科学研究費助成事業_2020年度

2020年度 科学研究費助成事業採択者

基盤研究(B)

氏名・職名 小池隆生 経済学部教授
研究課題名 「生活最低限」の地域性と貧困の「農村的性格」を基礎にした貧困対策に関する調査研究
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本研究は、貧困対策の効果的な実施に資する根拠として、人々が暮らす場所の特徴(=「地域性」)を、どのように織り込み踏まえることができるのか、また、地域生活の「最低限」の違いがどのようなものであるのかについて、農村部(岩手県岩泉町および西和賀町)と都市部(岩手県盛岡市および神奈川県川崎市)との比較調査から明らかにします。その際、注目するのは生活様式です。研究目的のために、地域で異なる生活様式に関する量的ならびに質的調査を実施します。
氏名・職名 飯考行 法学部教授
研究課題名 津波・事故死亡事案における犠牲者遺族の活動と法と社会への影響に関する実証研究
氏名・職名 渡辺達朗 商学部教授
研究課題名 商店街の多様性とコミュニティ対応力の評価:地域商店街活性化法の効果検証の観点から
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全国の商店街で空き店舗の増加、営業不審などの衰退傾向が続いています。そうした傾向は、コロナ禍による外出や営業の自粛などを通じて、加速されています。この研究では、商店街を構成する店舗が多様であればあるほど、そして地域コミュニティのさまざまなニーズへの対応力が高ければ高いほど、その商店街の持続可能性が高まるとの考え方に基づいて、各地の商店街の実状を詳しく調査し、課題の解決方法等について検討します。
氏名・職名 中原孝信 商学部准教授
研究課題名 味の知覚に対する相互作用のモデル化と感性を考慮した推薦システムの構築
氏名・職名 高岡貞夫 文学部教授
研究課題名 高山地域のジオダイバーシティが生物多様性創出に果たす役割
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山岳地域の湖沼は古くから研究対象となってきましたが、高山帯に点在する、雨水や雪解け水を集めた小さな池は注目されてきませんでした。しかし、水域が限られる高山帯では、案外このような小さな池こそが生物多様性を高めることに役立っているのではないかと予想しています。池を利用する動植物の調査のみならず、地形学や水文学など自然地理学の視点も合わせることによって、学問の垣根を超えた高山池沼の総合研究を目指します。
氏名・職名 山本充 文学部教授
研究課題名 ヨーロッパにおけるモビリティの増大に伴う農村人口変動と新たなルーラリティの創出
氏名・職名 望月俊男 ネットワーク情報学部准教授
研究課題名 一見矛盾する事実から真実を導き出す能力を育む協調学習環境の開発と実践的評価
氏名・職名 金井雅之 人間科学部教授
研究課題名 アジア型ウェルビーイングの社会的メカニズムを解明する国際共同研究
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自分が幸せだと思う人はなぜそう感じるのでしょうか。お金があるから? 家族とよい関係を築けているから? それともやりがいのある仕事ができているからでしょうか。幸せと感じるかどうかは個人の主観の問題ですが、幸せになるための条件は他人や社会のあり方に左右されます。そこでこの研究では、日本を含むアジア8ヶ国の研究者が協力して各国の一般市民にインタビュー調査をおこない、アジアにおける幸せの社会的条件を探ります。
氏名・職名 澤幸祐 人間科学部教授
研究課題名 目的的行動から習慣行動への遷移を支える微視的理論と依存研究への応用
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「メールを読む」といった目的のためにスマホを使っていたはずが、「なんとなくスマホをいじる」というように、いつのまにか特段の目的なしに行動してしまうことがある。これは習慣行動の形成の例であり、場合によっては依存と呼ばれる状態に陥る。本研究では、目的行動を習慣行動へ変化させる要因を明らかにし、習慣行動や依存の形成を遅らせる方法や、行動変容のための介入がしやすい目的行動へと引き戻す方法について検討する。
氏名・職名 越智博美 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 グローバル冷戦下の米文学・文化研究―文化の相互変容プロセスの実証/理論的国際研究
氏名・職名 土屋昌明 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 道教の洞天思想における聖地と巡礼の調査研究およびその東アジア思想文化史への影響
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中国の山には数多くの洞窟が存在し、そこに神が住んでいると考えられた。そのため、そこは聖地とされ、祈りや修行がおこなわれた。本研究は、こうした聖地がどう発生し発展したか、そこでの祈りや修行はどんなだったか、そこへの巡礼はどうおこなわれたか、こうした考えが東アジアの考え方や文化の歴史にどう影響したかなどを、文献の読解と現地調査で解明し、それによって中国の宗教・思想・文学の特徴を解明する。
氏名・職名 三枝令子 国際コミュニケーション学部特任教授
研究課題名 日本国内で医師をめざす外国人を対象とした医学語彙教材開発のための総合的研究
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世界的な規模で人が移動するようになり、日本でも外国人で日本の医師国家資格を持つ人が求められています。しかし、これまで外国人への医学教育は制度的に行われたことはなく、その方法もよくわかっていません。医学教育では、まず医学用語の習得が不可欠です。この研究では、日本の医師国家資格取得を目指す外国人のために、日本語教育、コーパス言語学等の手法を用いて、医学用語の調査研究と教材作成を行い、効果のある支援を目指します。

基盤研究(C)

氏名・職名 泉留維 経済学部教授
研究課題名 地域循環型社会に向けた「木の駅」方式の地域通貨による資源管理に関する研究
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地域通貨ブームは2008年頃に終わりましたが、近年、例外的に数を伸ばしているのが「木の駅」における地域通貨です。「木の駅」は中山間地での自然資源の循環の構築を念頭に置き、搬入された間伐材の対価として地域通貨を支払い、間伐材は可能な限り地域で活用し、また地域通貨は地域の個人商店等で使用される仕組みです。本研究は、60弱ある「木の駅」の運営の実態や、代表的な「木の駅」におけるメンバーの購買パターンや意識の変化等について明らかにし、地域の自然資源の持続的な活用やそれらの循環性等を図るために地域通貨が果たしうる役割を明らかにしようとするものです。
氏名・職名 稲田十一 経済学部教授
研究課題名 援助供与国としての中国の台頭と国際援助体制へのインパクトの分析
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近年、中国の対外援助の拡大が著しい。この研究では、①中国が多額の援助を供与しているカンボジア、ラオス、ミャンマーなどの国に焦点をあて、中国の援助がそれらの国の経済社会や政治外交にどのような影響を与えているのか、②中国主導の地域的な経済協力の枠組みが、これまでの国際的な援助協調体制にどのような影響を与えつつあるのか、を分析します。そして、中国型の援助アプローチの国際関係的な意義を明らかにします。
