2025.02.04 Tue
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千代田学で街歩きイベント開催
神田キャンパス周辺の史跡見学

千代田区の地域特性の掘り起こしと発信を目的にした街歩きイベントが1月23日に行われ、神田キャンパスで学ぶ3学部の学生や地域の方々が参加した。「神保町・九段下の近代史に沼(ヌマ)る」と銘打ち、市民ボランティア団体「江戸東京ガイドの会」会長の星野淑子さんと副会長の小林英夫さんの案内で、神田キャンパス周辺の史跡などを巡った。

千代田区の「千代田学」に今年度採択された「千代田区の高等教育機関(大学)としての役割の検証」(研究代表:国際コミュニケーション学部小林貴徳准教授)の一環で実施。研究では、文化的な面で多様性、国際性を持つ区の特性を、大学の知のネットワークを生かし、多言語での発信を目指している。

今回のイベントでは普段何気なく見過ごしている神田キャンパス周辺の再発見と、外国人向けの東京ガイドのコツを学んだ。神田10号館を出発した参加者は最初に、登録有形文化財の旧九段会館を訪れた。1934年に完成。東日本大震災で被災し、一部保存のうえ、2022年に建て替えられた。コンクリート造に瓦葺きの屋根を冠した帝冠様式の意匠を観察し、近代建築の様式美を堪能した。
さらに北の丸公園の田安門(国指定重要文化財)、靖国神社、築土神社、滝沢馬琴硯の井戸跡などを見て回った。国際コミュニケーション学部3年次生は、「キャンパスに近いのでよく歩くが、初めて知った場所も多かった。貴重な史跡の存在があまり知られていないのはもったいない」と話した。別の学生は、「教科書で学んだ人物がこの地で生き、活躍していた歴史を感じることができた」と振り返った。

イベント後半は、教室に場所を移してミニレクチャーが行われた。ガイドの2人が、「外国人観光客から質問されることで、自国の文化や社会について改めて気づかされることがある」と仕事の醍醐味などを語った。観光業に興味があるという法学部3年次生は、「見知った事柄であっても、特別に意識を向けたり見方を変えたりすることで、さまざまな気づきを得られると分かった」と語った。
20250203千代田学_01▲旧九段会館で帝冠様式の意匠を観察する学生たち
20250203千代田学_02▲田安門の説明を聞く小林准教授(左端)と参加者
20250203千代田学_03▲古地図を手に神田キャンパス周辺を歩いた
20250203千代田学_04▲ガイドの仕事について学ぶミニレクチャーを実施