【SDGs】ローカル・コミュニティにおける減災サイクルの研究

　地震災害など「危機」が多発する四川省にあって、どのような基層組織における危機対応のシステムが形成・運用されてきたのかを、日本の被災地研究の知見に基づき研究している。第１に文献研究による地域における在来の「危機」対応組織・その履歴の整理を行い、第２に、近代以降、四川省において形成されてきた組織の経験の聞き取り調査（質的調査）を行うことで、より具体的に「危機」対応組織の現状における在りようを明らかにしたい。さらに、Crisis management, Risk communicationといった災害社会学の諸概念をもって四川省固有の歴史的事例を再照射することにより、現代的な評価を加えたいと考えている。
本研究の実施に際し、中国「四川省地域と国別重点研究拠点日本研究センター」との間で、共同研究に関する「覚書」（2017（平成29）年10月１日～2023（令和５）年３月31日まで６年度にまたがる国際共同研究プロジェクト）を締結している。
SDGs目標に対応する当研究グループの検討項目等
【01】貧困をなくそう
　　　　⇒復興事業による格差発生（復興災害）の阻止
【02】飢餓をゼロに
　　　　⇒復興事業による格差発生（復興災害）の阻止
【03】すべての人に健康と福祉を
　　　　⇒仮設住宅に留まざるを得ない方々の要見守り
【05】ｼﾞｪﾝﾀﾞｰ平等を実現しよう
　　　　⇒特に避難所・仮設住宅での潜在的被害
【06】安全な水とﾄｲﾚを世界中に
　　　　⇒避難所の衛生問題
【07】エネルギーをみんなにそしてクリーンに
　　　　⇒生命尊厳の関心の高まりと原発需要
【08】働きがいも経済成長も
　　　　⇒産業復興と個々の被災者の生業再興
【09】産業と技術革新の基盤をつくろう
　　　　⇒復興におけるゼロエミッション企画
【10】人や国の不平等をなくそう
　　　　⇒復興格差是正
【11】住み続けられるまちづくりを
　　　　⇒住民(被災者)参加のガバナンス
【13】気候変動に具体的な対策を
　　　　⇒重層化する被災／複合災害の想定
【14】海の豊かさを守ろう
　　　　⇒安易な復興公共土木事業の弊害
【15】陸の豊かさも守ろう
　　　　⇒安易な復興公共土木事業の弊害
【16】平和と公正をすべての人に
　　　　⇒被災者が進んで発言する土壌、そのガバナンス
【17】パートナーシップで目標を達成しよう
　　　　⇒マルチステークホルダーの復興参画