第5章 政党名登録と候補者届

 

 登録政党名の保護と候補者の届け出

 第1条 政党は選挙に際し、政党名の保護を受けることができる。政党名の保護を受けるため、政党は政党名を登録し、且つその選挙に必要な候補者を届け出なければならない。

 

 第2条 登録された政党名の保護に際し、投票用紙に追記された氏名または第13条の規定によって政党が選挙のために届け出た候補者と異なる者の氏名が政党の投票用紙に記載されている場合、その氏名は投票用紙に記載されていないものとみなされる。

 政党名の記載されている投票用紙については第6章第3条、第5条及び第18章第11条に定める。

  

 登録申請

 第3条 政党名の登録申請は中央選挙事務局に対して行わなければならない。政党名の登録を行う場合、第4条乃至第7条に規定されている要件を具備していなければならない。

 

 第4条 政党名の登録申請は書面によって行わなければならない。申請書には政党名登録を行うための選挙の種類を記載しておかなければならない。政党名登録が県会議員選挙またはコミューン議会議員選挙のために行われる場合、選挙の行われる県またはコミューンの名称を記載しておかなければならない。党名登録を行う場合、政党は申請書と共に第7条に規定されている支援同意書または支援同意書が候補者のために提出されていることを証する公証証書(en intyg av notarius publicus)を添付しなければならない。

 

 第5条 選挙の際に政党名の保護を受けるためには、遅くとも選挙の実施される年の2月末日までに政党名登録申請を中央選挙事務局に提出しなければならない。政党名登録が国会議員、県会議員及びコミューン議会議員の通常選挙またはヨーロッパ議会代表者選挙以外の目的で行われる場合、政党名登録申請は選挙日が決定されてから1週間以内に行われなければならない。

  

 登録申請の要件

 第6条 登録申請書が次の要件を具備している場合、中央選挙事務局は政党名登録を行わなければならない。

  1. 政党名が文字によって表示されていること

  2. 政党が特定の政治団体の下部組織でないこと

  3. 国会議員選挙のための政党名登録を行う場合で、且つその政党に国会議員がいな い場合、最低、スウェーデン全国における総有権者のうち、1,500人以上の有権者から支持を得ていること

  4. 県会議員選挙またはコミューン議会議員選挙のため政党名登録を行う場合、県会 議員選挙の場合には県議会有権者100人以上、コミューン議会選挙の場合には コミューン議会有権者50人以上の支持を得ていること

  5. ヨーロッパ議会代表者選挙のために登録申請を行う場合、その政党がヨーロッパ 議会に議員を有していない場合、スウェーデン全国有権者、1,500人以上の者から支持を得ていること

  6. 登録しようとする政党名が

    ――既に登録されている政党名と紛らわしい名称でないこと

    ――同一選挙において政党が既に登録申請が行われている名称でないこと

  7. 登録申請の対象となっている政党名が以前に行われた同種の選挙に使用されてい たが、党名変更等のためその党名が5年前に取り消されていること

 第6号に規定されている要件の例外については第9条に定める。

 

 第7条 第6条第3号乃至第5号の規定によって登録申請を支持する者は支援賛同書(en förklaring om stödet)に署名を行わなければならない。賛同書に署名を行う者は、賛同書に個人番号と住民登録を行っているコミューン名を記入しなければならない。

  

 登録政党名の適用範囲

 第8条 国会議員選挙のために政党名登録が行われた場合、その登録名は統一地方選挙及びヨーロッパ議会選挙に対しても適用される。県会議員選挙のために行われた政党名登録は県会議員選挙及び県会議員選挙区に含まれるコミューン議会議員選挙に適用される。コミューン議会議員選挙のために政党名登録が行われた場合、その登録は当該コミューンの選挙に適用される。政党名登録がヨーロッパ議会代表者選挙のために行われた場合、その登録はヨーロッパ議会代表者選挙に適用される。

 

 第9条 次の場合、政党名登録を行っている政党から同意を得たとき、他の政党は同じ政党名登録を行うことができる。

  ――既に他の政党が県会議員選挙、コミューン議会議員選挙において登録している政 党名を国会議員選挙に使用する場合

  ――既に他の政党が県会議員選挙区内にあるコミューン議会議員選挙のために登録を 行っている政党名を県会議員選挙議員選挙に使用する場合

 以上のことは他の政党が政党名の登録申請を行い未だその政党名登録が完了していない場合であっても同様とする。

  

 代表者の届け出

 第10条 登録された政党名を有する政党は、登録された政党名が第12条の規定によって告示されてから1ヶ月以内に政党の代表者の氏名を中央選挙事務局に届け出なければならない。

