大矢根淳ゼミナール:災害社会学(環境変動論)のゼミナール

 

◆内容

 「劇的な生活変容を経験した人々・地域の生活再建・コミュニティ再興」についての地道なフィールドワーク(踏査や聞き書き)の先行業績に学び、自らも取り組んでみます。
 「災害社会学」のゼミで「劇的な生活変容」を扱いますが、だからといって、そこでは必ずしも大規模自然(人為)災害「だけ」が扱われるわけではありません。人々は古今内外、様々な「劇的な生活変容」を経験してきました。それは例えば、昨今世界に吹き荒れるテロや内乱・戦争の惨禍や大型交通災害(飛行機事故や日常の列車・交通事故等)、少し視角を変えれば大規模な開発による立ち退きから、ドメスティックバイオレンス、学校や会社のイジメ、さらにはペットロス、上京・引っ越しさえも、その形態・規模こそ様々なものの、当事者にとっては確かに「大きすぎる」深刻な問題でしょう。2011年3月11日、東日本大震災が発生し、震災、津波災害、原発災害、災害復興における復興災害…等々、復興に向けての苦難の道筋が始まりました。もちろんこれらについてはしっかり学びます。

 

◆進め方

 領域や対象が深刻なものを扱うだけに、皆さんにはゼミには真摯な態度で臨んでいただきたいと思います。人として対象に真摯に向き合う姿勢を体得しましょう。
 ゼミはレジュメを用意して輪読やテーマ報告を毎週行いますが、その他、当ゼミではいくつか特色ある進め方をしていますので、その点だけかいつまんで説明しておきます。
 まず、ゼミ内学年縦断的に2~3人(同関心テーマ)で「ユニット」(通称)を形成し、卒業論文作成のプロセスで協働します。「同関心テーマ」とは、自分の関心を「領域」・「対象」・「方法」に分節化して捉え、同じような興味を抱く仲間を見つけて協働してみる、ということです。
 また、ゼミ生でエクスカーション(学術的参加型小旅行≒小ゼミ合宿:参加自由)を企画し、それに向けてのサブゼミが自主的に展開されています。最近数年では、9.21台湾震災被災地(復興まちづくりの古民家移築事業)、1.17阪神・淡路大震災被災地、沖縄・座間味島(1945.3.26集団死・戦災、エコツーリズム)、桜島(噴火災害・集団移転)、311東日本大震災(石巻各地)が対象地となっていました。卒業論文テーマがそれらのエクスカーションに吸引されて変化していく学生も毎年多く見受けられます(過去のゼミ生の卒論は研究室にありますので自由に見てください)。
 年間のゼミ進行は以下の通り(①~⑦が各期の提出物となります:研究室でファイル公開)。

 

3年前期:文献ノートの作成法、レジュメ作成・報告・議論・小論執筆法の習得、書評執筆①
3年夏休:夏合宿での卒論中間報告(1)②、文献ノート・書評の蓄積③
3年後期:(エクスカーション:ゼミ生自主企画=今年は11/23石巻) 卒論中間報告(2)④
4年前半:卒論中間報告(3)⑤(調査企画書=卒論の領域・対象・方法の確定)
4年夏休:実査・データ整理・一次的解析
4年後期:卒論中間報告(4)⑥(実査報告、知見と課題の整理→執筆許可)、12/15卒論提出⑦

 
     

◆その他

大矢根HP(http://disasterjune.com/) の他、
 http://www.senshu-u.ac.jp/koho/ns-web/0710/0710-03-01.html
 http://www.wasedajuku.com/wasemaga/good-professor/2010/04/post_376.html
 http://www.senshu-u.ac.jp/news/news_2009/nakanoshima_bousai.html
 http://www.senshu-u.ac.jp/sc_grsc/tasai/sempj/sempj_hs/hs0100.html

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