人文科学研究所



研究所所長の挨拶

人文科学研究所は、1967年に、前年の文学部設置を受けて創立された研究所です。当初より、学部の垣根を越え、全学の人文科学諸分野の研究者の参加を得て、個々の研究に加えて共同研究を推進することを目指してきました。これまでの50数年間にわたり、こうした研究を助成し、定期的に研究会を開催、折に触れて公開講演会を実施してきました。また、国内外において、総合研究調査として現地で調査を実施するとともに、現地の研究機関との研究交流も行ってきました。

こうした活動の成果は、機関紙である『人文科学研究所月報』と『人文科学年報』で公開されてきており、月報は322号、年報は53号を数えます。加えて、『フランス革命とナポレオン 』、『人は何を旅してきたか』、『移動と定住の文化誌 人はなぜ移動するのか』、『災害  その記録と記憶』といった著作を刊行してきました。月報や年報、そしてこれらの著作をひもとくと、人文科学における多彩なテーマが扱われてきたことに加えて、社会科学や自然科学も含めたより学際的で分野横断的なテーマに取り組まれていることがみてとれます。対象とするフィールドも、日本を含めたアジアからヨーロッパ、アメリカなど多岐に渡っており、国際的な広い視野で研究がなされてきたといえます。

コロナ禍において研究所の活動も制限され、研究会はオンラインで行い、公開講演会や 総合研究調査も実施を控えてきました。大学の研究教育活動が正常化してくる中で、研究所の活動も徐々に元に戻りつつあります。従来の研究所における研究の蓄積の上に立ち、 その伝統を継承しつつも、2027年の創立60周年に向けて新たな地平を切り拓いていく所存です。

山本 充


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