氏名・職名 小西恵美 経済学部教授
研究課題名 長い18世紀イギリスの都市化における小売業の役割
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本研究は、18世紀から19世紀末までのイギリスの都市化の過程を「質的都市化」と捉え、都市化そのものの概念を再考することを目的とする。鍵となるのは小売業の歴史的意義である。イギリス地方都市の事例を中心に、小売業の展開、特に固定小売店舗の集まる買い物通りの様々な形態と機能、その形成が都市に及ぼした多面的な影響、買い物通りと伝統的取引との対立・補完関係、地域社会との関わり方などについて実証的に検証する。
氏名・職名 小林昭裕 経済学部教授
研究課題名 明治・大正期、北海道の都市公園の開設・改修、公園設計に対する社会文化史的考察
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本研究では、開拓という政策的背景をもとに、港湾都市(函館、小樽、室蘭、釧路)、内陸の殖民都市(旭川、帯広、名寄、北見、滝川)に、明治、大正期に設置された公園の開設・および改修を対象に、公園が成立する場所の立地特性(空間),公園という場所に刻まれた履歴(時間)に対し、市民・行政・団体等の関係者が場所に対する関心・働きかけ(人間)という3要素を統合的に捉える手法で社会文化面の評価を行います。
氏名・職名 中村吉明 経済学部教授
研究課題名 ライドシェアリングの成功失敗5カ国のインスティテューショナル・イノベーション分析
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本研究では、日本のライドシェアリングの導入効果について、米国、中国、シンガポール、フィンランドと比較分析を行い、負の影響、正の影響を実証的に明らかにする。具体的には、法制度や既存業界の反対が参入障壁になっているほか、仮に導入されても、各国の法制度遵守の度合いや産業構造によって差異が生ずるため、上記5カ国の比較分析を行い、日本のライドシェアリング等の政策と当該企業の経営戦略の立案に貢献する。
氏名・職名 塙武郎 経済学部教授
研究課題名 アメリカ学校区の予算編成・起債における州学校資本補助金の役割と政府間財政関係
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本研究では、教育大国アメリカで小中学校および高校の新規建設や増改築等に必要とされる財政資金が、州の下部行政組織ながら強い独立性をもつ「学校区」ごとの借金(一般財源保証債の発行)によって賄われるという分権システムについて、財政力の弱い学校区に対し州(上位政府)はどのような財政支援を行っているのか、また州と学校区にはどのような政府間財政関係が形成され、何が課題とされているのかを、事例研究を通じて分析する。
氏名・職名 谷ヶ城秀吉 経済学部教授
研究課題名 戦前・戦後の商社組織と機能に関する連続と継承の基礎的研究
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三井物産をはじめとする商社は,日本の経済成長に貿易面で貢献してきました。商社を対象とする歴史研究は,戦前の事例を中心に多くの成果が提出されています。しかし,戦前の商社が構築した組織や機能が戦後に継承されていく過程は,まだ十分に明らかにされておらず,検証の余地を残しています。そこで本研究では,商社に勤務していた関係者が残した未整理資料の利用や関係者に対する聞き取り調査を通してこれらの点を明らかにしていきます。
氏名・職名 榎透 法学部教授
研究課題名 日本におけるヘイト・スピーチ規制に関する憲法学的考察
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ヘイト・スピーチは、日本社会でも現在大きな問題となっており、憲法学界でも外国法等を参照しつつそれに対する規制の是非が議論されています。本研究は、日本でヘイト・スピーチ規制を行うべきかどうか、規制する場合にはどのようなヘイト・スピーチに、どのような規制を加えるべきなのか、また、規制を加えなければヘイト・スピーチは解消しないのかを検証し、法規制を用いないヘイト・スピーチ対策について検討します。
氏名・職名 妹尾哲志 法学部教授
研究課題名 シュミット政権期の独米関係に関する総合的研究
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本研究では、1974年から82年までのドイツ連邦共和国(西ドイツ)のヘルムート・シュミット政権期の対アメリカ外交に関して新たに利用可能になった史料等に基づいて考察する。冷戦時代の西ドイツは安全保障面でアメリカに大きく依存していたが、経済面では戦後復興から高度成長を遂げ国際社会での発言権を増してきたのが当該時期にあたる。本研究から得られる知見は、2017年のトランプ政権誕生以降に動揺する独米関係との比較だけでなく、アメリカとの同盟関係という課題を抱える日本外交への示唆という点でも重要な現代的意義を有する。
氏名・職名 田上麻衣子 法学部教授
研究課題名 伝統知の多面性に即した保護手法の総合的研究
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ある民族や地域で代々伝承されてきた知識をヒントに新しい製品が開発されたり、伝統的な文様が新たなデザインに繋がったりするように、伝統知(伝統的知識)は様々な創造・創作活動に影響を与えています。しかし、伝統知自体は原則として現行の知的財産制度の保護対象ではないため、現在、その保護の必要性や保護の手法について国際的な議論が行われています。こうした動きを受けて、本研究では伝統知の望ましい保護のあり方について検討します。
氏名・職名 渡邊一弘 法学部教授
研究課題名 少年司法における調査・鑑別と処遇との連携状況についての分析
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本研究は、非行少年による再犯・再非行予防政策において重視されている、①非行少年の非行原因を理解するため科学的調査の機能の検証、および②鑑別調査と実際の処遇との連続性についての検証するために、近年、少年の再非行の可能性と教育上の必要性を把握するためのツールとして開発された「法務省式ケースアセスメントツール」の内容と機能の分析を通じ、少年司法制度において同ツールを基礎として非行性の調査と非行克服のための処遇とが有機的に連携出来ているか否かについて、現状分析に取り組むものである。
氏名・職名 大西楠・テア 法学部准教授
研究課題名 外国人労働力受け入れの法理論-社会統合法制を中心として
氏名・職名 青木章通 経営学部教授
研究課題名 サービス業における顧客管理会計としてのレベニューマネジメントの研究
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企業が成長するためには、その商品を購入してくれる顧客と長期的で強固な関係を結ぶことが重要です。これからの日本経済を牽引するサービス業が、大事な顧客との関係性を強固なものとし、長期的に続く売上を作り上げるためには企業内部においてどのような管理を行うべきでしょうか。価格のコントロール、商品の評判の管理、経営管理の体制の構築とその運用といった視点から、会計の情報が果たす役割を研究しています。
