専修大学社会知性開発研究センター / 古代東ユーラシア研究センター
古代東ユーラシア世界の人流と倭国・日本

2015年度 岡山・兵庫渡来系関連資料調査報告

 古代東ユーラシア研究センターでは研究プロジェクト「古代東ユーラシア世界の人流と倭国・日本」の主たる研究対象の一つである「朝鮮半島からの渡来人と彼らが日本列島内に形成したコミュニティの研究」を推進するために、2016年2月4日(木)~2月6日(土)に渡来人集団の居住地の一つである岡山県と兵庫県の現地調査を行った。具体的には岡山市、総社市、姫路市一帯の渡来系要素をもつ古墳、山城、集落跡などを踏査するとともに、古代末〜中世に展開した備前国足守荘や播磨国鵤荘の踏査を通して半島文化受容の移植・媒介者である渡来者・渡来者集団の<流動と土着>化の歴史的経緯の検討を行った。また、備中・備前・播磨地域における渡来系文化に関する研究会を開催し、吉備・播磨地域研究を牽引する研究者である亀田修一・坂江渉・今津勝紀・古市晃の各氏との意見交換を行った。

※詳細は『東ユーラシア研究センター年報』第3号(2017年3月刊行予定)をご参照くだ
 さい。

2月4日(1日目)
 1日目は岡山県南部に位置する総社市を中心に、渡来系遺跡の調査を行った。また、夕方より亀田修一氏(岡山理科大学)の報告をふまえ、新たに今津勝紀氏(岡山大学)を迎え、渡来系遺跡の歴史的意味を検討する研究会を行った。

日程表

岡山駅(12:40)→足守庄荘園関連遺跡(13:30~14:30)
→鬼ノ城跡(15:00~16:30)→総社市内ホテル(18:00)
→研究会:亀田修一氏報告(ホテル会議室)

 
足守庄荘園関連遺跡(八幡神社鳥居)  足守庄荘園関連遺跡(葦守八幡神社)
 
鬼ノ城跡   鬼ノ城跡(南門跡)
研究会の様子(亀田氏による報告)

2月5日(2日目)
 2日目は前日に続き総社市、及び岡山市に所在する渡来系を中心とした遺跡の調査を行った。また、夕方より古市晃氏(神戸大学)と坂江渉氏(兵庫県立歴史博物館)の報告をふまえ、翌日調査に赴く播磨地域の権力構造と地域間交通についての研究会を行った。

日程表

総社市内ホテル(8:30)→秦廃寺(8:40~8:50)
→備中国分寺跡(9:20~9:40)
→造山・千足・榊山古墳(10:00~10:40)
→楯築弥生墳丘墓(10:50~11:10)
→上東遺跡(11:20~11:30)
→熊山遺跡・熊山神社(13:40~14:40)
→落地遺跡・山陽道野磨駅家跡(15:20~15:40)→姫路市内ホテル(17:00)
→研究会:古市晃氏、坂江渉氏報告(ホテル会議室)

 
秦廃寺 造山古墳
 
楯築弥生墳丘墓 熊山遺跡
 
 研究会の様子(古市氏による報告)    研究会の様子(坂江氏による報告)

2月6日(3日目)
 3日目は播磨地域を中心に、4~5世紀における当該地域での権力の存在を示唆する遺跡、及び古代王権に関連する遺跡を調査した。

日程表

姫路市内ホテル(8:30)→伊和神社(9:30~10:15)
→斑鳩寺(12:30~13:00)
→法隆寺領播磨国鵤庄「牓示石」(13:30~14:00)
→JR姫路駅にて解散(15:00)

 
伊和神社   斑鳩寺
 
鵤荘「平方牓示石」   鵤荘「福田牓示石」