時計の針が午後8時を回ると、スウェーデン全国、6,200カ所に設置されている投票区投票所において、投票管理人によって、投票締め切り宣言が行われると同時に、一斉に開票作業が開始されます。その場合、国会議員の選挙と地方議会の選挙が同時に行われている場合といっても、普通は国会選挙と、地方議会の選挙は、常に同時に行われていますが、国会議員選挙の開票が先に行われます。
投票区投票所では、投票用封筒から一枚ずつ投票用紙を取り出し、取り出された投票用紙は政党別に整理され、投票用紙の枚数計算が行われます。各政党の得票数計算が終わると、投票区投票所から県行政府(県選管)に、直ちに、電話でその結果が報告されます。
各投票区投票所から開票結果報告を受けた県選管は、県選管の選挙記録台帳にその数字を記録すると同時に、直ちに、電話で中央選挙庁(中央選管)に結果報告を行います。中央選管では24の県選管から次々に入ってくる選挙結果を各政党別に集計し、その結果をテレビ局の特別報道室に流します。テレビ局の特別報道室では、、コメンテーターが中央選管から入ってくる情報を元にして、各政党の得票率と配分議席の数を予測して各家庭に流します。もちろん正確な数字はわかりませんが、開票が始まって、大体、1時間前後でおおよその体勢が判明してきます。しかし、テレビのコメンテーターの解説は、ただ、各政党の得票数をグラフで示しながら、各政党の獲得議席を予測するだけで、マジョリテー選挙になれた者にとっては、現職大臣が落選したとか、汚職議員が落選したといったショッキングな出来事もありませんので、全くおもしろくもおかしくもありません。というようなことで、ここでは、投票区投票所における開票から各政党に対する議席配分、そして当選者の確定までのプロセスを説明してみたいと思います
。第2章 投票区投票所における開票に進む