法学研究科

研究者にくわえ、法曹・法律行政実務の専門職業人養成へ大きく羽ばたきます
 法学研究科は、修士課程が昭和29(1954)年に、博士後期課程が昭和30(1955)年に設置されました。専攻を法律学の2大分野である公法学専攻(修士課程:1学年定員10名、総定員20名・博士後期課程:1学年定員3名、総定員9名)と私法学(修士課程:1学年定員30名、総定員60名・博士後期課程は民事法学専攻:1学年定員3名、総定員9名)に分け、さまざまな志向を有する学生の法律学研究(関連して政治学研究)を教育・指導し、多様な人材養成に努力してきました。
 これまで法学研究科修士課程は、研究者養成を主な教育目的とするカリキュラムを組んできましたが、実際に学ぶ学生の多くは教員の指導のもとに法学教育を更に深めて法曹(主に弁護士)や司法書士・税理士・企業法務・法律職公務員などの法律実務を中心とする専門職業人をめざして学修するのが通常でした。そこで研究科ではこうした学修実態の背景にある社会的要請に応える改革の努力を重ねてまいりました。
 この度司法制度改革の一環として法曹養成制度が変更され、平成16(2004)年4月に法曹教育のための「法科大学院」(専門職大学院)が開設されました。法曹界(弁護士・裁判官・検察官)を志望するものは、原則として法科大学院に入学し所定の学修を修了して、更に新司法試験に合格の上、司法研修所を修了しなければなりません。法学研究科修士課程の人材養成も大きく変わることになります。専修大学においても法科大学院(大学院法務研究科法務専攻)が開設されましたので、実定法学研究者の養成は主として法科大学院を経て博士後期課程に進学・修了することになると考えられます。しかし法学・政治学の研究を希望するもの、税理士等の専門職業人を目指すもの、国家・地方公務員、上級の教職資格(専修免許状)を希望するもの、継続学修を望むものに対して、これまで通り学修の道は開かれています。博士後期課程では、基礎的な、また特定の研究テーマを設定して各分野の高度の法学・政治学理論教育を目指しています。
◆◆◆ 「受験生の皆さんへ!!◆◆◆
法学研究科の授業科目を担当する教員から、皆さんに向けて熱いメッセージを発信いたします!!

法学専攻(修士課程)
(神田キャンパス)
民事法学専攻(博士後期課程)
公法学専攻(博士後期課程)
(神田キャンパス)
 法学研究科は、修士課程が1954年(昭和29年)に、博士後期課程が1955年(昭和30年)に設置され、68年の歴史を有しています。現在の法学研究科の在籍者は、法学および政治学における研究職者をめざす院生、税理士や司法書士などの高度専門職業人をめざす院生、そして企業や官公庁から派遣された社会人などにより構成されています。
 21世紀の現代社会は「新しい知識・情報が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す、いわゆる『知識基盤社会』の時代である」(中央教育審議会平成17年答申)と位置づけられています。そこでは、知識や情報を社会に展開していく英知を備えた人材が、社会の将来を担うことを期待されています。高度な学問研究を支えることを目的としている大学院教育は、こうした「知識基盤社会」の構築という時代の要請に応えるものでなくてはなりません。
 法学研究科も、こうした時代の要請に応えるべく、本学が21世紀ビジョンとして掲げる「社会知性の開発」、すなわち「専門的な知識・技術とそれに基づく思考方法を核としながらも、 深い人間理解と倫理観を持ち、地球的視野から独創的な発想により主体的に社会の諸課題の解決に取り組んでいける能力」を備えた研究者および高度専門職業人の養成を目標にしております。
 研究者の養成におきましては、深い人間理解と倫理観の涵養をもとに、法的および政治的事象の解決をはかり、よりよき社会の実現をめざす人材の育成をめざし、任期制助手制度、博士論文支援奨学生制度など、充実した研究支援制度を用意しております。
 また、高度専門職業人の養成においても、高い職業倫理を育み、専門職業人に求められるプレゼンテーション能力・交渉力を磨く教育を重視しつつ、実務経験者(社会人)に対しても学問的知識を体系的に修得できる教育を展開しております。
 法学研究科は、以上のような教育理念のもと、68年の歴史の中で、大学や研究機関で活躍する多くの優れた法学および政治学を専門とする研究者と、法律・行政部門や民間・企業における高度専門職業人を輩出して、社会に大きく貢献してまいりました。
 法学研究科は、熱い研究・勉学意欲のある皆さんに広く門戸を開いております。
内藤先生法学研究科長 内藤 光博 
(法学研究科/法学部教授)