氏名・職名 間嶋崇 経営学部教授
研究課題名 過剰な情報セキュリティ対策が生じるメカニズムの組織論的探究
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ICTの発展に伴い、企業は顧客や企業自身の安全・安心のため、情報セキュリティにも十分に気を配らなくてはなりません。しかし、気を配り過ぎて対策が過剰になり、仕事の効率性や新しいアイデアを生み出す能力が低下したり、あるいはかえってセキュリティを脅かす事態が生じたりするケースが散見されます。本研究では、そういった過剰な情報セキュリティ対策が企業の組織の仕組みから生じるものと捉え、その発生メカニズムを解明していきます。
氏名・職名 西山貴弘 経営学部准教授
研究課題名 多様な状況における統計的仮説検定方式の開発とその応用
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近年の情報化社会の発展に伴い、日々新しく生まれるデータがますます巨大化し、それらのデータが互いに融合し複雑化する「ビックデータ時代」とよばれる社会になっています。そのため、現実的に起こりうる多種多様な状況に対する新たな統計解析手法の開発の重要性が増しています。本研究では、従来の統計理論を適用することができないような様々な状況の下で、特に統計的仮説検定問題についての理論と方法論の開発を行っています。
氏名・職名 巴山竜来 経営学部准教授
研究課題名 コンピュータ援用による旗領域の組み合せ論的研究
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円や正多角形などの対称的な図形は,回転によって変化しない性質を持っています.このように対称性を持つかたちは,そのかたちを不変に保つ変換の集まりを調べることによって研究することができます.この研究ではコンピュータを駆使し,そういった変換の構造を研究します.また図形の変換に関する基礎理論をコンピュータグラフィックスに応用することも視野に入れています.
氏名・職名 石川和男 商学部教授
研究課題名 小規模零細小売・サービス事業者の事業承継課題と伝達ノウハウに関する研究
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日本では後継者不在を理由として廃業を選択する事業者(会社)が増加しています。製造業であれば、事業承継にあたり製造技術など伝達すべきノウハウが多くあります。他方、小売業や卸売業、さらにサービス業では事業承継の際に伝達すべきノウハウと呼ぶに相応しいものが存在するのか、あるとすればそれは家族の中でしか伝達できないのか。それらノウハウは、第三者には伝達できないものなのかを研究することが課題です。
氏名・職名 伊藤和憲 商学部教授
研究課題名 インタンジブルズと企業価値に関する研究
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工業化社会から知識社会に経済が大きく変わってきた。そのために,企業価値を創造する要因も機械や設備のような有形資産から,従業員のスキルや情報技術,組織文化といったインタンジブルズに変わってきている。また,企業価値も利益のような経済価値だけでなく,顧客や社会,従業員といったステークホルダーの満足へと変化している。そこで,インタンジブルズが企業価値にどのような影響を及ぼすかを実証的に検討する。
氏名・職名 奥瀬喜之 商学部教授
研究課題名 視線動向データを踏まえた消費者の価格知覚に関する研究
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この研究では、価格情報が提示された際の消費者の目の動きのデータを分析し、小売店舗や広告、ウェブ画面などでの効果的な価格の提示方法について検討していきます。消費者が提示された価格をどう知覚するのかについては、これまでにも数多くの研究がなされてきましたが、その多くはアンケート調査によるデータや購買履歴データを用いたものでした。この研究では新しいアプローチを用いて、消費者の価格知覚に関する知見を得ることを企図しています。
氏名・職名 鹿住倫世 商学部教授
研究課題名 女性の起業におけるやり甲斐、生き甲斐、働き甲斐と政策的支援のあり方に関する研究
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育児等で退職した女性が、趣味や特技、専門技能などを活かして自宅でビジネスを始めることがあります。小規模なので、経済的な成果は小さいかもしれません。しかし、ビジネスを通じて社会とつながっていると感じることで、女性はやり甲斐や生き甲斐、働き甲斐を感じ、前向きに生きていくことができます。子供が大きくなって再就職するときも、心理的なハードルが低くなるかもしれません。女性の起業には、このような意義もあるという事を研究し、支援策のあり方を明らかにします。
氏名・職名 櫻井康弘 商学部教授
研究課題名 会計情報システムの組織適合性に関する総合的研究
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会計情報システム(以下,AIS)とは,会計業務とコンピュータ(情報技術)との関係を扱う会計学の領域です。AIS構築問題は情報技術の発展と大きく関係し,情報技術の適用水準の相違はAISの機能を決定する大きな要因となります。しかし,AISの技術的水準の相違は,企業の経営戦略や行動様式といった企業固有の組織特性との関係において説明ができるのではないかと考えられます。本研究ではAIS構築に影響を及ぼす諸要因を明らかにすることが目的となります。
氏名・職名 佐藤由美 商学部教授
研究課題名 日本統治下台湾・朝鮮の師範学校に関する研究
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戦前の教員養成は師範学校で行われていました。それは当時、日本の統治下にあった台湾や朝鮮でも同様でした。この研究では、当時の台湾や朝鮮の師範教育がどうなっていたのか、まずは政策や制度の変遷を明らかにします。次に各師範学校の生徒数や就学状況の実態、教育内容・教育方法について調べ、「内地」の師範学校とも比較しながら、台湾と朝鮮の違い、時期的な違い、都市と地方の違い、学校ごとの特徴を明らかにする計画です。
氏名・職名 谷守正行 商学部教授
研究課題名 管理会計に対するAIの適合性研究
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本研究では、管理会計に対するAIの適用可能性と限界を研究することによって、管理会計が無意識下の感覚や価値観に作用する機能の本質を解明する。具体的には、管理会計に関する業務機能それぞれに対して「AI検証ツール」を構築し、それを使って実際の企業でアクションリサーチを行い、評価検証する。それにより、管理会計には意識下におけるコントロール機能だけでなく、無意識下におけるフィードフォワード機能の側面があり、その本質を明らかにする。
氏名・職名 田畠真弓 商学部教授
研究課題名 人材紹介会社が東アジアのグローバル人材の国際間移動に果たす役割
