第1章 総 説

投票とは、選挙人が、選挙に際し、自分の支持する政党または支持する候補者を特定し、その最終的意思表示を行うことであります。わが国の場合、不在投票の場合を除いて、投票は、原則として、選挙日当日、選挙人が投票区の投票所に出向いていって投票を行うことになっています。スウェーデンの選挙でも、原則的には、選挙日当日、選挙人が決められた投票所に行って投票することになっていますが、しかし、スウェーデンの選挙の場合、選挙日当日、投票所に行って投票することができない人のために投票区投票所以外の場所で、選挙日前でも投票ができるようになっています。よく、スウェーデンの選挙の投票率が高いといわれていますが、その原因は、投票の機会がいくつか与えあれているからだと思います。特に、私は、スウェーデンの投票率のアップに寄与しているのは、郵便局投票という制度が設けられているからだと思います。今度の法改正によって郵便局投票の受付期間が24日から18日に短縮されましたが、郵便局に行った序でに投票を行うことができるとなれば、まだまだ、郵便局投票の利用度が下がることはないと思います。更にまた、最近ようやく日本でも導入されるようになっていますが、スウェーデンの公職選挙法では、在外居住者のために在外公館において、そしてまた病院、老人ホーム、刑務所等の保護施設に収容されている者のために特設投票所において投票ができるようになっています。そしてまた更に投票が郵便局、在外公館、特設投票所において行われる場合、選挙日以前に投票を行うことができるようになっています。以下、投票区投票所、郵便局、在外公館、特設投票所および郵送投票のそれぞれについて、投票手順を説明することにします。


      第2章投票区投票所に進む   公職選挙法第9章参照