科学研究費助成事業_2022年度

2022年度 科学研究費助成事業採択者

基盤研究(B)

氏名・職名 稲田十一 経済学部教授
研究課題名 国際開発援助体制の変容と開発途上国のナショナル・ガバナンスの相互連関に関する研究
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本研究は、国際開発援助体制の変容に関するグローバル・ガバナンスの国際システムレベルの分析と、開発途上国の国家・国内レベルのナショナル・ガバナンスの分析を併用して、国際開発援助体制の変容が開発途上国のナショナル・ガバナンス(特に民主化の後退や権威主義体制の広がり)にどのような影響を与えているのか、両者の間の相互連関を分析するとともに、幾つかの事例国を取り上げ、そこにみられる共通の要素や違いを生み出す要素などを探求するものです。
氏名・職名 稲葉大 経済学部教授
研究課題名 マクロ経済の異質性と財政・金融政策の有効性
氏名・職名 小池隆生 経済学部教授
研究課題名 「生活最低限」の地域性と貧困の「農村的性格」を基礎にした貧困対策に関する調査研究
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本研究は、貧困対策の効果的な実施に資する根拠として、人々が暮らす場所の特徴(=「地域性」)を、どのように織り込み踏まえることができるのか、また、地域生活の「最低限」の違いがどのようなものであるのかについて、農村部(岩手県岩泉町および西和賀町)と都市部(岩手県盛岡市および神奈川県川崎市)との比較調査から明らかにします。その際、注目するのは生活様式です。研究目的のために、地域で異なる生活様式に関する量的ならびに質的調査を実施します。
氏名・職名 傅凱儀 経済学部准教授
研究課題名 ナイジェリア農民のリスク認識とリスク管理戦略に関する学際的研究
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本研究は、アフリカ農民のリスク認識とリスク管理戦略を明らかにすることを目的とします。アフリカにおける飢餓と貧困を根絶するには、伝統技術を継承しつつも外来技術を調和的に導入し、農業の生産性と収益性を持続可能な手法で高めていく必要があります。しかし、社会経済リスクや生態環境リスクが高いアフリカ諸国では、外来技術の導入による農業の集約化がこれらリスクに対する農民の脆弱性を高める可能性があります。
氏名・職名 飯考行 法学部教授
研究課題名 津波・事故死亡事案における犠牲者遺族の活動と法と社会への影響に関する実証研究
氏名・職名 黒田友哉 法学部准教授
研究課題名 1970年代の日米欧三極国際秩序の模索―日米関係史と日欧関係史の総合化の試み
氏名・職名 相澤勝治 経営学部教授
研究課題名 性ホルモンを介した骨格筋量の新たな調節機序
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本研究は、女性ホルモン(エストロゲン)を合成するために必要なアロマターゼ酵素に着目し、骨格筋においてどのような働きを担っているかについて明らかにすることです。さらに、このアロマターゼ酵素は運動によって活性化されることから、運動による筋肉の肥大や萎縮予防の機序を明らかにし、我が国の健康寿命の延伸に寄与するための基礎的知見を得ることを目的としています。
氏名・職名 渡辺達朗 商学部教授
研究課題名 商店街の多様性とコミュニティ対応力の評価:地域商店街活性化法の効果検証の観点から
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全国の商店街で空き店舗の増加、営業不審などの衰退傾向が続いています。そうした傾向は、コロナ禍による外出や営業の自粛などを通じて加速しています。この研究では、商店街を構成する店舗が多様であればあるほど、そして地域コミュニティのさまざまなニーズへの対応力が高ければ高いほど、その商店街の持続可能性が高まるとの考え方に基づいて、各地の商店街の実状を詳しく調査し、課題の解決方法等について検討します。
氏名・職名 高岡貞夫 文学部教授
研究課題名 高山地域のジオダイバーシティが生物多様性創出に果たす役割
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山岳地域の湖沼は古くから研究対象となってきましたが、高山帯に点在する、雨水や雪解け水を集めた小さな池は注目されてきませんでした。しかし、水域が限られる高山帯では、案外このような小さな池こそが生物多様性を高めることに役立っているのではないかと予想しています。池を利用する動植物の調査のみならず、地形学や水文学など自然地理学の視点も合わせることによって、学問の垣根を超えた高山池沼の総合研究を目指します。
氏名・職名 貫成人 文学部教授
研究課題名 コンテンポラリーダンスの制度的基盤に関する比較分析
氏名・職名 望月俊男 ネットワーク情報学部准教授
研究課題名 一見矛盾する事実から真実を導き出す能力を育む協調学習環境の開発と実践的評価
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Webを検索していると、1つのテーマでもWebサイトによって様々なことを言っていて、困ったことはありませんか。例えば、ダイエットや、ワクチンの有効性などは、そのようなテーマかではないかと思います。そのような「一見して矛盾する情報」を、どのように読み解けば、真実にたどり着けるでしょうか? この研究では、Epistemic Cognition(認識的認知)という新しい研究領域の知見を生かして、様々な情報を効果的に読み解くための方法を、グループの話し合いの中で学べる学習環境を開発し、その効果を評価しています。