教育研究上の目的と3つのポリシー

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教育研究上の目的
法学研究科修士課程は、法的創造性豊かな研究者等並びに研究能力及び教育能力を兼ね備えた大学教員、卓越した法的専門知識及び能力を有する高度の専門職業人並びに知識基盤社会を多様に支える法的考え方に習熟した知的人材を養成することを目的とし、博士後期課程は、修士課程及び法科大学院等専門職大学院における教育を基盤として、高度の専門知識及び能力を備え、国際社会における貢献に資するとともに、国際競争力を有する研究教育に優れた大学教員、研究者等を養成することを目的とする。
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

法学専攻

修士課程【令和4年度以降入学者】

 法学研究科は、修士課程において所定の年限在学し、所定の単位を修得するとともに、以下の学識と能力を修得したうえで、学位請求論文又は特定の課題についての研究の成果を提出して、その審査に合格した者に修士(法学)の学位を授与します。
(1)法学又は政治学に関する学識と理解力
(2)法学又は政治学の分野において、研究者や教員、又は高度専門職業人に必要な学識を修得し自ら活用できる能力
(3)法学又は政治学の分野における研究テーマを自ら設定し、データや資料を収集・分析し、先行研究を渉猟し、研究論文を作成できる能力
(4)法学又は政治学の分野において生ずる社会問題について、研究成果に基づきながら具体的解決策を提示できる能力

修士課程【令和3年度以前入学者】

 法学研究科は、修士課程において所定の年限在学し、所定の単位を修得するとともに、以下の学識と能力を修得したうえで、学位請求論文を提出して、その審査に合格した者に修士(法学)の学位を授与します。
(1)法学又は政治学に関する学識と理解力
(2)法学又は政治学の分野において、研究者や教員、又は高度専門職業人に必要な学識を修得し自ら活用できる能力
(3)法学又は政治学の分野における研究テーマを自ら設定し、データや資料を収集・分析し、先行研究を渉猟し、研究論文を作成できる能力
(4)法学又は政治学の分野において生ずる社会問題について、研究成果に基づきながら具体的解決策を提示できる能力

民事法学専攻、公法学専攻

博士後期課程

民事法学専攻
 法学研究科民事法学専攻は、博士後期課程において所定の年限在学し、所定の単位を修得するとともに、学位請求論文を提出して、以下の学識や能力を修得したものとして、その審査に合格した者に博士(法学)の学位を授与します。
(1)民事法学に関わる専攻分野において、研究者として自立して研究活動に従事するために必要な能力とその基盤を構成する学識
(2)民事法学専攻分野の学問の発展に貢献できる独創的な研究成果を生み出す能力
(3)専門性が求められる多様な専門職業分野において活躍できる高度な学識と研究能力

公法学専攻
 法学研究科公法学専攻は、博士後期課程において以下の学識や能力を修得したうえで、所定の年限在学し、所定の単位を修得するとともに、学位請求論文を提出して、その審査に合格した者に博士(法学)の学位を授与します。
(1)公法学又は政治学に関わる専攻分野において、研究者として自立して研究活動に従事するために必要な能力とその基盤を構成する学識
(2)公法学又は政治学の専攻分野の学問の発展に貢献できる独創的な研究成果を生み出す能力
(3)専門性が求められる多様な専門職業分野において活躍できる高度な学識と研究能力

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
法学研究科では、人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的及び卒業認定・学位授与の方針で示す能力の修得を目的とした教育課程を編成しています。

法学専攻

修士課程

 法学専攻のカリキュラムは、大きく分けて「民事法学」、「公法学」、「政治学」から成り立ちますが、全体として単一の法学専攻とすることによって、自らの専門分野の深い知識と理解力を修得するとともに、関連する分野の知識も広く体系的に学修できるように配慮しています。

【教育課程の編成/教育内容・方法】
(1)「特論講義」では、体系的な専門知識だけでなく、分析手法などを事例(たとえば判例)を通して教授します。
(2)「特論演習」では、主として指導教授が研究テーマに沿った学位論文の作成指導を行います。
(3)指導教授の担当する「特論講義」及び「特論演習」を必修科目とし、自らの研究分野における卓越した専門知識を修得できるようにしています。
(4)指導教授以外の「特論講義」及び「特論演習」を履修することができ、柔軟な法学的及び政治学的な考え方を培うことができるようにしています。

