2025.06.25 Wed
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文・松原特任教授監督作品『黒川の女たち』
生田キャンパスで試写会開催 7月12日全国公開
文学部ジャーナリズム学科の松原文枝特任教授が監督を務めたドキュメンタリー映画『黒川の女たち』の試写会が6月13日、生田キャンパスで開かれた。学生や教職員が鑑賞し、松原特任教授が撮影エピソードや作品に込めた思いを語った。一般公開は7月12日から。東京のユーロスペース、新宿ピカデリー、横浜はシネマリン、ジャック&ベティなどをはじめ全国50館以上で順次公開される。
本学で放送学やメディア批評の授業を受け持つ松原特任教授は、テレビ朝日系列「報道ステーション」を手がけるなど、報道・制作の分野で長年活躍。映画監督は『ハマのドン』に続いて2作目。
『黒川の女たち』では、戦時下、国策で満州国に渡った黒川開拓団がたどった壮絶な運命、ソ連軍将校相手に性接待を強いられた女性たちが帰国後に受けた差別や偏見の実態を、関係者へのインタビューを中心に記録した。 上映後に登壇した松原特任教授は、「隠された史実を伝えよう、未来に残そうとする女性たちの勇気や覚悟に突き動かされて制作した。本作は彼女たちの遺言であり、多くの方に知ってもらいたい」と語った。
質疑応答では、学生から「このテーマに関心を持ったのはいつごろか」「報道に携わる立場でなかったとしても、形にして残そうと思ったか」などの質問があった。 参加した文学部2年次生は、「互いに尊敬し、支え合いながら生きる被害女性たちの姿が印象的だった。性暴力を扱った作品なので、試写会への参加をためらう気持ちもあったが、観に来て良かった」と感想を述べた。
試写会を終え、松原特任教授は、「ドキュメンタリー映画は、意識の覚醒ができる場。戦争がもたらすものとは何か。歴史と向き合うとはどういうことか。一人一人が深く考える機会にしてほしい」と、学生たちにメッセージを寄せた。

