教授・上村 妙子

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日本語と英語を取り巻く文化的・社会的コンテキストを考慮に入れながら、日本人学習者が英語で効果的にコミュニケーションをすることができるようになるための方法を研究しています。特に英語のライティング能力の育成に関心を持っています。
上村 妙子
教授



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教員データ

氏名・職位 上村 妙子(KAMIMURA TAEKO) 教授
文学部開講科目Composition 1
Composition 2
言語と社会1
言語と社会2
英語英米文学概論2
ゼミナール1・2・3・4
卒業研究
大学院開講科目応用言語学特講 応用言語学特講演習 応用言語学特殊研究 応用言語学特殊研究演習
略歴ペンシルバニア州立インディアナ大学大学院 (Indiana University of Pennsylvania)博士課程英語英米文学科修了 文学博士(Ph.D. in English) [ペンシルバニア州立大学インディアナ大学(アメリカ合衆国)]
専門分野外国語教育(応用言語学)
研究キーワード学生、教師、社会人の3者が英語教育に期待するもの第1言語としての日本語による作文と第2言語としての英語による作文との関係について外国語による作文における異文化理解の役割りについて文章にみる日英比較
所属学会大学英語教育学会 日本ラボラトリー学会 関東甲信越英語教育学会 全国語学教育学会 異文化コミュニケ-ション研究会 英語教育学会(Teachers of English to Speakers of Other Languages)

主要業績

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単行本(単著)
Teaching EFL Composition in Japan--Senshu University Press-- 2012年03月
カプセル英文法--三修社-- 1994年02月
単行本(共著・編著・論文集・事典・翻訳など)
英語論文・レポートの書き方 担当部分:第1章、第3章、第6章1、2、3、6、7、8節、第7章、第8章、付録--研究社-- 2004年02月
基礎からはじめるTOEICテスト (第1・3章及び解答と解説担当)--三修社-- 1998年09月
Writing Power--研究社-- 1996年01月
「英語を書くコミュニケーション」 『英語コミュニケーションの理論と実際』第7章--桐原書店-- 1993年05月
レポートライティング (第1章、第2章、第4章、第6章第1,2,3,6,7,8節、第7章第2,3,5,6節 担当)--(財)日本英語教育学会-- 1992年02月
論文(雑誌・紀要・研修成果報告書など)
The Developmental Pattern of Japanese EFL Student Writers--KATE Bulletin21/-- 2007年03月
Beliefs about and Expectations of Feedback on EFL Writing: A Comparison of the Views of Students and Teachers in Japan --JACET Bulletin38/-- 2003年09月
A Developmental Perspective on Academic Writing Instruction for Japanese EFL Students--Journal of Asia TEFL3/-- 2006年03月
Effects of Peer Feedback on EFL Student Writers at Different Levels of English Proficiency: A Japanese Context--TESL Canada Journal/Revue TESL du Canada42789/-- 2006年03月
Skilled and Unskilled Japanese EFL Student Writers' Narrative Story Production--Pan-Pacific Association of Applied Linguistics20/1-- 2016年11月
その他(学会発表・講演・座談会・インタビュー・書評・エッセイなど)
Exploring the Developmental Stages of EFL Students' Grammatical Competence--2017年11月
Students' and Teachers' Perceived Difficulty Levels of Different Grammatical Items--2016PAC/25th International Symposium on English Teaching and Bo2016年11月
Difficulty Levels of Different Grammatical Items for University EFL Students--24th International Symposium on English Teaching2015年11月
日本人大学生の英語文法習熟度調査学習指導要領に基づく文法テストを用いて--関東甲信越英語教育学会第39回山梨研究大会2015年08月
The Developmental Pattern of Japanese EFL Students' Grammatical Competence--23rd International Symposium on English Teaching2014年11月

ゼミ紹介

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●ゼミの目的は何ですか?

異なる文化を持つ人々に対する理解を深め、どのように共生してゆけばよいのかを探求するのが上村ゼミの目的です。また、一人ひとりが「主役」になれるゼミをめざしています。

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●具体的には何をするのですか?

