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社会心理学ゼミナール[担当:下斗米 淳]

ゼミナール名称社会心理学ゼミナール
研究テーマ社会心理学の「社会」とは「他者の存在を前提とする」という意味です。すなわち、傍らに他者がいる時(いると思っている時や頭の中で他者を思い浮かべている時)に生じるこころの動きは全て、社会心理学の研究対象になります。中でも特に、対人場面や対人関係、あるいは集団やマス事態において、一人ひとりが苦悩を抱え込むことなく、理性的で協調的に過ごしていけるようになる「社会適応」に必要な諸条件を検討していくことが、中心的なテーマとなります。

社会心理学ゼミナールでは、この社会適応を巡り3本柱で研究が進められています。

 1. 理性的で快適な人間関係や集団を作り出すために必要な条件を見いだす苦悩の原因を個人気質や事情に求めるのではなく、社会的環境下では誰もが経験しかねないものと考え、その苦悩の発生メカニズムを解明し、予防策や現実の苦悩の軽減と共に、それでもなお自己成長に結びつけられるための方策や対処を研究しています。   

2. 対人場面や人間関係、集団に身をおく個人が苦悩を抱え込んでしまう原因の解明と、その予防策の検討苦悩の原因を個人に求めるのではなく、社会的環境下では誰もが経験しかねないものと考え、その苦悩の発生メカニズムを解明し、予防策や現実の苦悩の軽減と共に、それでもなお自己成長に結びつけられるための方策や対処を研究しています。   

3. 差別や偏見、排斥や拒絶、攻撃や紛争をなくし、個人や集団らしさを大切にしながら協調的世界を作り出すための方策を見いだす。個人間にとどまらず、国家や民族レベルなど集団間紛争や偏見の原因をいかに取り除き、個人、小集団、マスレベルのいずれにあっても協調していくために必要な諸条件の解明をめざし、研究しています。
ゼミナール所属人間科学部心理学科
学習内容社会心理学ゼミナールでは、まずはじめに徹底的に自分自身の問題意識を醸成させてもらうことから始めます。その上で問題意識に向けてアプローチを検討していきますが、これは簡単ではありません。なぜなら、社会的環境において自分のこころの動きを自覚していないかもしれません。また1つのこころの動きには数多くの条件(変数)が関係していることの方が普通ですし、思考や信念、感情や態度など多様なレベルのこころを同時扱う必要もあるからです。
 
そこで、ゼミ生は、問題意識を醸成させた後、研究課題を明確にした上で、その解明に求められるアプローチとして、実験や調査だけではなく、観察や面接・インタビューなどの方法論を、個々に学習していきます。また同時に、記述統計や推測統計だけではなく、多変量解析や質的データの分析手法などのデータ解析法も習得していきます。 
こうした適切なアプローチを探索し、必要なスキルを学ぶ難しさは確かにありますが、一方で、対人場面や対人関係あるいは集団における自分や他者のこころは、誰にとっても切実で最大の関心事であることでしょう。ゼミ生は皆、アプローチの難しさを乗り越えて、オリジナリティのある視点を持ってチャレンジングで意欲的に取り組み、研究の楽しさを実感してくれています。
 
教員の個別指導の他に、講義や合評会形式、夏期合宿でゼミ活動が進められていきますが、二人三脚のように教員と取り組む一方で合評会や合宿で、ゼミ生同士が議論を深め、互いを高め合っている様子は、永く続く社会心理学ゼミナールの伝統として変わらず受け継がれています。決して自分の研究活動だけにとどまらず、お互いが刺激し合い助言を交わしながら非常にサポーティブな雰囲気のゼミナールです。
 