氏名・職名 越智博美 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 グローバル冷戦下の米文学・文化研究―文化の相互変容プロセスの実証/理論的国際研究
氏名・職名 成田雅彦 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 癒しと再生のロマン主義―グリーンケアをめぐる環大西洋エコロジーの展開と現代性
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私たちは、昨今、新人世と呼ばれるようになった現代世界の危機的な環境問題に対し、文学研究の領域から問題解決のヒントを探る共同研究をしています。特に自然を大きなテーマとした十九世紀英米ロマン主義文学を研究対象とし、そこに提起される自然破壊の問題や自然の人間精神に対する癒しの力を分析し、広く発表することで、現代の人間たちと世界へ、これまでの政治や経済、あるいは環境運動からだけではない、文学世界からの提言を行おうとしています。

基盤研究(C)

氏名・職名 泉留維 経済学部教授
研究課題名 地域循環型社会に向けた「木の駅」方式の地域通貨による資源管理に関する研究
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地域通貨ブームは2008年頃に終わりましたが、近年、例外的に数を伸ばしているのが「木の駅」における地域通貨です。「木の駅」は中山間地での自然資源の循環の構築を念頭に置き、搬入された間伐材の対価として地域通貨を支払い、間伐材は可能な限り地域で活用し、また地域通貨は地域の個人商店等で使用される仕組みです。本研究は、60弱ある「木の駅」の運営の実態や、代表的な「木の駅」におけるメンバーの購買パターンや意識の変化等について明らかにし、地域の自然資源の持続的な活用やそれらの循環性等を図るために地域通貨が果たしうる役割を明らかにしようとするものです。
氏名・職名 河藤佳彦 経済学部教授
研究課題名 共通価値創造の観点からみたコミュニティビジネスによる大都市圏の地域活性化方策
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コミュニティビジネスには、収益事業体としての自立性と地域活性化への貢献という公益性が共に期待されます。大都市圏にはビジネス機会が多くあり、コミュニティビジネスが地域コミュニティを支える重要な社会基盤として期待されます。そこで、代表的な大都市圏である関東地方に着目し、ヒアリング調査とアンケート調査により、大都市圏の地域活性化にコミュニティビジネスが果たす役割の重要性とその振興方策について提言します。
氏名・職名 小西恵美 経済学部教授
研究課題名 長い18世紀イギリスの都市化における小売業の役割
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本研究は、18世紀から19世紀末までのイギリスの都市化の過程を「質的都市化」と捉え、都市化そのものの概念を再考することを目的としています。鍵となるのは小売業の歴史的意義です。イギリス地方都市の事例を中心に、小売業の展開、特に固定小売店舗の集まる買い物通りの様々な形態と機能、その形成が都市に及ぼした多面的な影響、買い物通りと伝統的取引との対立・補完関係、地域社会との関わり方などについて実証的に検証します。
氏名・職名 小林昭裕 経済学部教授
研究課題名 文化的生態系サービスの視点から捉えた、自然公園における文化的景観の持続的管理
氏名・職名 佐藤雅幸 経済学部教授
研究課題名 イップスおよびジストニアにおける発症のメカニズムと対処法に関する研究
氏名・職名 中村吉明 経済学部教授
研究課題名 コロナ禍で変容するモビリティ・シェアリングの阻害要因・普及促進方策の解明
氏名・職名 奴田原健悟 経済学部教授
研究課題名 マクロ経済における資産価格変動メカニズムの解明と望ましい経済政策の在り方の研究
氏名・職名 板井広明 経済学部准教授
研究課題名 古典派経済学のジェンダー視点による思想史的再検討:女性・再生産・環境
氏名・職名 陳ショウジ 経済学部准教授
研究課題名 因果機械学習に基づく分位点処置効果の計量解析とその経済学における応用
氏名・職名 妹尾哲志 法学部教授
研究課題名 シュミット政権期の独米関係に関する総合的研究
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本研究では、1974年から82年までのドイツ連邦共和国(西ドイツ)のヘルムート・シュミット政権期の対アメリカ外交に関して新たに利用可能になった史料等に基づいて考察します。冷戦時代の西ドイツは安全保障面でアメリカに大きく依存していましたが、経済面では戦後復興から高度成長を遂げ国際社会での発言権を増してきたのが当該時期にあたります。本研究から得られる知見は、2017年のトランプ政権誕生以降に動揺する独米関係との比較だけでなく、アメリカとの同盟関係という課題を抱える日本外交への示唆という点でも重要な現代的意義を有するものです。
氏名・職名 谷口智紀 法学部教授
研究課題名 所得相応性基準に関する日米比較法研究を素材とした知的財産権の評価基準の構築


氏名・職名 吉川純恵 法学部講師
