国際コミュニケーション学部
School of International Communication
神田キャンパス

来たれ、国際コミュニケーション学部へ!

2020年4月、10 年ぶりの新学部として開設される国際コミュニケーション学部。その特徴や教育内容、育成する人材像など、受験生のみなさまに伝えたいことを学長と、実際に学生の指導にあたる教授陣が、たっぷりと熱く語ります。

国際コミュニケーション学部座談会-全体

新学部に貫かれた「建学の精神」とは

国際コミュニケーション学部座談会-佐々木学長

「新キャンパスがある神田神保町は、情報の宝庫かつ外国人も多い。国際コミュニケーションを実践していただくのに最適です」
司会 初めに、新学部となる国際コミュニケーション学部について、創設にかけた思いをお聞かせください。
佐々木 21世紀の今、専修大学の建学の精神を実現していくために必要なことは「社会知性の開発」だと考えています。大学で身につける教養や知識、技能を、個人の目的達成だけではなく、自身が所属する組織や企業、家族や地域といった社会の発展のためにも役立てることができる人材を育てることがミッションです。そうした人材に求められる資質のひとつに「地球的視野」がありますが、創立140周年を迎える2020年に国際コミュニケーション学部を創設することで、「社会知性の開発」を体現できる人材育成の仕上げができると考えています。
司会 専修大学は、1880年の創立当初から、国内だけでなく海外にも目を向けてきましたね。
佐々木 創立者である相馬永胤、田尻稲次郎、目賀田種太郎、駒井重格の4人は、偶然にも同時期にアメリカ東部へ留学しています。ニューヨーク近郊にできた学生クラブのようなところで、4人はかなり密にコミュニケーションを取り合い、「近代日本の礎を築くために、帰国後は法律や経済学を学べる学校を作ろう」という話をしていたようです。
司会 その意味では、専修大学の発祥の地はニューヨークといえそうです。
佐々木 そうですね(笑)。国際コミュニケーション学部は、創立者たちの思いやエネルギーを現代版に解釈して生まれた学部だと思います。
司会 計画の初期段階から議論に参加されている鈴木先生は、どのような思いで国際コミュニケーション学部を設計されたのでしょうか。
鈴木 「グローバル化」といわれて久しく、旅行者や在留外国人も増えている昨今、国内にいても国際化は他人事ではありません。そうした状況を踏まえ議論を重ねて、新しい学部に必要な3つの学修を定めました。ひとつは、「日本の言語や文化の理解」です。母国語で高度な思考能力を鍛え、日本語や日本文化を客観的に理解することは、国際コミュニケーションの前提となります。2つ目に「複数の外国語の修得」。英語とそれ以外の外国語、最低2言語を修得し比較することで、日本語も含め、言語そのものに対する理解が深まります。最後に「実践的なコミュニケーション」です。SNSなどインターネットを通じた情報コミュニケーションの利便性が高まるなか、大学に集まる、あるいは海外に留学して、生身の声や振る舞いで直接コミュニケーションする意味を、体験的・理論的に考えます。

真のグローバルコミュニケーションを実践的に学び、国際化を迎える国内外でいきいきと活躍できる人材を育成。

充実の2学科で真の〝国際人〞を育成

国際コミュニケーション学部座談会-鈴木

「異文化コミュニケーション学科では、同時期に留学するので、帰国後に各地で学んだ経験を共有・交流し合えるのも利点です」
司会 新学部には2つの学科が設置されますが、その内容について、わかりやすく紹介してください。
鈴木 日本語学科は、言語としての日本語を研究すると同時に、現代の活きた日本語を学びます。海外文化への理解を土台にした、円滑な日本語コミュニケーションを目指します。一方、異文化コミュニケーション学科では、全員が留学を経験し、帰国後は各地域や文化の研究、身体コミュニケーションなどを総合的に学修します。自己・自文化と他者・異文化をともに理解してコミュニケーションできる人材の育成が目標です。
司会 専修大学では初の国際系の学部となりますね。
佐々木 はい。ただ、国際化については早くから取り組んできました。1966年に文学部に英米文学科を、1996年には経済学部に国際経済学科を開設しています。また、国際交流センターを設置し、短・中・長期留学プログラムやTOEFL講座など留学や語学習得のためのさまざまな制度を立ち上げました。現在18カ国25大学の国際協定校と密に交流し、客員教授も毎年招聘しています。国際交流会館での寮内留学プログラムといったユニークな試みのほか、各学部では、授業を英語で行う専門科目も出始めています。
鈴木 教養の外国語科目で履修できる言語が豊富なことも特徴です。英語、ドイツ語、中国語などはもちろん、ロシア語やインドネシア語、アラビア語などの授業もあり、学部を問わず、外国語を勉強したい学生はやりがいを感じられると思います。

