教授・苅谷 愛彦

苅谷先生
地形のできかたや壊されかた、過去数10万年間の自然環境の変動過程を解き明かすために、フィールドワークを重視した研究を進めています。
苅谷 愛彦
教授



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教員データ

氏名・職位 苅谷 愛彦(KARIYA YOSHIHIKO) 教授
文学部開講科目環境地理学概論及び調査法
自然地理学概論1
自然環境学調査法2
野外調査法2
地形環境学1
地形環境学2
ゼミナール1・2
卒業論文
大学院開講科目自然地理学特講Ⅱ 自然地理学特講Ⅱ演習 地域研究法 地域特別研究法 地球環境論特殊研究Ⅱ 地球環境論特殊研究Ⅱ演習
略歴東京都立大学博士課程理学研究科修了 博士(理学) [東京都立大学]
専門分野地理学(地形,周氷河,寒冷地域,山地,高山,第四紀,古環境,自然地理学)
研究キーワード日本と海外における山地地形学および山地環境変遷学/アンデス山脈における自然環境と農耕の関係の解明
所属学会日本地理学会 日本第四紀学会 日本地すべり学会 東京地学協会 日本地形学連合

主要業績

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単行本(単著)
単行本(共著・編著・論文集・事典など)
白馬岳日本を代表する雪と花の山--朝倉書店-- 2012年05月
日本の地形5 中部--東京大学出版会-- 2006年06月
百名山の自然学 東日本編--古今書院-- 2002年07月
論文(雑誌・紀要・研究成果報告書など)
北アルプスの地すべりと山岳の植生--地学雑誌122/-- 2013年08月
年輪ウィグルマッチングによるドンドコ沢岩石なだれ発生年代の推定.--日本地すべり学会誌50/3-- 2013年05月
赤石山地・地蔵ヶ岳東麓で奈良平安時代に発生した大規模岩屑なだれ--地形33/3-- 2012年07月
ペルー・アンデスの大規模地すべりと人びとのくらし--E-journal GEO6/2-- 2012年03月
Landslide-induced terminal moraine-like landforms on the east side of Mount Shiroumadake, Northern Japanese Alps--Geomorphology127/42798-- 2011年04月
飛騨山脈・針ノ木岳北面に分布する完新世を示す沖積錐堆積物の14C年代--第四紀研究49/-- 2010年12月
大規模崩壊で形成された飛騨山脈南部蝶ヶ岳東面の圏谷状および堆石堤状の地形--第四紀研究49/-- 2010年02月
Effects of landslides on landscape evolution in alpine zone of Mount Shirouma-dake, northern Japanese Alps--Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University44/-- 2009年03月
その他(学会発表・講演・座談会・インタビュー・書評・エッセイなど)
白馬大雪渓における近年の地形変化と登山事故--日本地すべり学会若手ワークショップ2008年03月
白馬大雪渓における画像データロガーを用いた落石と登山者行動のモニタリングの試み--日本地理学会2008年春季大会2008年03月
白馬岳における山地地形研究の軌跡と展望:とくに氷河と地すべり--寒冷地形談話会2007年シンポジウム2007年04月
白馬岳・朝日岳周辺における地すべり地形の発達--寒冷地形談話会2007年シンポジウム2007年04月

ゼミ紹介

学部

 
地形学(地形発達、山地の環境変動、斜面変動)
過去数十万年のあいだ、日本や世界の山地でどのような地形・環境の変化があったのかを明らかにし、それらと人間との関わりも考察しています。調査の基本はフィールド・ワーク。主な研究地は東北・中部日本、それに南米アンデスの山々です。

メッセージ

私の研究室は野外にあるといっても過言ではありません。日本アルプス各地の山や谷が主要な「現場」で、他にもアンデス山脈(ペルー)や欧州アルプス(スイス)、サハリン島(ロシア)で国際共同研究を進めてきました。地形図や地質ハンマー、クリノメーターなどの調査用具を担いで、ゼミの学生諸君とフィールド・ワークを行っています。自然に飛びこみ、地球のいぶきを感じてみたい――そんな思いを抱いた方が研究室の仲間に加わってくれることを待っています。

