2022.04.07 Thu
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2022年度入学式を挙行

20220407入学式サムネイル
2022年度入学式が4月5日、東京都千代田区の日本武道館で行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、午前と午後の2部制で実施。歓迎プログラムなどは中止されたが、3年ぶりにご父母・保護者も出席した。晴れの日を迎えた新入生は、それぞれの目標に向かって新たな一歩を踏み出した。

新入生は学部4346人、大学院97人、法科大学院27人。
佐々木重人学長は式辞の冒頭、英語で新入生を歓迎し、「今の自分のライバルは、卒業を迎える4年後の自分自身。それを超えるために一心不乱に努力してほしい」と激励した。
 
松木健一理事長は「さまざまな分野で“学びのチャレンジャー”になって」と呼びかけ、日髙義博総長はドイツ語を交えながら「2年次までに展望を描ければ、大学で学ぶべきこと、やるべきことを自らもぎとることができる」と祝辞を述べた。ご父母・保護者の会である育友会の後藤康夫会長は「専大の学生となったことに誇りを持ってほしい」と語った。
午前の部(経済、経営、商、大学院経済学研究科、同経営学研究科、同商学研究科、法科大学院)は内田龍馬さん(経営、専大松戸高)が、午後の部(法、文、ネットワーク情報、人間科学、国際コミュニケーション、大学院法学研究科、同文学研究科)は小泉千春さん(人間科学、専大附属高)が新入生を代表して宣誓した。
 
式の様子はライブ配信され、本学ホームページで公開している。
20220407入学式11▲午前の部 宣誓 内田さん
20220407入学式14▲午後の部 宣誓 小泉さん

佐々木重人学長式辞

20220407入学式‗佐々木重人学長
Welcome to Senshu University.
Have you read today’s university newspaper, News Senshu yet? The title of my article on the front page says “Welcome to Socio-Intelligence University, SiU.” First of all, I would like to explain why SiU could be used as the English notation for Senshu University. In order to facilitate your understanding, I will tell you the story about the four founders of Senshu University. I will use my favorite language from here on.

あらためて、本日、学部・大学院・法科大学院に入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
保護者の皆様には、感染対策上、本施設への入場人数を限定させていただきました。ライブ配信でご覧いただいている保護者の皆様とあわせ、この場を借りて、謹んでお慶びを申し上げます。

初めに新入生の皆さんには、本学の創立者たちの志を共有することを通じて、専修大学のユニバーシティ・アイデンティティについて知っていただきたいと思います。それは、専修大学で学んだ者が結果として獲得する共通の価値観というべきものです。
本学は、明治初期に藩費や国費を得て、アメリカ合衆国東部の大学・大学院で法律学と経済学を学んだ4人の青年、すなわち相馬永胤、田尻稲次郎、目賀田種太郎そして駒井重格が、日本の近代社会を支える次世代の人々を育てることに、彼らの知識や経験を活かすことで、その恩に報いようと考え、帰国後、1880(明治13)年に創設した「専修学校」を前身としております。本学は、以上のような創立者の志を汲み「社会に対する報恩奉仕」を建学の精神としており、「質実剛健」「誠実力行」という学風には、何事にも自分らしく自然体で、心身を鍛えながら、誠実に人生を歩むという誓いが込められています。
 
本学は、現在、その建学の精神を現代的にアレンジした21世紀ビジョン「社会知性の開発」を教育ミッションとして掲げております。英文では、The Development of Socio-Intelligenceと表記される「社会知性の開発」とは、皆さんが専修大学で身につける知識や技能を自分だけのものとして完結させてしまうのではなく、その知識や技能を社会、すなわち家族、所属する組織ないしは地域等の諸課題の解決のためにも積極的に活用すべきというマインドを身につけることを意味しております。そのようなマインド醸成のため、本学は、深い人間理解につながる教育、倫理観を重んじる教育、独創的発想を促す教育そして地球的視野を持たせる教育を基本に据えたカリキュラムポリシーを採用しております。
以上のことから、「社会知性の開発」は、今の専修大学の方向性を最も簡潔に表現する用語でもあります。そこで、私は、専修大学の英文表記の一つとして、Socio-Intelligence University、略してSiUを用いることを(入学式で配布した)「ニュース専修」入学記念特別号の記事のなかで提案することにした次第です。
 
