第20章 得票数計算の基礎

 

 修正奇数方式

 第1条 第18章第19条、第20条、第25条、第26条、第30条及び第35条に規定されている比較得票数(jämförelsetal)の計算は次の方法をもって行われる。

 政党が未だ議席配分を受けていない場合、その政党の比較得票数は、当該政党が選挙区において取得している総得票数を1.4で割って得られた商とする。政党が既に議席配分を受けている場合、その政党の比較得票数は、既に配分を受けている議席数に2を掛け、その積に1を足した数をもって当該政党が選挙区において取得している総得票数を除して得られた数とする。

 

 調整議席と余剰議席の配分

 第2条 第18章第21条第2項、第27条第2項に規定されている調整議席(utjämningsmandat)の配分及び第18章第22条、第28条及び第31条に規定されている余剰議席(överskjutande mandat)の配分は次の方法をもって行われる。

 一つの政党に対して配分された最初の調整議席または余剰議席は、固定選挙区議席の配分が行われた後、より多い比較得票数をもっている選挙区に配分される。第二議席目以下は、本章第1条に規定されている修正奇数方式をもって算出された最大比較得票数の大きい選挙区から順次、1議席ずつ配分される。但し、調整議席または余剰議席が未だ固定選挙区議席の配分を受けていない選挙区に配分された場合、比較得票数は当該政党が取得している総得票数をもって比較得票数とみなす。

 

 指名票の票数計算

 第3条 第18章第38条第1項、第41条第2項、第44条第2項及び第48条に規定されている候補者の当選順位は次の方法をもって決定される。

 指名票の数は、各候補者に与えられている特別指名票を基にして確定される。特別指名投票の行われている投票用紙を政党別に分類する。その後でそれぞれのグループ毎、候補者毎に特別指名票の計算を行う。法定指名票を取得している各候補者について指名票の数を確定する。1人の候補者に与えられている特別指名票の数は同一政党名のもとで投じられている特別指名票の数と同数でなければならない。最多指名票数を取得している候補者が第1順位当選者となり、次に多い特別指名票を取得している者が順次その得票数にしたがって当選者となる。

 

 総数方式

 第4条 第18章第39条、第42条、第45条及び第49条に規定されている各政党内における候補者の当選順位は、総数方式(heltalsmetoden)の適用をもって、次に掲げる特別の計算方法によって確定される。

 計算が行われる度に、1枚の投票用紙は1人の候補者に投票されたものとみなされる。

 計算に際して、既に当選している候補者を除いて、投票用紙は投票用紙のトップに記載されている候補者に投票さたものとみなされる。投票用紙のトップに記載されている同一候補者名の投票用紙が一つのグループにまとめられる。各グループにについて投票用紙の枚数計算が行われる。枚数計算の行われた投票用紙の枚数は各グループの投票用紙の枚数と一致していなければならない。最大比較得票数を取得している候補者が最初の当選者に決定される。

 以下、次の計算が行われる場合、既に当選の確定している候補者名を除いて、一枚の投票用紙は投票用紙の最上位に記載されている候補者に投票されたものとみなされる。当選者の確定した投票用紙のグループは崩され、崩された投票用紙グループは、当選の確定している候補者を除いて、投票用紙の最上位に記載されている候補者名毎に一つのグループにまとめられる。既に形成されている投票用紙のグループはそのままにしておく。新しく形成された投票用紙グループについて投票用紙の枚数計算が行われる。数えられた投票用紙の枚数は同一グループに組み入れらた投票用紙の枚数と同数でなければならない。計算対象となっているすべての候補者について投票用紙の枚数と比較得票数の計算が行われる。

 1人の候補者に対する投票数とその候補者が所属している投票用紙グループの投票用紙の枚数または候補者が所属している複数投票用紙グループの投票用紙の合計枚数は同数でなければならない。1人の候補者の比較得票数は、その候補者が所属している投票用紙グループから当選者がでていない場合、その候補者の取得している得票数と同数でなければならない。1人の候補者が所属している投票用紙用紙グループから既に当選者がでている場合、その候補者の比較得票数は、既に当選が確定している候補者数に1を足した数をもってその候補者が所属している投票用紙グループの投票用紙の枚数を除して得られた数とする。1人の候補者が所属している複数投票用紙グループから当選者がでている場合、その候補者の比較得票数は、既に確定している当選者の数に1を足した数をもって候補者の取得している得票数を除して得られた数とする。一つのグループの議席数は、そのグループが形成される直前に行われた計算の際に算出された最大比較得票数をもって当該グループの得票数を除した数とする。端数がでた場合、その端数は少数点以下2位まで計算される。小数点2位以下の数は切り捨てられる。