研究課題名 中国のアフリカ外交の実証的研究:資源外交・インフラ建設・国有企業
氏名・職名 青木章通 経営学部教授
研究課題名 サービス業における収益管理の役割期待の変化に関する研究
氏名・職名 西山貴弘 経営学部教授
研究課題名 多様な状況における統計的仮説検定方式の開発とその応用
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近年の情報化社会の発展に伴い、日々新しく生まれるデータがますます巨大化し、それらのデータが互いに融合し複雑化する「ビックデータ時代」とよばれる社会になっています。そのため、現実的に起こりうる多種多様な状況に対する新たな統計解析手法の開発の重要性が増しています。本研究では、従来の統計理論を適用することができないような様々な状況の下で、特に統計的仮説検定問題についての理論と方法論の開発を行っています。
氏名・職名 根本宮美子 経営学部教授
研究課題名 人事におけるジェンダーバイアスの日米比較
氏名・職名 中村世名 経営学部准教授
研究課題名 企業の市場適応行動パターンとその成果:製品ポートフォリオの動態的分析に基づいて
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企業を取り巻く環境は常に変化しており、近年、その変化のスピードがますます速くなっていることが指摘されています。企業は、保有する製品の組み合わせであるポートフォリオを変更することによって、そうした変化に適応しようとします。この研究では、定量的な分析を通じて、企業のポートフォリオ変更行動のパターンを類型化すること、また、どのパターンを採用している企業が最も高い成果をあげることができるかを特定化することを目指しています。
氏名・職名 巴山竜来 経営学部准教授
研究課題名 コンピュータ援用による旗領域の組み合せ論的研究
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円や正多角形などの対称的な図形は、回転によって変化しない性質を持っています。このように対称性を持つかたちは、そのかたちを不変に保つ変換の集まりを調べることによって研究することができます。この研究ではコンピュータを駆使し、そういった変換の構造を研究します。また図形の変換に関する基礎理論をコンピュータグラフィックスに応用することも視野に入れています。
氏名・職名 石川和男 商学部教授
研究課題名 小規模零細小売・サービス事業者の事業承継課題と伝達ノウハウに関する研究
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日本では後継者不在を理由として廃業を選択する事業者(会社)が増加しています。製造業であれば、事業承継にあたり製造技術など伝達すべきノウハウが多くあります。他方、小売業や卸売業、さらにサービス業では事業承継の際に伝達すべきノウハウと呼ぶに相応しいものが存在するのか、あるとすればそれは家族の中でしか伝達できないのか。それらノウハウは、第三者には伝達できないものなのかを研究することが課題です。
氏名・職名 伊藤和憲 商学部教授
研究課題名 統合報告の価値創造に関する情報利用の研究
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法律で強制された財務報告書は,過去の財務情報の報告書です。投資家は,将来性のある企業に投資したいために,過去のデータでは役に立ちません。そこで,企業が任意にサステナビリティ・レポートを報告しています。ところが,これらは何の関係もなく報告されているので,統合すべきであるとして統合報告書が求められています。統合報告書を経営管理のためにどのように利用すべきかと考えて,管理会計の立場で研究しています。
氏名・職名 奥瀬喜之 商学部教授
研究課題名 視線動向データを踏まえた消費者の価格知覚に関する研究
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この研究では、価格情報が提示された際の消費者の目の動きのデータを分析し、小売店舗や広告、ウェブ画面などでの効果的な価格の提示方法について検討していきます。消費者が提示された価格をどう知覚するのかについては、これまでにも数多くの研究がなされてきましたが、その多くはアンケート調査によるデータや購買履歴データを用いたものでした。この研究では新しいアプローチを用いて、消費者の価格知覚に関する知見を得ることを企図しています。
氏名・職名 阪本将英 商学部教授
研究課題名 石綿健康被害救済制度の改正に向けた制度設計に関する包括的研究
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アスベスト(石綿)は、かつて建材として大量に使用されました。しかし、石綿を吸引すると中皮腫や肺がんといった健康被害を引き起こすうえに、その被害は建設労働者にとどまらず、石綿を扱っていた工場周辺の住民にも発生していることが明らかになりました。これを受けて、2006年に被害者の迅速な救済を目的に「石綿健康被害救済制度」がつくられましたが、同制度は給付水準が低く、被害者の生活を保障する仕組みになっていません。本研究では、被害者の立場からどのような救済・補償制度が必要なるのか検討します。
氏名・職名 瀬下博之 商学部教授
研究課題名 倒産法制における損害賠償請求権の責任負担の在り方についての経済学的研究
氏名・職名 田畠真弓 商学部教授
研究課題名 人材紹介会社が東アジアのグローバル人材の国際間移動に果たす役割
