2018.04.06 Fri
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2018年度入学式 希望胸に4362人 大学生活スタート

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2018年度入学式が4月5日、東京都千代田区の日本武道館で行われた。一部二部学部生4251人、大学院生88人、法科大学院生23人の計4362人が希望と夢を胸に、新たな学びへスタートを切った。
式では佐々木重人学長が「学びの世界に限界はない。あくなき探究心を持って、勉学に励み、定めた目標の実現に向け邁進してほしい」と激励した。
日髙義博理事長は「自分の可能性を追求して、卒業する時には、社会知性の開発を担う人材だと自ら胸を張るような学生になっていただきたい」と祝辞を述べた。
ご父母・保護者の会である育友会の東平豊三会長が激励。新入生を代表して岩間暁さん(文学部、専大松戸高)が「建学の精神のもと、心身の育成に励むことを誓います」と宣誓した。

佐々木重人学長式辞 日高義博理事長祝辞 動画 フォト

佐々木重人学長式辞

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新入生の皆さん、専修大学へようこそ。またご臨席をいただいておりますご父母・保護者の皆様には、入学に際して物心両面でのご支援を賜り、心よりお礼を申し上げます。

本学は、1880(明治13)年、アメリカ合衆国の大学・大学院で法律学や経済学を学んだ相馬永胤、田尻稲次郎、目賀田種太郎、駒井重格の4人の若者により設立されました。留学の機会を与えられたことの恩に報いるため、身につけた専門知識を当時の近代日本の発展に貢献する人財を育成するために生かすべきと考えたのです。
さる3月29日、相馬永胤の出身地である旧彦根藩、現在の滋賀県に赴き、就職支援協定を結びました。これで全国24の自治体と協定を結んだことになります。締結式の翌日、彦根城に行き、そこから見る琵琶湖の壮大な風景に感動しました。もしかしたら若き日の相馬がこの風景を見て、青雲の志を抱いたのではないかなと思い、胸を熱くしたところであります。

21世紀の今、本学は建学の精神を「社会知性の開発をめざす大学」として受け継いでおります。それは、皆さんが入学された学部・大学院で身につけた専門知識や技能を自分だけのものとして完結させるのではなく、社会、すなわち、家族、所属する組織ないし地域の発展のためにも積極的に活用し、諸課題の解決のために役立てる姿勢を有すべきことを意味しております。そして、そのためには、深い人間理解に基づき、倫理観を有し、独創的発想を用いると同時に、地球的視野から物事を見つめる姿勢を身につけるべきことを唱えております。

学びの世界に限界や境界はありません。あくなき探求心や好奇心をもって、自分で決めた分野の勉学に励み、定めた目標の実現に向けて邁進してください。その過程は、他者との比較ではなく、今の皆さん自身をこれからどれだけ高めることができたかで勝負すべきと思います。やるべきことはすべてやりきったと自問自答できる卒業式を迎えることこそが、大学生として最も幸せな瞬間であり、皆さんを支えた人たちの恩に報いる最良の手段だと思います。

本学は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック・イヤーに創立140周年を迎えます。その年を次世代への貢献をめざす節目と定め、社会知性の開発をさらにめざそうと、現在、全学をあげて学部・学科の再編成とキャンパス整備に取り組んでおります。2010年には、深い人間理解をめざすべく、人間科学部が設置され、来年度2019年度には、倫理観をジャーナリズムという観点で問い直すという視点で、日本初となる文学部ジャーナリズム学科が改組設置されます。同時に、独創的発想をそのキーワードとするビジネスデザイン学科が経営学部に新たに設置されます。そして、2020年度には、地球的視野から見た日本と日本語や異文化の理解に焦点を合わせた国際系新学部(仮称)が、神田キャンパスに設置される予定です。さらに現在、生田キャンパスに設置されている商学部が神田キャンパスに全面移転される予定です。

特に神田キャンパスでは、教育規模の拡充に合わせて、靖国通り沿いに地上16階建ての高層新校舎の建設が始まりました。皆さんが3年次となった4月には、お披露目となりますので、ぜひ楽しみにしていてください。また経済学部も学科再編を検討中です。