本学での学びにあたり、皆さんに意識していただきたいのは、今の自分のライバルは、卒業を迎える4年後にこうなっていたいという自分自身とすることです。具体的には、目標とする4年後の自分となるために必要な3年後の自分、さらには、2年後の自分、そして目指す来年の今ごろの自分になるため、今何をしなければならないのかを考えてほしいと思います。そしてその決意に基づいて、一心不乱に努力してほしい。専修大学は、そのような皆さんの志の実現のため、さまざまな支援プログラムを用意して、全力で皆さんをサポートしてゆく所存です。
 
また今年度、本学が新たに取り組んでゆこうとしていることをご紹介したいと思います。
第一は、いわゆる「ソサエティ5.0」において活躍できる人材の育成についてです。今や人や組織の諸活動がインターネットを介して行われることが通常となり、その内容がビッグデータとしてサイバー空間の随所に蓄積されるようになりました。
「ソサエティ5.0」とは、そのビッグデータを人工知能(AI)が解析し、その結果が新たに創出された価値として、産業や社会にフィードバックされることで、経済発展と同時に社会的課題の解決を両立させる人間中心の社会と言われます。たとえば、冷蔵庫内の食材管理がAIによって自動でなされ、必要な分だけを発注し、購入することを可能にして、食品ロスの削減を図ること等がイメージできます。
このような「ソサエティ5.0」の特徴を理解して、多様なビックデータの解析能力を習得するため、「Siデータサイエンス教育プログラム」が本年度から始まります。このプログラムの受講によって得られる数理データサイエンスAI知識は、皆さんがそれぞれの学部で修得する教養・専門知識を「ソサエティ5.0」で活用するために大いに役立つことでしょう。
 
第二は、「社会知性の開発」の一環として、本学が取り組んでいるSDGsについてです。SDGsの問題に係わる多くの授業、課題解決型インターンシップやSDGsチャレンジプログラムが展開されておりますが、本年度、本学は、組織的取り組みとして、「カーボンニュートラル」に貢献することを重視しようとしております。皆さんもこの問題意識を共有し、共に行動していただけるよう、期待しております。
SDGs目標16は、「平和と公正をすべての人に」でありますが、今、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により無辜の市民の命が奪われている悲劇を一刻も早く止め、世界の持続可能性のために何をしなければならないかを考える必要性を訴えたいと思います。一日も早く、ウクライナにまた平和が戻ることを祈りつつ、学長式辞といたします。
ご入学おめでとう。
 

令和4年4月5日
専修大学 学長 佐々木重人

学部長メッセージ

経済学部長 兵頭 淳史

大学で学ぶということは、高校までの勉学を基礎としながらも、これまでの人生で培ってきた日常的な思考の「枠」を取り払う、驚きと知的興奮に満ちたものです。日常的な思考の「枠」を突破し、これまで知らなかった知識や方法を身につけて、新しい視角から社会や自然を捉えることができるようになる。大学での学びとは、そんなエキサイティングなものです。
新入生の皆さん、ぜひその新しい世界を体感することを恐れることなく、楽しんで、「知の冒険」に積極的に飛び込んでください。私たち教員は、そんな皆さんの「知の冒険」を全力で支援するために大学にいます。遠慮なく相談し、質問し、利用してください。驚きと興奮に満ちた専大生生活にようこそ!
法学部長 田邊 宏康
ご入学おめでとうございます。
大学に入学すると、学内外で多くの人と出会います。コロナ禍ではありますが、可能な範囲で多くの人と付き合い、自身の世界を拡げてください。
2022年4月から、成年年齢は20歳から18歳に引き下げられました。皆さんは、実は法律上すでに大人です。コロナ禍だからといって自宅に引きこもってばかりいたり、自分と同質的な人と付き合ってばかりいては、世界は拡がりません。責任のある一人の大人として、自分と異質な人とも付き合うことで、世界は大きく拡がります。
感染対策を十分に行って、街に大学に出ていろいろな人と付き合ってください。ただし、「お勉強」も忘れずに。
経営学部長 関根 純