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近年、私たちの社会は国際化が大きく進展しています。海外で働く日本人や、外国人が日本で働くケースも急増しています。海外で仕事を探すには一体どうすれば良いのでしょうか。国内の就職活動と異なり、海外での仕事探しは、情報不足で途方に暮れる場合も多いのです。そこで、この研究では、日本、台湾、韓国の大卒人材の海外就活状況を調査し、人材紹介会社が海外就活の支援で果たす役割について明らかにします。
氏名・職名 成岡浩一 商学部教授
研究課題名 研究開発投資、イノベーションとその会計・開示行動
氏名・職名 西居豪 商学部教授
研究課題名 戦略的業績評価システムにおける因果的な指標間関係の複雑さに関する研究
氏名・職名 菱山淳 商学部教授
研究課題名 リース取引に関する資本化回避行動の分析
氏名・職名 本田竜広 商学部教授
研究課題名 有限無限次元複素バナッハ空間の等質単位球上の正則写像に関する研究
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数学の中でも、解析学の多変数函数論の分野の研究に位置づけされます。解析対象の局所的な極一部の現象を精緻に分析し、変化を的確にとらえると、全体での性質を知ることができるのが面白く興味深いところです。本研究の等質性や対称性をもつ領域の理論は、例えば、リニア・モーターカーにおいて、磁場から遮蔽するという条件のもとでのシールド最適設計問題の解法への応用が報告されています。
氏名・職名 大崎恒次 商学部准教授
研究課題名 ニューノーマル時代の健康経営:若者世代の身体的・精神的・社会的健康に着目して
氏名・職名 前川修吾 商学部講師
研究課題名 植物リボソームストレス応答の分子機構の実態解明
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植物を研究材料とした生物学の研究課題です。リボソームとは、細胞の中でタンパク質を作る装置です。リボソームはたくさんのタンパク質やRNAの部品が組み立てられて作られます。リボソームが正しく組み立てられなくなると、人間では様々な病気の原因になります。一方で植物の場合は葉の形に異常が出たり、根が伸びなくなったりします。この研究課題では、なぜリボソームが正しく組み立てられないと葉や根に異常が起きるのか、その分子メカニズムを明らかにすることを目指しています。
氏名・職名 新田晴彦 商学部兼任講師
研究課題名 英語母語話者の航空管制通話と日本人リスニング能力の限界
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航空管制は英語を共通語とし航空機の交通整理を行っています。日本人にとっては外国語による通話となるため容易ではありません。私は、この通話をいかに正確に聞き取るかの研究を行っています。英語を母国語とする人たちの通話は、自国語ということでパイロット・管制官を問わず非常に高速で行われるのが一般的です。英語を外国語として学んできた者としてこの容赦のない英語にどう立ち向かえばいいのかを主題にしています。
氏名・職名 伊藤博明 文学部教授
研究課題名 近世におけるシビュラ図像の流布と展開
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中世後期からルネサンスにかけて、イベリア半島に出現したシビュラ像について、またこれらのシビュラ像とヨーロッパで制作された版画集から影響を受けて成立した、16~17世紀のラテンアメリカの諸国家の聖堂に見いだされるシビュラ像について調査し、バロック期におけるシビュラ像の世界的な受容と展開について研究します。
氏名・職名 上村妙子 文学部教授
研究課題名 コミュニケーション能力を重視したジャンル・アプローチに基づくライティング指導
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コミュニケーションをとる時には、「相手は誰か」、「目的は何か」といった「コンテクスト」が重要な要素となります。この研究の目的は、ジャンル・アプローチに基づく日本人英語学習者のための効果的な英語ライティングの指導法を考案することです。具体的には、まず設定されている「コンテクスト」を分析し、その上で「書く目的」を達成するための最適な文章構造と言語表現を選ぶための方策を模索していきます。
氏名・職名 苅谷愛彦 文学部教授
研究課題名 大規模斜面崩壊の発生年代と誘因に関する通説の地形学・地質学・年代学的検証
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強い地震や激しい豪雨によって日本で発生した大規模土砂崩れには、人間が残した古文書や伝承をたよりに発生年代が推定されているものがあります。それを客観的に裏付けるため、野外調査データにもとづき土砂崩れの地形・地質特性を詳しく解析し、土砂崩れに巻き込まれた材木の化石の精密な分析を進めて1年単位という高い精度で発生年代を突きとめています。過去の災害史を正確に解き明かすことを通じて、未来の防災・減災に貢献することを目指しています。
氏名・職名 鬼嶋淳 文学部教授
研究課題名 戦後日本の地域形成に関する歴史的研究
氏名・職名 黒沢眞里子 文学部教授
研究課題名 アメリカ葬儀産業の成り立ちと葬儀のプロフェッショナル化の研究
氏名・職名 佐藤岳詩 文学部教授
研究課題名 メタ倫理学的観点から見た規範倫理学理論の再構築
