専大日語・コラム
専大日語の教員による、月替わりのコラムです。
2023年12月:ネパールについて知っていますか?
専大日語のみなさん、こんにちは。はじめまして。助教の引田です。4年生のみなさん、卒論の提出お疲れ様でした。4年間の成果を存分に発揮できたでしょうか。次は3年生のみなさんの番ですね。受け入れがたい現実だと思いますが、温かい部屋でぬくぬくしていられるのももう時間の問題になってきました。そんなみなさんに、今回はちょっと一息つけるような内容をと思いまして…とある国の紹介をしたいと思います。
では、早速質問です。日本国内の外国人留学生はどこの国の出身者が多いかご存じですか。
…1位は中国、2位はベトナム、3位はネパールです。この3カ国の出身者で留学生総数の70%以上を占めています。日本学生支援機構の2022年度の調査によると、前年度の調査から人数も全体に対する割合も増加しているのは、この3カ国の中ではネパールだけで、あとの2カ国は人数も全体に対する割合も減少してしまっています。今回はそんなネパールの紹介をしたいと思います。
ネパールという国について、名前は聞いたことがあるかもしれません。国旗の形が四角くないとか、国の名前で「ね」から始まる唯一の国とか色々ありますが、どこにあるか、どんな国かご存じですか。あまりなじみがないと思っている方もいるかもしれません。でも実はそんなことないんです。
4,5年ほど前から街中にじわじわとインドカレー屋さんが増えていると思いませんか。そこで働いている多くの人はインド人ではなく、ネパール人です(もちろんインド人の場合もあります)。また、コリアンタウンとして名高い新大久保にはネパールレストランがこちらもじわじわと増えています。また多くの留学生がコンビニやファストフード店でアルバイトしていたりもします。つまり、ネパール人は意外とみなさんのすぐ近くにいるんです。
そんなネパールは大国インドと中国に挟まれている南アジアの内陸国です。エベレストを有するヒマラヤ山脈が国の北東に位置しています。エベレストは英語名で、チョモランマという言い方も聞いたことがある方もいると思いますが、これはチベット語の言い方です。ちなみにネパール語ではサガルマータといいます。
私は、2014年からネパール人に日本語を指導し始めたことをきっかけに、2016年からネパールに行くようになりました。2018年には、調査のために3か月ほどネパールで日本語学校を回ったり、日本語をボランティアで教えたりしていました。ネパールでは、日本語教師の就労ビザが下りないので、日本語教師として働く道が限られてしまう点が非常に残念なところです。
以下では、ネパールで撮った写真をご紹介していきたいと思います。
1枚目は、雨季に私が雨の合間に見たヒマラヤ山脈です。乾季の晴れた日には、2枚目のようにきれいに見えるそうです。これを見るのが私の小さな夢です。
私がネパールに行くときはいつも雨季で、毎日バケツをひっくり返したような雨が降ります。ネパールは道路が整備されているところも少ないので、雨の後は道路が水没します。
そんな中でも日本への留学を目指す学生たちは、毎日バイクやバスに乗って日本語学校に通います。こんなぎゅうぎゅう詰めのバスに乗って、私も日本語学校に向かっていました。
1枚目は、日本語課程のある大学のキャンパスの入口です。近くには、2枚目以降のようにたくさんの日本語学校が軒を連ねています。
これは、とある学校の授業中の風景です。『みんなの日本語』を使いながら授業を受けています。
お昼には、現地の先生方と一緒にダルバートというネパールの国民食を食べていました。ダル(=豆スープ)、バート(=ご飯)で、ご飯とお味噌汁のセットのような感覚です。また、ネパールは基本的に1日2食なので、15時くらいに軽食を食べます。2枚目は、軽食の一例でチョウメンといいます。辛い焼きそばみたいな食べ物です。他にもネパール式餃子のモモや先日あるテレビ番組でも紹介されていたパニプリがあります(パニプリを現地で食べる勇気はちょっとありません)。
ネパールには日本に興味がある人や日本から帰ってきた人も多いので、意外と個人の日本食レストランもあります。1枚目の写真のカツ丼は、しっかりと日本の味が再現されていておいしかったです。2枚目は、初めて行ったお店で、メニューを見て、怖い物見たさに注文してしまった「寿司定食」です。笑うしかありませんでした…。
こんなツッコミどころ満載のネパールですが、現地まで行かなくても、新大久保に行けば色々なネパール料理が食べられます。もちろんダルバートもモモもパニプリもチョウメンも食べられます。興味がある方はぜひ。今までよりほんの少しでもネパールを身近に感じていただけたら嬉しいです。
それでは、みなさん、どうぞよいお年を!