言語学的な研究と実践研修を行う日本語学科

司会 では、それぞれの学科について詳しく見ていきましょう。まずは日本語学科を担当する王先生に、その特徴や魅力を伺います。
 日本語学科では、言語としての日本語を学びながら国際化社会とつながることを目的とした人材育成を行います。音声や語彙、文字・表記、文法などの言語学的観点から日本語を分析するだけでなく、社会言語学やコーパス言語学といった先端の分野にも力を入れているのが特徴です。専任教員が8人おり、これだけ人数がそろう大学も珍しいと思います。
司会 日本語学科は、2019年度までは文学部の中に位置づけられていました。国際コミュニケーション学部の中では、新たにどういったことに取り組むのでしょうか。
 新たな日本語学科では「協力講座」形式の授業をスタートさせます。日本経済新聞社や、ナレーター養成のノウハウを持つ株式会社バーズといった日本語のプロフェッショナルの方々に協力をあおぎ、学びを深めます。協力講座以外では、日本語教育などの実習を充実させていきます。
司会 海外での日本語教育の需要はどのような状況なのでしょうか。
 日本語が仕事に結びつくような国や地域では、日本語教師の需要も多いです。本学では、日本語教育に必要な単位を取得した学生には、日本語と英語で併記した修了証を発行しており、それを持って海外の日本語教育の現場に赴くことが可能です。
司会 ビジネスの世界でも日本語が必要とされているのでしょうか。
佐々木 働き方改革により、外国人労働者を迎え入れる準備がどんどん進んでいますので、日本で就労するための語学習得の需要は、アジア圏の国々で特に高いと実感しています。

国際コミュニケーション学部座談会-王

「テレビ局や言語研究機関に赴き、日本語を仕事にする方の現場を見るという実践・応用的な校外学習も予定しています」

外国人との深い相互理解が可能な“使える”日本語および外国語に、多面的な角度からアプローチ。

「全員留学」を掲げる異文化コミュニケーション学科

国際コミュニケーション学部座談会-中村

「ネイティブスピーカーの先生の授業も多く、帰国後も留学を続けている感覚で英語力を高められるカリキュラムです」
司会 では次に、異文化コミュニケーション学科の魅力について、鈴木先生と中村先生に伺います。
鈴木 大きな特徴は、全員が「専門科目」として英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、コリア語の6カ国語から、複数の外国語を選択して学べることです。
中村 私は、長年「教養科目」としての英語を担当してきた経験から、「継続的かつ体系的に学べば、もっと英語力は伸びるはずなのに」と、もどかしさを覚えていました。最近、本学を卒業したある学生は、教養の外国語科目の英語を履修していた当時は、正直なところ習熟度は高くありませんでした。しかし、英語を学ぶセンスはあると感じて留学を強く勧めたところ、中期留学プログラムに参加したその学生は帰国後も語学の学習を続け、自身の専門分野である経営学の卒業論文を英語で書き上げたのです。これは、留学が起爆剤となって英語力が飛躍的に伸びた象徴的な例です。異文化コミュニケーション学科では、このような学生をたくさん輩出したいと考えています。2年次の前期に全員留学しますので、明確な目標と高いモチベーションをもって勉強していただけるでしょう。
司会 文学部の英語英米文学科と、異文化コミュニケーション学科との違いをわかりやすく教えてください。
鈴木 英語のプロフェッショナルを目指したり、英文学を学んだりしたい場合は英語英米文学科に利点があるでしょう。英語を「世界の言語のなかのひとつ」という意識で勉強したい学生は、異文化コミュニケーション学科が向いていると思います。
司会 なるほど。たとえば鈴木先生が担当される中国語では、どのような授業を展開されるのでしょうか。
鈴木 本学科には、唐代の中国文学、道教などの宗教、中国のインディペンデント系ドキュメンタリー映画などの研究者がそろっており、中国語に加えて、古典や歴史から現代芸術まで幅広く学べるので、専門科目の勉強と高度な中国語能力が結びついて一体化することを期待しています。

多面的な視点からコミュニケーションを考察

司会 異文化コミュニケーション学科では複数の外国語を学びますが、そのメリットは何でしょうか。
中村 表面的には‶the more, the better ”ですね。複数の言語を操れるようになれば、当然、意思疎通できる人の数も、理解できる情報量も増えます。しかし、もっと重要なのは、言語の学習は、人間について学ぶことそのものでもある、ということです。言語は、人間の営みを多面的に反映する鏡ですから、外国語を学ぶのに一言語だけではもったいない、と私は思います。
司会 「身体とコミュニケーション」など、言語を超えたコミュニケーションの授業も設けられるそうですね。
鈴木 人間は各々の言語や認識枠組みで世界を解釈するので、そこには言語のほかに身体や無意識などが関わらざるを得ません。そこで、映像や音楽などを介したコミュニケーションの重要性や方法を学んでいただきたいのです。同じ教室に集まって勉強する意味を体験的・理論的に探求します。具体的には、演劇や音楽、武道といった身体でのコミュニケーションを実践する授業で、ひとりよがりではない本当のコミュニケーション力を高めてほしいと思います。