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英米圏の倫理学はしばしば三つの領域に区別されます。なぜ悪いことをしてはいけないのかなどを探究するメタ倫理学、善悪の判断基準などを探究する規範倫理学、現実の社会問題などを考える応用倫理学です。昨今、この三分野の間で分断が進んでおり、それぞれの研究は独立に進められる傾向にあります。しかし、この研究課題では、そのような状況を良しとせず、どうすればそれらの三つの分野に繋がりをもたせられるか、ということを探究しています。
氏名・職名 中垣恒太郎 文学部教授
研究課題名 ナショナル・アイデンティティの創造と変容――「新世界の無用者」の表象
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現在、アメリカではさまざまな「分断」が問題となっています。その中で、「取り残された層」としてのプア・ホワイトの表象史に対する注目も高まっています。いわば、「新世界の無用者」として疎外されてきた層は、アメリカの物語においてどのように扱われてきたのでしょうか。本研究課題は、アメリカのナショナル・アイデンティティの創造と変容を「アメリカ的」物語の系譜から探ることを目指します。不法移民や階級の問題にも目を向け、分断が進むアメリカの課題についても検討します。
氏名・職名 濱松純司 文学部教授
研究課題名 形態・統語のインターフェイスにおける句の語彙化ー語彙論の仮説の検証
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英語では、a stay-at-home mom(主婦)のように、単語の内部に、より大きな単位である句(フレーズ)が埋め込まれた表現が観察されます。日本語でも「無料でみれていいのかレベル」のような例があり、こうした現象を「句の語彙化」と呼びます。句や文を扱うレベルとは別に、単語を扱う部門を独立して認めるべきか否かという問題は、英語学において以前から論じられてきました。本研究は、句の語彙化の考察を通じ、この問題の解明を目指すものです。
氏名・職名 廣川和花 文学部教授
研究課題名 医療記録からみる日本医療の「近代化」過程―医療費・家族・診療録―
氏名・職名 三浦弘 文学部教授
研究課題名 英語の地域的変遷史を融合させた社会音声学の実践
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アメリカ英語とイギリス英語に違いがあるのは,地域によって英語の歴史が異なるからです。日本語にも方言があるように,英語にも多数の地域方言があります。その方言の歴史的変遷を人種間の接触,文化的・政治的な出来事等,英語が変化するきっかけを手掛かりとして,その土地の現在の発音を現地で録音し,音響的な音声分析を行った結果を階級,年代,性別等を分類して比較することで方言変化のメカニズムを解明します。
氏名・職名 南修平 文学部教授
研究課題名 海と陸から問い直すアメリカ現代史―20世紀後半ニュージャージー州沿岸諸都市の変容
氏名・職名 宮崎裕助 文学部教授
研究課題名 共通感覚の公共的機能の再解釈を基盤とした「テレパシー倫理学」の構築

氏名・職名 米村みゆき 文学部教授
研究課題名 日本統治期における児童文化の伝搬と受容に関する比較と調査研究
氏名・職名 渡辺英次 文学部教授
研究課題名 専門的トレーニングの継続が発育発達期の運動能力・コンディションに与える影響
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幼児期から特化した競技スポーツ活動が発育発達期の選手に与える身体の影響に着目しました。各競技のスポーツクラブに所属するジュニア期からユース期の選手を対象として体力・運動能力測定、コンディション因子測定とアンケート調査を実施します。測定結果から、競技種目特有の体格、運動能力の発育発達のパターンと性差、各年代特有のコンディションの変化と傷害の有無との関連性について調査します。
氏名・職名 渡邉真理子 文学部教授
研究課題名 アメリカ文学におけるサバイバルの修辞学と冷戦期再考
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本課題の目的は、第二次世界大戦後から現代までのアメリカ文学において、戦争・テロリズム・原子力事故・災害などの災厄がどのように表現されているのかを検討し、サバイバルという主題の生成と発展を明らかにすることで冷戦期を再考することです。21世紀を生きている私たちが日常的に意識せざるをえない災厄を、文学文化の領域から研究しています。ヴェトナム戦争、9.11とイラク戦争、ウクライナ侵攻に至るまで、アメリカにおける戦争の扱われ方にも注目しています。
氏名・職名 上平崇仁 ネットワーク情報学部教授
研究課題名 態度形成のプロセスに着目した 教育者向けデザイン学習プログラムの開発
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全国の高校生、社会人がデザインを学ぶ時代になっています。デザインは「やり方」だけではなく、取り組みの背後を支えているその人の姿勢が重要ですが、形式知にするのが難しいことが課題です。この研究ではデザインにおける態度の問題に着目し,それがどのように形成されていくのか、どのように体得できるのかの調査と検討を行った上で,それらを反映した教育者向けのデザイン学習プログラムの開発を行うことを目的としています。
氏名・職名 河野敏鑑 ネットワーク情報学部准教授
