2025.01.28 Tue
ONLINETOPICS
大学で地域防災を考える
シンポ、宿泊訓練を実施

大規模災害発生を想定した研究者によるシンポジウムと、学生による宿泊訓練が12月21、22日、神田キャンパスで行われた。帰宅困難者を受け入れる場合の注意点や、実際にどう行動するか、参加者は知恵を出し合いながら、“万が一”の事態への心構えを新たにした。千代田区キャンパスコンソ(※1)との共催、千代田学(※2)共同提案事業の一環。
――防災シンポジウム――
防災シンポジウムは、「大学の学びと地域防災」がテーマ。都市防災、地域防災が専門の廣井悠東京大学先端科学技術研究センター教授と村上正浩工学院大学建築学部教授が講演した。
防災工学に取り組む本学ネットワーク情報学部の佐藤慶一教授、SKV(専修神田ボランティア)の山﨑恭稜さん(法4)、江波戸拓哉さん(法4)を加えた5人によるパネルディスカッションも行われた。大学と地域、事業者とのつながりについて意見を交換。ファシリテーターを務めた本学国際コミュニケーション学部の小林貴徳准教授が「結びつける、つなげることが大学の役割として見えてきた」と議論をまとめ、江波戸さんは「今後は他大学とのつながりを大切にし、ネットワークを広げていきたい」と展望を語った。
防災シンポジウムは、「大学の学びと地域防災」がテーマ。都市防災、地域防災が専門の廣井悠東京大学先端科学技術研究センター教授と村上正浩工学院大学建築学部教授が講演した。
防災工学に取り組む本学ネットワーク情報学部の佐藤慶一教授、SKV(専修神田ボランティア)の山﨑恭稜さん(法4)、江波戸拓哉さん(法4)を加えた5人によるパネルディスカッションも行われた。大学と地域、事業者とのつながりについて意見を交換。ファシリテーターを務めた本学国際コミュニケーション学部の小林貴徳准教授が「結びつける、つなげることが大学の役割として見えてきた」と議論をまとめ、江波戸さんは「今後は他大学とのつながりを大切にし、ネットワークを広げていきたい」と展望を語った。