「他人とは考えも価値観も違う」が世界の常識。だからこそ、自分の意思を言語化することが国際人への第一歩。

留学で鍛えられる物事を言語化する能力

司会 ここからは、異文化コミュニケーション学科の全員留学について伺います。世界各地に留学先がありますが、スペイン語の留学先はスペインではなくメキシコなんですね。
櫻井 現在のアメリカはスペイン語を話すヒスパニック系の人口がすごく多いですが、彼らの多くは中南米出身です。留学では、語学を学ぶ以外に、その背後にある文化を体験することも大きな目的なので、より広い世界を見聞するための選択肢です。
フリックマン 実際、メキシコ人が話すスペイン語は明瞭で美しく、他国の映画やTVでメキシコ人俳優が活躍していることからもわかるように、とてもポピュラーでもあります。
司会 櫻井先生は、海外で教育を受けた経験をお持ちですが、異文化コミュニケーションでもっとも大切だと感じたことは何でしょうか。
櫻井 幼少から大学卒業までドイツやイギリスなどさまざまな国に住み、現地の学校に通うこともありましたが、実はコミュニケーションでもっとも苦労したのは日本です(苦笑)。日本では「人は同じ考えや価値観を持っている」という前提でコミュニケーションを進めますが、ヨーロッパでは「人は違うものだ」というスタンスなので、どんな小さなことでも言葉で表現します。つまり、会話の際の言語化レベルが全く違うのです。留学する学生には「呆れるほど些細なことでも言語化しないと、話が通じないよ」と言い聞かせています。また、その場の空気を壊しても、自分の希望や疑問を伝えることも重要です。異文化コミュニケーションと聞くと、日本文化の紹介などをイメージしがちですが、実は根本の意識を変えることが大切だと思います。
司会 学長も、海外でカルチャーショックを経験されたそうですね。
佐々木 29歳で初めて海外に行ったのですが、シカゴ空港からトロント行きの便に乗る予定が、直前で搭乗ゲートが変わったことに気づかず、荷物だけ持っていかれました(笑)。何時間にも及ぶ空席待ち、慣れない国際電話などに四苦八苦して痛感したことは、英語力に自信がなくても相手の返答が聞き取れなくても、とにかく自分が望むことを伝えることの重要性。まさに櫻井先生がおっしゃる通りです。何度も聞き返すうちに自身と相手の話が近づいて、合点がいく。コミュニケーションには、そうした訓練が必要だと思います。

国際コミュニケーション学部座談会-櫻井

「グローバルフロアが、学生同士の議論や交流といった『アクティブラーニング』の実践スペースになってほしいです」

グローバルフロアで期待される国際交流

司会 異文化でのコミュニケーションには、語学力のほかにも大切なものがあるのですね。
フリックマン 異文化コミュニケーションにおいて本当に大切なことは、異なる文化の人々とどのように関われるかという能力や技量。言語の正確性は、大きな問題ではありません。
司会 それを踏まえて、新学部ではどのような授業を想定していますか。
フリックマン クロスカルチャーと世界との関係性です。世界は日本をどのように見ているのか。自分たちの文化で得た知識だけで物事を判断し、位置づけるのではなく、さまざまな視点や価値観から問題に向き合うことを教えたいと思っています。
司会 新キャンパスには、国際交流センターの職員が常駐するコーナーや自由に使えるラウンジが設置される「グローバルフロア」ができます。
フリックマン ここが文化交流の場になると思うとわくわくします!教員も、イベントのアレンジや外国人学生との交流会を提供したいと考えていますが、何より重要なのは学生自身が使い方を考えて運営していくこと。活動や議論の場、映画上映会など、さまざまに使えるでしょう。外国人学生が日本でどのように考えているかも交えて、本物の国際文化交流を実践していきたいです。

国際コミュニケーション学部座談会-フリックマン

「文化が混じり合う中でのコミュニケーションを訓練し、その技量を高めて世界へと羽ばたける能力を育みたい」

苦い経験から学んだ伝える重要性


佐々木学長が29歳で初渡米したときの一枚。イリノイ大学にて。「つたない英語でも意思を伝える大切さを学びました」

国際コミュニケーション学部座談会-佐々木学長2

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