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近年、私たちの社会は国際化が大きく進展しています。海外で働く日本人や、外国人が日本で働くケースも急増しています。海外で仕事をさがすにはいったいどうすればよいのでしょうか。国内の就職活動と異なり、海外での仕事探しは、情報不足で途方に暮れる場合も多いのです。そこで、この研究では、日本、台湾、韓国の大卒人材の海外就活状況を調査し、人材紹介会社が海外就活の支援で果たす役割について明らかにします。
氏名・職名 成岡浩一 商学部教授
研究課題名 研究開発投資、イノベーションとその会計・開示行動
氏名・職名 西居豪 商学部教授
研究課題名 戦略的業績評価システムにおける因果的な指標間関係の複雑さに関する研究
氏名・職名 本田竜広 商学部教授
研究課題名 有限無限次元複素バナッハ空間の等質単位球上の正則写像に関する研究
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数学の中でも、解析学の多変数函数論の分野の研究に位置づけされます。解析対象の局所的な極一部の現象を精緻に分析し、変化を的確にとらえると、全体での性質を知ることができるのが面白く興味深いところです。本研究の等質性や対称性をもつ領域の理論は、例えば、リニア・モーターカーにおいて、磁場から遮蔽するという条件のもとでのシールド最適設計問題の解法への応用が報告されています。
氏名・職名 植村八潮 文学部教授
研究課題名 学校図書館を中心とした雑誌利活用教育の実態・可能性に関する実証的研究
氏名・職名 苅谷愛彦 文学部教授
研究課題名 大規模斜面崩壊の高精度編年に向けた第四紀地質学と酸素同位体比年輪年代学の挑戦
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内陸活断層や南海トラフなどを震源域とする強い地震動が、日本アルプスの各地で大規模な斜面崩壊をひきおこしてきました。山地土砂災害の将来予測のため、崩壊の歴史を正確に突きとめる必要があります。この研究は崩壊に巻き込まれた樹木化石の年輪に含まれる酸素同位体(16Oと18O)の比率を精密に測定し、標準試料と比較することで、その樹木が死んだ年代=崩壊発生年代を1年以下という高い精度で推定しようとする前例なきチャレンジです。
氏名・職名 末廣 幹 文学部教授
研究課題名 近代イギリスのコメディ・オヴ・マナーズの発展と都市空間の変貌の相関関係の研究
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イギリスにおける喜劇の王道的なジャンルは、それぞれの共同体において成立していたマナーズ(風習/慣習)を取り上げるコメディ・オヴ・マナーズです。この研究では、17世紀後半以降の社会の変化、とくにロンドンの都市空間の変貌に注目しながら、コメディ・オヴ・マナーズの発展との相関関係を検討し、1660年代から18世紀にかけて、このジャンルが、同時代の都市空間の変貌を研究する上できわめて重要な対象であったことを明らかにするものです。
氏名・職名 高島裕之 文学部教授
研究課題名 北欧におけるアジア産陶瓷交易の基礎的理解
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地球的規模で行なわれたアジア=ヨーロッパ間の交易を明らかにするため、新たな視点から実物資料を基に研究する。特に北欧(スウェーデン、デンマーク)をフィールドとして、17 、18 世紀のアジア産陶磁器の交易について考察する。方法として、資料が蓄積されているオランダと比較し、北欧の流通、消費遺跡出土陶磁器の特徴をまとめていく。そして北欧の陶磁器受容者の注文にこたえた、アジアの陶磁器生産者の技術の本質を読み解く。
氏名・職名 中垣恒太郎 文学部教授
研究課題名 「放浪者」像の比較文学――「アメリカ」的物語の文化政治学
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本研究課題はアメリカ大衆文化における「放浪者」表象を比較文学の見地から展望します。文学、映画やフォーク・ソングをめぐるメディア横断的視座、さらに、ホーボー、ヴァガボンド、ボヘミアン、フラヌール、瘋癲(ふうてん)などの概念をも比較参照し、テクノロジーの発展による労働環境の変化などの時代背景、現代の渡り労働者たちの姿、中南米をはじめとする移民の視点、階級の問題などにも目を向けることにより、分断が進むアメリカの現況と課題を探ることを目指します。
氏名・職名 中林隆之 文学部教授
研究課題名 請来典籍の集積・活用からみた古代王権の「知」の統合策に関する総合的研究
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7-9世紀の日本列島には、中国(隋・唐)や朝鮮半島諸国(百済・新羅・高句麗-渤海)から、断続的に大量の書物群がもたらされた。本研究では、それらの書物群が日本の思想・学術・文化に果たした役割について、一点一点の書物に即して、都での活用のあり方や地方への普及の実態を詳細に検討していくことで、明らかにする試みである。また、もたらされた書物群が、その後東アジア諸国に逆輸入されていく経緯やその意味についても考察する。
氏名・職名 濱松純司 文学部教授
研究課題名 形態・統語のインターフェイスにおける英語動詞由来複合語に関する研究
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英語にはdrive a truck(動詞句)、a driver of a truck(名詞句)の他に、truck driverの様な動詞由来複合語が存在します。本研究は、英語の複合語の性質を、元の動詞(drive)の意味的性質及び名詞(driver)の語尾(-er)の種類・役割に着目し、名詞の単語としての性質と文法(動詞句・文構造)との接点という観点から、名詞句が形成されるプロセス及び意味解釈と比較する作業等を通じて、多角的に解明するものです。
氏名・職名 三浦弘 文学部教授
研究課題名 英語の地域的変遷史を融合させた社会音声学の実践
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アメリカ英語とイギリス英語に違いがあるのは,地域によって英語の歴史が異なるからです。日本語にも方言があるように,英語にも多数の地域方言があります。その方言の歴史的変遷を人種間の接触,文化的・政治的な出来事等,英語が変化するきっかけを手掛かりとして,その土地の現在の発音を現地で録音し,音響的な音声分析を行った結果を階級,年代,性別等を分類して比較することで方言変化のメカニズムを解明します。
氏名・職名 米村みゆき 文学部教授
研究課題名 日本統治期における児童文化の伝搬と受容に関する比較と調査研究
氏名・職名 佐藤岳詩 文学部准教授
研究課題名 メタ倫理学的観点から見た規範倫理学理論の再構築
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英米圏の倫理学はしばしば三つの領域に区別されます。なぜ悪いことをしてはいけないのかなどを探究するメタ倫理学、善悪の判断基準などを探究する規範倫理学、現実の社会問題などを考える応用倫理学です。昨今、この三分野の間で分断が進んでおり、それぞれの研究は独立に進められる傾向にあります。しかし、この研究課題では、そのような状況を良しとせず、どうすればそれらの三つの分野に繋がりをもたせられるか、ということを探究しています。
氏名・職名 廣川和花 文学部准教授