 政党から届け出られた代表者は、第9条に規定されている承諾書を提出しなければならない。

 

 登録の取消し

 第11条 次に掲げる場合、政党名は政党名登録簿から削除される。

  1. 政党が政党名登録の取消申請を行った場合

  2. 政党が国会議員選挙、県会議員選挙、コミューン議会議員選挙及びヨーロッパ議 会代表者選挙の通常選挙に際し、2回連続して候補者の届け出を行わなかった場合

  3. 政党が第10条に規定されている代表者届を提出しなかった場合

  

 登録及び登録の取消公告

 第12条 政党名登録が行われた場合、または政党名登録の取り消しが行われた場合、中央選挙事務局は官報(Post- och Inrikes Tidningar)にそのことを告示しなければならない。

 

 候補者届

 第13条 政党名登録を行っている政党が選挙に際し、登録した政党名の保護を受けるためには、自己の政党の候補者を届け出なければならない。政府または政府によって指定されている行政機関によってそのことが定められている場合、県行政府に対して候補者届けを行うことができる。

 

 第14条 候補者届は政党代表者もしくは政党代表者によって指名された者によって書面によって行われる。候補者は政党に対して立候補者承諾書を提出しなければならない。候補者承諾書は候補者届に添付しなければならない。

 

 第15条 政党は各選挙区毎に国会議員選挙の候補者を届けでなければならない。政党は県会議員選挙議員選挙の候補者として県会議員選挙区内に住民登録を行っている者を、そしてまたコミューン議会議員選挙の候補者としてコミューン内に住民登録を行っている者を候補者として届け出なければならない。政党は、ヨーロッパ議会代表者選挙のためスウェーデン代表となる候補者を届け出なければならない。

 

 ヨーロッパ連合国民のスウェーデン国内におけるヨーロッパ議会立候補保証

 第16条 スウェーデン以外のヨーロッパ連合加盟国の国民で、ヨーロッパ議会代表者選挙の立候補者になることを欲する者は、第19条の規定によって中央選挙事務局が定める期間内に中央選挙事務局に対して誓約書(en försäkran)を提出しなければならない。誓約書には次に掲げる事項を記載しなければならない

  ――国籍、スウェーデンにおける住所

  ――最後に選挙人名簿に記載されている本国の選挙区または地域、及び

  ――スウェーデン以外の国でヨーロッパ議会代表者選挙に立候補していないというこ と

 誓約書には本国担当官庁発行の被選挙人資格証明書を添付しなければならない。

 

 瑕疵ある候補者届

 第17条 候補者届が必要記載事項を欠いている場合、候補者届を受理した行政機関は、直ちに候補者届を行った者に対してその旨を通知しなければならない。瑕疵が第16条に規定されている誓約書に関する問題であるとき、中央選挙事務局は候補者本人に通知しなければならない。候補者届に添付された誓約書または証明書が必要記載事項を欠いている場合もまた同様である。通知には訂正の期限を記載しておかなければならない。可否の問題は最終的に中央選挙事務局によって審査される。

 

 第18条 候補者届けに候補者本人の立候補届承諾書が添付されていなかった場合、その候補者は届け出がなかったものとみなされる。

 第16条第2項に規定されている被選挙人資格証明書を提示しなかった場合、その者は立候補者となることができない。選挙に際し、その者の氏名が届け出られても、その氏名は届け出がなかったものとして取り扱われる。

 

 候補者届の時期

 第19条 中央選挙事務局は、選挙に先立って、選挙都度、次の事項を決定しなければならない。

  ――候補者届の締め切り日

  ――締め切り日を官報に掲載すること

  ――各政党に対する政党名登録の締め切り期日の通知

  ――第16条に規定されている保証書の提出締め切り期日

 

 候補者届を行った政党の一覧表

 第20条 中央選挙事務局は、政党名登録と候補者届を行った政党一覧表を作成しなければならない。一覧表は、国会議員選挙の場合には各選挙区毎に、県会議員選挙の場合には県会議員選挙の選挙区毎に、コミューン議会議員選挙の場各には各コミューン毎に、そしてまたヨーロッパ議会代表者選挙の場合にはスウェーデン全国を対象として選挙の行われる都度、作成される。

 投票所における政党一覧表の備え付け義務については第9章第11条に定める。

 

 異議の申し立て

 第21条 本章に規定されている事項に関する中央選挙事務局の決定に対して異議ある場合、選挙審査委員会に対して異議の申し立てを行うことができる。

 

 


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