――ワークショップ――
専修大学版帰宅困難者支援施設運営ゲーム「SーKUG」のワークショップを実施した。
千代田学共同提案事業における専修大学の共同研究者である小林准教授とSKVで事前に「SーKUG」を作成。12月21日当日は、SKVの1,2年次メンバーを中心に約30人が参加した。「旅行中に被災した50~60代のグループ」「けがをした男性」「盲導犬を連れた視覚障がい者」など、さまざま状況の被災者を、受け入れるかどうか、受け入れ場所、注意点などを相談しながら、施設運営を疑似体験した。
参加メンバーは「外国人への対応など、SーKUGで考え直さなければならない点もあると気付かされた。今回のイベントでは、イメージすることの大切さを知ることができた」と振り返った。
専修大学版帰宅困難者支援施設運営ゲーム「SーKUG」のワークショップを実施した。
千代田学共同提案事業における専修大学の共同研究者である小林准教授とSKVで事前に「SーKUG」を作成。12月21日当日は、SKVの1,2年次メンバーを中心に約30人が参加した。「旅行中に被災した50~60代のグループ」「けがをした男性」「盲導犬を連れた視覚障がい者」など、さまざま状況の被災者を、受け入れるかどうか、受け入れ場所、注意点などを相談しながら、施設運営を疑似体験した。
参加メンバーは「外国人への対応など、SーKUGで考え直さなければならない点もあると気付かされた。今回のイベントでは、イメージすることの大切さを知ることができた」と振り返った。
――宿泊訓練――
本学は2005年に千代田区と大規模災害時における協力基本協定を結んでいる。協定では、地域住民、帰宅困難者等への一時的な施設の提供を定めており、SKV(専修神田ボランティア)ではこれまで避難所運営マニュアルなどを作成してきた。
災害発生を想定し、本学施設を利用した宿泊訓練は初の試みとなる。SKVの学生24人に加え、佐竹弘靖学生部長(ネットワーク情報学部教授)も参加した。1号館地下3階の体育館を拠点に、学生たちは5班に分かれ、さまざまな活動に取り組んだ。
午後5時過ぎ、緊急地震速報から訓練を開始。災害救助用の毛布、アルファ米や飲料水などを受け取ったあと、段ボールや新聞紙、ビニール袋などを利用した寒さ対策を行い、簡易トイレを制作した。食事も防災食で、水を入れて60分待ち、出来上がったアルファ米に「意外とおいしい」などの感想があった。
訓練の一環として、停電も体験した。突然、体育館の電気が消えると、SKVのメンバーは、とっさに水入りのペットボトルにスマホのライトをあてて簡易照明とするなど、これまで学んできた知識を生かして対応した。その後、簡易照明を頼りに地下3階から地下1階までの動線を確認。実際に暗闇の中を歩くことで、想定される危険について考えた。
体育館で一夜を過ごした学生たちは翌朝、避難所ではエコノミークラス症候群になる確率が高いという事例があることから、参加者全員でラジオ体操を実施し、それから防災食の朝食となった。最後は全員でフィードバックを行い、それぞれが感じたことや、検討課題などを報告した。
SKV代表の萩原陸仁さん(商3)は「例えば床の硬さ、体に巻いた保温用のアルミシートのこすれる音など、机上の計画では分からなかった、心と体のしんどさを実感できた。今後、避難所運営に関わる機会があれば、被災者に寄り添って行動したい」と語った。
本学は2005年に千代田区と大規模災害時における協力基本協定を結んでいる。協定では、地域住民、帰宅困難者等への一時的な施設の提供を定めており、SKV(専修神田ボランティア)ではこれまで避難所運営マニュアルなどを作成してきた。
災害発生を想定し、本学施設を利用した宿泊訓練は初の試みとなる。SKVの学生24人に加え、佐竹弘靖学生部長(ネットワーク情報学部教授)も参加した。1号館地下3階の体育館を拠点に、学生たちは5班に分かれ、さまざまな活動に取り組んだ。
午後5時過ぎ、緊急地震速報から訓練を開始。災害救助用の毛布、アルファ米や飲料水などを受け取ったあと、段ボールや新聞紙、ビニール袋などを利用した寒さ対策を行い、簡易トイレを制作した。食事も防災食で、水を入れて60分待ち、出来上がったアルファ米に「意外とおいしい」などの感想があった。
訓練の一環として、停電も体験した。突然、体育館の電気が消えると、SKVのメンバーは、とっさに水入りのペットボトルにスマホのライトをあてて簡易照明とするなど、これまで学んできた知識を生かして対応した。その後、簡易照明を頼りに地下3階から地下1階までの動線を確認。実際に暗闇の中を歩くことで、想定される危険について考えた。
体育館で一夜を過ごした学生たちは翌朝、避難所ではエコノミークラス症候群になる確率が高いという事例があることから、参加者全員でラジオ体操を実施し、それから防災食の朝食となった。最後は全員でフィードバックを行い、それぞれが感じたことや、検討課題などを報告した。
SKV代表の萩原陸仁さん(商3)は「例えば床の硬さ、体に巻いた保温用のアルミシートのこすれる音など、机上の計画では分からなかった、心と体のしんどさを実感できた。今後、避難所運営に関わる機会があれば、被災者に寄り添って行動したい」と語った。




※1千代田区内近接大学の高等教育連携強化コンソーシアム 近接する6大学2短大(大妻女子大・大妻女子大短期大学部、共立女子大・共立女子短期大、専修大、東京家政学院大、二松学舎大、法政大)と、行政、産業界が連携して、教育や地域発展に資するさまざまな取り組みを行う。
※2千代田学 千代田区内の大学が、区のさまざまな事象を多様な切り口で調査・研究する。共同提案事業は、複数の大学が協力して行う。24年度は千代田キャンパスコンソ加盟の8校で、「大規模災害時における学生ボランティアの育成とネットワーク化に関する研究」を実施している。
※2千代田学 千代田区内の大学が、区のさまざまな事象を多様な切り口で調査・研究する。共同提案事業は、複数の大学が協力して行う。24年度は千代田キャンパスコンソ加盟の8校で、「大規模災害時における学生ボランティアの育成とネットワーク化に関する研究」を実施している。