このゼミでは、「ことばと文化」に焦点を当て、特に私たちのルーツである「日本語・日本文化」を通して「異文化」を理解するためのさまざまアプローチを試みたいと思っています。3年次の前期には異文化理解の基礎となる日本語のテキストと英語のサブ・テキストを読み、毎回レポータを決めて発表しディスカッションを進めていきます。 夏の合宿では、ペアあるいはグループであるさまざまな文化圏(英米などの欧米だけではなく、オセアニア、アジア圏なども視野に入れて)を取り上げ、歴史・地理及び文化現象をパワーポイントを用いて英語及び日本語で発表してもらいます。ここでは合宿係が活躍します。 後期は、4年次での卒業研究及び就職活動を視野に入れ、自分の選んだテーマについてグループあるいは個人で、各自自信を持って他のゼミ生を前にして発表し質問に答えるプレゼンテーションにチャレンジします。また毎学期キャンパス外での学習も行います。今年度のゼミでは、事前学習の後、「ミュージカル『オペラ座の怪人』鑑賞」、「藍染」、「英語による東京バスガイドツアー」、「岡本太郎美術館での絵画鑑賞教室」など体験型のプロジェクトをゼミ生自身が計画し実行しました。異文化に関心のある人、「人間」を相手にする職業、及び教育に従事したいと思う学生が集まっています。そして、みんなでガヤガヤと過ごすことを楽しむゼミ生が集まっています。 
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●4年次では何をするのですか?

4年次では、卒業研究に取り組みます。各ゼミ生がオリジナルな視点からテーマを発見し、実際にデータを集めて、分析し、結果をまとめ考察します。、4年次でも「国立国会図書館での資料検索と収集」という体験型プロジェクトを行います。昨年度の卒業研究には、「新聞記事から見る日本とアメリカのいじめ比較」、「絵本における日英オノマトペの比較」、「鉄道会社のホームページから見る日英の鉄道会社が提供すべき鉄道サービ・X」など、教育関係、言語関係、サービス関係など、さまざまなジャンルからテーマを見つけた研究がありました。4年次では社会人になる前に、これだけは知っておきたいこととして・賰b的なマナーと社会に関する知識も養っていきます。 
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メッセージ

アメリカのペンシルバニア州にあるIndiana University of Pennsylvania (IUP)の大学院で応用言語学を学びました。IUPの英語科は、英語を母語とする学生や第2外国語とする学生を対象としたライティング研究と教育に力を入れています。この大学のプログラムに興味があ・髟禔XはぜひIUPのホームページを参照してください(http://www.iup.edu/graduateprograms/)。

 IUPで学んでいるうちに、日本人英語学習者がどのようなプロセスを経て英作文を書くのか、また日本人英語学習者の英作文にはどのような特徴があるのかに興味を持つようになりました。それ以来現在に至るまでライティング研究を行ってきています。博士論文は、日本人学生が外国語として英語で作文を書く際の推敲方法について執筆しました。現在は、日本人学習者の母語である日本語での作文能力と外国語である英語での作文能力にどのような関係があるのかに興味を持っています。

 IUPでは、ジャマイカ、エジプト、台湾、中国、フランスといったさまざまな国々からきた留学生に会いました。私のホストファーザーはエジプト出身で、ホストマザーはドイツ出身の方々でした。お二人は、どちらもドイツ語を話すことができたにもかかわらず、英語でコミュニケーションをしていました。それは、一方にとっての母語であるドイツ語で話すのではなく、どちらにとっても第2言語である英語で話すことの方がお互いに対して「フェア」だと考えたからでした。こうした経験を通して、私は文化の違いを強く意識するようになり、文化の違いは時には困難な壁にもなりますが、また同時に私達の暮らしを豊かにするための新たな視野を与えてくれることに気づきました。それ以来、日常生活のありふれた物ごとの下に潜む価値観や思考形式を探る試みを行なっています。例えば、レストランでの食事という一見ありふれたような行為も、文化が違えば注文の仕方や会計の仕方に至るまでその行為は大きく異なるのです。

 World Trekという高校のライティング教科書は、私が研究仲間と作成したものです。この教科書は従来の1文単位の和文英訳から脱却し、複数の文から成るディスコースとしての意味のまとまりのある英作文を書く力を育成することを目指した教科書です。話しことばによるコミュニケーションに注目が集まることが多いのですが、インターネットが普及した現在書きことばによるコミュニケーションの重要性はますます高まってきています。

