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日本経済の現状分析[担当:田中 隆之]

ゼミナール名称
日本経済の現状分析
研究テーママクロ経済政策、金融、財政、産業、企業など、日本経済に関わる諸問題を幅広く研究しています。最近は、先進国中央銀行の非伝統的金融政策、財政再建と社会保障改革、「アベノミクス」の成果、コーポレートガバナンス改革と雇用制度の変化など、現在進行している事柄を扱う機会が増えています。
経済問題の捉え方や処方箋に、正解はありません。テレビに登場するエコノミストやマスメディアの評論を鵜呑みにするのではなく、経済理論を基礎に自分の頭で考えることができる社会人になってほしいと願っています。加えて、社会に出て活躍するのに必要な「伝える力」「状況を理解する力」「問題を発見する力」を育成することも狙っています。
ゼミナール所属経済学部経済学科
学修内容1 毎回の授業は、次の内容を含んでいます。
(1)ゼミ当日の『日本経済新聞』の読み方。当番が、自ら選んだ記事の概要説明と問題提起を行い、討論します。これに講師が補足を行い、当日の紙面の注目点を指摘します。
(2)現代日本経済を論じた経済書の輪読。輪読とは、当番がテキストの分担箇所につきレジュメを作って発表、問題提起をして討論するという、大学のゼミナールで伝統的に行われてきたやり方です。ここ2~3年では、翁邦雄『日本銀行』、小峰隆夫『日本経済に明日はあるのか』、小黒一正『財政危機の深層』、橘川武郎他『日本の産業と企業』、吉川洋『人口と日本経済』、井手英策『日本財政 転換の指針』などを読みました。
※以上で行う討論では、グループごとに意見をまとめて発表する形式も併用しています。
(3) 2年生が基本テキスト担当部分のレジュメを作成して発表し、3年生が質問する形式の基礎固め学習。基本テキストに小峰隆夫・村田啓子『最新 日本経済入門』を使用しています。
(4)(後期のみ)4年生の卒業論文の中間発表。3、2年生は、これに自分の視覚から質問やコメントをします。

2 論文の執筆や発表のために必要となる、スケルトンの作成、エクセルによる図表の作成、パワーポイントの効果的な利用法、などの指導を随時行います。

3 他大学のゼミとのディベート大会、学内他ゼミとの研究発表交流会を行います。また、日銀・東証の見学会なども行います(下記「対外活動」参照)。
ゼミ生の人数4年生14名、3年生15名、2年生16名が所属しています。うち女子は7名です。
開講日時など毎週水曜日の4、5時限です。
卒業論文・卒業研究日本経済に関わるテーマなら何でもOKなので、ゼミ生本人の興味にしたがって千差万別です。ちなみに2017年3月卒業生14名のテーマは、以下のとおりです。
・日本の財政再建に何が必要か
・東アジアにおける共通通貨圏の可能性
・このままでよいのか、日本の年金制度
・日銀の量的・質的金融緩和が日本経済に与える影響
・もう延ばせない財政健全化への道
・金融緩和政策と国債累増の問題
・非正規雇用問題――増加の現状と今後の展望――
・持続可能な社会保障制度のために求められる改革と政策
・決済手段の可能性
・一体どうなる、TPP問題―我々の生活、日本への影響は如何に―
・消費税の歴史と増税による日本経済への影響
・変化する保険業界とその行方
・財政健全化への道程―少子高齢化を背景に考える―
・行動経済学の理論を実証する
サブゼミナール原則としてありませんが、ゼミ生は、合宿でのディベートや、夏休み中の他大学ゼミとの合同ディベート大会の準備のために、チームごとに集まっているようです。
ゼミナール合宿春、夏の2回です。春合宿は、1年生(新2年生)がゼミでの勉強の仕方を知る、貴重な機会です。夏合宿では、ディベートや研究発表など、通常の授業と異なるメニューをこなします。2泊3日ですが、通常2日目の午後は自由時間、夜はコンパです。
春は本学の富士山中湖セミナーハウスに行くことが多いですが、夏はこれまで伊豆、那須、箱根、熱海などのホテルや民宿に行きました。
対外活動など例年、夏休み中に、成城大学(内田ゼミ)、麗澤大学(中島ゼミ)との3ゼミ合同ディベート大会を行っています。秋に、学内の他ゼミとの研究発表交流会を行います。また、日本銀行、東京証券取引所などの見学も行っています。
OB・OGの進路金融機関(銀行、信金)、製造業、非製造業、公務員(財務局、県庁、市役所、東京都特別区)、公認会計士、農協など。
OB・OG会ときどき行っています。
教員紹介1999年3月に、18年間勤めた日本長期信用銀行を退職し、同年4月から専修大学の教員に転じました。銀行勤務の間は、調査部や総合研究所を中心に、マクロ経済調査(短期経済予測を含む)、金融調査、産業調査、地域経済調査などに携わり、ニューヨークにも現地エコノミストとして駐在しました。また証券子会社のマーケットエコノミストとして、金利・為替の予測を行ったりもしました。
教壇に立つようになってちょうど18年が経過しましたが、この間、学生に対し、現実の世界で何がどのように起こったのかを正確に伝えるとともに、それを経済学でどのように説明、整理できるのかを示す姿勢を貫いて来たつもりです。
主な著書には、以下があります。『現代日本経済 バブルとポスト・バブルの軌跡』(日本評論社、2002年)。『「失われた十五年」と金融政策』(日本経済新聞出版社、2008年)。『金融危機にどう立ち向かうか』(ちくま新書、2009年)。『総合商社の研究 その源流、成立、展開』(東洋経済新報社、2012年)。『アメリカ連邦準備制度(FRS)の金融政策』(金融財政事情研究会、2014年)。『総合商社 その強さと日本企業の次を探る』(祥伝社新書、2017年)。

田中 隆之[専修大学研究者情報システム]
その他原則、体調不良の場合以外の欠席は認めていません。体育会所属の学生や、公務員講座をとっている学生も、毎回出席でがんばっています。
1572942411744▲夏のゼミ合宿で(箱根。2016年9月)
1572942411054▲合同ディベート大会で作戦会議(2015年9月)
1572942411305▲東京証券取引所見学で_その1(2017年4月)
1572942411505▲東京証券取引所見学で_その2(2017年4月) [2017年8月掲載]
[2017年8月掲載]