研究課題名 医療記録からみる日本医療の「近代化」過程―医療費・家族・診療録―
氏名・職名 伊集院葉子 文学部兼任講師
研究課題名 日本古代における律令官僚制と女官制度成立に関する研究
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この研究では、日本古代の官僚制度の成り立ちを分析します。もともとわが国では、男女がともに大王(天皇)の政治を支える役割を担っていました。ところが、律令国家が成立すると、官僚機構の中心である太政官や八省のポストは男性だけのものになりました。一方で女性だけの「後宮十二司」が設置され、重要な役割を期待されました。律令制以前の男女共労が、どのような論理と過程を経て男女別の官司に編成されていったのかを検討したいと思います。
氏名・職名 上杉妙子 文学部兼任講師
研究課題名 多民族国家の民軍関係に関する人類学的研究―インド陸軍ゴルカ兵を事例としてー
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多民族国家では往々にして国軍軍人の出身民族に偏りが見られます。特定の民族が多く軍隊に入隊する一方で、他の民族はほとんど入隊しないのです。そのことは軍隊と民間人の関係―民軍関係―にどのような影響を与えるのでしょうか。私は、ネパール市民及びネパール系インド市民から構成されるインド陸軍ゴルカ連隊の退役軍人を対象とした研究を行い、国軍の社会的代表性の偏りが民軍関係に与える影響について明らかにしたいと考えています。
氏名・職名 飯塚佳代 ネットワーク情報学部教授
研究課題名 経営-IT整合モデル構築・維持に関する研究―組織の多次元信頼構造の視点から
氏名・職名 上平崇仁 ネットワーク情報学部教授
研究課題名 態度形成のプロセスに着目した 教育者向けデザイン学習プログラムの開発
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全国の高校生、社会人がデザインを学ぶ時代になっています。デザインは「やり方」だけではなく、取り組みの背後を支えているその人の姿勢が重要ですが、形式知にするのが難しいことが課題です。この研究ではデザインにおける態度の問題に着目し,それがどのように形成されていくのか、どのように体得できるのかの調査と検討を行った上で,それらを反映した教育者向けのデザイン学習プログラムの開発を行うことを目的としています。
氏名・職名 佐藤慶一 ネットワーク情報学部教授
研究課題名 想定地震災害後の仮住まい対策ミクロシミュレーションの拡張開発と政策提案の検討
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想定地震(首都直下地震及び南海トラフ巨大地震)後の仮住まい対策(プレハブ仮設住宅の建設や賃貸空き家利用など)をテーマに,データ分析やシミュレーションを行います.そして,分析結果を紹介しながら関係者と議論を行なう場を設けて,高齢世帯や乳幼児を抱える世帯など多様な世帯状況に応じた安心な仮住まいのための方策を考えていきます.
氏名・職名 安藤映 ネットワーク情報学部准教授
研究課題名 高次元多面体体積の効率的計算可能性を幾何双対性から検討する
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3次元よりも高い次元の図形を考えるときに、その体積を効率的に計算できるかを考える。100や1000など、の大きな次元を考えると、正確な体積の計算はとても難しい問題だが、産業への応用があって重要である。最近の研究で、効率的な計算方法の可能性について、図形の間の幾何双対という関係が役立つ可能性が見えてきた。この研究では、二つの多面体が幾何双対の関係にある場合、一方の体積を効率的に計算できる場合に、常にもう一方も効率的に計算できるか調べている。
氏名・職名 小田切健太 ネットワーク情報学部准教授
研究課題名 リアルタイムイメージングから構築するがん細胞動態の高精度予測モデル
氏名・職名 大久保街亜 人間科学部教授
研究課題名 裏切りの隠蔽と検出における無意識的過程
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詐欺や横領など、信頼関係を裏切る犯罪は残念ながら多い。裏切り者はどのように他者を騙すテクニックを用いるのか、そして、他者はそれを見破ることができるのか、裏切りとその隠蔽さらにその検出における意図性に焦点を絞り検討する。裏切り者と観察である他者がどの程度意識的に行動しているのか、また、無意識的な過程がどのくらい関わっているのか、行動実験、視線計測、瞳孔反応計測を用いて明らかにする。
氏名・職名 小杉考司 人間科学部教授
研究課題名 ベイズ推論と情報圧縮から広がる認知モデルの展開
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ベイズ統計学は人間の「推論」のモデルとして考えることもできます。また,多くの情報を一手に解析する多変量解析も,人間の「要約」,ひいては「偏見」といった思考パターンのモデルとして考えることができます。この研究では,ベイズ推論と多変量解析を統合するような心理学モデルを作ることを目指しています。
氏名・職名 嶋根克己 人間科学部教授
研究課題名 葬儀の脱共同体化に関する比較社会学的研究
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どんな人間もいつか死を迎える。近しい人が亡くなると、その人を取り巻く家族や近親者、友人や近所の人たちは共同して死者を見送ってきた。それが慣習化したものが葬儀である。日本にも古くから続いてきた葬儀の慣習がある。しかしそれが現在では大きく変化し始めている。特に、かつて葬儀の手助けをしてきた共同社会(地域人びとや知人、あるいは親族さえ)が葬儀と関わらなくなり、お葬式は家族だけの儀式になりはじめたのだ。
氏名・職名 鶴理恵子 人間科学部教授
研究課題名 「小農の復権」に関する社会学的研究
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本研究では、①日本における小農論の系譜、②小農評価の世界的潮流と日本における動向との異同とその背景、③日本における各地の「小農」たちの現状とその社会的特質について、文献研究およびフィールドワークを通して明らかにする。それらを通して、グローバル化の深化する現代における持続可能な農業・農村の現状と課題を捉えると共に、都市と農村の関係、食・農・暮らしの再考による現代社会の今後の展望を描くことが研究の目的である。
氏名・職名 広瀬裕子 人間科学部教授
研究課題名 自律的教育経営を下支えする教育困難ケース支援に関する教育行政学的研究
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学校の運営や地域の教育の運営には自律性が重視されています。問題が起こった場合にも、各学校や教育委員会が自主的自律的に解決をすることが求められます。しかし組織が機能不全を起こすなど重篤な状況に陥っている場合など、自力で問題解決臨めないこともあり得ます。この研究ではそうした場合の対策について考察しています。具体的にはイギリスで進められている、中央政府が重篤な困難なケースに強制的に介入支援をする政策に注目しています。
氏名・職名 石川達夫 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 チェコ・ゴシック研究――カレル4世とフスの時代の文化と精神
