自己分析を進めてみよう

 就職活動を始めるにあたって、最初に取りかからなければならないことは「自己分析」です。「自己分析」とは、自分自身についてじっくり振り返ることにより、「自分はどんな人間なのか」そして「今後どのような“軸”を持って就職先を選ぶのか」について、あなたなりの答えを出す作業です。

自己分析にすぐに取り組んでみよう

 自己分析は、今後の就職活動の全てを左右する「基本」になります。多くの仕事、企業の中からあなたは「何を基準として」就職先を選択するのでしょうか? あなたの将来を決める最初の就職先をどんな理由で選び出すのか、その基本方針を定めるのが「自己分析」です。この基本方針が定まっていないと、企業選びがうまくいかなかったり、面接官が納得する志望動機や自己PRが語れなかったりと、就職活動が迷走してしまう原因となります。
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自己分析はどうやれば良い?

 まずは、徹底的に自分自身に「問いかけてみる」ことが大切です。自分はどんな人間なのか、自問自答を繰り返すことによって、どのような就職先を選べば良いのか、そして、これから初めて会う企業の人事担当者にどのように自己紹介をすれば良いのかということが少しずつ見えてきます。

[自問自答してみよう!]
  1. 自分はどんな性格・気質を持った人なのか?
  2. 人間としての強み・弱みはどんなところにあるのか?
  3. 好きなこと・嫌いなこと、あるいは、得意なこと・不得意なことは何か?

就職活動の“軸”を見つけ出そう

神田キャンパス

 今後、就職活動の“軸”という言葉はこのサイトの中で何回も出てきます。就職活動の軸とは、あなたが何を「大事・大切・優先事項・譲れない条件」として仕事を選ぶのかということを意味します。この軸を定めることを自己分析の最終目標に設定してみましょう。

自己分析の基本的なプロセス

 自己分析にいきなり取り組もうとしても難しいかもしれません。以下は一般的な自分自身を振り返るためのプロセスです。各Stepまたはこのページ最下部にある各シートも利用して、まずは徹底的に自分自身に“問いかけ”を行ってみましょう。

自己分析の進め方① ~自己分析の基本的な進め方~

Step 1. 今の自分自身を見つめる
 現在の自分について考えてみてください。専大生として過ごしている現在のあなたは、どんな状態にあるのかをしっかり見つめてみましょう。

Step 2. 過去の出来事から自分のパーソナリティーを探る
 過去から現在までの自分を振り返り、今の自分に影響を与えている“経験”について考えてみましょう。
 特に「苦労したこと」や「失敗したこと」についてよく思い出してみてください。何か“壁”に直面したときに、それをどう乗り越えたのか? そこにあなたの「強み」があるはずです。

5W1Hシート

Step 3. 自己PR ポイントを探す
 ここでは、採用選考試験の場で「自己PR」を求められた時に、自分のどんな点(強み)をセールスポイントとしてPRするのかについて考えてみます。また、それが発揮されたエピソードも具体的にしておくことが大切です。そして、そのセールスポイントを社会人になったらどのように活かして仕事をしてみたいかまで掘り下げてみましょう。

Step 4. 他者の意見を聞く
 自分で知っている自分と他人から見た自分は案外違います。他者はあなたについてどのような印象を持っているのか確認します。自分で考えていた自分像と他人が見た自分像が一致しているところ、していないところはどこなのかを把握してみましょう。

インタビューシート

Step 5. 企業選択の軸を設定する
 あなたの企業選びの軸について考えてみます。Step4までの振り返りで、自分自身についてある程度把握したら、それを基に「企業を選ぶ際に絶対にはずせない条件は何か」、「特に優先順位の高い条件は何か」について明確にしていきます。

Step 6. アウトプットする
 自己分析は最終的に、他者に対して「アウトプット」することが求められます。自分のパーソナリティーについては「自己PR」、企業選択の軸については「志望動機」という形にしてアウトプットすることになります。

自己分析の進め方② ~企業選択の軸を発見しよう~

 自己分析の中でも特に大切なのが、どのような考えを持って就職先を選ぶのかという「企業選択の軸」です。その条件は人それぞれですが、たとえば「やりがいがあって、高収入で、勤務地が近くて…」と条件が曖昧で結局企業選択ができないことがよくあります。「これだけははずせない! これが自分にとって一番大事なんだ」という条件がはっきりしていれば企業探しはスムーズになってきます。

企業選択の軸シート

自己分析の進め方③ ~ 自己PRについて考えてみよう~

 そもそも「自己PR」とは何でしょうか?これから会う人事担当者は全て皆さんとは初対面です。人事担当者は皆さんがどんなパーソナリティを持った人なのかを把握するために色々な質問を行いますが、その中でも重要なのが自己PRです。皆さんに「自分のPRポイントや強み、他人に誇れる部分を紹介してください」という質問を通じて「社員として採用するに値する、人間的な魅力や能力を持っているか?」を判断しようとします。

自己PR どのように語るのが良い?

