2026.03.06 Fri
生物科学科トピックス一覧

【生物科学科】卒業研究発表会を開催(微生物・自然科学系)

2月5日、5号館にて理工学部生物科学科の令和7年度卒業研究発表会が開催され、微生物・自然科学系では4年次生17名が口頭発表を行いました。

一人あたりの持ち時間は15分(発表12分、質疑応答3分)。制限時間を最大限に生かし、これまで取り組んできた実験や調査・研究の成果を発表しました。

発表後には、教員や学生から質問が相次ぎ、活発な意見交換が行われました。
BI卒研⑤▲発表の様子
BI卒研③▲1~3年次の学生も多く聴講していました
BI卒研②▲コース毎に3日間にかけて開催しました
【発表した学生のコメント】
■菊地 浩太朗さん(ソフトマター物理学研究室)
(1)卒業研究のテーマ・研究内容を教えてください。
テーマ:カオス現象を理解するための二重振り子シミュレーション教材」
 カオス現象は、物理法則に従っているにもかかわらず、運動の予測が困難になる現象です。本研究では、その特徴を学生が理解できるようにすることを目的として、単振り子を二つ連ねた二重振り子を題材とした授業・実験用のシミュレーション教材を作成しました。

(2)なぜそのテーマを選びましたか?
 物理の授業では、実験や観測といった体験的な学習が理解や興味を深めるうえで重要だと言われています。しかし、実際の授業では、設備や時間の制約により、十分な実験を行うことが難しい場合も多くあります。
 そこで、実験の代替手段としてシミュレーション教材を作成し、物理現象を理解してもらおうと考えました。その題材として、単純な法則に従いながらも複雑な運動が生じる二重振り子に注目し、カオス現象をシミュレーション教材として再現しようとしました。

(3)研究で判明したこと、理解が深まったことを教えてください。
 二重振り子のような複雑な運動を示す題材を、数値計算と可視化によって直感的に理解できる形で提示できることを確認しました。また、VPythonによる実時間アニメーションや、JupyterLabを用いた対話的な操作環境は、物理現象の理解を助ける教材作成手法として有用であることが分かりました。
 一方で、本教材の教育的効果を実際の授業で検証することまでは行えなかったため、その点については今後の課題として残っています。

(4)研究で苦労した点はありましたか?
 プログラミングの経験がほとんどなかったため、コードを書く際の基本的な演算子や文法を理解することに苦労しました。また、二重振り子の運動の特徴や、カオス性を評価する指標であるリアプノフ指数について調べ、数理的な意味を理解することも容易ではありませんでした。しかし、指導教授からの助言を受けながら一つ一つ学び直すことで、研究内容への理解を深めながら研究に取り組むことができました。

(5)卒業を控え、改めて生物科学科で過ごした4年間はどうでしたか?
 とても楽しい4年間でした。この4年間で理科の基礎から探究的な内容まで学ぶことができました。特に2年次から3年次では、仲間と協力しながら、楽しくそして真剣に学生実験に取り組むことができました。さらに4年次では、前田敏輝先生の指導のもと卒業研究に1年間取り組み、物事を深く考える力を身につけることができたと感じています。生物科学科で仲の良い友達や良い学習環境に恵まれて本当に良かったです。

(6)卒業後の目標を教えてください。
 卒業後は中学校の理科教員になります。中学生に理科を教える立場として、大学で学んだ理科のおもしろさを伝え、生徒が理科について自ら学ぼうと思える授業をしたいと考えています。そのためにも、自らが学び続ける教師として、謙虚に仕事に向き合っていきたいと思います。
BI卒研①▲発表する菊地さん
BI卒研④▲理科の授業で活用できるシミュレーション教材を作成しました
発表タイトルは下記の通りです。

<微生物・生命分子コース>
■分子発生学研究室(阿部知顕研)
・土壌動物ミミズの体表および糞中からの細胞性粘菌の単離と同定
・大学敷地内の草地と低木付近から単離される細胞性粘菌の単離と同定(仮題)
・シャジクモ高速ミオシン遺伝子による細胞性粘菌の形質転換と表現型の検討
・道路側溝の微量な土壌試料から単離された細胞性粘菌に見られる特徴(仮題)
・水酸化ナトリウムによる細胞性粘菌の増殖抑制と培地pHの影響(仮題)
・青森県の耕作地から単離された細胞性粘菌多細胞体の形態的特徴(仮題)
・ヘテロタリックにマクロシストを作る細胞性粘菌の接合子形成の環境条件の検討

■菌類発生生理学研究室(宮嵜研)
・有性生殖から見るヒゲカビ野生株の特徴
・ケカビ目菌類における結晶性タンパク質オクチンの存在について
・ヒゲカビ変異株で見られる矮化性とエタノール発酵

■細胞生物学研究室(柳研)
・接合初期過程におけるゾウリムシの行動の観察
・ゾウリムシのシスト形成を誘導する条件の検討
・ゾウリムシの交配活性を簡単に強くする方法

<自然科学コース>
■分子認識化学研究室(鳴海研)
・隣接水酸基架橋型チアカリックス[4]クラウンの合成とそのアルキル化反応に関する検討

■ソフトマター物理学研究室(前田研)
・交通流におけるEV普及効果の数値シミュレーション
・カオス現象を理解するための二重振り子シミュレーション教材

■触媒化学研究室(山崎研)
・MOFゲルを前駆体として調製したLaAlO₃に担持したPt-Rh 触媒によるメタンドライリホーミング反応
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