 最後に私の趣味をご紹介します。私は日本国内・国外を旅行することが大好きです。少々私の自慢話にお付き合いください。これまでに日本の全都道府県を訪れたことがあります。また、これまでに、韓国、台湾、シンガポール、マレーシア、トルコ、イギリス、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、オーストリア、スイス、チェコ、ハンガリー、フィンランド、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、オーストラリア、カナダ、アメリカ、メキシコを訪れたことがあります。これからもっと多くの国々を訪れ、多くの文化の人々に出逢いたいと思っています。
During the 1980s I studied at the graduate school of Indiana University of Pennsylvania (IUP) in the USA. I majored in applied linguistics. The Department of English at IUP emphasizes the teaching and learning of English composition both in first language education and second language education. Please refer to (http://www.iup.edu/graduateprograms/) if you are interested in the programs at this university.

  While studying at IUP, I got interested in how Japanese EFL students compose in English and what characteristics could be found in their compositions. Since then, I have been conducting writing research. I wrote my Ph.D. dissertation on revising strategies in Japanese students’ writing in English as a foreign language. My recent research interests lie in how Japanese students’ Japanese and English writing are related to each other.

  AT IUP I met a lot of international students who were from different countries, such as Jamaica, Egypt, Taiwan, Korea, China, and France. My host father was originally from Egypt, while my host mother was from Germany, and they lived in Indiana. They spoke to each other in English, which was their second language; they thought that speaking English would be fair for both of them although both of them were able to speak German. These experiences taught me a lot about cultural differences and made me realize that those differences would give us new perspectives that could enrich our lives. Since then I have tried to find invisible values and thinking patterns of different cultures hidden in observable objects in our daily life. For example, how to eat at a restaurant, which seems quite simple, is indeed very different from culture to culture, ranging from how to order and to how to pay.

  I compiled a high school writing textbook entitled World Trek with other writing researchers. We attempted to produce a discourse-based textbook that aimed at developing Japanese students’ abilities to write a coherent composition, rather than simply providing them with practice in sentence-level translation from Japanese into English. Students are more interested in developing their speaking abilities in English than their writing abilities. However, the Internet has become prevalent everywhere in the world, and increasing attention has been paid to the importance of communication in written English.

  I like travelling in and out of Japan. Here let me tell you what I am proud of!! I have visited all the prefectures in Japan. Also I have been to Korea, Taiwan, China, Singapore, Malaysia, Turkey, UK, France, Belgium, Netherlands, Germany, Austria, Switzerland, Czech Republic, Hungary, Finland, Spain, Portugal, Greece, Australia, Canada, America, and Mexico. I would like to visit more countries and encounter more different people from different cultures.

大学院

 
応用言語学特講
「応用言語学」という分野に含まれるさまざまなテーマや研究方法を概観するために概説書を1冊読破する。次いで、さまざまな論文を読み、この分野における理論がどのような実証的な研究を経て生まれてきたのかを眺めていく。
自分自身の外国語の習得過程を振り返り、自らが体験した問題を足がかりとして、研究テーマを見つける方法を学んでいく。
 
応用言語学特講演習
英語教育の4技能についての論文を読み、各分野でどのような研究テーマが扱われているのかを知る。次いで, 各テーマがどのような手法で研究されているのかを探る。さらに, 論文を「クリティカルに」読み, その上で自らの研究のテーマの絞り方, リサーチデザインの設定の仕方, 結果・考察の導き方などを学ぶ。1年生は研究のテーマを発見すること, 2年生は研究論文のまとめ方に焦点を当てる。
 
応用言語学特殊研究
Second Language Writing(SLW)研究に関して英文で書かれた概説書を読破し、それに基づいた講義を行う。
さらに,この分野における論文をできるだけ多く,「クリティカルに」読む訓練を行う。
 
応用言語学特殊研究演習
できるだけ多くのSecond Language Writing)研究及び指導に関する文献を「クリティカルに」読む。さらに実証的研究を考案し,データ収集,分析を行い,最終的に論文にまとめる。
研究テーマとしては、日本の教育現場に応用できるものが望ましいと考えている。