研究課題名 コロナ禍での企業における健康状況と企業業績との関係についての経済学的考察
氏名・職名 大久保街亜 人間科学部教授
研究課題名 裏切りの隠蔽と検出における無意識的過程
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詐欺や横領など、信頼関係を裏切る犯罪は残念ながら多く発生しています。裏切り者はどのように他者を騙すテクニックを用いるのか、そして、他者はそれを見破ることができるのか、裏切りとその隠蔽さらにその検出における意図性に焦点を絞り検討します。裏切り者と観察である他者がどの程度意識的に行動しているのか、また、無意識的な過程がどのくらい関わっているのか、行動実験、視線計測、瞳孔反応計測を用いて明らかにします。
氏名・職名 嶋根克己 人間科学部教授
研究課題名 COVID-19が葬送儀礼の変容に与えた比較社会論的研究
氏名・職名 鶴理恵子 人間科学部教授
研究課題名 「小農の復権」に関する社会学的研究
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本研究では、①日本における小農論の系譜、②小農評価の世界的潮流と日本における動向との異同とその背景、③日本における各地の「小農」たちの現状とその社会的特質について、文献研究およびフィールドワークを通して明らかにします。それらを通して、グローバル化の深化する現代における持続可能な農業・農村の現状と課題を捉えると共に、都市と農村の関係、食・農・暮らしの再考による現代社会の今後の展望を描くことが研究の目的です。
氏名・職名 永野由紀子 人間科学部教授
研究課題名 アジアの家族と村落コミュニティの比較歴史社会学:日本とインドネシアを中心に
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この研究では、日本の農村家族とインドネシアのバリ・ヒンドゥーの農村家族とを比較します。核家族は近代化や都市化にともなう現象とは限りません。日本の農村は親夫婦と長男夫婦とが同居する三世代家族が一般的ですが、東南アジアの農村は核家族が一般的です。東南アジアの伝統的な核家族は、西欧近代の核家族と異なり、近隣集団や親族集団に開かれた家族です。比較家族の研究は、日本の家族や社会の常識を問い直すことにつながります。
氏名・職名 池尾玲子 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 21世紀現在時制小説の文体研究
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英語の小説は従来、過去時制(例:Three times Della counted it. One dollar and eighty-seven cents. And the next day would be Christmas.)で書かれていました。しかし、今世紀になって、現在時制(例:Three times Della counts it. One dollar and eighty-seven cents. And tomorrow is Christmas.)で書かれた小説が増えてきました。本研究は、現在時制が登場人物の話す言葉や、考えの表現にどのような影響を及ぼしているかを分析します。
氏名・職名 石川達夫 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 チェコ文学におけるグロテスクと笑い――人間存在の真相を開示するもの
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「人間は笑う動物である」という哲学者アリストテレスの定義にも示されているように、笑いが人間にとって本質的なものであることは疑いありませんが、中欧の独特の精神風土の中で発展したチェコ的な笑いは特に注目すべきものです。チェコでは、深刻なものと滑稽なもの、悲劇と喜劇が混合した独特の笑いが発展しました。この研究は、そのようなチェコ的な笑いを具体的に分析し、チェコ文化を理解する上で鍵となるグロテスクと笑いへの理解を深めると共に、それが人間にとって持つ機能と意味を探ります。
氏名・職名 王伸子 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 ナレーション音声による日本語教材の開発 -効果の実証的研究と教材開発ー
氏名・職名 櫻井文子 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 在外ドイツ系知識人と公共圏の科学―明治期東京における東洋文化研究協会を例に
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明治時代が始まり、グローバルな人やモノ、情報の流れに日本も組み込まれるようになると、東京や横浜、神戸といった流通や交通の拠点には、お雇い外国人や外交官、商館員として数多くの西洋人が住むようになりました。彼らは最先端の科学や技術を日本に持ち込んだだけでなく、日本人も巻き込んで込国際色豊かな知的コミュニティを形成しました。本研究では、その中でもドイツ系知識人たちの活動に注目し、彼らのグローバルな活動が日本とドイツの双方に与えた知的インパクトを明らかにします。
氏名・職名 根岸徹郎 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 詩人大使クローデルの活動を通した1920年代の日仏文化外交・交流の実態調査と研究
