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ゼミナール訪問記:ジャーナリズムの現場に飛び込む「お散歩ゼミ」[担当:山田 健太]

この記事は2010年度に取材したものです。
今年4月、文学部を再編して日本ではじめて「ジャーナリズム」の名称を冠して開設された人文・ジャーナリズム学科。山田健太ゼミ(現在「テーマ学習」として開講。次年度以降、新学科に継承される)は、ジャーナリズムの現場に飛び込み、ジャーナリストから直接話を聞き、生の取材現場を訪ねる「行動するゼミ」だ。いつも足をつかうことから、「お散歩ゼミ」と呼ばれるようになった。指導の山田健太准教授はゼミ生に「好奇心を持て、汗を流し面白がれ」と話す。「ひとつの専門知識だけではなく、さまざまな問題に興味を持つことにより、複雑な課題に柔軟に対応できる能力を身につけてほしいですね」。
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「ジャーナリズムの現場を知るゼミです。研究課題や進路を考えるうえで、きっかけづくりがほしかった」とゼミに入った動機を話すのは山崎瀬奈さん。また「にぎやかでとても楽しいゼミです。ゼミ生たちの学ぶ意欲が高いので、刺激を受けています」と高橋美希さん。新聞社、テレビ局、通信社、出版社などさまざまなメディアを訪問。沖縄密約、Google訴訟、日米安全保障、裁判員裁判など今日的なテーマをとらえ、講演会や集会にも足を運び、裁判傍聴や映画鑑賞もする。テレビ局志望の内藤大地さんは「『沖縄密約問題』を理解するために関連の本を読み、映画『密約』を鑑賞しました。難しい問題ですが、興味があります」と話す。ゼミ長の横田香奈さんは「新聞記者から取材時の苦労を聴きました。大学のなかにいてはできない、得難い体験です」。
今年の夏合宿は沖縄に飛ぶ。太平洋戦争中、地上戦という悲劇に見舞われ、現在も「基地の島」として複雑な問題をかかえる沖縄で、地元の新聞社、米軍基地 沖縄戦の渦中に集団自決があった渡嘉敷島などを訪ね、インタビューを行う予定だ。ゼミ生は事前に沖縄タイムス東京支社を訪ねて記者から取材をしたほか、琉球新報が記念発行した「戦時中、もし検閲がなかったらこんな新聞を作った」という新聞を読むなど、沖縄の地元紙の志を学んだ。日本新聞協会から大学教員に転じ、現在、日本ペンクラブ言論表現委員会委員長、BPO放送人権委員会委員のほか、自由人権協会や放送批評懇談会の理事などを務める山田准教授の幅広い人脈が、こういった学びの場面に生かされている。「沖縄のジャーナリストに話を聞き、米軍基地の問題では、沖縄と本土の人間との意識のギャップの大きさを感じました。沖縄を訪ねるのは観光気分ではいけないと思っています」(鈴木梢さん)。ゼミ生たちはもうすぐ訪れる沖縄での“散歩”で、たくさんの汗を流すことだろう。(学生はいずれも3年次)
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Q1.ゼミナールの構成人数を教えてください。A1. 3年次・17人・ 4年次・21人です。Q2.ゼミのテーマは?
A2.『ジャーナリズム研究』
Q3.先生のご専門は?
A3.「言論法」「ジャーナリズム論」
Q4.先生の著作等で、最新のものをご紹介ください。
A4.『法とジャーナリズム』<学陽書房・第2版=2009年>など

2010年8月24日掲載