきたことに大きく拠ります。そのため、この研究では、スタジオジブリのアニメーション作品について監督主義=「作家性」に着目して作品を考察します。
ネットワーク情報学部
准教授 土屋 翔一 辺着色されたグラフの単色HISTについての研究1694655248439
【概要】
数学の研究では、先人が立てた予想を解決したり、既存の定理を改良したりすることで、新たな定理を得ることができます。過去の研究成果として、2-辺着色された完全グラフが単色HISTを持つための必要十分条件が得られています。本研究では、この定理の「2-辺着色」を「Gallai着色」という条件に置き換えた新しい定理を得ることを目指し、既存の定理を改良します。
人間科学部 教授 広瀬 裕子 公教育の安定性を維持するための学校現場における危機管理に関する実証的理論的比較研究
169465553073716946556155421694655656693
【概要】
この研究は、学校教育を中心とする公教育を安定的に維持運営するための危機管理問題を対象とするものです。危機には、コロナ禍のような未曾有の危機だけでなく、日常的に生じる問題に制度が十分に対応できなくなるような危機もあります。どのような危機的ケースであっても、教育制度が経験する有事的な危機に、制度や組織がどのように対応しうるかを日本だけでなくイギリスなどの海外にも題材を求めて、実証的にそして理論的に比較研究を行います。
人間科学部 准教授 松嶋 祐子 Exploration of the Community Attitude toward Sex Offender Scale in a Japanese Cultural Context
16946557110731694655771932
【概要】
元犯罪者の社会復帰を円滑に進めるためには、地域住民の態度が重要です。元犯罪者を支援することは無駄であると感じる方もいるかもしれませんが、社会での生活がうまくいかないと再び犯罪をしてしまうリスクが高まります。また、性犯罪には誤った信念(これをレイプ神話と言います)が持たれやすく、性被害者側への非難にもつながります。こうした知見の多くは欧米圏での研究から得られているため、本研究では文化的背景の異なる日本を対象に検討を行います。
国際コミュニケーション学部
教授 上原 正博 エコロジカルな思考と文学
169465642548116946564661111694656499692
【概要】
文学がどのような意味・意義をもつのかを念頭においています。個人の営為である創作が他者を前提になされること――共感され、取り込まれ、あるいは拒絶されること。このように、文学は意識と意識との出会う空間を生み出すものですが、エコロジカルな思考の文学とは、自然のなかに(はないと思われてきた)行為体を見いだし、わたしたちの環境(対話が生まれる空間)を構成するものとみる思考です。人間のものとされてきた営為を環境のなかに再配置し、人間そのものも環境を構成する一要素として捉える視座を考えていきます。
国際コミュニケーション学部
教授 櫻井 文子
コンタクト・ゾーンにおける近代的学知の生成-海洋生物研究の制度化を例に
【概要】
西洋式の自然科学研究は、日本では明治時代に初めて本格的に取り入れられました。つまり、日本の大学や研究所で科学の研究がスタートしたのは、欧米の国よりもかなり遅れてのことです。しかし日本の研究機関は、当時最先端の研究領域だった海洋生物の研究で、国際的に注目を集めるようになりました。それがなぜ可能だったのかを、東京や横浜を舞台とした国際的な知的交流と、相模湾という調査フィールドの発見という2つの切り口から調べています。
国際コミュニケーション学部教授宮本 文都市を歩くことが促すアメリカ現代詩の〈非〉論理的な詩的思考
【概要】
歩くという行為は誰にとっても日常的行為であり、古来より洋の東西を問わず歩くことと思索が結び付けられてきました。本研究では、歩くという行為の中でも、近代に成立した「都市を歩く(散歩する)」という歴史的所作がもたらす「遊歩者的」経験を深く取り込んだアメリカの詩人たちをとりあげます。その詩人たちが、都市を歩くことが促す〈非〉論理的な詩的思考で、世界の秘められた/新しい回路を開示する様を明らかにすることが本研究の目的です。都市が与える匿名性と偶発的な出会いに満ちた枠組みを提供する散歩が合わさることにより、「都市を歩く」ことは詩の持つ〈非〉論理的な世界の綴り方のアナロジーになるのです。