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1921年から1927年まで駐日フランス大使を務めた詩人・劇作家ポール・クローデルの日本における外交・文学活動に注目し、第一次世界大戦という大きな節目のあとの世界の再編成という状況と、メディアが飛躍的に発達した1920年代に、クローデルが担った外交上の役割を検証することで、20世紀に入って大きく転換・発展したフランスの対外文化外交の方向性と戦略を明らかにします。この研究は当時の世界・社会情勢の中での文化外交に光をあてつつ、歴史研究・文学研究・外交研究の領域を横断するものです。また、インターネットなどのメディアが急速に発達する今日の状況を検証する上で、示唆をあたえるものです。
氏名・職名 小林貴徳 国際コミュニケーション学部准教授
研究課題名 メキシコ先住民村落部における災害脆弱性の解明:民俗知を活かす地域防災モデルの構築
氏名・職名 石田信平 法務研究科教授
研究課題名 「価値ある労働」の機会保障と間接差別規制に関する比較法研究
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差別とは、どのような行為でしょうか。友達となる人を選択する際、その人の性別を意識することが多いと思いますが、それは男女差別でしょうか。どのような行為を差別とみなすのか、という問題は奥が深く難しい問題で、それは雇用の領域でも同様です。人は人としては平等ですが、一人として同じ人はいないからです。生まれも育った環境も異なります。この研究では、雇用の領域において注目されてきている「間接差別」に焦点を当てて、それがどのような差別なのか、なせ雇用の領域において「間接差別」なるものが規制されなければならなのか、といった点を、平等や差別に関する哲学的視点に遡りながら検討します。
氏名・職名 道垣内弘人 法務研究科教授
研究課題名 家事事件の実務的・現代的課題をふまえた実体法理の再構築
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家族関係の法律は、家庭裁判所等で運用されています。しかし、その運用は学問的・理論的な分析に基礎づけられます。たとえば、これまでの実務を維持しているだけでは、人工生殖や同性婚など、新しい問題に適切に対処することはできません。そこで、私たちの研究では、家庭裁判所の裁判官、家事事件を専門とする弁護士などの実務家の協力を得て、紛争の実態・問題の所在を明らかにし、そこに存在する理念的な問題性・論理的な不整合性などについて検討を深めていこうとしています。
氏名・職名 早川眞一郎 法務研究科教授
研究課題名 国際家族法における「子の最善利益」
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この研究では、家族法における重要な考慮要素である「子の最善利益」(best interest of the child)の概念が、国際的な要素を含む場面での家族をめぐる規律においてどのような意味をもつのかを、両親が国境を越えて子を奪い合う紛争(いわゆるハーグ条約の適用される事案)、及び、外国に出かけて代理出産などにより子をもうける仕組み(いわゆる国際的生殖補助医療)を主たる素材として、検討します。
氏名・職名 新井勝紘 人文科学研究所参与
研究課題名 学徒出陣兵の記憶および記録の「継承」のための実践的研究
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アジア・太平洋戦争の終結から75年を越えた今、薄れていく当時の記憶や記録を後世に伝えることの重要性はますます高まっています。本研究は、国の方針転換で出征を余儀なくされた高等教育機関の学生たち(学徒出陣兵)の戦争体験を継承していくためにはどのようにすれば良いのか、その方法を考察することを目的としています。人の記憶はあいまいなものです。だからこそ、残された資料を検証しながら原体験を精査し、より正確な記憶を後世に残すための根元的作業が必要なのです。
氏名・職名 瀬戸口龍一 大学史資料室室長
研究課題名 明治期における経済学・商学教育の地方伝播に関する基礎的研究
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現在、日本の大学で最も多くの学生を抱えているのが「経済学・商学系の学部」です。ではいつ頃、経済学や商学を教育する学校はつくられ、なぜ人々はそのような学校で学びたいと考えるようになっていったのでしょうか。本研究は、明治中期以降、全国各地に次々と設立されていく経済学・商学教育機関(このなかには現在の大学や高校の前身校も多くあります)は何を教えていたのか、学んでいる生徒は学校に何を求めていたのか、などを明らかにすることで、人々が経済学や商学を学ぶ意義を探ります。

挑戦的研究(萌芽)

氏名・職名 望月俊男 ネットワーク情報学部准教授
研究課題名 協調学習における主体的な学びの調整を状況に応じて支援するエージェントの開発と評価
氏名・職名 国里愛彦 人間科学部教授
研究課題名 再現可能な心理学研究のためのクラウド研究基盤の開拓
氏名・職名 越智博美 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 後期冷戦期文化政策研究のための資料調査と国際共同研究プラットフォーム形成

若手研究

氏名・職名 森啓輔 経済学部講師
研究課題名 日米における米軍基地をめぐる言説ネットワークの翻訳プロセスの社会学