 自己PRは「単なる自己紹介」でも「自慢話」でもありません。企業側は「社員として採用するのに適当な人材か?」あるいは「社員として採用したら活躍してくれそうか?」ということを常に意識しながら、皆さんの自己PRを聞いています。ですから、大げさな事柄でなくてもかまいません。もし自分が社会人になって仕事をするとイメージした時、「仕事に活かせそうな自分の強み」を人事担当者にしっかり伝えることが自己PRの目的です。

1. 自己PRのポイント

 自己PRは初対面の人事担当者に、自分のことをしっかり伝えて理解してもらうことが目的です。そのためには、自分の強みをわかりやすい言葉にまとめ、それを証明する事例(エピソード)を使って説明しなければなりません。

Point
1
大げさなことでなくても良い
 輝かしい実績や他人が絶対できないような経験を持っていなくても、自己PR を組み立てることはできます。これまでの人生を振り返り、他者から評価されたり感謝されたりした経験や、困難を乗り越えた経験の中から“自分の強み”を探し出して、それを素直に人事担当者に伝えましょう。
Point
2
伝わる自己PR を作成しよう
 自己PRは自分の長所や特長について、いかに人事担当者を納得させられるかがポイントです。これまでしてきた経験を色々と振り返り、何を学び、何を感じ、それによって自分がどう成長したのかということを整理してみましょう。その中で最も人事担当者にPR ポイントが伝わるエピソードを選んで自己PR を作成してみましょう。
Point
3
最終的に仕事でどう活かせるかまで考えてみよう
 人事担当者は自社のどんな分野で貢献してくれそうかを考えながら皆さんの自己PR を聞いています。ただ強みを紹介するだけではなく、「今後の仕事の中でこのように活かしてみたい」というところまで説明できるように考えてみましょう。
2. 自己PRを組み立ててみよう

 自己PRは書類選考や面接試験で何度も問われることになるので、自分の強みをわかりやすく、そして説得力をもって伝えるために、事前にしっかりと内容を組み立てておく必要があります。

Step 1 自分の過去の経験から、
自己PRにつながりそうなエピソードを掘り起こしてみましょう。

【過去~大学入学前まで】
あなたが一番力を入れて取り組んできたことはなんですか?

【大学入学~現在まで】
大学生活の中で最も力を入れたことはなんですか?

※過去から現在までのエピソードを掘り起こしていく中で、あなたがこれまでの人生で変わらず持ち続けているこだわり、あるいは信念や信条がないか、探してみましょう。
Step 2 [Step1] で掘り起こしたエピソードの中から、
以下の項目に該当するような強みがないか探してみましょう。

 自己PRでは、自分の強みを「社会(仕事)で通用する強み」として人事担当者に紹介する必要があります。エピソードの中から見つけ出した自分の強みが、今後の社会人としての仕事に活かせるかどうかを以下の3つの項目を参考に考えてみてください。

知識・スキル

希望している職種に活かせそうな資格
大学で学んだ専門知識・スキル
入賞、受賞歴
留学経験、大学外での学習経験 …等

性格・気質

希望する仕事への適性を感じさせる性格・気質の特長
希望する仕事への適性を感じさせる行動特性
ゆるがない信念や信条、ずっと変わらず持ち続けているこだわり …等

社会人適性

考える力
チームで物事を進める力
困難に負けず問題を打開していく力 …等

Step 3 強みを具体的に語る準備をしましょう。

 過去の振り返りから、あなたが他人に対して一番確信を持って言える強みは何でしょうか。簡潔な言葉にまとめてみてください。
 以下のプロセスで人事担当者に表現するための内容にまとめてみましょう。

簡潔にまとめたキーワード
「私の一番の強みは○○○○○○○です」
 
それを証明するエピソード
「○○○ という経験をし、その時具体的に△△△という行動をとりました」
 
今後どのように活かしていけるか
「このような自分の○○○という強みを御社の□□□という仕事の中で活かしていければと思います」
上記の構成で文章にまとめてみよう!

自己分析に決まったやり方はない

 ここで示したやり方は、自己分析のひとつの方法でしかありません。就職活動中に、色々な企業を見たり、採用選考試験を受験したりする中で、新たな自分自身の志向や適性に気が付くこともあります。自己分析に終わりは無く、就職活動中ずっと継続していくものだとも言えるでしょう。常に、「自分は何がやりたい?何ができる? それを実現できる企業とは?」といった問題を自分自身に問いかけ続けてください。

自己分析シート集

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