第19章 選挙及び当選証書の発行に関する異議の申立て
異議の申し立て
第1条
中央選挙事務局または県行政府によってなされた選挙結果もしくは第18章第58条乃至第69条に規定されている後任者または補欠議員を選出するために行われた票計算の結果に対して異議ある場合、本章の規定によって、選挙審査委員会に対して異議の申し立てを行うことができる。
異議の申し立て権者
第2条
次に掲げる者は選挙審査委員会に対して異議の申し立てを行うことができる。――選挙人名簿に基づいて選挙権を有していた者
――第7章第11条に規定されている選挙人名簿の訂正事件において税務署の決定によって選挙権を剥奪された者
――第7章第1条または第10条に規定されている選挙人名簿搭載届を行った後、選挙人名簿に登載されなかった者、及び
――選挙に参加した政党
異議の申し立て方法
第3条
第1条の規定によって異議の申し立てを行おうとする者は、その決定を行った官庁に対して書面をもって異議の申し立てを行わなければならない。異議の申し立ては、選挙日の翌日または票計算の終了した後、10日以内に異議の申し立てが決定官庁に到着するよう書面をもって行わなければならない。異議の申し立てに関する内容が第18章第58条乃至第69条の規定による新しい議員、代表者または補欠議員の選出決定に関する場合、異議の申し立ては票計算が終了してから10日以内に決定官庁に到着するよう、書面をもって行わなければならない。
第4条 書面による異議の申し立てが所定の期間内に選挙審査委員会に提出されている場合、所定の期間内に異議の申し立てが決定官庁に到着していない場合であっても審理の対象として取り上げることができる。
第5条 異議の申し立てが法定期間内に到着していたか否かの決定は選挙審査委員会によって行われる。
異議申し立て人の資料請求権
第6条
異議の申し立てを行おうとする者は、決定を行った官庁に対して選挙記録またはその他の票計算に関する資料を請求することができる。
公 示
第7条
異議の申し立て期間が経過したとき、可及的速やかに決定官庁は受理したすべての異議の申し立てを公示し、且つ選挙審査委員会にその異議の申し立てを送付しなければならない。異議の申し立てが国会またはヨーロッパ議会代表者選挙に関する場合、公示は官報によって行われなければならない。異議の申し立てが県議会議員またはコミューン議会議員選挙に関する場合、公示は県会区またはコミューン内において発行されている地方新聞によって公告しなければならない。
第8条 第7条に規定されている公示には選挙審査委員会に送付された日付を記載しておかなければならない。
決定官庁の意見
第9条
決定官庁が選挙審査委員会に対して異議の申立に書を送付する場合、自己の意見書を添付しなければならない。行政法(1986:223)第27条及び第28条に規定されている決定の審理に関する規定は適用されない。
異議の申し立てに関するその他の規定
第10条
国会議員または補欠議員の選出決定は、決定に対する異議の申し立てによってその効力を妨げられない。その選挙が変更され、新しい議員または補欠議員が選出された場合、その結果は直ちに公示される。議員の交代に関する規定は統治法第3章第11条に定める。県会議員、コミューン議会議員またはその補欠議員の選出決定は、決定に対する異議の申し立てによってその効力を妨げられない。異議の申し立てによって他の者が議員または補欠議員に選出された場合、その決定は、新しい議員または補欠議員が選出された選挙のまたは票計算が終了したときその効力が生ずる。
ヨーロッパ議会代表者は代表者の選出が行われ、且つその権限がヨーロッパ議会によって審理されたとき、代表者に就任したものとみなされる。
行政法第29条に規定されている業務停止命令に関する規定は本項に関する事項については適用されない。
当選証書
第11条 中央選挙義務局は、国会、ヨーロッパ議会代表者に選出された議員のために、直ちに、当選証書を発行しなければならない。当選証書には次の事項を記載しておかなければならない。
――当選人の氏名、及び
――議員の任期、政党、選挙区及び選出された議員の資格
補欠議員の当選証書にはそのほかに補欠議員によって補充される議員または代表者の氏名及び同一議員または代表者のために複数の補欠議員が選出されている場合には補欠議員の補充順位を記録しておかなければならない。
第12条 議員、代表者または補欠議員が選出されるたときに用いられた票計算の記録、及びその他の資料の写しをもって当選証書に代えることができる。当選証書は当選者本人、選挙審査委員会及び国会議長に送付される。更にヨーロッパ議会代表者の当選証書はヨーロッパ議会に送付しなければならない。
