2025.03.22 Sat
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2024年度卒業式・学位記授与式を挙行

2024年度の卒業式・学位記授与式が3月22日、東京都千代田区の日本武道館で行われた。学部卒業生3902人(うち法学部3年次生卒7人)、大学院修了生96人、法科大学院修了生9人が、専修大学で学んだ証しを胸に、晴れやかに未来への一歩を踏み出した。
式では、学部、大学院、法科大学院の各総代に学位記を授与。学術、体育などで優れた成績を収めた学生に与えられる川島記念賞では57人に賞状とメダルが贈られた。
佐々木重人学長は式辞で「コロナ禍という特殊な環境の中で、皆さん自身の創造力が鍛えられた。本学で学んだことにプライドを持って、堂々と楽しく人生を歩んでください」と激励した。
祝辞で松木健一理事長は本学の4人の創立者を紹介し、「創立者が歩んだように、社会の発展に必要なこと、そして己がなすべきことを探しながら人生を謳歌してほしい」と呼びかけた。日髙義博総長は「社会や価値観の変化は激しく、皆さんの責任は想像以上に重いかもしれない。しかし専修人の使命は社会の中にあって社会に立つこと。社会の発展に寄与することを期待している」と語った。
式では、学部、大学院、法科大学院の各総代に学位記を授与。学術、体育などで優れた成績を収めた学生に与えられる川島記念賞では57人に賞状とメダルが贈られた。
佐々木重人学長は式辞で「コロナ禍という特殊な環境の中で、皆さん自身の創造力が鍛えられた。本学で学んだことにプライドを持って、堂々と楽しく人生を歩んでください」と激励した。
祝辞で松木健一理事長は本学の4人の創立者を紹介し、「創立者が歩んだように、社会の発展に必要なこと、そして己がなすべきことを探しながら人生を謳歌してほしい」と呼びかけた。日髙義博総長は「社会や価値観の変化は激しく、皆さんの責任は想像以上に重いかもしれない。しかし専修人の使命は社会の中にあって社会に立つこと。社会の発展に寄与することを期待している」と語った。

卒業生・修了生を代表して小野夏那瑠さん(経済)が謝辞を述べた。小野さんは「あなたを表すものは、何ですか」という問いを発し、レッテルや他人からの評価に疑問を呈した。「レッテルを取り払ってみると、もっと豊かで自由な“私たち”がいるはず。専修大学での4年間、物事の本質を見極めるため、問い続けてきた。それがこれからの人生の指標になる」と述べた。そのうえで「目の前の一日を一生懸命に生きることで明日からの未来は作られる。社会の中で見えにくいものを見る力を発揮し、新たな価値を創造していく」と力強く誓った。
学部の学位記の交付は学科ごとに分かれて、神田キャンパスで行われた。教員からの祝福とともに贈られた学位記を、卒業生は満面の笑みで受け取っていた。大学院、法科大学院も神田キャンパスで学位記を交付した。
快晴の土曜日ということもあり、日本武道館には大勢のご父母・保護者が足を運び、門出を祝った。卒業生・修了生は武道館や教室、1号館前学生広場で思い出を語り合い、それぞれの旅立ちへの決意を新たにしていた。
快晴の土曜日ということもあり、日本武道館には大勢のご父母・保護者が足を運び、門出を祝った。卒業生・修了生は武道館や教室、1号館前学生広場で思い出を語り合い、それぞれの旅立ちへの決意を新たにしていた。
佐々木重人 専修大学長式辞

本日、専修大学の学部・大学院・法科大学院それぞれの課程を修了し、学位を取得された皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様にも、謹んでお慶びを申し上げます。
