専大日語・コラム
専大日語の教員による、月替わりのコラムです。
2026年10月:香港での日本語教育実習について
「日本語教育実習B」について
今年度の「日本語教育実習B」の夏季休暇期間中の実習は、昨年度に引き続き香港で行いました。昨年度は王先生が担当し、ウーロンゴン大学香港で教壇実習を行いましたが、今年度は私(高橋)が担当し、香港中文大學専業進修学院(CUSCS)で行いました。
「日本語教育実習B」は通年の授業で、前期に教壇実習の準備をし、夏季長期休暇中に東アジア地域の日本語教育機関で教壇実習を行い、後期にその振り返りをするというものです。 (シラバスはこちら)
香港の日本語教育機関の訪問について
今回の実習で特に印象に残ったのは、日本語学習者が実習生を歓迎する熱量でした。中級レベルの2年生はもちろん、1年生にも既修者がいるので、多くの学生が実習や授業見学の合間に積極的に話しかけてきて、実習生と色々な話をしていました。これは交流会をした香港理工大学専上学院、パソナエデュケーション日本語学校でもそうでした。日本語学科の卒業生が経営している中環日本語倶楽部は訪問のみでしたが、やはり熱心な学生がいる様子が伺えました。
私は香港へ行くのは8年ぶりで、日本語教育機関の訪問は初めてだったのですが、予想以上に日本に興味を持っている学習者が多いことが分かりました。実習生も同じようなことを実感したと思います。日本語学習者と直接話をして何に興味を持っているかを知ったり、実際に街を歩いてみて、様々な形で日本からのものに触れる機会が多いことを実感したりすることは、海外の日本語教育の現状を理解する上でとても役立ったと思います。
また、日本語教育機関では、専修大学の学部卒業生・大学院修了生を含む日本語教師の方々にお会いしてお話を伺うこともできました。実習生も、もし自分が海外に住んで日本語教師として働くなら…というイメージを持てたのではないかと思います。
教壇実習と文化交流について
香港中文大學専業進修学院の教壇実習では、1、2年生の協力者を対象に、初級のかなやあいさつをテーマにした授業、初中級の語彙と文法の授業の実習を行いました。また、両学年合同で「文化交流」の活動も行いました。
初中級の文法の授業では、2年生がすでに学んだ『J.BRIDGE for beginners Vol.1』『同 Vol.2』の知識を前提として、使役受身の導入と練習を行いました。『J.BRIDGE』はトピックシラバスの教科書ですので、その内容との整合性を持たせるため、中級前期向けの『J.BRIDGE to Intermediate Japanese』を参考にした授業内容にしました。例えば、使役文で表現する「子どものころ、親や先生が自分にさせたこと」について、使役受身文「私は子どものころ、母/父/先生に~させられました」で表現するという具合です。『J.BRIDGE to Intermediate Japanese』では、使役と授受表現による「~させてもらいました」も示し、「~させられました」との意味の違いを考えさせるということもしますので、これも授業に取り入れました。このような教壇実習を3人の実習生がそれぞれ行い、お互いの実習も見学し、終了後には簡単に振り返りをするというように進めました。実習生にとってはかなり大変だったと思いますが、得るものも大きかったのではないかと思います。
「文化交流」は、日本の伝統的な遊びをテーマにしました。折り紙やけん玉の実物を見せて紹介した後、かるたのやり方を事前に作成した動画で説明し、実際にグループに分かれてやってみました。今回使用したかるたの1つは、「あ・ら・かるた a la karuta」という日本語学習者向けに作られたものです。拗音の札(例:きゃくせき…)や濁音の札(例:がっこう…)もあり、やってみると普通のかるたより難しいようでしたが、文化交流の活動は全体的にとても盛り上がりました。
来年度の実習も、香港中文大學専業進修学院(CUSCS)で行う予定ですので、興味がある方は履修を考えてみてください。
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