大学院

 
自然地理学特講Ⅱ
修士課程の修了者には専攻分野に関する広範な知識や専門技術、地域調査能力、基礎的な語学力を身につけていることが求められる。本講義では専門知識と科学英語の習得を目標として、山岳地理学(地形学)または第四紀学について書かれた外国語教科書を用いて解説をすすめる。また地形図や衛星画像、簡易GISソフトを用いた簡単な実習や、野外巡検を取り入れることも想定している。
 
自然地理学特講Ⅱ演習
研究成果を論文や学会発表などの場で公表することは、研究生活を送るうえで重要な意味をもつ。この演習では、論文の作成に役だてるため、受講者全員に次の1)~4)に関わる発表やデータ提示を行っていただく:1)受講者の研究分野では、これまでにどのような研究が行われ、どのような点が解明・未解明なのか。2)データはどこで、どのように入手し、どのような方法で分析したらよいのか。3)データはどのように解釈すべきなのか。また、どのようなことが考察できるのか。4)論文をどのようにまとめあげたらよいのか。
発表内容に対しては、受講者全員が積極的に助言・評論を加えることとする。また論文の執筆に備えた科学作文力の向上や、論文完成後の成果発表を想定したスキルの習得も本演習の目的である。受講者の研究テーマや研究地域によっては、休日等を利用した日帰りまたは数泊の巡検を行うことがある。なお、本授業は1年生・2年生合同で開講される。下記授業内容の項に「1年生」「2年生」とあるのは、その回の発表者等の主体がその学年であることを指すが、それ以外の学年の学生も討論等で積極的に授業に取り組むことが期待されている。
 
地域研究法
テーマを定めたうえで受講生(指導学生)と特定の地域に関する共同研究を実践し、その成果をとりまとめることを通じて、地域を研究することの包括的理解を促す。
 
地球環境論特殊研究Ⅱ
社会や企業、研究機関等の要請や期待に応えられる人材として、博士課程の修了者には学部および修士課程時代に得た知識が一層拡充され、高度な専門技術や問題発見力・解決力を身につけていることが期待される。またバランスのとれた国際感覚の涵養も大切である。こうした要求を満たすための一策として、本講義では自然地理や環境問題を中心に地球科学や自然災害に関する科学論文や新聞記事、時事ニュースを題材にしてそれらを解読し、問題点の抽出や分析を試みる。またインターネットを介した文献の購読法や情報の利用法のほか、自然地理や環境問題の研究では欠かすことのできないフィールドワークの技法についてもふれる。なお、論文や記事の解読の一部は受講者にも割り振り、ゼミ形式で発表していただく。発表に対しては受講者全員で質疑・討論を行う。
 
地球環境論特殊研究Ⅱ演習

受講者がバランスのとれた研究遂行能力を身につけることができるよう、博士学位論文の提出を最終目標に定め、実践的かつ個別的な指導を展開する。前期は、総説論文(またはそれに相当する学位論文中の章・節)の執筆を目標に、受講者の研究題目に関連する批判的な論文紹介をしていただく。後期は、受講者が学位論文で用いるデータについて分析結果と解釈を発表してもらい、それについて受講者全員と担当者で質疑応答を行う。また前・後期とも学位論文提出予定者(1・2年生)には数回の論文構想発表を、学位論文提出者(3年生)には1-2回の論文中間発表と最終発表を行っていただく。その他、本演習では研究者・技術者倫理や研究現場の実際も解説し、必要に応じて受講者全員による討論の場を設ける。なお、受講者の研究テーマや研究地域によっては、休日等を利用した日帰りまたは数泊の巡検を行うことがある。
 
地域特別研究法
特定テーマを定めて、受講生(指導学生)と共同研究を実践して成果をとりまとめ、研究することの包括的理解を促す。現地調査の実施のため、授業時間帯を受講生と相談して変更する時が一年に数回生じることがある。年度内に指定された回数の発表会に必ず参加し発表を行う。