学部卒業生が本学に入学された2021年度の入学式は、コロナ禍で中止となった2020年度入学式との合同で挙行されました。緊急事態宣言が発出されるなかでスタートした新学期では、オンライン授業に対する対面授業の割合を徐々に増やしていくなど、皆さんの学生生活を正常化するため、試行錯誤が続きました。2023年5月に、コロナ禍が終息するまでの2年間は、様々な行動制限が課されたなかで、大学ばかりではなく、皆さんにとっても、様々な場面で危機管理能力が試され、創意工夫が求められた期間となったと思います。秋の学園祭「鳳祭」を例にとると、2020年度は、中止という決断を下しましたが、2021年度では、密を避けるため、オンラインでの開催を決め、2022年度では、適切な感染対策を採りながら、3年ぶりの対面開催が決定されました。そして、2023年度は、飲食出店も可能とし、コロナ前の状態に復活させたのです。その過程は、コロナ禍という特殊な環境のなかで、学年と人をつなぎ合わせながら、皆さん自身の創造力と復元力を鍛える機会ともなりました。そして、今、皆さんは、社会に飛び立とうとしております。
学部卒業生が本学に入学された2021年度の入学式は、コロナ禍で中止となった2020年度入学式との合同で挙行されました。緊急事態宣言が発出されるなかでスタートした新学期では、オンライン授業に対する対面授業の割合を徐々に増やしていくなど、皆さんの学生生活を正常化するため、試行錯誤が続きました。2023年5月に、コロナ禍が終息するまでの2年間は、様々な行動制限が課されたなかで、大学ばかりではなく、皆さんにとっても、様々な場面で危機管理能力が試され、創意工夫が求められた期間となったと思います。秋の学園祭「鳳祭」を例にとると、2020年度は、中止という決断を下しましたが、2021年度では、密を避けるため、オンラインでの開催を決め、2022年度では、適切な感染対策を採りながら、3年ぶりの対面開催が決定されました。そして、2023年度は、飲食出店も可能とし、コロナ前の状態に復活させたのです。その過程は、コロナ禍という特殊な環境のなかで、学年と人をつなぎ合わせながら、皆さん自身の創造力と復元力を鍛える機会ともなりました。そして、今、皆さんは、社会に飛び立とうとしております。
今年2月1日時点で、文科省と厚生労働省がまとめた大学生の就職内定率は、4年連続で上昇し、92.6%となり、コロナ禍前の水準を超える結果となりました。他方、厚生労働省の調査によると、2021年3月に大学を卒業した新卒就職者のうち、「3年以内に」離職した人は24年10月時点で、34.9%であり、直近15年の中で最も高くなりました。なぜ「3年以内の離職」の決断なのかが気になるところですが、ある専門家は、その理由について、「自分が成長している感じがしないからほかのところに行った方がいいのではないか」という声をよく聞くと述べております。
この点に関連して、本学の卒業生に係わる興味あるデータがありますので、共有したく存じます。そのデータは、24年9月に本学キャリアデザインセンターが発行した「令和6年度 卒業生の就職先からの意見聴取調査アンケート内容および報告書」です。このアンケートは、2019年度から2023年度の5年間にわたる本学卒業生が、在学中に「キャリアデザイン基礎力」をどの程度身につけ、それぞれの勤務先でいかに実践できているのかを確かめるため、かれらの就職先企業の採用担当者に直接聞いてみるという目的で実施されました。
「キャリアデザイン基礎力」とは、学習力、意思疎通力、論理的思考力、挑戦力、人間関係構築力、問題解決力の6項目で構成されています。入社3年目までの卒業生に限定してみると、意思疎通力、挑戦力、問題解決力の三つは、入社1年目で「身についている」という評価が最も高く、学習力、論理的思考力、人間関係構築力は、入社2年目で「身についている」という評価が最も高いことがわかります。しかし、入社3年目になると、4項目で「身についている」という評価が最も低く、5項目で、2年目から3年目にかけて「身についている」という評価値が大きく下落していることが確認できるのです。このことは、入社3年目になって、仕事とのマッチングなどに悩みを抱える人が相対的に多くいる可能性を示唆しております。
ところが驚くべきことに、入社4年目から5年目になると、6項目すべての値が上昇傾向に転じており、挑戦力に至っては、入社5年目の「身についている」という評価値は最高値となっているのです。
入社1年目の社員に対しては、訓練期間という目線で、企業も寛容な対応を採っていますが、2年目以降は、企業の社員としての成果が期待される一方、社員も戸惑ったり、仕事の壁を感じることも多くなると予想されます。しかし、3年目以降も企業に在職することを選んだ人は、徐々に業務にも慣れて、そのパフォーマンスを上げていく傾向がみてとれると言えそうです。3年で離職を考えるのは、ちょっと早いかもしれませんね。詳しいデータは、本学ホームページ「進路・就職データ」に載っておりますので、参考としてください。
