2018.12.21 Fri
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マラソンの父・金栗四三の業績を振り返る
玉名市で社会知性フォーラム

1588926779596▲金栗四三の写真をバックに行われたパネルディスカッション
専修大学の研究力、教育力を発信する社会知性フォーラムが12月8日、熊本県玉名市で行われた。

「夢を翔ける」をテーマに玉名市生まれの日本マラソンの父・金栗四三(かなくり しそう)さん(1891―1983)を取り上げた。本学のスポーツ研究所の教員ら3人が金栗の業績を振り返るとともに、スポーツの未来について語った。専大玉名高の生徒ら約600人が傾聴した。
金栗は日本初のオリンピック選手として1912年のストックホルム大会に出場。以後2回の五輪で活躍した後、箱根駅伝を創設。マラソンの普及や選手育成に尽力した。2019年のNHK大河ドラマ「いだてん」の主人公の一人。


講演に先立ち、佐々木重人学長は「若い人たちに郷土の偉大な人物のことを知ってもらうとともに、金栗さんの生き方からスポーツの魅力について理解を深めてほしい」とあいさつした。玉名市の藏原隆浩市長はフォーラム開催に謝辞を述べた。
1588926778957▲佐々木学長(左)と藏原市長
1588926779538▲佐竹ネットワーク情報学部教授
佐竹弘靖ネットワーク情報学部教授は「金栗四三と箱根駅伝」をテーマに生い立ち、マラソンとの出会いからランナーとしての活躍、引退後の教員生活、箱根駅伝創設に向けた取り組みを解説した。「日本選手が世界を相手に戦う上で黎明の鐘となった。金栗さんの前に道はなく、後に道ができた。後進の育成や将来の日本スポーツ界のことを考えていた人物で、その功績は燦然と輝いている」と語った。
金栗と20年近く親交があった玉名市「金原四三PR推進室」の德永愼二さん(昭54文)は「金栗さんから小学生から指導を受け、大会でいい結果が出なかった時は『次につなげればよかたい』と励ましてくれた。一本気な人だった」と人柄を紹介した。


齋藤実経営学部教授は「日本スポーツのフロントライン」をテーマに講演。「スポーツは文化の一つ。オリンピックから子どもの運動会まで、頑張る姿が周囲に与える影響は大きい」と話し、スポーツの影響力について説いた。
1588926779418▲金栗足袋を紹介する德永氏
1588926779337▲齋藤経営学部教授
パネルディスカッションでは、3人がスポーツ用具の進歩について語った。德永さんは金栗が考案した「金栗足袋」と呼ばれるマラソンシューズを披露。日本にシューズを製作する技術がない時代、メーカーと試行錯誤を重ねた秘話を紹介。齋藤教授は「記録の向上に大きな貢献をする」と話し、シューズの進歩と世界記録の推移をデータで示した。

当日は、専大玉名高校情報メディア科の女子生徒2人が司会を担当。同校吹奏楽部によるマーチングバンドの演奏も行われた。


社会知性フォーラムは2010年から行われ、玉名市での開催は3回目。

1588926778818▲専大玉名高校情報メディア科の生徒2人が司会を担当
1588926781485▲同高校吹奏楽部によるマーチングバンドの演奏

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