国際コミュニケーション学部
教授 松原 朗
杜甫像の再構築②
【概要】
杜甫(712~770)は、中国最大の詩人とされています。杜甫は、宋代以降の評価の高まりの中で「詩聖」(詩の世界の孔子様)と目され、忠君愛国の道徳の体現者に祭り上げられました。しかしこうした評価が、杜甫の文学のありのままの姿の理解を妨げることになりました。私のこの研究では、杜甫がなぜこのような文学を作ることになったのかという動機を、杜氏一族の歴史、杜甫の経歴、さらには詩しか持ち合わせていなかった杜甫の「生存戦略」に立ち返ることで理解し、杜甫の真実の姿を再構築することを目指します。杜甫のように研究され尽くしたと思われる詩人の場合も実は分からないことが多く、私の出る幕はいくらでもあると、気を大きくしています。
国際コミュニケーション学部
教授
山下 直 古典学習への興味・関心を喚起する音声・映像教材の開発に向けた基礎的研究
1694656601110
【概要】
国立教育政策研究所教育課程研究センターの調査では、高校生の6割以上が古文、漢文を面白くないと思っているという結果が出ています。このような「古典離れ」ともいうべき状況に歯止めをかけるためには、これまでの教材本文を読む指導ばかりではなく、古典の魅力や面白さを実感させる新たな音声・映像教材の開発が必要であると考えています。この研究ではそのための土台作りとして音声学的視点から既存の古典教材を分析することを試みます。
国際コミュニケーション学部
准教授 柴田 隆子 日独国際舞台芸術祭の比較調査研究
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【概要】
身振りや舞台装置など言葉以外の要素でも情報を伝える舞台芸術は、作り手や観客の属する文化圏の影響を強く受けます。社会批評の一部として舞台芸術が機能してきたドイツと日本では同じテーマや作品でも違いがあるのではないだろうか。本研究では様々な文化圏からアーティストが参加する国際演劇祭を中心に、特にジェンダー表象に注目した日独の表現や受容の違いを調査し、集団的記憶の形成や継承に舞台芸術が関与する可能性を明らかにします。
国際コミュニケーション学部教授
教授
斎藤 達哉 
王 伸子
中世キリシタン日本語ローマ字資料の音声化とその意義
【概要】
キリスト教の会派の一つであるイエズズ会が、1592~1593年に日本の天草において、欧文アルファベットの活字を用いて日本語をローマ字化して印刷した「天草版」の『平家物語』『伊曽保物語』『金句集』の編纂目的について、日本語教育学の視点から研究しています。「天草版」の編纂目的は、日本を訪れたポルトガル人宣教師の日本語学習向けに編集された《読本》(リーダー) であるという捉え方が一般的でした。しかし、この研究では、《発話テキスト》(会話の練習用)ではないかという仮説を立て、ポルトガル語話者が音読できるかどうかなどの検証に取り組もうとしています。
法務研究科教授加藤 克佳犯罪被害者と刑事手続―保護・支援を中心として
1694656755497
【概要】
本研究は、「刑事手続における犯罪被害者」につき、特にその保護や支援のあり方を検討することを研究目標としています。2000年の「犯罪被害者等保護二法」以降、今日まで、刑事手続における犯罪被害者への対応(犯罪被害者法制)は著しく進展しました。しかし、未だ不十分な点も残っています。特に、この間、社会の情報化が一層進展し、被害者の保護や支援の強化が要請されています。そこで、これらの問題を中心に、現行法の解釈・運用のほか新たな立法を検討します。
法務研究科教授加藤 克佳
誤判の適正迅速な救済と刑事再審制度の改革
1694656784585
【概要】
本研究は、刑事手続における「誤判の適正迅速な救済」のあり方と、そのための最後の砦である「刑事再審制度」の改革を研究目標としています。裁判は人(裁判官)が行うもので誤判(誤った裁判)は避けられないので、事後に、その適正迅速な救済を図る必要があります。そのための制度として刑事再審制度がありますが、これまで十分機能しているとは言えません。そこで,外国の制度や運用を参考にしながら、再審制度に対する適切な法的規律および運用のあり方を考察します。
注:◎は研究代表者を表す。

