編集 2017/05/11
・私の専門は現代の英語圏・ドイツ語圏・日本語圏の哲学・倫理学です。ウィトゲンシュタインやカール・クラウス、ドナルド・デイヴィドソンなどの議論を手掛かりに、〈言語〉や〈心〉、〈行為〉といった概念をめぐって日々考えています。たとえばこういう問いです。

「言葉が意味をもつとはどういうことだろう? たとえば、人が『来い』と言って他人を呼び寄せることと、雄鳥が鳴き声で雌鳥を呼び寄せることは、どこがどう違うのだろう?」

「心とはどういうものなんだろう? 心とは脳のことなのだろうか? 人が怒ったり嫉妬したりするというのは、脳の神経細胞が興奮しているということなのだろうか?」

「行為と運動の違いは何だろう? 人が道を歩くことと、台風が一定の進路をとって進むことは、どこがどう違うのだろう?」

・哲学や倫理学という学問は小難しくて取っつきにくそうな分野ですが、簡単に言ってしまえば、「立ちどまって考える」営みです。立ちどまり、普段は当たり前のこととして通り過ぎていた事柄を改めて見つめ直し、様々な角度から額に汗して考え抜くこと――これを実践するのはそれなりにしんどいですが、とても大事なことですし、それ以前に、楽しいことだと思います。皆さんも、哲学を学ぶことを通して、ものごとを論理的に分析し総合する技術を身につけ、「よく考える」力を養ってもらえればと願っています。

・もう少し具体的な話は以下のインタビュー記事に載っていますので、ご覧ください。

  シノドス「高校生のための教養入門」インタビュー(高校生向け)

  researchmapインタビュー(研究者向け)



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