皆さんの在学期間は、本学の大きな改革の期間と重なることで、学部や研究科によっては、いろいろと対応をお願いすることもあるかと思います。しかし、その結果が、皆さんにとって期待に変わっていけるように、細心の注意を払って、事に当たっていきたいと思います。

皆さんにもう一つお願いしたいことは、自分は何をするために、専修大学にいるのかを問いかけてほしいということです。そして、将来このようになってみたいという自分を思い描き、それに向かって懸命に努力をしてください。専修大学は、そのような皆さんの志の実現のため、全力でサポートします。そして、よき友人とのコミュケーションを楽しんでください。その基本は、友人の話をよく聞き、自分の考えをきちんと伝えることです。

これからの在学期間が皆さんにとって、人生のなかで、かけがえのない財産を得るためのものとなるよう期待して、学長としての式辞といたします。

日高義博理事長祝辞

新入生の皆さん、大学院に進学された皆さん、本当におめでとうございます。ご列席のご父母・保護者の皆さんの感慨もひとしおだと思います。心からお慶び申し上げます。
皆さんはどういう思いで専修大学に入学したでしょうか。それぞれ現在やってみたいことが心の中にあるでしょう。それを大きく膨らまし、実現してほしいと思います。ない人も、まだ間に合います。

私も今から52年前、専修大学に入学してこの武道館で入学式を迎えました。皆さんの先輩であります。宮崎から27時間汽車に揺られて東京に出て参りました。恩師の「学問の先端は東京にある」と言う言葉を信じて東京に参りましたが当初は検察官になりたかった。しかし大学2年の時に、研究者の道に進むことを決意いたしました。
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今、道を決めても十分に間に合います。入学した直後の夢と卒業する時の夢は、おそらく大半の人が違うと思います。在学中の4年間、自分が人と比べて何が一番得意か、あるいは自分がどうしても究めたいものは何なのか。それを思いついたらゴールはもう8割方目の前にあるといっていいでしょう。

大学は、教育を与えられるところではなくて、自分でもぎ取っていくところです。したがって、何がやりたいかがはっきりしている人は、それをもぎ取るチャンネルはたくさんあります。何も勉学だけではないと思います。スポーツ、趣味。人さまざまであっていいのです。

私立大学の特徴は、多様な人材を輩出することにあります。そして国立大学と決定的に違うことは建学の精神があるということです。つまり社会に出て、大学の建学の精神を背負ってそれを花開かせる役割を皆さんは、もう担っているのです。

日本が近代国家に突入する時に、西洋の法制度や文化や教育制度が入ってきました。その時に日本の文化や価値観が壊れずに、うまく日本なりに噛み砕いて近代社会に突入できたのは日本に柔軟な文化的な構造があったからです。それを支えたのが藩学であり寺子屋です。現在では私学が、日本の国が潰れないようなバネを持つ人材を育てる責務を持っています。皆さんも心にバネを持ってください。強靭な精神力を持ってください。自らが「もうできない」と思ったら本当にできません。しかしできると信じれば、どんなに厳しい道でも必ず道は拓かれます。それだけの力は専修大学の4年間で身につくはずです。ひとえに皆さんの心構えにかかっています。

神田キャンパスの一角にある黒門は、明治期に五大法律学校とうたわれ、「専修の黒門」といわれた誇りを現在に伝えようと建てられました。

法整備が整っていないなかで、創立者は欧米の法制度や財政や文化のあり方を学び、実際の法典教育は不十分でも、日本の法律をつくるという気概を持った若者を育てようとスタートしました。社会の中にあって社会に立つ有為な人材を輩出し、この国のかたちをつくっていこうという熱い思いがあったのです。それは今日まで綿々とつながっています。

皆さんは、グローバリズムと高等教育のユニバーサル化が進んだ社会に立っています。そのなかで世界を相手にどうやって戦うか、どれだけ自分に付加価値をつけ有為な人材になるかが問われます。そのためには何をするか、自分の足元から自分のやりたいことを見つけるのです。人間生まれたからには必ず自分が果たさなければならないことがあります。その夢を追求して、自分の可能性を追求して、卒業する時には、自分が十分に「社会知性の開発」を担う人材だと胸を張るような学生になっていただきたい。それが私の切なる希望であります。

これからの4年間の精進を期待します。おめでとうございます。


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