【学修成果の評価方法】
(1)成績の評定は、成績評価の公正さと透明性を確保するため、各科目に掲げられた到達目標、成績評価方法・基準を目安として採点します。
(2)修士課程の学位論文審査体制を充実させるべく、主査・副査、複数の査読者による厳格な審査を行います。
 

民事法学専攻、公法学専攻

博士後期課程

民事法学専攻
 民事法学分野について高度な専門性を有する「特殊研究」と「特殊研究演習」を配置したカリキュラム体系としています。

【教育課程の編成/教育内容・方法】
(1)指導教授の担当する「特殊研究演習」を必修科目としており、自らの研究分野における専門性を高め、時代に先駆けた独創的な理論の構築ができるようにしています。
(2)指導教授または指導教授以外の「特殊研究」をも履修することができ、外国語能力を含めた豊かな学識を培えるようになっています。

【学修成果の評価方法】
(1)成績の評定は、成績評価の公正さと透明性を確保するため、各科目に掲げられた到達目標、成績評価方法・基準を目安として採点します。
(2)博士後期課程の学位論文審査体制を充実させるべく、主査・副査、複数の査読者による厳格な審査を行います。

公法学専攻
 公法学、基礎法学、政治学の分野について高度な専門性を有する「特殊研究」と「特殊研究演習」を配置したカリキュラム体系としています。

【教育課程の編成/教育内容・方法】
(1)指導教授の担当する「特殊研究演習」を必修科目としており、自らの研究分野における専門性を高め、時代に先駆けた独創的な理論の構築ができるようにしています。
(2)指導教授または指導教授以外の「特殊研究」をも履修することができ、外国語能力を含めた豊かな学識を培えるようになっています。

【学修成果の評価方法】
(1)成績の評定は、成績評価の公正さと透明性を確保するため、各科目に掲げられた到達目標、成績評価方法・基準を目安として採点します。
(2)博士後期課程の学位論文審査体制を充実させるべく、主査・副査、複数の査読者による厳格な審査を行います。

入学者に関する受入方針(アドミッション・ポリシー)

法学専攻

修士課程

法学研究科(修士課程)では、豊かな法的創造性、卓越した専門知識または柔軟な法的考え方に基づき、多様な知識基盤社会を支える、基礎的な知識と能力を備えた人材を受け入れます。そのために、次に掲げる人を求めます。

法学研究科法学専攻(修士課程)の入学者に求める資質・能力等
(1)法学または政治学を学ぶために必要となる基礎知識や理解力、外国語能力を有し、自主的に研究する意欲のある人
(2)法学または政治学に関する専門知識と実務能力を身につけ、高度専門職業人として活躍する意欲のある人
(3)社会で身につけた実務経験を理論的に彫琢し、高度化しようとする人、または、現在有している専門知識により高度な知識を付加しようとする人
(4)複数分野の知識を融合し、複眼的な観点から思考できる能力を身につけ、社会の一員として活動しようとする人

民事法学専攻、公法学専攻

博士後期課程

法学研究科(博士後期課程)では、法学・政治学の分野において外国語能力を含めた豊かな学識を基盤として高度かつ独創的な研究活動を行い、国際競争力がある研究・教育を実践できる大学教員の養成、および、高度な専門知識を駆使して国際社会に貢献できる人材の養成を目的としており、この目的に適う基礎的な研究能力を備えた人を求めます。
法学研究科民事法学専攻(博士後期課程)では、修士課程または法科大学院その他の専門職大学院の修了等を基盤として、次に掲げる能力のある人を求めます。

法学研究科民事法学専攻(博士後期課程)の入学者に求める資質・能力等
(1)民事法学の分野において、研究者として自立して研究活動を行い、それに基づいて教育活動を行おうとする人
(2)民事法学の分野において、高度に専門的な職業に従事して研究活動を行おうとする人
(3)民事法学の分野において、実務経験を基盤として研究活動を行おうとする人

法学研究科公法学専攻(博士後期課程) では、修士課程または法科大学院その他の専門職大学院の修了等を基盤として、次に掲げる能力のある人を求めます。
法学研究科公法学専攻(博士後期課程)の入学者に求める資質・能力等
(1)公法学・政治学の分野において、研究者として自立して研究活動を行い、それに基づいて教育活動を行おうとする人
(2)公法学・政治学の分野において、高度に専門的な職業に従事して研究活動を行おうとする人
(3)公法学・政治学の分野において、実務経験を基盤として研究活動を行おうとする人