専修大学南北アメリカ史研究会(樋口ゼミ)

教授・樋口 映美_プロジェクト

樋口ゼミ(大学院・学部合同)が実施したプロジェクトです。ジムクロウ時代を生きたアフリカ系アメリカ人が二人の息子に送った手紙を翻訳し考察した成果、ゼミ合宿で毎年訪れている沖縄に関する聞き書きは、専修大学歴史学会の会誌『専修史学』に掲載されました。そのほか、沖縄に関する写真展などがあります。また、ゼミで読んだり議論した歴史的出来事に関する史跡を実際に訪れるというフィールドワーク(研修旅行)にも挑戦しています。詳細は、「こちらからどうぞ」をクリックしてください。
  • 「キャリー・マンリーからの手紙―母として、黒人として―」(『専修史学』42号(2007年3月号)---こちらからどうぞ
  • 「聞き書き ベトナム戦争拡大期の沖縄―伊江島の闘いをめぐって―」(『専修史学』45号(2008年11月号)---こちらからどうぞ
  • 「フレデリック・ダグラス自伝(1845年)―序文および書簡―」(『専修史学』49号(2010年11月号)
  • 「フレデリック・ダグラス自伝(1845年)―第1章~第4章―」(『専修史学』51号(2011年11月号)
  • 「フレデリック・ダグラス自伝(1845年)3―第5章~第9章―」(『専修史学』53号(2012年11月号)
  • 「フレデリック・ダグラス自伝(1845年)4―第10章―」(『専修史学』55号(2013年11月号)
  • 「フレデリック・ダグラス自伝(1845年)5―第11章・追補―」(『専修史学』57号(2014年11月号)

『アメリカの奴隷制を生きる―フレデリック・ダグラス自伝―』(彩流社、2016年)
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本書は、逃亡奴隷であったアフリカ系アメリカ人、フレデリック・ダグラスが1845年に著した自伝の日本語訳です。2016年1月20日に出版されました。これは、ゼミ活動として2009年度より過去5年間にわたって継続してきたプロジェクトで、その成果は『専修史学』49号・51号・53号・55号・57号に掲載されてきました。本書は、2015年度にその翻訳文を全体的に見直して、出版まで漕ぎつけました。ダグラスの想いが詰まった英文を、いかにその微妙なニュアンスを損なうことなく、なおかつ日本語として読みやすく仕上げるかという課題を意識して、ゼミ生全員が熱く議論を交わしました。出版に際しては、ゼミ生自身が「まえがき」と「あとがき」も担当し、代表数名が出版社にも赴きました。全体として本書は、フレデリック・ダグラスという一人の「奴隷」が、奴隷制の過酷さを目の当たりにしながら、なおも自由への希望を捨てず、強固な意志でその鎖を振りほどき、逃亡を果たす様が、「人間らしく生きる」とは何かを我々に強く問いかけています。多くの人々に読んでいただければ幸いです。