   2023年度 研究員(長期在外・長期国内・中期・特例他)

・長期在外研究員

所属・職名・氏名
経済学部・教授・砂山 充子
研究期間
令和6年3月31日~令和7年3月30日
研究機関(国名)
バルセロナ大学(スペイン王国)
研究課題
戦争の記憶とその継承
研究概要
 人々や社会が戦争の記憶をどのように残し、それを継承していくのかについて考察する。こ れまで研究をしてきたスペイン内戦と第一次世界大戦、第二次世界大戦等の場合についての比較検討をする。内戦であったスペイン内戦と、敵味方が国によってはっきりとしている第一次世界大戦、第二次世界大戦とで記憶、継承の仕方がどのように異なっているのか、また戦争の方法が変化をし、空爆等が頻繁に行われるようになり、「個」が見えにくくなっている総力戦での「個」をどのように拾い上げることができるのかについても検討していきたい。

所属・職名・氏名
法学部・講師・吉川 純恵
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
中央研究院政治学研究所(中華民国)及びEAST-WEST CENTER(アメリカ合衆国)
研究課題
中国のアフリカ外交の実証的研究
研究概要
 中国は2000年以降、さまざまな領域でアフリカ諸国との関係を深めてきたが、中国の対アフリカ投資や援助の方法が欧米諸国と異なることから、欧米諸国は中国のアフリカ進出を警戒し問題視してきた。本研究は中国のアフリカ外交の変遷を、中国外交に関わる多様なアクターの視点とアフリカ諸国の現地の視点を加えて実証的に考察する。

所属・職名・氏名
経営学部・教授・金 成洙
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
ソウル大学日本研究所(大韓民国)
研究課題
韓流の成功について―消費文化理論を中心に―
研究概要
 韓流の成功要因(競争力の源泉や競争優位性など)や仕組み、そして課題を消費文化の視点との関連した情報を取り上げた業界誌・新聞などの資料収集、K-POP養成所の視察、または関係者へのヒアリングやインタビューなどを通して分析したい。以上の研究から、これまで十分検討されていない韓流の既存の成功要因に一定の改革提案を行うことと、韓流をめぐるこれまでの理論研究にひとつの理論的視座を提示したい。

所属・職名・氏名
商学部・教授・太田 和博
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
大分大学(日本)
研究課題
新型コロナウィルス感染症終息後の観光客誘致方策:モビリティ確保施設を中心に
研究概要
 フィールドワークの対象として、大分県由布市の由布院温泉を取り上げ、当地に居住して、関係者へのヒアリング及び観察を行い、有効な観光客誘致方策を検討する。当地の道路事情は、由布院が観光地として注目される以前と骨格が変わっていないことから、道路混雑によるモビリティ機能の低下が生じている。新型コロナウイルス感染症の終息が予見される今後、外国人観光客誘致のためにも、モビリティ環境の改善は重要な課題である。

所属・職名・氏名
文学部・教授・田邉 祐司
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
専修大学 研究室(日本)
研究課題
昭和20年代の初期英語教員対象の研修(講習会/セミナー)に関する研究
研究概要
 戦後直後の復興期に行われた英語教員対象の英語研修の内容は現在では散逸し、「レガシー」としては継承されていない。本研究では英語教育史の観点から、これまで光があてられることがなかった戦後混乱期に行われた愛媛大学での教員研修の内容に迫ることにする。

・長期国内研究員

所属・職名・氏名
経済学部・教授・稲田 十一
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
ジョンズホプキンス大学・高等国際関係研究所(SAIS)・ライシャワーセンター(アメリカ合衆国)
研究課題
国際開発援助体制の変容と開発途上国のナショナル・ガバナンスの相互連関に関する研究
研究概要
 欧米や国際機関を中核とする伝統的な国際開発援助体制は、中国など新興国の台頭によって近年大きく変容しつつある。こうした国際開発援助体制の変容が開発途上国のナショナル・ガバナンス(特に民主化の後退や権威主義体制の広がり)にどのような影響を与えているのか、国際システムと国内体制の間の相互連関を分析するとともに、アジア・アフリカの幾つかの事例国を取り上げ、共通の要素や違いを生み出す要素などについて研究する。