専修大学21世紀ビジョン「社会知性の開発」とは、皆さんが専修大学で身につける知識や技能を自分だけのものとして完結させてしまうのではなく、その知識や技能を社会、すなわち家族、所属する組織ないしは地域等の諸課題の解決のためにも積極的に活用すべきというマインドを身につけることを意味しております。本学の学風とされる「質実剛健」および「誠実力行」は、何事にも自分らしく自然体で、心身を鍛えながら、誠実に人生を歩むという誓いが込められております。
専修大学の生き残り戦略は、「活躍している卒業生の姿を社会の随所で見せること」にあります。是非、本学で学んだことにプライドを持って、堂々と楽しく人生を歩んでください。本学は、今後リカレント教育にも力を注ぎたく思います。また、気楽に大学にもお越しいただきたくお願いを申しあげ、学長式辞と致します。本日は、ご卒業おめでとうございました。
この点に関連して、本学の卒業生に係わる興味あるデータがありますので、共有したく存じます。そのデータは、24年9月に本学キャリアデザインセンターが発行した「令和6年度 卒業生の就職先からの意見聴取調査アンケート内容および報告書」です。このアンケートは、2019年度から2023年度の5年間にわたる本学卒業生が、在学中に「キャリアデザイン基礎力」をどの程度身につけ、それぞれの勤務先でいかに実践できているのかを確かめるため、かれらの就職先企業の採用担当者に直接聞いてみるという目的で実施されました。
「キャリアデザイン基礎力」とは、学習力、意思疎通力、論理的思考力、挑戦力、人間関係構築力、問題解決力の6項目で構成されています。入社3年目までの卒業生に限定してみると、意思疎通力、挑戦力、問題解決力の三つは、入社1年目で「身についている」という評価が最も高く、学習力、論理的思考力、人間関係構築力は、入社2年目で「身についている」という評価が最も高いことがわかります。しかし、入社3年目になると、4項目で「身についている」という評価が最も低く、5項目で、2年目から3年目にかけて「身についている」という評価値が大きく下落していることが確認できるのです。このことは、入社3年目になって、仕事とのマッチングなどに悩みを抱える人が相対的に多くいる可能性を示唆しております。
ところが驚くべきことに、入社4年目から5年目になると、6項目すべての値が上昇傾向に転じており、挑戦力に至っては、入社5年目の「身についている」という評価値は最高値となっているのです。
入社1年目の社員に対しては、訓練期間という目線で、企業も寛容な対応を採っていますが、2年目以降は、企業の社員としての成果が期待される一方、社員も戸惑ったり、仕事の壁を感じることも多くなると予想されます。しかし、3年目以降も企業に在職することを選んだ人は、徐々に業務にも慣れて、そのパフォーマンスを上げていく傾向がみてとれると言えそうです。3年で離職を考えるのは、ちょっと早いかもしれませんね。詳しいデータは、本学ホームページ「進路・就職データ」に載っておりますので、参考としてください。
専修大学21世紀ビジョン「社会知性の開発」とは、皆さんが専修大学で身につける知識や技能を自分だけのものとして完結させてしまうのではなく、その知識や技能を社会、すなわち家族、所属する組織ないしは地域等の諸課題の解決のためにも積極的に活用すべきというマインドを身につけることを意味しております。本学の学風とされる「質実剛健」および「誠実力行」は、何事にも自分らしく自然体で、心身を鍛えながら、誠実に人生を歩むという誓いが込められております。
専修大学の生き残り戦略は、「活躍している卒業生の姿を社会の随所で見せること」にあります。是非、本学で学んだことにプライドを持って、堂々と楽しく人生を歩んでください。本学は、今後リカレント教育にも力を注ぎたく思います。また、気楽に大学にもお越しいただきたくお願いを申しあげ、学長式辞と致します。本日は、ご卒業おめでとうございました。
令和7年3月22日
専修大学 学長 佐々木 重人


