樋口博美ゼミナール:現代生活論研究のゼミナール

 

◆内容

 私たちの「生活」は、モノやサービスを生産(労働)し、それらを消費(余暇や休暇)することの繰り返しで成り立っています。私たちは日々多くのモノやサービスを手に入れ、享受しなくては生きていくことはできません。しかし、このモノやサービスが、どのようなしくみのなかで作られ、どのような道をたどって私たちの手元に届くのか、さらに、私たち一人一人はそのしくみのなかでどのような役割を担っているのか、を考える機会は日常的にはほとんどありません。本ゼミでは、このような日常生活の背後にある生活の仕組みをできる限り具体的に考察することを目指しています。
 そのために、前期はまず文献を用いて「生活」概念についての歴史的、基礎的な理解を目指しつつ、生活を取り巻く生産―消費関係、労働―余暇関係の構造について検討します。
 そして後期には、モノの「生産」の場(農山村かもしれませんし、企業や工場かもしれません)、「消費」の場(公共の場かもしれませんし、家庭かもしれません)に関わる具体的な場面を取り上げ、考察することによって、現代の「生活」について様々な角度からの分析・検証を試みます。そして、特に「生活スキル」をキーワードとして、私たちがそこに労働者として、消費者としてどの程度意識的に、主体的に関わっているのか、あるいは関わることができるのか(可能性)を考えます(それは私たちがどのように生きていくのか、ということにもつながっていきます)。
 上記の課題をこなしつつ、受講生それぞれに関心のあるテーマを自ら確定してもらい、卒業論文につなげます。各自が研究テーマを深めて納得のいく卒業論文を完成させることがゼミナールの最終目標です。

 

◆進め方

 上記の授業内容に添った文献・資料を受講者と相談の上、輪読していく本あるいは論文、雑誌・新聞記事を決定します。毎回ごとの担当者を決め、レジュメの作成・報告をしてもらい、それをもとに全員で討論を行います(レジュメ担当者以外も毎週、感想と論点を提出してもらいます)。時には見学などの課外もあるかもしれません。ゼミ合宿については受講者の希望によって有無、内容を決めています。ちなみに、2012年度は新潟県の佐渡で、2013年度は富山県の高岡~氷見で、現地での見学、聞き取り、体験を取り入れたゼミ合宿を行いました。

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