所属・職名・氏名
法学部・准教授・時田 賢一
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
東京歯科大学(日本)
研究課題
抹消及び中枢神経系における脂肪酸の受容メカニズムに関する神経科学的研究
研究概要
 摂食行動に密接に関連する味覚系による脂肪酸の受容に関わるメカニズムを解明することを目的とする。研究手法としては、①脂肪酸を含む味溶液による口腔内刺激に対するマウス膝神経節神経応答の細胞外記録(味覚末梢神経系を対象とした神経生理学的実験)と、②口腔内脂肪酸刺激による脳内味覚関連部位における神経活動パターンの免疫組織化学的解析(味覚中枢神経系を対象とした機能神経解剖学的実験)をもちいる。

所属・職名・氏名
経営学部・教授・中村 太一
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
専修大学 研究室(日本)
研究課題
EBPと異文化研究の位置づけに関する考察
研究概要
 従来、EBP (English for Business Purposes) は業界・業種の垣根を越えて一般的に汎用性のある語彙・表現を取り上げてきたが、グローバル化の進展にともない、異文化コミュニケーションの視点(diversity, gender, hierarchy, identityなど)に対する関心が高まっている。主なEBP教材の比較をとおして、異文化コミュニケーションの視点がどのように反映されているのか・いないのかを検討し、EBPにおけるその位置づけについて考察を加えるものである。

所属・職名・氏名
商学部・教授・高萩 栄一郎
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
専修大学 研究室(日本)
研究課題
集合関数を利用した情報の表現、分析方法の研究
研究概要
 複数の系列の評価値などのデータを集合関数で表現し、その集合関数を集計することにより、個々の評価者の評価値の順位情報などを保存したまま分析することが可能になる。 AHP(Analytic Hierarchy Process)の評価値データ、主成分分析の評価値データなどを集合関数で表現・集計・分析し、評価者間の合意や対立などの関係を可視化していく。集合関数表現を解釈する上で必要な指標や分析ソフトウエアなどを開発する。

所属・職名・氏名
ネットワーク情報学部・教授・小林 隆
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
専修大学 研究室(日本)
研究課題
集団問題解決プロセスの設計方法の研究 Study on Design Method of Collective Problem-Solving Process
研究概要
 新製品やサービスの開発のように様々な利害関係者が参加するプロジェクトでは,多様な能力と価値観をもった人材が集団で問題解決に取り組む。ここでは,メンバーが効果的に協調できるように,問題解決プロセス(手順)を適切に設計することが課題となる。本研究では,この課題を解決するために,協調作業プロセスの枠組みである「言語行為パースペクティブ」と,ソフトウェア開発の方法論である「パターンアプローチ」を適用する。

所属・職名・氏名
人間科学部・教授・小杉 考司
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
専修大学 研究室(日本)
研究課題
最新テスト理論の心理尺度への応用
研究概要
 心理学を超えて非常に多岐にわたって利用されている心理尺度について,分析の数理的背景であるテスト理論の昨今の展開を踏まえ,新しいテスト分析モデルを開発することを目指す。従来の方法に加えて様々な高度なモデルを使って心理尺度を分析することで,心理測定の新しい解釈や活用方法を考えることが期待される。

所属・職名・氏名
国際コミュニケーション学部・教授・池尾 玲子
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
自宅(日本)
研究課題
英語現在時制小説の話法に関する文体論研究
研究概要
 従来過去時制で書かれていた英語の小説は21世紀に入り、現在時制で書かれることが増えている。本研究は現代の現在時制小説を、話法の面から調査分析し、その文体的特徴を明らかにする。直近の現在時制小説、過去時制小説を比較しながら、語り手と登場人物の視点がどのようにとらえられているか、登場人物の発話や思考がどのように提示されているかを検証する。また現在時制小説の新たな技法も分析する。

所属・職名・氏名
国際コミュニケーション学部・教授・岡田 もえ子
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
自宅(日本)
    研究課題    
談話における言語と身体性の分析
研究概要
 本研究は、談話行動分析における言葉と身体表現の関係を探るものである。文体論、語用論などの社会言語学系のコミュニケーション理論を基軸とし、そこに舞踊研究などの身体表現系の理論を重ね合わせ、表現におけることばとからだの関係を考察する学際的研究方法を模索するものである。言語学的考察では談話参与者の発話の意味や意図・含意に注目が集まるが、加えて参与者の身体性(視線・表情・姿勢・立ち位置など)に目を向けることにより発話者/聞き手の更なる関係が考察可能となるであろう。