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本研究は、米軍基地をめぐるメディア言説に焦点を当て、日米において日本の米軍基地問題がどのように報道されてきたのかを明らかにすることを目的としています。日本における米軍政策は日米メディアでどのような共通点や差異を持つのか、これらについて多角的に明らかにすることを目的としています。
氏名・職名 森田公之 経済学部講師
研究課題名 育成を促すフィードバックについての理論研究
氏名・職名 高橋脩一 法学部准教授
研究課題名 裁判手続のIT化と民事訴訟記録へのIT技術を通じたアクセスのあり方について
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現在、日本では裁判手続をIT化する議論が進められています。それと同時に、電子化された訴訟に関する記録の公開のあり方についても議論されています。裁判が公正に行われるためには透明性が必要です。その一方で、裁判当事者のプライバシーにも配慮する必要があるでしょう。一体どういった要素をどのように考慮して公開の方法や内容を決めるべきなのか、アメリカやイギリスの例を参考に検討しています。
氏名・職名 澤山裕文 法学部講師
研究課題名 組織再編における株主による会社情報の調査の利用可能性
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本採択課題は、会社の組織再編、いわゆるM&Aにつき、その公正性の確保と目的として、株主に対して付与されている会社の内部情報の調査権の利用可能性について検討するものです。その検討にあたって、近時その議論が活発であるアメリカ会社法の議論を参考に、比較法的研究を行うものです。
氏名・職名 丸井貴史 文学部准教授
研究課題名 近世日本「白話文化」の研究―唐話学・白話文学受容の文学史的位置づけ―
氏名・職名 宇野瑞木 文学部講師
研究課題名 孝の「説話表象」の三次元的把握モデルの発展的研究――「二十四孝」説話を基点に
氏名・職名 山田昭子 文学部兼任講師
研究課題名 昭和期を中心にした少女雑誌に見る女子アスリートのジェンダー表象
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スポーツとジェンダーの関係が注目される中、本研究では特に女子アスリートに着目していきます。アスリートとしての自分と女性としての自分、自他の身体イメージの乖離・葛藤は、当時の少女雑誌でどのように表現され、読者たちはそれを受け止めていたのか。現代にも続く女子アスリートたちのジェンダー上の葛藤、それに伴って生じる「ゆがみ」を、昭和期の少女(少年)雑誌言説に限定し、明らかにしていきます。
氏名・職名 土屋翔一 ネットワーク情報学部准教授
研究課題名 fullerene graphについての研究
氏名・職名 池田彩夏 人間科学部講師
研究課題名 幼児・児童における集団責任の認識の発達プロセスの解明
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私たちは自分の言動が引き起こした結果に対して責任を持つことが求められます。そして責任は、その言動を行った人だけではなく、その人が所属する集団のメンバーに対しても、連帯責任として帰属されることがあります。この研究では、幼児・児童を対象に集団責任の認識がどのように発達するのかを明らかにしたいと考えています。具体的には、第3者視点から幼児・児童が集団の責任をどのように捉えているのかを検討することに加え、幼児・児童自身が集団メンバーの一員として行動するときに、集団の責任を意識して振る舞うのかを検討します。
氏名・職名 塚本匡 人間科学部講師
研究課題名 自閉スペクトラム症児における対人相互作用の工学デバイスを活用した評価と支援研究
氏名・職名 石川健太 人間科学部助教
研究課題名 社交不安の注意プロセスにおける領域固有性仮説―注意プロセスへの介入効果の検証―
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社交不安が高い人は、他者の表情や視線など自分自身の不安を高めてしまう刺激に対して、過度に注意を向けたり、一度向けた注意を逸らすことができないといった非適応的な注意特性をもつことが報告されてきました。本研究では、こうした注意特性が生じるメカニズムを明らかにします。さらに非適応的な注意特性を修正するための実験的な手法を開発することで、社交不安の症状の改善や再発の予防に役立てます。
氏名・職名 大澤逸平 法務研究科教授
研究課題名 分割的因果関係論による責任成立論・減責論・求償論への包括的アプローチの可能性

研究活動スタート支援

氏名・職名 渡邉有希乃 法学部講師
研究課題名 市民の選好と事業評価から見る公共事業の手続的公正の意義:行動行政学アプローチ
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本研究は、公共事業に関する入札手続の公正性を確保する意義を、行政側ではなく、市民側の視点から明らかにしようと試みるものです。入札の公正性に関しては、公正な競争の下で守られる市民の経済利益と、むしろ競争抑制下で追求しやすくなる工事品質とのトレードオフを背景に、公正確保の利点を巡る論争が続いてきました。本研究では、これらの価値を市民自身がどのように捉えているのか、一般市民を対象とした調査によって明らかにする中で、この論争に一定の解決を与えることを試みます。