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ヨーロッパの町に行くと、ゴシック様式の大きな教会をよく目にします。ゴシック様式は中世フランスで生まれたものですが、フランスと繋がりが深く、チェコ王と神聖ローマ皇帝を兼ねた15世紀のカレル4世の時代に発展したチェコでは、ゴシック様式が盛んになると同時に、チェコ特有の個性も生まれ、それは後のチェコの芸術にも影響を与えました。この研究は、チェコ・ゴシックの建築・彫刻・絵画などを実地調査すると共に、その歴史的背景を明らかにし、チェコ・ゴシック芸術の豊かさと個性を示そうとするものです。
氏名・職名 池尾玲子 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 現在時制の小説における話法
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英語の小説は従来、過去時制(例:Three times Della counted it. One dollar and eighty-seven cents. And the next day would be Christmas.)で書かれていました。しかし、今世紀になって、現在時制(例:Three times Della counts it. One dollar and eighty-seven cents. And tomorrow is Christmas.)で書かれた小説が増えてきました。本研究は、現在時制が登場人物の話す言葉や、考えの表現にどのような影響を及ぼしているかを分析します。
氏名・職名 井上幸孝 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 スペインとメキシコにおける聖ヤコブ信仰の継続と変容の統合的分析
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中世スペインにおいて聖ヤコブ(サンティアゴ)信仰がどのように展開し、その後、16世紀前半のスペインによるメキシコ征服によって、この聖人の信仰がどのようにアメリカ大陸に移植されたのかを総合的に分析する。時代的・地理的に離れた中世スペインと植民地時代メキシコを、聖ヤコブ信仰を軸に結びつけ、その信仰の継続性と変容を歴史学的な視点から解明することを目標としている。
氏名・職名 王伸子 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 ナレーション音声による日本語教材の開発 -効果の実証的研究と教材開発ー
氏名・職名 齋藤達哉 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 1940-1950年代の日本語政策史研究の精緻化に関する緊急調査
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本研究は、1940~1950年代の日本語政策(国語施策・国語教育・日本語教育)を記録・研究することを目的としています。当時、政策実現に深く関わった、二人の人物(岩淵悦太郎、釘本久春)に焦点を絞り、次の調査・研究を行っています。(1)岩淵・釘本は、自らの学問的背景を、日本語政策にどのように生かしたのか(2)岩淵・釘本は、1940年代後半の政策転換期を跨いで、日本語政策実現の方向性をどのように修正したのか
氏名・職名 佐藤弘明 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 TED Talksのスピーチ動画を利用した英日マルチメディア・コーパスの構築
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TED Talksとは、YouTubeなどでも視聴できるプレゼンテーション動画です。プレゼンテーションの多くは英語で行われ、英語字幕や日本語字幕を表示することができるので、英語リスニング教材にもなります。重要英単語もたくさん使用されているので英単語教材にもなりますが、そのためには動画のどの部分にどの英単語が使われているかを調べる必要があります。それを調べるために「英日マルチメディア・コーパス」を作成するのが、この研究の目的です。
氏名・職名 根岸徹郎 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 フランスの対外文化政策の一環としてのクローデルの駐日大使赴任に関する調査と研究
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1921年から1927年まで駐日フランス大使を務めた詩人・劇作家ポール・クローデルの日本における外交・文学活動に注目し、第一次世界大戦という大きな節目のあとの世界の再編成という状況と、メディアが飛躍的に発達した1920年代に、クローデルが担った外交上の役割を検証することで、20世紀に入って大きく転換・発展したフランスの対外文化外交の方向性と戦略を明らかにします。この研究は当時の世界・社会情勢の中での文化外交に光をあてつつ、歴史研究・文学研究・外交研究の領域を横断するものです。また、インターネットなどのメディアが急速に発達する今日の状況を検証する上で、示唆をあたえるものです。
氏名・職名 根岸徹郎 国際コミュニケーション学部教授
研究課題名 詩人大使クローデルの活動を通した1920年代の日仏文化外交・交流の実態調査と研究
氏名・職名 櫻井文子 国際コミュニケーション学部准教授
研究課題名 在外ドイツ系知識人と公共圏の科学―明治期東京における東洋文化研究協会を例に
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明治時代が始まり、グローバルな人やモノ、情報の流れに日本も組み込まれるようになると、東京や横浜、神戸といった流通や交通の拠点には、お雇い外国人や外交官、商館員として数多くの西洋人が住むようになった。彼らは最先端の科学や技術を日本に持ち込んだだけでなく、日本人も巻き込んで込国際色豊かな知的コミュニティを形成した。本研究では、その中でもドイツ系知識人たちの活動に注目し、彼らのグローバルな活動が日本とドイツの双方に与えた知的インパクトを明らかにする。
氏名・職名 宮本文 国際コミュニケーション学部准教授
研究課題名 ユダヤ系アメリカ詩の伝統なユダヤ的素材の援用と逸脱の系譜
氏名・職名 田代亜紀 法務研究科教授
研究課題名 多様化する「家族」に憲法学はどのように向き合うか‐公私二分論批判、婚姻の自由
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近年、夫婦別姓訴訟において、日本国憲法24条1項が定める「婚姻の自由」について争われている。現行民法の規定によれば、婚姻の際には、夫または妻の姓に統一しなければならないが、自分の姓を変更することに抵抗がある人は、婚姻をすることができない。本研究では、日本と同様に、同性婚訴訟において「婚姻の自由」の憲法上の権利としての性質、婚姻制度との関係などが問われているアメリカ合衆国における議論を参照しながら、現代社会における「家族」像について探究する。
氏名・職名 道垣内弘人 法務研究科教授
研究課題名 家事事件の実務的課題からアプローチする実体法理の再構築