・中期研究員

所属・職名・氏名
経済学部・教授・飯沼 健子
研究期間
令和5年9月21日~令和6年3月20日
研究機関(国名)
ラオス国立大学(ラオス人民民主共和国)
研究課題
東南アジアにおける経済発展と女性の地位
研究概要
 経済発展と女性の地位の関係について、男女平等は経済発展に寄与するという見方から、資本主義の発展は女性の搾取を招くという見方まで、相反する議論が存在してきた。本研究は急速な経済成長を遂げる東南アジアの新興経済圏を取り上げ、経済的機会の拡大過程において女性の社会的位置付けはどのような影響を受けるのかを明らかにすべく、主に現地調査を通して資本主義的経済発展と女性の地位の動態および関係性を検証する。

所属・職名・氏名
法学部・教授・高橋 寿一
研究期間
令和6年3月18日~令和6年9月15日
研究機関(国名)
フライブルク大学(ドイツ連邦共和国)
研究課題
再生可能エネルギー普及のための法制度の在り方に関する日独比較法研究
研究概要
 脱炭素社会を目指す上で再生可能エネルギー(再エネ)の普及は不可欠の要素であるが、日本では再エネについてネガティブイメージが形成されてしまっている。日本では土地利用規制が緩やかであったために、地域環境や住民の意向を無視した設備建設が進んでしまった。再生可能エネルギーを普及する上で望ましい土地利用規制の在り方は何なのか。わが国よりも規制が厳しいドイツで再生可能エネルギーが普及している要因はどこにあるのかを法制度の側面から研究する。

所属・職名・氏名
国際コミュニケーション学部・教授・長谷川 宏
研究期間
令和5年10月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
東京大学(日本)
研究課題
英語及びその他の言語における束縛現象と削除現象
研究概要
 再帰代名詞等の束縛現象と、Sluicing等の削除/省略現象について、英語及びその他の言語のデータを、さまざまなメディアを通して収集する。これらのデータを、生成文法理論、特に近年のミニマリスト(極小主義)理論に基づいて分析する。英語だけでなく他言語のデータも収集し比較検討することで、言語間に見られる共通性と差異を明らかにし、その共通性の背後にある普遍的原理と、言語間の差異を生じさせている多様な要因(いわゆるパラメーター(媒介変数)等)の解明を目指す。

・特例研究員

所属・職名・氏名
経済学部・講師・森田 公之
研究期間
令和5年4月1日~令和6年3月31日
研究機関(国名)
Erasmus School of Economics(オランダ王国)
研究課題
組織内の異質性と意思決定プロセスに関する理論的研究
研究概要
 意思決定と遂行者からなら組織を考え,彼らの間の選好の異質性が,組織の意思決定プロセスとどのように相互作用するかを分析する.一般的に,組織の中で何かを成すためには,どの選択肢が望ましいか情報を集め,集めた情報をもとに選択し,選択されたものを実行することになる.このよ うな簡潔な意思決定プロセスを考え,特に,いつまたなぜ意思決定の権限を部下に委譲するのは望ましくなるのかを明らかにする。

所属・職名・氏名
法学部・教授・妹尾 哲志
研究期間
令和5年9月1日~令和6年8月31日
研究機関(国名)
ポツダム大学(ドイツ連邦共和国)
研究課題
ドイツ連邦共和国の外交政策に関する総合的研究
研究概要
 2022年2月に大規模化したロシアによるウクライナ侵攻は、ヨーロッパのみならず国際社会に大きな衝撃を与え、歴史的にもロシアとの関係の深いドイツの政治外交に再検討を迫るものであった。本研究では、第二次世界大戦後のドイツ連邦共和国の政治外交について、アメリカをはじめとした北大西洋条約機構(NATO)を中心とする「同盟」関係や、欧州連合(EU)に連なる欧州統合などの観点を軸に分析を試みる。

・相馬学術奨励基金による海外研究員

    所属・職名・氏名    
人間科学部 ・准教授・加藤 佑昌
    研究期間    
令和5年4月1日~令和6年3月15日
研究機関(国名)
ワイカト大学(ニュージーランド)
研究課題
若手心理臨床家の初期教育方法の検討
研究概要
 ワイカト大学心理学部では心理カウンセラー養成に関して独自のトレーニングプログラムを実践している。そのプログラムに参加しながら,私の研究テーマである「若手心理カウンセラーの初期教育方法」について研究する予定である。

 

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