新歓コンパ、3泊4日の夏合宿、ピザ・パーティや追いコン、そしてエンドレスの合評会などあらゆる企画が学習の場となっています。
ゼミ生の人数3年次生6名、4年次生6名、博士課程1名。女性9名、男性4名。
開講日時など木曜日4-5限ですが、合評会時は夜10近くまで続きます。また個別指導も適宜必要に応じて他の曜日時限で行われます。
卒業論文・卒業研究3年次生では第一研究としてデータを収集し、プレ卒業論文を作成します。学年末にはプレ卒業論文に教員が赤字を入れてフィードバックします。その上で4年次生は第二研究を行い、第一・二研究という複数のデータセットで卒業論文を提出します。 

これまでの研究論文題目について、3本柱に分けてその例をあげます。  

1. 理性的で快適な人間関係や集団を作り出すための条件 
 「家族成員の社会的参画と心理的親密さの充足状況が孤独感発生に及ぼす効果」 
 「親子関係における勢力基盤と情緒的態度との関係についての発達的研究」 
 「対人関係の親密化に伴う葛藤原因の推移」 
 「配偶者選択における社会的痛みに対する心理的安全装置:日豪比較文化的差異の検討」 など。   

2. 対人関係や集団に身をおく個人が苦悩を抱え込んでしまう原因の解と、その予防策の検討 
 「いじめ・いじめられ経験の長期的影響と引きずりの差異」 
 「喪失体験に伴う孤独感が自己成長に及ぼす側面」
   「ストレスの精神的悪影響に社会的スキルが果たす緩衝効果と大学生・高校生の発達的差異の検討」 
 「対人的自己効力感尺度の作成:外傷体験受容プロセスへの理解に向けて」 など。 

3. 差別や偏見、排斥や拒絶、攻撃や紛争をなくし、個人や集団らしさを大切にしながら協調的世界を作り出すための方策 
 「依存度選択型囚人のジレンマによる信頼感と協調行動の発生メカニズム」 
 「性差別に関する意見分布推定の実証的研究:差別発生機序理解への自己カテゴリ化理論からのアプローチ」 
 「テレビCFの訴求形式が計画・非計画購買商品の購買意向に及ぼす効果」
   「大人社会と子供社会に共通するいじめの要素分析:黒い羊効果に関する実験研究」 など。

こうした研究活動の成果は、Social Psychology Bulletin of Shimotomai Laboratory (ISSN2186-9030)で刊行されています。
ゼミナール合宿毎年、セミナーハウスで3泊4日のゼミナール合宿を行っています。朝から夜まで互いの研究について議論を交わしていますが、BBQやスイカ割り、ビーチバレーに花火などレクリエーションも、教員がついていけないくらい盛んです。
OB・OGの進路就職先は企業が多いですが、マーケティングやプログラムエンジニアに進むゼミ生は、例年4年生6-7名中、1,2名います。また引き続き大学院で私の指導を受けて、国家公務員心理専門職(心理技官)や地方自治体の心理専門職、短期大学や4年生大学の心理学教員、臨床心理士になったOG/OBも11名います。
教員紹介下斗米 淳(しもとまい あつし)。1961年11月、東京都生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得、博士(文学)(金沢大学)。学習院大学文学部助手、聖心女子大学非常勤講師、University of Queensland客員研究員などを経て、現職、専修大学人間科学部教授。

下斗米 淳[研究者情報データベースへ]
その他研究成果(抜粋) 
Conflict pressures on romantic relationship committment for anxiously attached individuals. Journal of Personality. (2011). 
Valuing romantic relationships: The role of family approval across cultures. Cross Cultural Research. (2012). 
Parental Social Power, Co-parenting, and Child Attachment: Early to Late Japanese Adolescence Transitions. Current Psychology. (2018).
HP http://www3.psy.senshu-u.ac.jp/~simotoma/

ゼミナール紹介 人間科学部下斗米 淳先生

▲2012年夏合宿

ゼミナール紹介 人間科学部下斗米 淳先生02

▲2017年夏合宿

ゼミナール紹介 下斗米 淳先生03

▲卒業式
[2018年2月掲載]
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