大学ではさまざまな知識やスキルを学びます。しかし、それをそんなものだとただ頭に詰め込んでも社会に出た時に役立てることができません。どんな理由や状況だからその知識やスキルが成り立つのか、すなわち「何故そうなのか」まで学ばないと、それが変わった時に使えないのです。
そうならないために、毎回の授業で「何故そうなのか」疑問に思い、先生に聞くなり自ら調べてください。その小さな積み重ねが考える力を磨き、変化に強い応用力につながるのです。コロナ禍にあって厳しい状況は続きますが、自らを磨き続けてください。そうすれば4年後には大きく成長しているでしょう。そのために、教員も努力を惜しみません。
商学部長 石原 裕也

入学おめでとうございます。
大学という新しい世界に入ってワクワクしている人、ドキドキしている人さまざまかと思います。ただ皆さんに共通していえることは、大学では待っていても何も起こらないということです。関心と問題意識とをもって自ら行動する、そのための知識、アイデア、スキルを提供する、あるいは共に考える場が大学です。
商学部がある神田神保町という場所は、首都東京のほぼ中心に位置し、刺激にあふれる街です。そんな街に出て問題を見つけ、その対応策を大学で共に考え、また街に出て試してみる。そうやって大学生活4年間を充実したものとし、またそのために大学を大いに利用してください。

文学部長 高岡 貞夫

生田キャンパスに隣接する生田緑地は、空き時間ができたときに散策するのに気持ちのよい場所です。その一角には岡本太郎美術館がありますが、ぜひここを訪れてみてください。岡本太郎は「人は芸術家になれ」と著書に書いています。芸術家になるとは絵描きや音楽家になることではなく「爆発する」ことであり、爆発するとは置かれた環境に縛られず、保険を掛けたり成果を計算したりすることもなく、内なる炎を燃やして自分を開花させることだといいます。言うほどに簡単なことではありませんが、そのような気分で大学生活を送ることは、それ自体、挑戦しがいのあることに思えます。皆さんの成長と変革を期待しています。
ネットワーク情報学部長 飯田 周作

皆さん、入学おめでとうございます。緑豊かな美しい生田キャンパスにおいて、これから皆さんと共に学んでいけることに我々教員一同、期待を膨らませています。
 ネットワーク情報学部は体験による学びを重視しています。そのため、グループワークや成果発表、システムやサービスの試作等を取り入れた演習科目が多く配置されています。体験から何かを学ぶためには、皆さんの積極的に参加する姿勢が必要です。人間は成功体験からも失敗体験からも学ぶことができます。失敗を恐れて挑戦しなければ成長はできません。どれだけ多くのことに挑戦できるかということを意識して大学生活を送ってもらいたいと思います。

人間科学部長 嶋根 克己

皆さん、入学おめでとうございます。世界はこの2年間新型コロナウイルスと戦ってきました。ようやく光明が見え始め、本学でも対面授業の準備が整った時に、戦乱が勃発し世界はますます混迷を深めています。こんな時だからこそ、皆さんには真剣に学問をしていただきたいと思います。今後の世界では善悪、是非、正邪などの判断が、従来の基準では測りにくくなるからです。先の見えない混沌とした世界だからこそ、現実を踏まえ、情報を集め、自分なりの基準をもち、ぶれない判断をすること、これらが専修大学において皆さんの学ぶべき事柄だと思います。専修大学への入学が、皆さまの人生の大切なステップになることを願ってやみません。
国際コミュニケーション学部長 斎藤 達哉

入学おめでとうございます。グローバル化と言われて久しいですが、文化と文化の接触によって生じるのは、融和や協調ではなく摩擦や溝のことも多いと、皆さんもニュースなどを通して感じ取っていることと思います。身の回りではコミュニケーションツールが目覚まし速度で発達しています。しかし、どんなに便利なツールを使おうとも、それを使うヒトに異文化を尊重する心やコミュニケーション能力を含めた「人間力」がなければ融和や協調がもたらされることはありません。
大学での4年間、教室での言語・文化についてのさまざまな学びに加えて、図書館や神保町の古書店でさまざまな雑学に触れることで、人間力を磨いていただきたいと思います。

