Senshu University Library, MS2
Roman de la Rose

<解説>
『薔薇物語』は13世紀の中世フランス文学の寓意的詩であり、理想化された愛を宮廷風恋愛詩の常套的な手法で擬人化と複雑なイメージを援用して作り上げています。

『薔薇物語』の第一部は約4,000行から成りますが、13世紀前半にギョーム・ドゥ・ロリスによって書かれました。春の風景を背景として夢の形式をとってあります。恋する者は<怠惰>によって庭への入場を許されると、そこで宮廷風恋愛に登場する<礼儀>、<甘美な容貌>、<裕福>、<大歓迎>に出会います。庭の中央には理想化された恋される人の象徴である一輪の美しい薔薇(バラ)があります。

愛する者はキューピッドによって射られることによって宮廷愛における歓喜と苦悩を味わいます。恋する者が薔薇に手を伸ばそうとすると、<拒否>、<恥>、<哀れみ>、<誹謗>のような人物によって撃退されます。

『薔薇物語』の第二部は約18,000行から成り、後にジャン・ドゥ・マンによって加筆されました。

<参考文献>
Americana
Britannica
The Oxford Companion to French Literature