学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

 

◆人間科学部

本学部の心理学科、社会学科がそれぞれに規定する所定の卒業要件単位を学則で定める在籍期間中に修得することによって、幅広い教養と豊かな人間性を有し、専門分野に関しては、実験・観察・調査を軸として、科学的・実証的に人間の理解を目指し、人間の心と社会に生起するさまざまな現象のメカニズム(因果関係)を解明する領域を総合的に学び、主体的に社会を支え活動できる能力を養い、高度な専門性を身につけた者に対し、心理学科では学士(心理学)の、社会学科では学士(社会学)の学位を授与します。

 

◆社会学科

 以下のことを社会学科学位授与の方針とし、学士(社会学)の学位を授与します。
(1)社会学のさまざまな領域で蓄積されてきた知識と理論を修得し、個人的な問題が社会の諸制度とのかかわりの中で生じていることを理解できる。(知識・理解)
(2)社会的行為と制度の理解のために、社会調査の手法をはじめとしてさまざまな科学的・実証的研究の方法を修得するとともに、自らの思考を文書や口頭によって分かりやすく伝えることができる。(技能・表現)
(3)諸社会が有する文化や価値の多様性に関心を持ち、他者理解を深めることができる。(関心・意欲・態度)
(4)社会における実践的な課題について、上記の能力を総合的に駆使して思考し、分析することができる。(思考・判断)

 

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

 

◆人間科学部

人間科学部では、教育研究上の目的及び養成する人材の目的を達成するために、教育課程を「転換・導入科目」、「教養科目」、「外国語科目」、「専門科目」の4つの科目群から構成することとし、教育課程全体の体系性・順次性を確保し、かつ教養教育と専門教育の有機的連携を図ります。

◆社会学科

(1)教育課程

「転換・導入科目」、「教養科目」、「外国語科目」では、中央教育審議会答申などで指摘されている重要性や意義を踏まえるとともに、養成しようとする知識や能力を明確にしたうえで、具体的な教育目標を立て、その教育目標に対応する科目群から編成しています。
「転換・導入科目」は、専門的な知識・技能とそれに基づく思考方法や地球的視野からの視点をもつための基礎となる内容を学ぶとともに、大学で学ぶときだけではなく、生涯学ぶうえで社会においても必要とされる基礎的な力を身に付けることとしています。
「教養科目」及び「外国語科目」は、学部・学科の専門教育を相対化し、専門教育の範囲を超えた広い領域の知識・技能を学び、異なる視点から問題にアプローチすることで、多面的なものの見方の基礎を養成することとしています。
「専門科目」では、基礎・基本を重視し、専門の骨格を正確に把握させるとともに、科目間の関係や履修の順序、単位数等に配慮し、系統性と順次性のある教育課程の編成としています。

(2)学位授与の方針を踏まえた教育課程編成の方針

① 人類の文化や社会、自然など共通に求められる幅広い知識の修得及び様々な角度から物事を見ることができる能力を修得するための科目を配置します。
② 社会学のさまざまな領域で蓄積されてきた基礎的な理論の修得とともに、社会的行為と制度を理解することができる能力を修得するための科目を配置します。
③ 社会調査の技法を修得するとともに、理論的・実証的研究の方法を活用して、社会における実践的な課題を分析する能力を修得するための科目を配置します。
④ 課題を発見し、解決に必要な情報を収集、分析するとともに、修得した知識・能力を活用し、問題を解決する能力を修得するための科目を配置します。

