専修大学文学部日本語学科

専大日語・コラム

専大日語の教員による、月替わりのコラムです。

2019年12月:プラハ通信

# 今月はドタバタしていて、更新が大幅に遅れてしまいました。すみません。

もう先月のことになりますが、中央ヨーロッパの国、「チェコ共和国」に出張してきました。

チェコという国がどこにあるか、分かりますか。ドイツの南東、ヨーロッパのほぼ中央に位置しています。面積は日本の約5分の1、人口は約1000万人、首都はプラハ。

チェコには、日本語を専攻できる大学が3つあります。プラハ・カレル大学、マサリク大学、パラツキー大学という3大学です。ここで日本語学を教えているチェコ人の先生方と一緒に、“Corpora and Japanese Linguistics” というワークショップを企画しました。チェコで日本語を学んでいる学生のみなさんに、日本語コーパスを使った分析方法をレクチャーしようという企画です。

ワークショップの開催は、11月8日~10日の3日間。プラハ・カレル大学を会場にして、3つの大学から学部生・大学院生・教員など、合計34人が集まりました。 中には、在チェコ日本大使館日本広報文化センターの職員の方も。

1日目と2日目の午前中は、私が「コーパス日本語学概論」を担当し、言語学におけるコーパスの必要性、コーパス日本語学の歴史、現在オンラインで使える日本語コーパスの種類などを紹介しました。(当日のプログラムはこちら)。

さらに、国立国語研究所が開発したコーパス検索アプリケーション「少納言」「中納言」でコーパスを検索する方法と、その検索結果をExcelで集計する方法をレクチャーした後、グループワークで日本語コーパスを分析してもらいました。書き言葉に見られる表記のゆれ、話し言葉に現れるフィラーのバリエーション、独話(CSJ)と日常会話(CEJC)の言語行動上の違いなど、いろいろな観点からの分析結果が出されました。

特に日本国外で勉強している日本語学習者にとって、これだけの種類・規模の日本語コーパスをインターネット上で検索できるようになったことは、福音だと言えるでしょう。 2000年以降、国立国語研究所を中心として各種日本語コーパスの開発が進められ、20年をかけて、日本語研究のインフラが整備されてきた結果と見ることができます。

2日目の午後は、Alexander ROSEN先生による『Czech National Corpus』の解説と実習、3日目はVáclav BŘEZINA先生による「LancsBox」の解説と実習がありました。私も、久しぶりに学生に戻った気分でレクチャーを受けてきました。

以下、プラハの街の景色をどうぞ。(クリック・タップで拡大します)

到着した日、プラハは晴天でした。ヤン・フス像が立つ、旧市街広場

チェコはビールの個人消費量が世界一。街のいたるところにビールの醸造所があります。いただいたのは、ちょっと酸味のあるビール。

合鴨のソテーと赤キャベツ。この時期だけの料理、とのことでした。

街を見下ろすプラハ城に立つ、聖ヴィート大聖堂。すばらしい建築。

聖ヴィート大聖堂、南塔の上から見わたす、プラハの街並み。

チェコの伝統的なお菓子。

1912年築、アールヌーヴォー様式の、プラハ市民会館。アルフォンス・ムハ(ミュシャ)が装飾を手掛けています。

夜の街には屋台が出ていました。市民のみなさん、ワインを飲みながら夕食を楽しんでいました。

チェコで日本語を学んでいるみなさん、またお会いしましょう!
Studenti studující japonštinu v České republice. Těšíme se, až se zase uvidíme!


さて、専大日語は、12/16(月)が卒業論文の締め切りでした。 卒論を提出したみなさん、おつかれさまでした。残り少ない学生生活、有意義な時間にしてください。

あっという間に年末ですね。それでは、みなさま、どうぞよいクリスマスを。そして、どうぞよいお年を。

丸山岳彦


<リンク>
  1. 「チェコで「コーパス日本語学ワークショップ」」ニュース専修, 2019年12月号 第588号, 専修大学. [PDF]
  2. 「チェコ共和国で「コーパス日本語学ワークショップ」」SENSHU ONLINE. [link]

バックナンバー

バックナンバーのページへどうぞ。

トップに戻る