 比較得票数の最多票を取得した者が第2番目の議席を取得する。

 

 補欠議員及び重複議員の選出順位の決定に関する特則

 第5条 第18章第52条、第54条及び第57条に規定されている補欠議員の選出順位及び第18章第46条に規定されている重複当選議員の選出順位は次の方法をもって決定される。

 先ず、最初に第3条の規定によって、補欠議員及び重複当選議員の選出順位が候補者または重複当選議員の得票数によって決定される。

 第2項の規定によって、相当数の補欠議員の選出順位が決定できない場合、その選出順位は補欠議員または重複当選議員が第3条及び第4条の規定によって推薦順位を取得したとき、推薦順位の確定している候補者に与えられている投票用紙に基づいて計算される。計算に際し、各投票用紙は全票として計算される。その場合、既に特別の方法によって当選が決定している候補者は投票用紙の上に記載されていないということを前提にして、その投票価値(röstvärde)は投票用紙の最上位に記載されている候補者に与えられる。最多票を取得した者に対して議席が与えられる。

 

 補欠議員及び後任者の選出順位に関する特則

 第6条 第18章第51条第2項または第56条第2項の規定によって補欠議員の選出が行われる場合及び第62条もしくは第65条の規定によって新議員の選出が行われる場合、次の規定が適用される。

 選挙区において、政党のために次の議席を取得することのできる候補者が補欠議員または新議員に選出される。政党に該当候補者がいない場合、中央選挙事務局は、第2条の規定によって、当該政党が固定選挙区議席の配分に参加している選挙区の中から補欠議員または新議員を選出することのできる選挙区を決定しなければならない。その場合、そこの選挙区の次点候補者が補欠議員に選出される。

 

 コミューン議会の補欠議員

 第7条 第18章第55条に規定されている補欠議員の選出は次の方法をもって行われる。

 補欠議員は、まず最初、第3条に規定されている特別指名票計算の際に定められた選出順位にしたがって選出される。

 その後は、補欠議員が選挙された政党内における得票数計算によって選出される。票数計算毎に、議員の氏名の記載されている投票用紙で、且つその議員が議席を取得したとき、その議員に充当された投票用紙だけが考慮される。投票用紙は全票として計算される。既に選挙によって当選している議員は投票用紙に記載されていないものとみなされ、その投票価値は当該投票用紙の最上位に記載されている候補者に与えられる。最多票を取得した者が票数計算の対象となっている者の補欠議員として選出される。複数候補者の得票数が同数の場合、抽選をもってその優先順位は決定される。

 選出された補欠議員の数が地方自治法第5章第4条第2項の規定によってコミューン議会によって定められている数より少ない場合、及び同一補欠議員が3人以上の複数議員のために選出されている場合、各議員について更に1人の補欠議員が選出される。その場合、選挙の際に正規議員の補欠議員となっている候補者の氏名は、投票用紙の上に記載されていないものとみなされる。それ以外は第2項及び第3項に規定されている方法をもって行われる。

 尚、補欠議員の数が地方自治法第5章第4条第2項の規定によってコミューン議会が定めている数よりも少なく、且つ、同一人が5人以上の議員の補欠議員として選出されている場合、更に各議員のために共通補欠議員が選出される。

 以後、補欠議員の数がコミューン議会によって決定されている数より少なくなっている限り、同一補欠議員が7人またはそれ以上の議員のために選出されている場合、議員のために補欠議員選出のための票数計算が行われる。

 

 第8条 第7条の規定によって補欠議員が選出された後、1または2議席を有している政党において、正規議員のために1人だけの補欠議員が選出されている場合、改めて票数計算を行わなければならない。政党が2議席を取得している場合、票数計算は、最初、選挙区における党の得票数との関係において、最多特別指名投票を取得している正規議員のために、次に、最多比較得票数を取得している議員のために行われる。

 

 


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