(3)学位授与の方針を踏まえた教育課程実施の方針

① 学位授与に求められる体系的な教育課程の構築に向けて、初年次教育、教養教育、専門教育、キャリア教育等の観点を踏まえた編成としており、特に、初年次教育は、多様な入学者が自ら学修計画を立て、主体的な学びを実践できる内容とし、キャリア教育は、卒業後も自律・自立して学習できる観点を踏まえた内容としています。
② 知識の理解を目的とする教育内容は、講義形式を中心とした授業形態を採るとともに、態度・志向性及び技能の修得を目的とする教育内容は、演習形式による授業形態を採ることとし、理論的な知識や技能を実務に応用する能力を身に付けることを目的とする教育内容は、実習形式や実践形式を交えた授業形態を採ります。
③ 学修者の能動的な学修への参加を促すために、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等をはじめとする能動的学修を導入するとともに、問題解決能力や批判的思考力を養うために、教室外での共同学習、ケーススタディなどによる発見学習、調査学習、体験学習を導入します。
④ 教育課程編成・実施の方針が、教育研究上の目的や人材養成の目的を達成するという目的のもとに策定され、かつ、教育課程の編成において、体系性と順次性が明確であることを示すために、授業科目の系統性を示す科目ナンバリングを導入します。
⑤ 年次やセメスターごとの教育内容の全体が俯瞰でき、時系列に沿った到達目標が理解できることで、学生が学習目標に沿った適切な授業科目の履修が可能となるように、卒業後の進路を踏まえた典型的な履修モデルを整備するとともに、CAP制の意義を踏まえ履修登録単位数を明示することとしています。

(4)教育内容・方法

1.転換・導入科目

「転換・導入科目」は、専修大学の入門・基礎科目として位置づけられています。高等学校段階の教育と大学での教育を接続させるための初年次教育としての目的を重視して、少人数演習形式の「専修大学入門ゼミナール」を配置し、社会知性の開発を目指す専修大学の学生としての自覚と心構えを持ち、大学での学修に求められる最低限の読解力・思考力・プレゼンテーション力・文章力などの技能や能力を身に付けます。
また、専門的な知識・技能とそれに基づく思考方法や地球的視野からの視点をもつための基礎となる内容を学修すると同時に、大学で学ぶときだけではなく、生涯学ぶうえで社会においても必要とされる基礎的な力を身に付けるために、中央教育審議会答申などで指摘されている「学士力」を意識し、「データ分析入門」、「キャリア入門」、「あなたと自然科学」など、8科目14単位を配置しています。

2.教養科目

「教養科目」は、「人文科学基礎科目」、「社会科学基礎科目」、「自然科学系科目」、「融合領域科目」、「保健体育系科目」から構成しています。各学部・学科の専門教育を相対化し、専門教育の範囲を超えた広い領域の知識・技能を学び、異なる視点から問題にアプローチすることを目的としています。「人文科学基礎科目」、「社会科学基礎科目」、「自然科学系科目」では、特に、文化・歴史・社会、自然など幅広い教養を身に付けることを目的としています。また、「融合領域科目」は、基礎的な知識や技能を背景として、専門教育以外の異なる視点からの総合的な学習経験と創造的思考力の涵養を目指すものです。「保健体育系科目」は、自身の健康やスポーツへの理解を深める目的にとどまらず、自己管理力やチームワークなども養成する目的を有しています。これらの科目は、学部・学科を超えた普遍性の理解を基本理念とし、多面的なものの見方の基礎を養成することから、93科目198単位を配置しています。

3.外国語科目

「外国語科目」は、英語をはじめとする外国語の運用能力を獲得し、適切なコミュニケーションを行うことで、世界の文化や社会について理解を深め、幅広い視野からさまざまな問題に取り組む力を身に付けることを目的としています。英語のうち、1年次及び2年次に履修する、外国語の基礎的な運用能力の獲得と適切なコミュニケーション能力の養成を目的とした科目は、入学時に行うプレイスメントテストに基づいた習熟度別の少人数クラスを編成し、レベル別の授業とすることで、能力の向上を目指しています。英語以外の外国語については、多くの学生が初めて学ぶ科目であることを踏まえ、初級・中級・上級とそれぞれの学習段階での到達目標を明確にしたレベル別の授業としています。また、異文化・多文化への理解を深めるために、講義形式で世界の諸地域の言語とその背景となる文化を学ぶ科目を含めて、181科目263単位を配置しています。

