2020.12.01 Tue
理工学部TOPICS

【食環境学科】地域資源を活用したユニークな実習「食品工学実習」

 11月13日(金)、本学2号館の分析センター2で、理工学部食環境学科食品工学コースの3年次が伊豆沼で捕獲された外来種と在来種の生物を利用した食品加工実習を行いました。

食品工学実習②▲伊豆沼で捕獲された魚介類を材料に製品開発
 本実習では、10月3日(土)に伊豆沼で実施した野外実習で捕獲された外来種と在来種(モツゴ、ハヤ、ヌマエビ、テナガエビ)を実験室で加工し、試食しました。
 日本では悪者扱いされている外来種のブラックバスを加工して食べるユニークな実習で、最終的に地域資源を生かした製品開発に繋げることを意識しています。
※伊豆沼で実施した野外実習の様子はこちら

食品工学実習①▲魚をつぶしてすり身に加工
すりつぶすほどかまぼこ特有の粘りがでます 
ブラックバスのかまぼこ1▲伊豆沼の悪者が地域資源に!
できあがったブラックバスのかまぼこ
試食風景▲試食中
 10月3日に行われた野外実習ではブラックバスが捕獲できなかったため、財団法人宮城県伊豆沼内沼環境保全財団のご厚意により以前、伊豆沼で捕獲されたものを提供していただきました。
 伊豆沼では長年、外来魚の駆除活動に取り組んでおり、その成果により近年ブラックバス等の外来魚が減少し、貴重な在来魚が増加傾向にありますが、それらを捕獲する漁師が激減していることから、在来魚(今回はヌマエビやテナガエビ)を有効利用する取り組みも求められています。
 食環境学科食品工学コース3年次の「食品工学実習」は、3年次前期までに修得した基本的な技術・知識を生かしながら、食料の生産・加工・製造・流通過程や品質管理について学内外で実習を行い、環境・食品関連の現状課題等を実践的に学んでいます。

【実習を終えた学生にインタビュー】

小笠原 健悟さん(理工学部食環境学科3年次・青森県立青森南高校出身)

実習でどのようなことを行いましたか?
10月3日(土)に伊豆沼水域で行った食品工学コース・水環境コース合同実習で捕獲したモツゴやタナゴといった小魚と財団法人宮城県伊豆沼内沼環境保全財団が捕獲したブラックバスをすり身にしてかまぼこ製造をしました。
この実習は、魚肉からかまぼこができる理由と、調味料として用いた水やデンプン粉がかまぼこすり身の硬さに与える影響を考察すること。そして、伊豆沼水域の生態系に影響を与える外来魚のブラックバスや在来魚を商品として有効活用できないかということを目的に取り組みました。
実習をとおして得たこと、学んだことを教えてください。
今回、実際にかまぼこを全て手作業で製造してみて、食品工学の大変さがわかりました。貴重な体験だったと思います。
また、食品を簡単に廃棄せず、他で有効活用することが可能だということも実感しました。
実習の後半には、各自、ヌマエビやテナガエビを用いたオリジナル製品を作り、私は、エビせんべいを作りました。おいしく出来上がりました(笑)。

【学生が作ったオリジナル作品】
ヌマエビのせんべい1▲オリジナルエビせんべい
1606819152915▲ヌマエビ・テナガエビのかき揚げ
1606819153001▲ヌマエビ・テナガエビのアヒージョ
今後、この経験をどのようにいかしたいと考えていますか?
現在、コロナ禍の中、食品業界の企業も視野に入れて就職活動を行っています。
今回の実習で得られた経験は、将来の目標にも繋がる大切な学びだと思うので、これから就職活動に活かしたいと思います。
また、来年は卒業研究もあるので、このような実践的な学びを一つでも多く経験して自分の知識を増やしたいです。
受験生へメッセージをお願いします。
大学生、社会人になるにつれて、物事を広く、よく考えるということが求められると思います。石巻専修大学は、そのような力を身に付けられる場でもあり、曖昧だった将来設計を明確にすることができ、やりたいことが見つかる場でもあると思います。
今は大変な時期だと思いますが、大学生活は黄金の4年間とも言われていて、自分の好きなこと、やりたいことができます。時には、壁にぶつかることもあるかもしれませんが、合格に向けて頑張ってほしいです。


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