大学院研究科長・法科大学院長メッセージ

経済学研究科長 遠山 浩

今日の社会にはさまざまな課題が山積し、また出現する経済事象も複雑になっています。それゆえ、知的専門性を高め対処することはたいへん重要です。大学院入学にあたり抱かれた「志」を忘れずに、学位を取得するため十分に研究時間を確保し、研究を通じて論理的思考力を磨き、さらに専門的な発表能力を高めてください。
経済学研究科をはじめ専修大学大学院には、多様な分野に多彩な研究者がそろっています。指導教員の指導の下、専修大学の教育資源をフルに活用し、新たなキャリアの扉を切り開いてください。
私たちは全力でアシストすることをお約束します。
法学研究科長 内藤 光博

皆さん、大学院にようこそ! 心より歓迎いたします。
大学院は、学問研究を通して、専門的な研究能力と知性を養うことを目的としています。
これから皆さんは、自らの研究テーマに沿って、試行錯誤を繰り返し、学問の奥深さと厳しさを知ることになるでしょう。しかしそれとともに、研究を深めるうちに自分の視点が定まってきます。これは大きな悦びです。学問は苦しい半面、大きな楽しみをもたらしてくれます。
皆さんには、どんなに苦しい状況にあっても、たくましい知的好奇心と未解決の問題に踏み込んでいく勇気、そして研究を楽しむという心の余裕を持ち続けていただきたいと思います。さあ、一緒に学問を楽しみましょう!

文学研究科長 伊藤 博明

修士課程・博士課程へのご入学、おめでとうございます。
研究への強い意欲をもって大学院に進学された皆さんの前には、学部時代に培った知識を基盤にして、自分の専攻分野を深く研究するという道が延びています。しかし、この道はけっして平坦ではなく、立ちどまり、迷うこともあるかもしれません。しかし、その営みこそが「研究」の重要な過程なのです。
皆さんには、ぜひ研究を行うことの苦しみと、それにも優る愉しみを味わってもらいたいと思います。こうした研究生活を通して得られた知識とノウハウは、専門的な職業だけではなく、社会のいかなる分野に進んだとしても、かならず役立つものです。

経営学研究科長 馬塲 杉夫

入学おめでとう。期待を胸に、この日を迎えているのではないでしょうか。
確かに、知的好奇心を満たすことや学位取得は魅力的であり、当然、期待は膨らみます。しかし、論文の執筆は、研究計画書の通りに進みません。テーマの設定、先行研究の渉猟・解釈・整理、仮説の構築、検証といったどの局面でも、当初想定していなかった壁が潜んでいます。
壁をよじ登るか、穴をあけるか、回り込むか、避けるか、多くの選択肢があります。こうした壁に対処した経験一つ一つが、自信を生み、書き上げた時に、成長した自分を見いだすことができることでしょう。一回り大きくなった自分との出会いを楽しみにしてください。
商学研究科長 小林 守

入学おめでとうございます。大学院商学研究科は学問を発展させる研究者とともに、高度な職業的知識を身につけて、ビジネス社会に貢献する専門的知識人の養成も目指しています。そうした人材は、単に書物上の研究活動によってだけではなく、さまざまな人たちとの交流と意見交換を通じて育成されると考えます。
大学院での勉強は自ら主体的に取り組まなければならないため、つらいときもあるかもしれませんが、忍耐強く頑張ってほしいと思います。よい人間関係はそうしたつらい時間を乗り越えさせてくれる大事な要素です。友人を大事にして、充実した研究生活を送ってください。
法科大学院長 橋本 正博

法科大学院生がめざす専門職業人としての法律家は、重要な職責を担うからこそ国家資格が必要とされるわけです。ただ、司法試験合格は、必須ではあってもやはり通過点であり、新入生の皆さんの最終目標は、法曹として実際に仕事をすることであったはずです。
この機会に、将来の自分の活動を具体的に思い描き、その「やりがい」と同時に伴う責任を再確認してください。よい社会をつくることに奉仕するという高い志をもって学修にとりくまれるよう、期待しています。本学法科大学院は、学生の真摯な努力に応えるべく、物心両面にわたるさまざまな支援体制を整えてお待ちしています。
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