編集 2009/03/29

【ゼミでやっていること】
 9つあるゼミの中で、唯一日本思想を専門とするゼミを開いています。
 ゼミでは長らく謡曲(能の脚本)を読んでいますが、能の専門家を育てたいということではありません。そうではなく、能という寡黙な文学を読んで、自分が感じ考え始めたことを自分の言葉に定着させる苦労を、まずは、してほしいと思っています。そして、その苦労の中で形をとりつつある自分の考えを、今度は出来るだけ論理的に表現することを通して、みなで議論しながら、人間について、そして自分自身について、考えることができればと思っています。
 能の登場人物は、亡霊や生きながら鬼になってしまった人が中心です。つまり、この世を、疑いや抵抗なくするっと生きてしまった人ではなく、何かに引っかかって苦しんだり、忘れることができないほど何かを深く愛してしまった人々です。そういう人々を、能の作者たちは、当時の倫理思想ともいえる仏教を深く理解した上で、それをかなりしたたかに読みかえて、登場人物たちそれぞれに独特の結末を用意しています。  だから、それを深く踏み込んで読むことができれば、日本人が長らく醸成してきた独特の宗教感覚と世界観にも届くことができるのではないかと思っています。そしてそこまで届けば、素朴な実感だけでものを考えている間は想像できなかったような、人間についての思索、そして自分についての思索が始まると思うのです。

【最近考えていること】
 〈うた〉とは何なのか。  人はなぜ〈うた〉を歌うのか。詠むのか。


【最近考えていること(その2)】
 〈うた〉と普通のことばとの違いはどこにあるのか。

【最近困っていること】
 ゼミのあと、ゼミ生と行く飲み屋さんの近くに、おいしいラーメンの店ができたこと。

【最近困っていること(その2)】
 ゼミで飲んだあと、みんなでラーメンを食べるのが恒例になってしまったこと。

【最近考えていること(その3)】
 神話や昔話で、人はなぜ「見るな」と言われているものを見てしまうのか。

【最近困っていること(その3)】
 wii fit の効果が出ないこと。


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