『万葉集』19 42454247

天平五年贈入唐使歌一首<并短歌>作主未詳

4245)そらみつ  大和の国  あをによし  奈良の都ゆ  おしてる  難波に下り 住吉の  御津に船乗り  直渡り  日の入る国に  任けらゆる  我が背の君を かけまくの  ゆゆし畏き  住吉の  我が大御神  船の舳に  領きいまし 船艫に  み立たしまして  さし寄らむ  礒の崎々  漕ぎ泊てむ  泊り泊りに 荒き風  波にあはせず  平けく  率て帰りませ   もとの国家に

 

反歌一首

4246)沖つ波辺波な越しそ君が船漕ぎ帰り来て津に泊つるまで

 

阿倍朝臣老人遣唐時奉母悲別歌一首

4247)天雲のそきへの極み我が思へる君に別れむ日近くなりぬ

 

右件歌者傳誦之人越中大目高安倉人種麻呂是也。但年月次者随聞之時載於此焉。