第5章 投票区と投票管理人

 

 第1節 投票区

 投票区(Valdistrikt)とは、選挙日当日、選挙区内において投票を行う者のために設けられている投票所を中心に設定されている地理的区域のことをいいます。投票区は、原則として1,200人から1,500人の有権者の居住している区域をもって、一つの投票区として設定されることになっていますが、ときには、300人以下の有権者の居住している区域をもって一つの投票区することもできます。更にまた、県行政府は、コミューン選挙管理委員会との協議の上、1,800人以上の有権者の居住している区域をもって、一つの投票区とすることもできます(公職選挙法第4章第3条)。

 投票区の区域決定は、コミューン議会の提案に基づいて、県行政庁によって行われます(公職選挙法第4章第3条第2項)が、コミューン議会は、通常選挙が行われる前の年に、必ず、各投票区の有権者人口との関係において、その区割りを見直さなければならないことになっています(公職選挙法第4章第2条後段)。また県行政庁は、必要と認めた場合、職権をもってコミューンの投票区の区割り変更を行うことができます(公職選挙法第4章第3条)が、その場合、県行政庁は、決定に先立って、コミューン議会の意見を聞かなければならないことになっています(公職選挙法第4章第3条第3項)。

 県行政庁によって投票区の区割り決定が行われた場合、県行政庁は、その決定が行われた後、最初に実施される選挙の前年の12月1日までに官報によってそのことを公示すると同時に、区割り決定を地方新聞に掲載しなければならないことになっています(公職選挙法第4章第4条)。

 投票区の区割りについて異議ある場合、選挙審査会(valprovningsnamnden)に対して異議の申し立てを行うことができます(公職選挙法第4章第8条)。

 

 第2節 投票管理人

 投票管理人(Valforrattare)とは、選挙日当日、投票区投票所において、投票業務に携わる臨時職員のことをいいます。コミューン選挙管理委員会は、公職選挙法に規定されている選挙が行われる度に、各投票区毎に、最低4人の投票管理人を選任しなければならないことになっています(公職選挙法第4章第6条)。コミューン選挙管理委員会によって、投票管理人に選出された者は、相当の理由がない限り、選任を拒否することができません(公職選挙法第4章第7条)。投票管理人に就職することを欲しない者が、投票管理人に選任された場合、コミューン選挙管理委員会に選任辞退の申し出をすることができますが、コミューン選挙管理委員会によって選任辞退申請が却下された場合、投票管理人に選任された者は、コミューン選挙管理委員会の却下決定に対して、県行政府に対して、異議の申し立てを行うことができます。但し、県行政府の行った異議申し立ての不受理決定に対しては異議の申し立てを行うことができません(公職選挙法第4章第8条第2項)。

 投票管理人は一つの投票区で4人以上選出されることになっていますが、それより多い投票管理人を選出するかどうかはそれぞれのコミューン選挙管理委員会において決定されることになっています(公職選挙法第4章第6条)。コミューン選挙管理委員会が投票管理人を選出する場合、選出される投票管理人の中から主席投票管理人と次席投票管理人を選出しておかなければなりません。投票に際し、常に、主席投票管理人かもしくは次席投票管理人かいずれかが投票に立ち会っていなければならないことになっています(公職選挙法第4章第6条第2項)。

  公職選挙法第4章参照


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