キャンパス・ハラスメントコラム 2024年度

■キャンパス・ハラスメントの防止と早急な解決に向けて(ニュース専修2025年3月号掲載)

 本学では、キャンパス・ハラスメントを防止するために、相談窓口での相談対応のみならず、さまざまな取り組みを行っています。例えば、入門ゼミナールでの防止啓発教育、ニュース専修や学内ポータルサイトでの啓発コラムの発信、学生や教職員向けの講習や研修の実施などです。これらの活動はハラスメント防止において重要ですが、十分ではありません。大切なのは、教職員や学生一人一人の意識と行動です。
 各自がハラスメントの定義や事例を理解し、ハラスメントをしないように意識することが大切です。ぜひ、本学ホームページに掲載されている「キャンパス・ハラスメントの防止等に関するガイドライン」や「楽しいキャンパスライフのために(動画)」を確認してください。自分の言動が相手にどう受け止められるかを考え、不快感や不安感を与えないようにしましょう。
 自分がハラスメントを受けたり、目撃したりした場合は、黙って見過ごさずに、適切な対処をしましょう。具体的には、相手に直接伝える、信頼できる人に相談する、相談室に連絡するなどの方法があります。自分一人で抱え込まず、早期の解決を図りましょう。軽微な状態であれば、相談室で対処方法のアドバイスを受けたり、通知制度を利用して匿名で相手に自分の気持ちを伝えることも有効です。
 本学は、ハラスメントのない快適で安全な教育・研究環境を目指しています。そのためには、皆さんの協力が欠かせません。ハラスメントに関する知識や意識を高め、健全な学びの場を共に築きましょう。


 (キャンパス・ハラスメント対策室員 池田宏史) 

■誰もができる快適な環境づくり(ニュース専修2025年1月号掲載)

 いまや、ハラスメントに関するニュースを見ない日はないのではないでしょうか。 昨年の出来事を振り返ってみても、深刻な社会問題となったカスタマー・ハラスメント、県知事によるパワー・ハラスメント疑惑、教育機関におけるキャンパス・ハラスメントに関する報道などが数多く飛び交いました。
 ハラスメントは、尊厳を傷つけるような言動によって、相手に不快感や不利益を与える嫌がらせです。人との接点がある以上、被害者にも加害者にもなる可能性があります。
 ハラスメントをなくすために誰もができることは、自分がされて嫌だと思うことは相手に対して行わないことです。自戒を込めて言えば、子供のころに親や先生から「人の嫌がることをしてはいけません」と諭されましたが、大人になった今も大切な心構えなのでしょう。
 また、相手の言動に対して「嫌だ」と思ったときは、できるだけその場で相手に明確に意思を伝えることも必要だと思います。もし伝えられなければ、相談窓口に駆け込む手段があります。専修大学にも「キャンパス・ハラスメント対策室」がありますので、ぜひ安心して相談してください。相談されたことなどの秘密は厳重に守られます。
 専修大学に関わる全ての人たちみんながお互いに、快適に学修、教育、労働及び研究できる環境を作っていきましょう。


 (キャンパス・ハラスメント対策室員 黒木義人) 

■まずは、自分ができることから(ニュース専修2024年11月号掲載)

 メールに「 。」をつけても「マルハラ」と言われるほど、何にでもハラスメントを付ける風潮になったと日々感じる。ハラスメントに対して敏感になった一方で、深刻なハラスメントを受けて泣き寝入りしている被害者はどのくらいいるのだろうか。おそらく、声をあげられる人はごく一部なのだろう。
 もしも、自分自身がハラスメントにあったとしたら、被害を訴えることができるだろうか。「被害がエスカレートするのではないか」「話が漏れて興味本位な噂が立つのではないか」「不利益な対応を受けるのではないか」「話をする過程で被害を思い出して辛くなりそうだ」等、マイナスな理由がいくらでも思い浮かび、心がくじけてしまいそうになるが、被害に悩む人から話を聞くと、被害を訴えようと思った理由として、「同じような被害にあう人を無くしたいから」と言われることが多い。人は、自分のためよりも他人のための行動の方が、力が湧くのかもしれない。他人を思いやり立ち上がることができる勇気ある姿勢には、リスペクトを感じる。
 泣き寝入りをしないため、させないために、組織としては、解決までのルールが整備されていることを周知すること、個人としては、周囲に悲しい顔をしている仲間がいないか気にかけて寄り添うことが大事なのではないかと考える。まずは、自分ができることからはじめていきたい。


 (キャンパス・ハラスメント対策室員 佐々木恭子)

■ハラスメントを無くすには(ニュース専修2024年7月号掲載)

 パワハラ、セクハラ、アルハラ、アカハラ、マタハラ…世の中たくさんの〇〇ハラに溢れていて、何が何だかわからない、何をしても何かしらのハラに該当しそう、もううんざり、などと思われる方も少なくないのでは。なぜこんなにたくさんハラスメントに関する言葉が増えたのでしょう。ハラスメントの本質は「相手の嫌がることをして不快感を覚えさせる行為」です。言葉は色々ありますが、この本質から外れないように「相手がどのように感じるだろうか」といつも考える姿勢を持っていたいものです。
 一方で、相手や周囲からのフィードバックを受けることも必要と考えられます。一人で相手の感じ方をどんなに想像しようと努めても、人によって感じ方は違います。伝えてもらわないとわからないこともあります。相手の気持ちを想像する努力と、自分の気持ちを相手に伝える努力、両方の努力が必要と考えられます。場合によっては第三者の協力も必要でしょう。つまり、みんなで積極的なコミュニケーションを取ることです。
 当たり前とも思える結論にたどり着くのですが、しっかり出来ているかというと別問題です。私自身も胸を張って出来ていますと言えませんし、私の発言が意図しない意味合いで誰かに伝わって不快にさせてしまう可能性を考えるようにしています。ゴールはなく、努力を続けることが大切だと考えています。ハラスメントのない社会を目指して一緒にがんばりませんか?


 (キャンパス・ハラスメント対策室員 松嶋祐子)

■切り取られても大丈夫な言動を(ニュース専修2024年5月号掲載)

 社会ではハラスメントについての知識が広まるとともに、ハラスメントへの関心も高まっています。そのような中、たとえば、オープンキャンパスや面接試験の場等での教員の発言に対して、「そんな言い方をしたら、パワー・ハラスメントだと受け取られるのではないか?」と心配する声を耳にすることがあります。
 オープンキャンパスや面接試験に共通するのは、来校する方々が、ソトの人- 一度しか来ないかもしれない人- であるということです。
 オープンキャンパスで「きつい言い方をされた」、「叱られているようで怖かった」という感想を持たれた場合には、本学が受験対象から外されてしまうかもしれません。
 また、大学院入試の面接では、受験者の考える研究テーマや研究計画が煮詰まっていないことも見受けられます。そんなとき、教員としては、正したり議論したくなることもあるでしょう。しかし、こうした親心は、何度も指導を重ねた上での信頼関係があってこそ相手の心に響くものではないでしょうか。かりに、面接担当教員から強い口調で否定され、しかも受験者が不合格となった場合、教員の真意が伝わらないばかりか、本学のマイナスイメージとしてネット上を一人歩きする危険性も否めません。また、前後の文脈を省略した、いわゆる「言葉を切り取った」形での発信も散見されます。
 私自身、今年のオープンキャンパスや面接試験には、「そこだけ切り取られても大丈夫」な言動を心がけなければと気を引き締めて臨もうと思っています。


( キャンパス・ハラスメント対策室長 斎藤 達哉)