4.専門科目

  • 専門科目では、社会学のさまざまな領域で蓄積されてきた知識と理論を修得するため、社会学科の専門教育課程編成を構成する三つの系(文化・システム系、生活・福祉系、地域・エリアスタディーズ系)に即しつつ、実証的かつ体系的な学修、研究指導をおこないます。そうした方針のもと、「社会調査実習A」、「文献研究A」、「専門ゼミナールA・B」と卒業論文は必修科目とします。また、配当年次については、科目間の関係や履修の順序などに配慮して体系的な履修が可能となるように配当しています。
  • 社会的行為や制度について科学的・実証的に研究する方法を修得するため、社会調査の実習授業(「社会調査実習A・B」)を少人数指導の形式(10人程度を目安とするクラス)で開講します。「社会調査実習A・B」では、自らの思考を文書によって伝える技術・表現を育成するため、調査の成果を報告書として刊行します。
  • 社会調査に主体的、能動的にのぞむのにふさわしい知識や能力を身に付けるため、社会調査法科目群(「社会調査の基礎」、「調査設計と実施方法」、「データ分析法実習」、「統計学実習」、「多変量解析法実習」、「質的分析法」、「社会調査実習A」)を体系的に配置します。
  • 社会学の理論や方法論についての理解を深め、かつ、その知識を文書や口頭で伝え、議論する力を育成するため、文献の精読やディスカッションを中心とする演習授業(「文献研究A・B」)を少人数指導の形式(10人程度を目安とするクラス)で開講します。
  • 諸社会が有する文化や価値の多様性への関心を高めるため、年度ごとに3つのテーマを設定し、そのテーマに精通した学者や実務家を学外から講師として招いた講義科目(「社会学特殊講義A・B・C」または「社会学特殊講義D・E・F」)を開講します。
  • 専門科目を中心とする教育内容を、総合的に駆使して、社会における実践的な課題について思考し、分析することができる能力を修得するため、「専門ゼミナールA・B」を少人数指導の形式(10人程度を目安とするクラス)で開講します。社会学科の全学生は、2年次の後期に、各自の関心や問題意識にもとづき所属ゼミナール(担当教員)の選択を行ない、3年次の「専門ゼミナールA」と4年次の「専門ゼミナールB」において、同じ教員による一貫した指導を受けながら、各自が主体的に研究に取り組み、卒業論文を執筆します(必修)。

(5)学修成果の評価方法

  • 教養教育課程の科目から9単位、および専門教育課程の選択科目24単位の修得をもって、諸社会が有する文化や価値の多様性に関心を持ち、他者理解を深めることができると評価します。
  • 専門教育課程の必修科目「社会学原論1・2」4単位および選択必修科目28単位の修得をもって、社会学のさまざまな領域で蓄積されてきた知識と理論を修得し、個人的な問題が社会の諸制度との関わりの中で生じていることを理解できると評価します。
  • 専門教育課程の必修科目「社会調査の基礎」、「調査設計と実施方法」、「データ分析法実習」6単位、および選択必修科目「社会調査実習A」または「文献研究A」4単位の修得をもって、社会調査の手法をはじめとしてさまざまな科学的・実証的研究の方法を修得するとともに、自らの思考を文書や口頭によって分かりやすく伝えることができると評価します。
  • 専門教育科目の必修科目「専門ゼミナールA・B」8単位、および「卒業論文」8単位の修得をもって、社会における実践的な課題について思考し、分析することができると評価します。
  • 「卒業論文」を複数教員による査読と口述試験によって評価することにより、卒業認定・学位授与の方針に掲げる全ての資質や能力が身についたことを総合的に評価します。

 

入学者の受入れ方針(アドミッション・ポリシー)

◆人間科学部

人間科学部は、卒業認定・学位授与の方針および教育課程編成・実施の方針に定める教育を受けるために必要な、次に掲げる知識・技能、能力、態度を備えた人を求めます。

◆社会学科

(1)高等学校の教育課程を幅広く修得している。
(2)高等学校までの履修内容のうち、「国語」と「英語」の両方において、聞く・話す・読む・書く、という基礎的なコミュニケーション能力を身につけている。
(3)高等学校までの履修内容のうち、科学的思考力の基礎として「数学(I、A、B)」において、確率・統計にかかわる知識を身につけている。
(4)高等学校までの履修内容のうち、「地理歴史(世界史・地理・日本史)」において、グローバル化する現代社会の多様性とその歴史的前提を理解するために必要な知識を身につけている。
(5)社会への寄与を念頭に、そのために社会学を学び、その高度な専門性を応用したいという意欲がある。
(6)必要な知識を身につけるための講義・実習・演習に最後まで取り組むことができる。