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法は、社会において現実に適用されているルールであり、実務を無視して理論だけを研究すればよいわけではありません。本研究は、複数のテーマの1つ1つについて、裁判官、弁護士、研究者がそれぞれの立場から行う問題提起を経て、その内容を多角的に議論していくことによって、実務的な課題を踏まえた理論を構築しようとするものです。具体的には、離婚の際の財産分与・慰謝料、デジタル通貨の相続、子の引渡し請求などの検討を行います。
氏名・職名 早川眞一郎 法務研究科教授
研究課題名 国際家族法における「子の最善利益」
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この研究では、家族法における重要な考慮要素である「子の最善利益」(best interest of the child)の概念が、国際的な要素を含む場面での家族をめぐる規律においてどのような意味をもつのかを、両親が国境を越えて子を奪い合う紛争(いわゆるハーグ条約の適用される事案)、及び、外国に出かけて代理出産などにより子をもうける仕組み(いわゆる国際的生殖補助医療)を主たる素材として、検討する。
氏名・職名 米丸恒治 法務研究科教授
研究課題名 電子行政と電子署名認証法との最適化に関する比較法的研究
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電子行政を進めるにあたって、最初に問題となる、誰がどこの誰として手続きしているかといういわゆる電子認証や電子署名の最適化について、ドイツと日本を比較して研究している。電子署名は、サイバースペースで、どこの誰が何に署名をしたのか確認することのできる重要な基盤技術であるが、それを法的にどのように制度化すればよいのかについても、電子認証との関連でドイツとの比較の下に研究している。
氏名・職名 瀬戸口龍一 大学史資料室長
研究課題名 明治期における経済学・商学教育の地方伝播に関する基礎的研究
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現在、日本の大学で最も多くの学生を抱えているのが「経済学・商学系の学部」です。ではいつ頃、経済学や商学を教育する学校はつくられ、なぜ人々はそのような学校で学びたいと考えるようになっていったのでしょうか。本研究は、明治中期以降、全国各地に次々と設立されていく経済学・商学教育機関(このなかには現在の大学や高校の前身校も多くあります)は何を教えていたのか、学んでいる生徒は学校に何を求めていたのか、などを明らかにすることで、人々が経済学や商学を学ぶ意義を探ります。

若手研究(B)

氏名・職名 森啓明 経済学部准教授
研究課題名 若年期における健康問題と人的資本形成
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本研究は、子どもの能力が形成される過程に関する実証分析を行う。特に、幼少期における健康状態の悪化が、賃金や就業率といった労働市場における成果指標に長期的な負の影響を与える原因を解明し、そのような負の影響を抑制するために効果的な政策をデザインするために有用となる知見を蓄積することを目指す。
氏名・職名 八島明朗 商学部准教授
研究課題名 ブランド・スイッチ要因とロイヤルティ要因の包括的研究
氏名・職名 久木元美琴 文学部教授
研究課題名 大都市圏における多様な保育拠点の需給構造に関する国際比較研究

若手研究

氏名・職名 鈴木将覚 経済学部教授
研究課題名 法人税の課税ベースに関する研究
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現在、法人税を巡る経済環境が変化しており、その課税ベースには様々な問題が生じている。企業のグローバル化やITの進展により、世界的に法人税収の確保が難しくなってきており、また成長率低下を背景に出来るだけ経済成長を阻害しないことへの要請も強まっている。本研究では、法人税の課税ベースの変更が企業の投資・所得移転に及ぼす影響を理論的・実証的に解明し、法人税の望ましい課税ベースを検討する。
氏名・職名 森田公之 経済学部講師
研究課題名 育成を促すフィードバックについての理論研究
氏名・職名 李春霞 経済学部助教
研究課題名 日本・中国企業の国際特許共同出願に関する研究
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近年、日本出願人や中国出願人によるPCT国際特許出願件数は急増している。本研究は、イノベーションの成果であり、かつ、経済成長の重要な源泉となりうる知識生産活動に関する有用な情報が集約されている「特許」に着目し、2か国以上の出願人によるPCT国際特許共同出願数を「オープン・イノベーションの代理指標」として捉える新しい試みにより、企業のオープン・イノベーションの実施に影響を与える要因を解明する。
氏名・職名 高橋脩一 法学部准教授
研究課題名 裁判手続のIT化と民事訴訟記録へのIT技術を通じたアクセスのあり方について
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現在日本では、裁判手続をIT化する議論が進められています。それと同時に、電子化された訴訟に関する記録の公開のあり方についても議論されています。裁判が公正に行われるためには透明性が必要です。その一方で、裁判当事者のプライバシーにも配慮する必要があるでしょう。一体どういった要素をどのように考慮して公開の方法や内容を決めるべきなのか、アメリカやイギリスの例を参考に検討しています。
氏名・職名 小川惠 法学部講師
研究課題名 遺言執行者の権利義務に関する比較法的検討
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「遺言」を用いれば、自分の死後に自分の財産をどう処理するのかを決めておくことができる。しかし、死後に遺言が無視されることもありうるから、既に死亡している遺言者に代わって、遺言の内容を実現する者が必要になる。そこで、相続法は、「遺言執行者」に遺言内容の実現を委ねるという仕組みをもうけている。しかし、遺言執行者の職務や権限について、その具体的な内容や範囲は必ずしも明らかでない。本研究は、比較対象としてドイツ法を取り上げながら、遺言執行者制度の解釈や運用について整理・検討する。
氏名・職名 柏木悠 商学部講師
研究課題名 歩行パラメーターと足底圧分布データの無次元量による標準歩行評価シスムテの開発
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近年国民の運動実施率は増加し,その中でもウォーキングは,最も行われている運動の一つです。特に60歳以上のウォーキング実施率は、20年前と比べて2倍の32.5%にまで昇ります。しかし歩く動作は、日常生活の基本的な運動でありながら一般的な指標が確立されていません。この歩き方を評価する有効的なツールの一つとして足裏の圧力データは、医療・臨床現場で用いられていますが、標準的なデータや指標も同様に確立されていません。本研究は、年齢や体力レベルを考慮した歩き方を足裏の圧力テータから明らかにし、新たな歩き方の評価システムの開発を目的とします。本研究の結果は、幼児から高齢者までの普遍的な足裏の圧力パターンを示すことにより、「正常な歩行、正しい歩き方」とは何かという疑問に新たな知見を提供し、現代社会の抱える健康問題の改善に対して貢献します。