第13条 地方議会議員または補欠議員に選出された者に対しては、直ちに、県行政府から当選証書が交付される。
当選証書には次の事項を記載しておかなければならない。
――当選者の氏名、及び
――当選者の任期、当選者の所属政党及び選出選挙区
第14条 議員または補欠議員が選出されたときの票計算の資料、選挙記録の写しを当選証書の代わりにすることができる。当選証書は当選者本人及び関係地方議会に送付される。
政党に対する決定通知
第15条
決定官庁は可能な限り、第18章第58条乃至第69条の規定によってなされた票計算の結果を関係政党に通知しなければならない。政党に対する決定通知は決定官庁の定める方法によって行われる。
選挙審査委員会の審査
第16条
国会、県会及びコミューン議会の通常選挙の選挙結果に対して選挙審査委員会が審理を行う場合、委員会は選挙のときに委員会を構成していた委員によって構成される。委員会がそれ以外の選挙結果に対する異議の申し立て事件を審理する場合、委員会はその選挙のときに委員会を構成していた委員をもって審査を行わなければならない。委員会が本法の規定によって事件を決定する場合、委員会は全委員の出席の許に行われる。但し、第23条に規定されている場合にはその限りでない。
第17条 第1条に規定されている事件に関し、選挙審査委員会は裁判所のおいて証人尋問を必要とする場合、地方裁判所において証人尋問を行うことを命ずることができる。
第1項に規定されている証人尋問については訴訟法第35章第10条及び第11条の規定が準用される。証人に対する報酬は公費をもって支払われる。その費用は国家の負担とする。
国家及びコミューンの行政機関、郵便会社及びその他特別に設置された投票所は、選挙審査委員会から必要な情報及び意見の提供を求められた場合、必要な情報を選挙審査委員会に提出しなければならない。
第18条 選挙審査委員会は異議申し立て事件の審理に際し、次に掲げる場合、必要とされる範囲において選挙を無効にし、且つ関係選挙区において再選挙を命ずることができる。
1. 選挙の準備及び実施に際し選挙の実施機関に法令違反があった場合
2. 選挙妨害がおこなわれた場合
3. 投票用紙の改竄が行われた場合
4.その他の方法で選挙に不当に影響があった場合
但し、再選挙は選挙の結果に影響を与えたとみなされる十分な理由がある場合においてのみ行われる。
得票数の再計算によって訂正が行われた場合、または簡単な手続きによって訂正が可能な場合、委員会は決定官庁に対してその訂正を委任することができる。
第19条 第18章第58条乃至第69条に規定されている票計算に際し、票計算が所定の方法によって行われなかった場合で、且つ所定の方法によって行われなかったことによって、票計算に影響を及ぼしたとみなされる場合、選挙審査委員会は異議の申し立ての審査に際し、票計算を無効とし、且つ決定官庁に対して必要な措置を講ずることを命じなければならない。
第20条 法律の規定または特別の決定に対する異議の申し立てが認められなかった場合、または特別の手続きによって異議の申し立てが行われた場合、第18条、第19条に規定されている異議の申し立ての際に、その決定が行われた時の事情を援用することができない。
選挙に対する異議の申し立てと関連して、選挙人名簿の訂正に関する税務署の決定に対する訴えは第7章第14条に定める。
第21条 第18章第17条の規定によって選挙審査委員会が県行政府から当選者の人数が議員定員の半分に満たない旨の報告を受けた場合、選挙審査委員会はその選挙を無効とし、全議員及び補欠議員について再選挙を命じなければならない。
選挙審査委員会による当選証書の検閲
第22条
選挙審査委員会は当選証書が第11条の規定によって発行されたものであるか否かを審査するため、国会議員、ヨーロッパ議会代表者及び補欠議員の当選証書の検閲を行わなければならない。検閲は選挙終了後の最初の国会が召集される前に行わなければならない。それ以外の場合には、当選証書が選挙審査委員会に提出された時点で検閲が行われる。検閲結果は直ちに国会議長に報告しなければならない。選挙がヨーロッパ議会代表者に関する場合、検閲結果は更にヨーロッパ議会に報告しなければならない。
第23条 選挙審査委員会は、国会議員、代表者、国会議員の補欠議員または第18章第58条、第60条、第67条及び第69条の規定によって国会議員または代表者の退任によって任期の残存期間、国会議員、補欠議員または代表者の補欠議員に選任される者の当選証書の検閲は、その内容によって、委員長または委員長代行に委任することができる。