専修大学社会知性開発研究センター / 古代東ユーラシア研究センター
古代東ユーラシア来日外国人データベース

  

  

データベース概要

 古代東ユーラシア研究センターは、「倭国」から「日本」へと変化する日本における古代国家形成期を中心に、前近代日本の外来文化の受容に際して、その移植・媒介者となった渡来者・渡来者集団に焦点をしぼり、その<流動と土着>化の歴史的経緯やその意義を明らかにすることを課題としている。
 従来、この分野は遣隋使・遣唐使などの諸国家・王権間で交わされた外交使節やそれらに随行した留学生・留学僧の研究、朝鮮半島からの渡来人の研究に収斂されていた。
 本センターは、中国・朝鮮半島からの渡来者を中心としながらも、これまで等閑視されてきた「波斯人」・「崑崙人」・「胡国人」・「林邑人」・「印度人」などにも対象を広げ、こうした人々の人流の動向を東ユーラシアの多面的な歴史展開にも留意して多角的視野から検討をこころみる。
 その上で、本データベースにおいては、渡来者・渡来者集団が日本列島各地に形成したコミュニティに注目し、彼らにより移植・媒介された文化がその後の日本文化・社会においてどのように咀嚼・変容され、日本文化の一部となっていったかを検証するため、それに関連する史料も含め、収集を行った。
 なお、本データベースの作成にあたり参考とした主要参考文献は以下の通りである。

① 竹内理三・山田英雄・平野邦雄編『日本古代人名辞典』(第1巻~第7巻)吉川弘文館、1958年~1977年
② 東大寺教学部編『新版 シルクロード往来人物辞典』昭和堂、2002年
③ 権悳永『古代韓中外交史―遣唐使研究―』 一潮閣、1997年 「附録」年表(pp.305~pp.325)
④ 笹山晴生編『日本古代史年表』上 東京堂出版、1993年
⑤ 対外関係史総合年表編集委員会編『対外関係史総合年表』吉川弘文館、1999年
⑥ 田島 公「日本、中国・朝鮮対外交流史年表」(奈良県立橿原考古学研究所附属博物館編『貿易陶磁―奈良・平安の中国陶磁―』臨川書店、1993年)
⑦ 田中健夫・石井正敏編「古代日中関係編年史料稿―推古天皇八年(六〇〇)~天平十一年(七三九)まで―」(茂在寅男・西嶋定生・田中健夫・石井正敏『遣唐使研究と史料』東海大学出版会、1987年)

このうち、② 第Ⅲ章「インド・中国・朝鮮等より日本に渡来した人々」で取り上げられた渡来者のうち、帰国せずにそのまま日本列島に留まったと考えられる人々を抽出し、①・②それぞれの記載内容から関連史料を収集してテキスト化し、且つ不足しているものについては適宜補った。

凡例・注意点

  1. 本データベースは「文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」として採択された古代東ユーラシア研究センタープロジェクト『古代東ユーラシア世界の人流と倭国・日本』(2014~2018年度)の事業として作成した。
  2. 本データベースは日本列島へ渡来し定住した古代東ユーラシア地域の人々を出身国・地域別に分類した(出身地不明者は別の項目をたてた)。さらに、各人に関連した史料を集成して、それぞれの史料をテキストデータとしてWEB上に公開した。なお、β版のため不完全な点もあるが、今後修正していく予定である。
  3. 分類項目として挙げたのは「唐人」「百済人」「新羅人」「高句麗人」「林邑人」「波斯人」「印度人」「胡国人」「崑崙人」などである。
  4. 参照の便を図るため、各人の関連史料においては当該人名部分を太字にした。
  5. WEB上で表記できない漢字は■で表記し、括弧内に漢字構成を付した。
  6. β版では史料名は五十音順で表記しているが、今後は出典史料の成立年代順に修正していく予定である。
  7. 史料のテキスト化に際して使用した版本は別表「史料版本一覧」に掲げたので、参照されたい。基本的には版本に依拠してテキスト化を進めているが、旧字体、異体字は適宜常用漢字に改めた。なお、史料の校訂に関しては今後も検討していく予定である。

> データベースへ