氏名・職名 金鐘勲 商学部講師
研究課題名 国際会計基準(IFRS)任意適用企業の会計実務と利益調整行動の実証研究
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国際会計基準(IFRS)は,会計情報の国際的な比較を可能にするために作成されたものである。しかし,IFRSを適用したとしても,こうした目的は達成されない可能性がある。会計実務は,経営者のインセンティブの影響を受けており,経営者のインセンティブが変わらなければ,企業の会計実務も変わらないからである。そこで,本研究はIFRSを任意適用する日本企業の会計実務の実態を確認し,利益調整行動との関係,およびそれが及ぼす影響について明らかにする。
氏名・職名 孫維維 商学部助教
研究課題名 中国におけるビジネスエコシステムの形成と消費者行動分析 ―小売業実証分析を中心に
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情報通信技術の進展に伴ってインターネットがすでに日常生活の一部になっている。この背景に我々の生活シーンもインターネット上に移り、エコシステムという新しい生態圏が形成してきている。この過程においていくつかの企業がエコシステムの形成をけん引し、極めて重要な役割を果たしている。本研究は中国市場に注目し2大エコシステムのプラットフォーム・リーダーであるアリババとテンセントを研究対象にして消費者のエコシステムに関与する際の選択と決定要因を解明しようとする。
氏名・職名 松本礼子 文学部講師
研究課題名 フランス絶対王政末期における身分社会への包摂をめぐるポリスの実践
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本研究は絶対王政下の18世紀の都市パリを対象として、都市統治一般を担う「ポリス」側が周縁的社会集団をいかに社会内部に組み込もうとしたか、あるいは排除しようとしたかを解明することを目標としています。伝統的統治が理念的にも実態的にも行き詰まりを見せていた18世紀後半において、多様化し、流動化する社会集団に対し、権力側の対応がいかに変化したのかを検討し、絶対王政末期の政治社会の理解に新たな視座を提供することを目指します。
氏名・職名 河野敏鑑 ネットワーク情報学部准教授
研究課題名 企業における健康の決定要因および企業業績との関係についての経済学的考察
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私はこれまで、健康保険組合の組合別パネルデータを用いて、医療費や労働所得の格差に関する研究を行ってきました。平成30年度からは、これまで構築してきた組合別パネルデータと企業別データを統合したデータベースを作り、医療費や所得格差に加えて企業業績や企業のCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)に関する取り組みとの関連も研究したいと考えています。
氏名・職名 土屋翔一 ネットワーク情報学部准教授
研究課題名 fullerene graphについての研究
氏名・職名 池田彩夏 人間科学部講師
研究課題名 幼児・児童における集団責任の認識の発達プロセスの解明
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私たちは自分の言動が引き起こした結果に対して責任を持つことが求められます。そして責任は、その言動を行った人だけではなく、その人が所属する集団のメンバーに対しても、連帯責任として帰属されることがあります。この研究では、幼児・児童を対象に集団責任の認識がどのように発達するのかを明らかにしたいと考えています。具体的には、第3者視点から幼児・児童が集団の責任をどのように捉えているのかを検討することに加え、幼児・児童自身が集団メンバーの一員として行動するときに、集団の責任を意識して振る舞うのかを検討します。
氏名・職名 村上彩佳 人間科学部講師
研究課題名 ジェンダーをめぐる政治と「新しい保守運動」の台頭:フランスの同性婚反対運動を例に
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近年日本の自治体でも、LGBTなど性的少数者のカップルを公的に認めるパートナーシップ制度が導入されています。しかし、日本で同性婚は認められておらず、法制化への反対はいまだ根強く残ります。本研究は、フランスで同性婚の法制化への反対運動を行った保守派の市民団体に着目します。祝祭的・大衆的な運動戦略を取り入れたフランスの保守派の運動の実態を検討し、今後日本で起こりうる、同様の運動に対抗する方法を導きます。
氏名・職名 石川健太 人間科学部兼任講師
研究課題名 社交不安における感情隠蔽:偽りの表情と向社会的な評価との関連
氏名・職名 ハーン小路恭子 国際コミュニケーション学部准教授
研究課題名 現代アメリカ文学・文化における危機・情動・身体
氏名・職名 石田信平 法務研究科教授
研究課題名 労働契約規制の新たな理念と労働契約概念の再構成に関する比較法研究
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使用者の指揮命令を受けて働く労働者を保護することを目的とする労働法が、フリーランスなどの独立自営業者にも適用されるべきかが問題となってきています。ICTの発達により、自営業者と労働者との境界線が不明瞭になってきているからです。また、こうした点が問題とされることに伴って、労働法が何のために存在しているのかといった根本的な問題も問われるようになってきています。本研究は、こうした問題に関するイギリス労働法の対応を踏まえつつ、日本の労働法のこれからの在り方に検討を加えることを目的としています。
氏名・職名 大澤逸平 法務研究科准教授
研究課題名 分割的因果関係論による責任成立論・減責論・求償論への包括的アプローチの可能性
氏名・職名井上弘樹 日本学術振興会特別研究員
研究課題名 寄生虫症と地域社会をめぐる医療社会史:20世紀前半の日本と植民地期の台湾
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寄生虫症の蔓延や対策には、寄生虫症の医学・疫学的要因のみならず、地域の特徴(自然環境、政治、経済、医療、衛生、教育、社会の組織化、習慣など)も影響していました。本研究は、20世紀前半の日本と植民地期の台湾において、回虫症などの寄生虫症がなぜ蔓延して、対策がどのように成立して地域社会で実施され、人々の生活にどのような影響を及ぼしたのかを明らかにします。そして、国民国家や帝国統治を多面的に捉えます。
氏名・職名遠山朝子 日本学術振興会特別研究員
研究課題名 意思決定における価値計算過程と選択過程を分離して評価する計算論的アプローチ
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選択を伴う意思決定は,選択肢の価値を計算する価値計算過程と,選択肢に選好をつける選択過程で構成されます。近年,各過程における諸機能が選択に及ぼす影響を計算論モデルのパラメータ値として推定する研究が盛んに行われています。しかし,現在使われている手法は両過程を適切に分離して推定できていない可能性がありました。本研究では,行動実験と質問紙調査によって,両過程が分離可能な行動課題と計算論モデルの構築を目指します。