個人研究助成

個人研究助成

2025年度(令和7年度)個人研究助成
研究課題 システム思考に立脚した社会参画を見据えた課題解決型の地理教育の実践研究-自己変容から社会変容への変化を意識した「循環型社会形成」へ向けた授業の開発
研究者名
泉 貴久所員
研究期間令和7年7月22日から令和8年3月31日
研究目的 「問題を全体的にとらえ、解決策を見いだそうとする能力」であるシステム思考は、日本を含めた世界各国の地理教育に採り入れられており、理論面はむろんのこと、実践面における研究も蓄積されつつある。その背景として、「グローバル化の進展により社会が高度化・複雑化し、未来予測が困難なこと、地球的諸課題が深刻化し、それがしばしば論争問題と化しているゆえ、多様な視点からの原因の究明と解決策の提案が求められていること」を挙げることができる。授業実践における特徴として「①関係構造図を中心に、様々な種類の思考ツールが用いられていること、②諸事情や諸課題の関係性を理解し、問題の構造を把握することのみにとどまらず、解決のための手立てについて考察していること」の2点を挙げることができる。だが、従来の授業実践の多くは、当事者意識を持ってより良い解決策を判断・決定し、社会参画へと至るプロセスについては希薄で、自然システムと社会・経済システムの相互関係の認識にとどまった状況にあることが明らかになっている。そこで本研究では、「社会と自分との接点を見出し、自身の生き方や社会のあり方について考えるための学びの創造」という観点に立ち、現状把握から社会参画に至る社会科地理学習の探求過程を軸に、「循環型社会の形成」をテーマにしながら自己変容から社会変容への変化を意識した地理授業の開発を行い、その成果と課題について検証する。
備考