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途上国開発経済と人間の経済 [担当:傅 凱儀]

ゼミナール名称途上国開発経済と人間の経済
研究テーマアフリカの経済
経済人類学
途上国開発経済
フィールド調査
ゼミナール所属経済学部 国際経済学科
学習内容本ゼミナールでは、現代アフリカ経済、途上国開発経済、経済人類学などの総合的なアプローチで、日本語、または英語で出版された経済学的研究を集中的に講読し、「人間の経済」、「アフリカ」、「フィールド調査」、「持続的経済発展」といった広いテーマについて学ぶ。学生の英語力の向上にも重点を置く。また、社会調査の基本的な方法論と実践を踏まえた上で、ゼミナール参加者自らの関心から「自分で調べ」、最終的にゼミナール研究論文を執筆することを目的とする。

ゼミナール参加者の関心に従い、現代アフリカ経済、経済人類学、途上国開発経済、フィールド調査などの経済学的研究を決定し、全員で講読する。また、自分でテーマを設定し、ゼミナール研究論文を執筆する。本ゼミナールでは、経済と開発をめぐる議論を広い視野から捉え、多様な調査法で自ら調べ、自分の意見を人に伝え、持続可能な経済発展について自らの価値観に基づき構想できるようになることを目標とする。ゼミナール参加者の積極的な提案に基づき、演習の方法等は随時見直しを行うが、主に a)文献の精読、b)与えられた課題に関する個人またはグループによる調査とグループディスカッション、c)参加者の意見表明の機会、からになる。

2018年度ゼミナール研究論文タイトル一覧
1)日本よりも進んでいるアフリカのモバイルマネー分野
2)ヴィッセル神戸の収益の推移について
3)ふるさと納税は得か
4)RADWIMPSについて
5)ブラック企業の与える経済的悪影響
6)アフリカと地球温暖化
7)ケニアの歴史
ゼミ生の人数2018年度 7名、2019年度 25名
開講日時など水曜日4限
卒業論文・卒業研究まだなし
教員紹介なぜ香港出身の私が日本に来てアフリカの地域研究を始めたか、しばしば不思議に思われる。香港の大学でビジネスを学んだ私は利益最重視主義をよく教えられた。しかし、日本で国際経済を勉強し始めてから、それまで知らなかった広域経済学や途上国の経済開発に魅了され、フィールドワークをして地域経済を研究することになった。アフリカのナイジェリアでのフィールドワークでは香港や東京のような商業都市とは異なる経済形態を観察し、異なる民族が限られた資源を譲り合い共用し、また貨幣経済のほかに非貨幣経済も実在するという事実を確認した。私達の世界は今までない規模で様々な脅威に直面している。経済発展に伴って噴出した社会問題と環境破壊、資源競争などの問題に加え、世界的に人口爆発が起こっているのに近い将来に多くの雇用が人工知能の発達や経済産業の変化によって人間の存在意義が抑圧されるようになる。これら現代の困難を克服ために、市場を部分領域として含む広義の人間経済の仕組みを究明する学問、並びに異なる地域に実在する経済の多様な行動様式と原理が、学生にとってますます必要な知識となると信じる。

私の博士学位論文は長年にわたりナイジェリアで行った地道なフィールドワークの成果である。経済人類学と農村開発の観点から、アフリカの農村コミュニティにおいて、現地の農業生産システムの発展と自然資源の利用に関する民族間関係について調査を行い、農村コミュニティによる地域資源を生かした内発的な開発の実践を明らかにした。調査を行ってきた地域は多民族が混在する「ミドル・ベルト」地帯に属しているが、外部の介入支援が届きにくい遠隔地にあり、地域住民が徐々に浸透してきた市場経済に対し内発的な開発を行ってきたことが調査で明らかとなった。農耕民と遊牧民の間に自然環境及び人間社会の変化に応じた資源管理制度と互酬関係の取り決めなどのローカル・イニシアティブが築き上げられ、両民族の互恵的な共存関係を維持してきた。農耕民と遊牧民の自然資源を巡っての対立についてここ数十年目立つようになってきた。他の多くの研究は、この争いを解決するメカニズムを暴くことに重点を置くが、私の研究では利害関係者の社会関係と資源利用の相互関係に照準を絞り、農業開発が多民族間の平和的な共存を脅かさなくても可能だということを証明した。農耕民と遊牧民の共生問題を更に接近するため、現在は気候変動による遊牧民の生業形態の変化及び脆弱性の拡大について研究を進めている。アフリカでの経験をさらに広げるものとして、日本(埼玉県と宮古島)とアジア(インドネシア)の地域社会に関する調査も徐々に始めている。

傅 凱儀[研究者情報データベースへ]

ゼミナール紹介_経済学部_傅-凱儀_2018年度のゼミ課外活動、青染め体験

▲2018年度のゼミ課外活動、青染め体験

ゼミナール紹介_経済学部_傅-凱儀_ナイジェリアの現地調査で訪問した村

▲ナイジェリアの現地調査で訪問した村
[2019年3月掲載]
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