2019.05.24 Fri
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経済学部公開講座始まる

ー 米中対立の構図と影響を解説 ー

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「米中二極時代の世界経済とその行方」を共通テーマにした経済学部国際経済学科の公開講座が5月11日から、6回にわたって生田キャンパスで開かれている。トランプ米政権の対中制裁が強化され、米中対立が激化するなか、6教員が米国と中国の事情、日本やインド太平洋地域への影響などを論じる。

第1回の5月11日は大橋英夫教授(経済政策)が「米中経済対立とその行方」と題して講演。中国の経済・産業発展の経緯と最新事情から米中対立の構図を解説した。

中国は活発な投資と輸出で高い経済成長を維持してきたが、2008年のリーマンショック以降、この成長モデルは効果を見せなくなった。大橋教授は「外需はほとんど経済成長に寄与しなくなり、投資の効率も悪化してきた」と指摘。これを背景に、中国は外国先進技術の導入を軸にした産業政策を進めている。それに伴い、中国による米国技術の取得が多岐にわたるようになった。

大橋教授は米通商代表部の膨大な報告書を紹介し、中国の国家機関が関与するビジネス分野の諜報活動が活発化している現状を指摘。対米投資もハイテク分野のM&Aが主流となっていると話した。
abm00037210▲第1回の大橋英夫教授
大橋教授は「中国企業が商業利益を追求しているのか、国家の利益を追求しているのか不透明で、ここを米国は懸念している」と述べ、中国の通信機器最大手ファーウェイに対する締め付け強化の背景などを説明した。

18日は野口旭教授が「米国の保護主義―日米摩擦から米中摩擦へ」と題して講演した。

6月15日まで毎週土曜日に開講

今後の講師とテーマは以下の通り。毎週土曜日10時45分~12時15分、生田キャンパス10103教室。専用フォームから受講申し込みできる。
開催日講 師テーマ
5月25日矢野貴之教授「米中日経済関係の構造変化と東・東南アジアへの影響」
6月 1日稲田十一教授「中国の経済的台頭と開発途上国へのインパクト」
6月 8日塙武郎教授「トランプ政権の経済政策とその現状」
6月15日内川秀二教授「インド総選挙後の経済を占う」

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