教授・西坂 靖

歴史(西坂)
江戸・京都など大都市の商家ではたらく人々に注目して、近世社会の特色を理解することを試みています。(写真は江戸城天守閣の石垣)
西坂 靖
教授 (日本近世史)

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教員データ

氏名・職位 西坂 靖(NISHIZAKA YASUSHI) 教授
文学部開講科目日本近世の政治と社会1
日本近世の政治と社会2
日本文化史1
日本文化史2
歴史資料研究法15
歴史資料研究法16
ゼミナール1・2・3
卒業論文
大学院開講科目日本史特講Ⅲ 日本史特講Ⅲ演習 日本史特殊研究Ⅲ 日本史特殊研究Ⅲ演習 
略歴東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学 博士(文学)[東京大学]
専門分野日本史(日本近世史)
研究キーワード
所属学会歴史学研究会、史学会

ゼミ紹介

テーマ:日本近世史研究

<到達目標>
(1) 日本近世史に関する研究文献を適切かつ批判的に読解し、論点を抽出することができる。
(2) 翻刻された近世史料を適切に読み下し、意味を理解し、論点を抽出することができる。

<講義概要>
前期は、日本近世史に関する研究文献の読解をおこなう。すなわち歴史学研究会・日本史研究会編『日本史講座』全10巻(東京大学出版会、2004~2005年)のうち、第6巻〈近世社会論〉の後半と第7巻〈近世の解体〉をとりあげる。掲載論文を、受講生が分担して報告し、その内容について質疑応答することを通じて、授業を進めていく。
後期は、活字化された近世史料の読解をおこなう。すなわち江戸の町奉行所の記録『市中取締類集』のなかの「高年御賞之部」を読む。そこには天保改革の際に行われた長寿者の褒賞記事が収録されており、各人の略歴と現況が記されている。それらを読み解くことにより江戸の都市社会の特質を検討する。受講生が分担して報告し、その内容について質疑応答することで、授業を進めていく。

メッセージ

​ 日本の江戸時代は自営業者が大多数を占める社会でした。私の研究対象は当時としては少数派だった、他人に雇われてはたらく人たちです。具体的には、江戸や京都の三井越後屋の店舗で雇われていた奉公人たちについて、その働き方、暮らし方を調べています。
 江戸時代は、近現代を生み出した時代ですが、また一方で現代とはかなり異なった価値観を持った人が住む、異文化社会でもあります。そのため現代社会がどのように出来上がってきたか、その起源を探るタイプの研究もできますし、また現代社会の常識に疑問をなげかけ、相対化するようなタイプの研究もできます。みなさんが卒業論文を書く場合も多様なアプローチが可能であり、その意味でも魅力的な時代です。

大学院

 
日本史特講Ⅲ
​『岩波講座日本歴史』第10巻(近世1)~第14巻(近世5)に所収されている論文を素材にして、日本近世史における研究の達成点と課題を検討する。
受講生は、毎回事前に、テキストの当該箇所について、要約しコメントを付したレポートを作成してくることが求められる。
 
日本史特講Ⅲ演習
​日本近世史研究における基本史料(特に法令類)を、毎回一つ取り上げ、関連史料とあわせて精読する。また史料の写真版が入手できる場合は、その読解もおこなう。
報告担当の受講生は、事前に当該史料を探し出し、さらにその史料の歴史的意義をまとめたレポートを作成してくることが求められる。
 
日本史特殊研究Ⅲ
​三井越後屋は、日本近世屈指の大商家であるが、その店々には百人から数百人の男子奉公人が住み込みで働いていた。この授業では、そのような巨大店舗を近世社会の特異点ととらえ、組織化と規律化という視角から、その特質を検討する。
受講生は、毎回事前に、テキストの当該箇所についてのレポートを作成してくることが求められる。
なお、受講生の問題関心・状況等を勘案して、授業の進め方・内容をかえることもある。
 
日本史特殊研究Ⅲ演習
​1年生は、2・3年生の発表に学びながら、自分の博士論文のテーマ・意義研究方法を見出すための作業を進め、後期には自分のテーマの骨子を報告する。
2年生は、自分の博士論文の作成を進め、次年度における完成を視野にいれて、成果と課題を報告する。
3年生は、自分の博士論文の最終的な構想を報告し、論文を完成させることを目標にする。